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(4) 2015 年 8 月 2 日(日曜日) 東 京 民 報 年 11 月 12 日 第三種郵便物認可) 鹿75 ︿鹿80 ︿41 10 使姿退64 65 寿寿寿60 15 30 10 Journal of Cordiology 2008;52 76 Journal of Cordiology 2009;53) 60 和温療法 心不全の改善 閉塞性動脈硬化症の改善 心機能の改善、全身 の血流増加、一酸化 窒素(血管拡張物質) の産生、血管内皮機 能の改善、酸化スト レスの軽減など 自律神経およ び神経体液性 因子の是正 心身の リラックス 心不全に対する和温療法の予後改善効果 慢性心不全患者を5年間追跡 非和温療法群(65 例) 和温療法群(64 例) 追跡期間 1 人用の和温療法室(室内がほぼ均等の 60 度に設定された遠赤 外線乾式サウナ室)がこれ、と鄭忠和所長。「和温療法の臨床 応用は多彩で、心不全以外にも難治性疾患(閉塞性動脈硬化症、 繊維筋痛症、筋痛性脳脊髄炎、唾液分泌不全症、術後イレウス など)に効果を発揮しています」(心不全に対する和温療法は 先進医療として承認されました) 退Journal of Cordiology 2009;53:214-218

慢性心不全に〝和温療法〞 - waon-therapy.com · る『名作落語三人選』が代表人の国策落語が収録されてい亭金馬、七代目林家正蔵の三代表柳家金語楼と三代目三遊

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(4)2015 年 8月 2日(日曜日)東 京 民 報(1965 年 11 月 12 日 第三種郵便物認可)第 1899 号

レビ、大新聞の責任が大き

い。そもそも憲法解釈を変

更する閣議決定をしたのは

昨年7月だ。あのとき、大

手マスコミがもっと批判の

声をあげていたら、すんな

りとはいかなかっただろ

う。

 3人の憲法学者が憲法違

反だと国会で発言してから

「安倍の暴走だ」とか批判っ

ぽいことを言っているが、

遅いのだ。

私も一言

  東久留米市 依田丈治

 武蔵村山市の教科書問題

の現状を「民報」で拝見。

育鵬社の教科書は安倍内閣

の政策を押し付けるもので

教育の政治的中立を侵す偏

向した内容と思います。

  武蔵野市 前田秀紀

 高畑勲氏(映画監督)の

講演を聞いた。ダラダラ人

間が多くなっていると話さ

れ、退職後ちょっとダラダ

ラしている自分にハッとし

た。思考回路だけはダラダ

ラしないぞー。

医者通い大変

健康でいたい

  日野市 小形万里子

 梅雨が明け、猛烈な暑さ。

高齢者にとってはとても大

変な時期で、体がいうこと

をきかず、めまい、耳鳴り

などで医者に行くのも大変

です。

 今の安倍内閣の国民不在

の政治には怒り心頭ですが、

医療費などが少しでも少な

くなるよう、健康には注意

して、友人たちとおしゃべ

りができる機会が少しでも

増えればいいなあと思う。

戦争法案採決

大新聞の責任

  小平市 佐藤孝

 多くの国民が反対してい

るのに、戦争法案が衆議院

を通過してしまったのはテ

高尾山の美しいヤマユリ

 退職後は友だちと高尾山健康登山を楽しんでいます。今年は雨続きで、咲き始めのヤマユリが見られました。  (足立区・仲恵子)

蔵。のちの彦六)、六代目三

遊亭圓生というバリバリの古

典派三人の国策落語が収録さ

れた『新作落語名人三人集』

もあることです。

 雑誌・落語本だけでなく、

レコードもつくられ、ラジオ

からも国策落語が放送されて

います。実際の高座ではどう

だったのでしょうか。

高座で演じられていた

 当時の落語を聴いていた年

配の方の話や、当時の新聞記

録などを見ると、実際の寄席

など高座で国策落語は演じら

れていることがわかります。

 一九五○(昭和二十五)年

発行の『昭和の名人会』とい

う小冊子があります。これは、

阪急東宝グループの創業者小

林一い

ちぞう三の喜寿のお祝いに、東

宝名人会の演出をしていた秦

豊吉が私的に非売品で三百部

だけ作成した貴重なもので

す。ここに一九三四(昭和九)

