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シンガポールで数ある観光資源の中では、必ずあげられるひとつが「食」。その中で手ごろな値段でおいしい食を提供してくれるのが 「ホーカーセンター(H a w k e r C e n t r e)」、日本風にいえば屋台村です。基本的にウェットマーケットと併設されていて、シンガポーリアンの 生活にはなくてはならないものです。 シンガポール政府はシンガポーリアンの食堂・台所であるホーカーセンターをU N E S C O無形文化遺産として登録することを目指してい ます。もし登録が決まればシンガポールで初めての無形文化遺産となり、世界遺産として登録されたシンガポールボタニックガーデンに続 く2つ目のUNESCO登録となります。現在、このUNESCO登録を目標にあちらこちらのホーカーセンターで1月末まで署名活動を行ってお り、参加するとポストカードなどを貰えます。ホーカーセンターの歴史を知ることも出来ます。 マックスウェル・フードセンター(Maxwell Food Centre) 第二次世界大戦後の貧しい時代に、旧シンガポール社会福祉機 関が貧しい人々や被災者に対して、安く食事を提供するために作ら れた場所のひとつです。今では、シンガポールの美食を代表するひ とつとなっており、隣り合うチキンライス店のせめぎ合いなどでも有 名です。またピサンゴレン(バナナのてんぷら)のおいしい店もありま す。おすすめはもちろんチキンライス。 所在地:1Kadayanallur Street 最寄駅:MRT EW線 Tanjong Pagar駅 史蹟史料部 歴史友の会 チャイナタウン・マーケット(Chinatown Market) ~一番店舗数が多いホーカーセンター~ テッカ・センター(Tekka Centre) リトルインディアにあるテッカ・センターは、1915年に「Kandang Kerbau Market」として知られていました。Kandang Kerbauとは 「バッファロー柵」を意味し、その材質は竹です。場所柄、インド系の 料理が多く提供され、2階には色とりどりのサリーがところ狭しと並 べられ、販売されています。フィッシュヘッドカレーがおすすめです。 所在地:665 Buffalo Road 最寄駅:MRT NE線/DT線 Little India駅 そのなかで、もっとも店舗数も多いホーカーセン ター*1が、チャイナタウンにあるチャイナタウン・ マーケット(Chinatown Market) M R T東西線(E a s t-W e s t L i n e)・北東線 (North-East Line)のチャイナタウン駅のA出口 から少し歩いたところにあります。 中に入ると、中国本土さながらの熱気にあふれ た空間がひろがり、約260店舗もの屋台がひし めき合っています。中華ローカル料理である、チリ クラブやブラックペッパークラブをはじめ、魚 介 類B B Qやチキンウィング、ホッケンミー、チャーク エテオ、チキンライス、キャロットケーキ、デザート も…。もちろん、少数ですがムスリム料理やインド 料 理などもあります。ここの有 名どころは、チキン ライス。ミシュランの星を獲得した店舗もここにあ ります。 所在地:335 Smith Street 最寄駅:MRT NE線/DT線 Chinatown駅

チャイナタウン・マーケット(Chinatown Market)マーケット(Chinatown Market)。MRT東西線(East-West Line)・北東線 (North-East Line)のチャイナタウン駅のA出口

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Page 1: チャイナタウン・マーケット(Chinatown Market)マーケット(Chinatown Market)。MRT東西線(East-West Line)・北東線 (North-East Line)のチャイナタウン駅のA出口

 シンガポールで数ある観光資源の中では、必ずあげられるひとつが「食」。その中で手ごろな値段でおいしい食を提供してくれるのが「ホーカーセンター(Hawker Centre)」、日本風にいえば屋台村です。基本的にウェットマーケットと併設されていて、シンガポーリアンの生活にはなくてはならないものです。 シンガポール政府はシンガポーリアンの食堂・台所であるホーカーセンターをUNESCO無形文化遺産として登録することを目指しています。もし登録が決まればシンガポールで初めての無形文化遺産となり、世界遺産として登録されたシンガポールボタニックガーデンに続く2つ目のUNESCO登録となります。現在、このUNESCO登録を目標にあちらこちらのホーカーセンターで1月末まで署名活動を行っており、参加するとポストカードなどを貰えます。ホーカーセンターの歴史を知ることも出来ます。

マックスウェル・フードセンター(Maxwell Food Centre) 第二次世界大戦後の貧しい時代に、旧シンガポール社会福祉機関が貧しい人々や被災者に対して、安く食事を提供するために作られた場所のひとつです。今では、シンガポールの美食を代表するひとつとなっており、隣り合うチキンライス店のせめぎ合いなどでも有名です。またピサンゴレン(バナナのてんぷら)のおいしい店もあります。おすすめはもちろんチキンライス。所在地:1Kadayanallur Street最寄駅:MRT EW線 Tanjong Pagar駅

史蹟史料部 歴史友の会

チャイナタウン・マーケット(Chinatown Market)~一番店舗数が多いホーカーセンター~

テッカ・センター(Tekka Centre) リトルインディアにあるテッカ・センターは、1915年に 「Kandang Kerbau Market」として知られていました。Kandang Kerbauとは

