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静岡大学の教育改革・ガバナンス改革(平成27年4月) 学術院の設置 本機構は、学生教育や学生支援、国際交流等を担う各センターと学部・大学院の各部局とが相互に連携し、全学的な視点か ら学生教育にあたる体制を確立することをめざして、設置しました。 入学時の学力と入学後の成績の関係、大学のカリキュラムがどのような学修成果をあげているかについての分析、健康、食 生活からアルバイト、課外活動に至るまで多様な生活面での課題、在学中の成績と就職後に求められる資質・能力との関係 等、入口から出口までの一貫したデータに基づく入試改革、教育改革、学習支援、学生生活支援、就職支援等が今ますます求 められています。これまでは各部門が連携してこのような問題に取組む体制が欠けていましたが、本機構の設置によって学生 生活をトータルに見通した学生教育にあたることが可能となります。 また教育の国際化への対応も今回の機構設置の大きな要因です。平成27年度からは、本学の教育面での国際戦略の中核とな るアジアブリッジプログラムが開始され、学士・修士の双方でアジア各国から留学生を迎え、またこれに合わせて英語によっ て提供される授業の範囲も拡 大されます。このようななか で、日本人学生に対する教育 と留学生教育、海外への学生 派遣と海外からの学生受入れ は生活面での支援や就職支援 等も含めて相互に関連する場 面がますます多くなることが 予想されます。この点でも、 各センター、部局が情報を共 有し、一体的な体制でのぞむ ことが求められおり、本機構 のなかに「グローバル企画推 進室」をおいて、これらの業 務を統括します。 静岡大学では、平成25年に文部科学省から示された「国立大学改革プラン」に基づき、大学内の教育研究組織等のより合理的 な運営ができるよう、大幅な組織再編を行う予定です。その一環として、これまでの教育研究組織から教員の所属を切り離し、新 たな教員の所属組織として「学術院」を設置しました。 その目的は、経済社会の国際化や社会的ニーズ及び高齢化等の社会構造の急速な変化等に応じて、教育研究組織の組織改革や 教育研究等を迅速かつ効果的に進めるに当たって、限られた教員を柔軟に配置する体制を構築するためです。 具体的には、現在の学部に対応した6つの「領域」 (人文社会科学領域、教育学領域、情報学領域、理学領域、工学領域、農学領域) のほか、学内共同教育研究施設の教員やアジアブリッジプログラム等の新しいシステムに対応した教員等のために新たに「融合・ グローバル領域」を設置します。各領域には、学長が指名する領域長のほか、領域長が指名する副領域長が置かれます。また、各領 域には、必要に応じて小領域の「系列」を置くこともできます。専任教員はこの学術院のいずれか一つの領域に所属し、学部及び大 学院教育のほか、全学共通教育、研究所の研究業務、全学共通部署の職務等、いずれかの教育研究組織の教育研究及び管理運営等 の職務を「主担当」として担います。また、主担当ではない教育研究組織の職務等においても、その要請があった場合には、領域の 審議を経て副担当という形で授業等を担当することができるようになります。各領域には領域長を議長とする「領域会議」を設置 し、教育研究に関する諸事項や社会連携に関する諸事項を審議します。 また、この学術院は、各教員の活動実績報告に基づき、教育研究等に関する個人業績評価を行うほか、各学部及び大学院教育や 研究所の研究業務、全学共通部署の職務等に配置している教員の状況を踏まえ、教員の任命や昇任に関する人事の計画を立案す る機能を担うことも予定しています。 この学術院の設置により、各教員は これまでのような学部や大学院等の 枠に捉われず、教員自身の専門や担当 する職務に応じて、全学的な観点から 最も適切な配置が可能となるととも に、大学全体の教育研究や管理運営等 の職務をより柔軟に行うことも可能 になり、本学が進めている大学全体の 組織改革の一端を大きく担うことと なります。 全学教育基盤機構の設置 教員所属組織(学術院)〈イメージ図〉

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静岡大学の教育改革・ガバナンス改革(平成27年4月)