年から一九四四(昭和十九)

年までの東宝名人会の由来が

記されています。

 東宝名人会とは、東宝が東

京で手がけた演芸公演で、一

九三四(昭和九)年に東宝小

劇場で第一回名人会が行わ

れ、二○○五年まで続きまし

た。落語の常設館である寄席

と同じように常設で落語など

演芸を提供していました。

 さてその小冊子『昭和の名

人会』には、一九三九(昭和

一四)年四月二十六日に初代

柳家権太楼が「空中戦」、同

年五月四日には、昔々亭桃太

郎が「出征長屋」、五月六日

には、三代目三遊亭金馬が「防

空演習」、五月七日には、柳

家権太楼が「長屋全権」とい

う国策落語を演じたことが記

されています。

 一九四○(昭和十五)年七

月七日は満州事変三周年とな

り、「軍部の指図により軍事

的な上演を余儀なくされ、名

人会のような泰平の逸民の国

体にも、出し物の上に名前だ

けでも戦争的なものが現れて

いる」と記され、「出征」「戦

線の話」「支那語」などが演

じられていたことが書かれて

います。

 寄席では古典落語が中心で

あったとはいえ、その中で国

策に順応した落語をつくり演

じさせられていたのです。

 戦前・戦中の日本は、一方

に禁演落語があり、もう一方

に国策落語がある落語家にと

っても聴衆にとっても暗い時

代でした。その歴史は「戦争

する国」にしてはならないこ

とを私たちに教えています。

(かしわぎしん・演芸評論家)

第五十話 戦争と落語(その二)

落語こぼれ話

落語こぼれ話

落語こぼれ話

柏木 新

国策落語を演じていたことが明記されている小冊子

『昭和の名人会』

国策落語掲載の雑誌・本

 国策落語を掲載した戦前の

雑誌としては、『キング』『講

談倶楽部』(どちらも講談社

の前身、大日本雄弁会講談社

からの発行)、産業組合中央

会家の光編集部が発行した

『家の光』などがありました。

 落語本としては、新作派の

代表柳家金語楼と三代目三遊

亭金馬、七代目林家正蔵の三

人の国策落語が収録されてい

る『名作落語三人選』が代表

的なものです。

 柳家金語楼は本人によると

五百余種というように、戦前

多くの新作落語をつくり、自

分の落語本を十数種類出版し

ており、その中にも国策落語

が収録されています。

 びっくりするのは、古典落

語「野ざらし」などが得意だ

った三代目春風亭柳好、五代

目蝶花楼馬楽(八代目林家正

125

 1989年1月、鹿児島

市の総合病院病室―。

 男性患者(75)は心不全

の末期でした。口癖は、「死

ぬ前に一度でもいいから温

泉に入りたい」。

 心不全の重症度は軽度か

ら順にⅠ〜Ⅳ度の4段階。

 男性患者はⅣ度で、ちょ

っと動いても呼吸困難に陥

る状態でした。

 ︿温泉なんて無理、不用

意に入ったら命を落とす﹀

 しかし、と循環器専門医

として担当した鄭医師(当

時、鹿児島大学病院霧島リ

ハビリテーションセンター

在籍)。「なんとか望みをか

なえてあげたい」

 80年代、心不全の治療に

は血管拡張薬が有効という

報告が続いていました。

 ︿入浴で血管は拡張する。

血管拡張薬の作用と同じ﹀

 さっそく医学生を対象に

入浴実験を重ねました。

 安全で、気持ちいいと感

じるのは、湯温41度、浸か

る時間10分でした。

 6カ月が過ぎ、男性患者

の心不全は進行していまし

た。余命はわずか。入浴の

体を心地よく温めます」

 心地よく温める?