「バッファロー柵」を意味し、その材質は竹です。場所柄、インド系の料理が多く提供され、2階には色とりどりのサリーがところ狭しと並べられ、販売されています。フィッシュヘッドカレーがおすすめです。所在地:665 Buffalo Road最寄駅:MRT NE線/DT線 Little India駅

 そのなかで、もっとも店舗数も多いホーカーセンター*1が、チャイナタウンにあるチャイナタウン・マーケット(Chinatown Market)。

M R T東西線(E a s t-We s t L i n e)・北東線(North-East Line)のチャイナタウン駅のA出口から少し歩いたところにあります。 中に入ると、中国本土さながらの熱気にあふれた空間がひろがり、約260店舗もの屋台がひしめき合っています。中華ローカル料理である、チリクラブやブラックペッパークラブをはじめ、魚介類BBQやチキンウィング、ホッケンミー、チャークエテオ、チキンライス、キャロットケーキ、デザートも…。もちろん、少数ですがムスリム料理やインド料理などもあります。ここの有名どころは、チキンライス。ミシュランの星を獲得した店舗もここにあります。所在地:335 Smith Street最寄駅:MRT NE線/DT線 Chinatown駅

Page 2: チャイナタウン・マーケット(Chinatown Market)マーケット(Chinatown Market)。MRT東西線(East-West Line)・北東線 (North-East Line)のチャイナタウン駅のA出口

ピープルズパーク・フードセンター(People’s Park Food Centre) こちらもチャイナタウン・マーケット同様、行商人のために建てられました。このホーカーは、1923年から行商人が集まるマーケットが拡大していき、1960年代終わりにはシンガポールで最大のマーケットとなりました。2005年には改装工事されました。おすすめは小籠包と餃子です。所在地:32 New Market Street最寄駅:MRT NE線/DT線 Chinatown駅

アダム・フードセンター(Adam Food Centre)  1980年代に警察官がパトロール途中や、近隣の学生たちの昼休憩場所として有名になった場所。日本人会会館からも歩いていけます。中は円形で、特徴的なつくりです。ここで有名なのは、「SELERA RASA NASI LEMAK」のナシレマ。リー・クアンユー、シェンロン父子も並んで食べたとか食べてないとか…。日本人会会館にお越しになった際は、立ち寄ってみるのもいいかもしれません。ぜひナシレマを食べてみてください。所在地:2 Adam Road最寄駅:MRT DT線/CC線 Botanic Gardens駅

ラオパサ・フェスティバルマーケット(Lau Pa Sat Festival Market) 大きな時計と、上から見ると八角形の外観がシンボルマークとなっているビクトリア朝の建物。1894年に市場として完成。その後、1973年からホーカーに衣替えしました。゙ lau pa sat″は福建語でold marketに意味です。 2014年に大々的な改築工事が完成し、座席数は2,500席となりましたが、店の数は60店ほどとそれ程多くありません。オフィス街にあるので、平日の昼間はビジネスマンでごった返すほどの人気ぶり。特徴は色々な国の料理がまんべんなくあることです。名物といえば日没後のサテー。Bonn Tat Street側がサテー通りとなります。所在地:18 Raffles Quay最寄駅:MRT NS線/EW線 Raffles Place駅

ニュートン・フードセンター(Newton Food Centre) シンガポールが「ガーデンシティー」を標榜する際、その政策を補うために作られたホーカーセンターの最初のものです。現在では、魚介類BBQを提供するお店がひしめき、観光客が多く訪れるホーカーセンターのひとつです。おすすめはチリクラブです。所在地:500 Clemenceau Avenue North最寄駅:MRT NS線/DT線 Newton駅

ブロック51・オールドエアポートロード(Block 51 Old Airport Road) 1973年に完成し、当時最新式の建築技術を駆使したホーカーとして人々に知られています。1937年にシンガポール(当時のイギリス海峡植民地)初の民間飛行場として開港した「カラン空港」の通りの名前を冠しています。その大きな平面屋根の構造は、周りの住居からの光を反射する構造になっているとのこと。ホッケンミー、ローミー、豆花が有名です。所在地:51 Old Airport Road最寄駅:MRT CC線 Dakota駅

ティオンバル・マーケット(Tiong Bahru Market) 1951年に「Seng Poh Road Market」としてオープンしました。このマーケットは、日本でいう公民館のような機能を有していて、地域の会議や政治的な集会が行われていました。 現在ではきれいに改築され、中央に大きな広場・吹き抜けをもつホーカーセンターとなっています。1階のウェットマーケットでは、日本人が生鮮肉を買う姿が多くみられます。おすすめはローミー。所在地:30 Seng Poh Road 最寄駅:MRT EW線 Tiong Bahru駅

*1 環境水資源省(Ministry of the Environment and Water Resources)ホームページ

文責・写真:史蹟史料部 歴史友の会 田中基羊・斉藤健