学術院の設置

 本機構は、学生教育や学生支援、国際交流等を担う各センターと学部・大学院の各部局とが相互に連携し、全学的な視点から学生教育にあたる体制を確立することをめざして、設置しました。 入学時の学力と入学後の成績の関係、大学のカリキュラムがどのような学修成果をあげているかについての分析、健康、食生活からアルバイト、課外活動に至るまで多様な生活面での課題、在学中の成績と就職後に求められる資質・能力との関係等、入口から出口までの一貫したデータに基づく入試改革、教育改革、学習支援、学生生活支援、就職支援等が今ますます求められています。これまでは各部門が連携してこのような問題に取組む体制が欠けていましたが、本機構の設置によって学生生活をトータルに見通した学生教育にあたることが可能となります。 また教育の国際化への対応も今回の機構設置の大きな要因です。平成27年度からは、本学の教育面での国際戦略の中核となるアジアブリッジプログラムが開始され、学士・修士の双方でアジア各国から留学生を迎え、またこれに合わせて英語によって提供される授業の範囲も拡大されます。このようななかで、日本人学生に対する教育と留学生教育、海外への学生派遣と海外からの学生受入れは生活面での支援や就職支援等も含めて相互に関連する場面がますます多くなることが予想されます。この点でも、各センター、部局が情報を共有し、一体的な体制でのぞむことが求められおり、本機構のなかに「グローバル企画推進室」をおいて、これらの業務を統括します。

 静岡大学では、平成 25年に文部科学省から示された「国立大学改革プラン」に基づき、大学内の教育研究組織等のより合理的な運営ができるよう、大幅な組織再編を行う予定です。その一環として、これまでの教育研究組織から教員の所属を切り離し、新たな教員の所属組織として「学術院」を設置しました。 その目的は、経済社会の国際化や社会的ニーズ及び高齢化等の社会構造の急速な変化等に応じて、教育研究組織の組織改革や教育研究等を迅速かつ効果的に進めるに当たって、限られた教員を柔軟に配置する体制を構築するためです。 具体的には、現在の学部に対応した6つの「領域」(人文社会科学領域、教育学領域、情報学領域、理学領域、工学領域、農学領域)のほか、学内共同教育研究施設の教員やアジアブリッジプログラム等の新しいシステムに対応した教員等のために新たに「融合・グローバル領域」を設置します。各領域には、学長が指名する領域長のほか、領域長が指名する副領域長が置かれます。また、各領域には、必要に応じて小領域の「系列」を置くこともできます。専任教員はこの学術院のいずれか一つの領域に所属し、学部及び大学院教育のほか、全学共通教育、研究所の研究業務、全学共通部署の職務等、いずれかの教育研究組織の教育研究及び管理運営等の職務を「主担当」として担います。また、主担当ではない教育研究組織の職務等においても、その要請があった場合には、領域の審議を経て副担当という形で授業等を担当することができるようになります。各領域には領域長を議長とする「領域会議」を設置し、教育研究に関する諸事項や社会連携に関する諸事項を審議します。 また、この学術院は、各教員の活動実績報告に基づき、教育研究等に関する個人業績評価を行うほか、各学部及び大学院教育や研究所の研究業務、全学共通部署の職務等に配置している教員の状況を踏まえ、教員の任命や昇任に関する人事の計画を立案する機能を担うことも予定しています。 この学術院の設置により、各教員はこれまでのような学部や大学院等の枠に捉われず、教員自身の専門や担当する職務に応じて、全学的な観点から最も適切な配置が可能となるとともに、大学全体の教育研究や管理運営等の職務をより柔軟に行うことも可能になり、本学が進めている大学全体の組織改革の一端を大きく担うこととなります。

全学教育基盤機構の設置

教員所属組織(学術院)〈イメージ図〉

■学 章University Logo

学章のデザインは、静岡大学から眺められる宝永山がある表富士を背景に、手前の連なるうねりで遠州灘や駿河湾の波濤を表す構図とし、この雄大な景観の地に位置する本学を表現しています。

The university logo depicts the magnificent scenery surrounding the university. The image of Mt.Fuji appears in the background. With Mt.Hoei, a peak that can be seen from campus, in front of it. The waves in the foreground represent the Sea of Enshu and Suruga Bay.

■キャンパスキャラクター(しずっぴー)Campus Character (Shizuppi)

本校のキャラクターとして平成17年に正式に誕生した「しずっぴー」。その活躍の場は多岐に渡っています。様々なグッズ等も作製されており、今後の活躍にますます期待が寄せられています。

しずっぴー Shizuppi

Our philosophy “Freedom and Enlightenment” and “Creation of the Future”

表紙_CS5.5.indd 2 15/06/15 13:26