 「ええ。これまで千人を

超える心不全患者(重症例

も含む)の臨床経験から安

全性と有効性が十分に確認

されています」

 『慢性心不全治療ガイド

ライン』(2010年改訂

意思を再度確認すると、「入

りたい」。

 自動昇降式浴槽を使い、

浴槽には近くの霧島温泉の

湯を入れて。男性患者は寝

たまま、上半身をやや起こ

した姿勢で入浴へ。

 これで心臓への負担を最

小限にできます。

 万が一に備え、鄭医師は

電気ショック(心室細動を

正常なリズムに戻す)のパ

ッドを両手に持ちました。

 浴槽を少しずつ上昇させ

全身に湯が浸ったときでし

た。男性患者はゆっくりと

大きな深呼吸をしました。

 「悪い予感でした。ご臨

終か。茫然としました。常

識に反して入浴させた私の

医師生命は終わった…」

 ところが、横のモニター

心電図は"異状なし"。

 振り向くと男性患者は合

掌して、涙をぽろっと落と

しました。「先生、もうい

つ死んでもよかです」

 予想外はその後でした。

 毎日、自動昇降式浴槽の

温泉に入って1カ月もする

と病棟内を歩き、2カ月後

には退院できたのでした。

 「劇的な回復でした。ひ

ょっとしたら、体を温める

入浴は慢性心不全に対する

新たな治療法になるかもし

れない。入浴の安全性と効

果の解明に本格的に取り組

みました」

週2回)64人と、実施しな

い群65人を比較。

 実施群は非実施群と比

べ、"心不全に伴う再入院

および心臓死が少なかっ

た"。

 つまり、長生きして、生

活の質を落とさない!

 重症心不全患者は長期入

院や安静の生活です。

 それが和温療法で心地よ

い発汗で気分そう快、食欲

が出て不眠も改善します。

 実際、和温室に入ると、

あったか。気持ちいい。

 「心不全があっても元気

で明るく。和温療法は安全

で副作用なし。その応用は

幅広く、高齢化社会におい

ては長寿を支援する福寿

(介護寿命を幸せにする)

医療と考えています」

 重症心不全患者の入浴例

を重ねていくと、限界も明

らかになってきました。

 水圧の影響で心臓に戻る

血液量が増え、心内圧(心

臓内の圧力)が上昇、心臓

に負担がかかるのでした。

 "水圧をかけない"。その

発想から生まれたのが"乾

式サウナ"でした。

 遠赤外線均等乾式サウナ

治療装置(和温室)を開発

しました。

 和温室で心機能などを記

録しながらサウナ浴の温

度・時間を検討しました。

 結論(和温療法)です。

 ①温め サウナ室内の天

井と床までほぼ均一の室温

60度に設定し、15分間全身

を均等に温める。(深部体

温が平均1度上昇する)

 ②保温 出浴後は30分

間、毛布にくるまって安静

にして保温。この間、"和

温効果"は持続する。

 ③水分 発汗に見合う水

分を補給し、終了。

 和温効果の特徴を、鄭所

長はいいます。「全身の血

管(動脈および静脈)は拡

張し、血管抵抗は減少しま

す。その結果、心拍出量(1

分間に心臓から送り出す血

液量)を増やして、血液の

循環をよくし、心不全症状

を改善します」

 国内10施設の共同研究

の報告です。(Journal of

Cordiology 2008;52

 慢性心不全患者を和温療

法実施群(1日1回2週間)

112人と実施しない群76

人に分けて比較。

 実施群は非実施群と比

べ、"症状、心機能・心拍

出量とも改善した"。

 もう一つ、5年間追跡

の報告を。(Journal of

Cordiology 2009;53)

 慢性心不全患者を和温療

法実施群(外来で1日1回、

 心臓が悪くてねえ。心不全です。治療は主に薬で。

追加・併用して、やってみたくなる治療法があるのだ、

と。"和温療法"です。         (上野敏行)

 心臓の働きが低下し、血

液を十分に送れない。

 動けば息切れ、呼吸が苦

しいし、疲れやすい。

 最悪、心臓死です。

 だから、心臓に負担がか

かるのはダメ。なにかと日

常生活の制限も多い。

 こんな慢性心不全の発症

は老年期に急増し、年と共

に予後(将来の病気の見通

し)が悪化するとか。

 老年期、その始まりは団

塊世代のわれらですよ。

 まあ、発症は仕方ないに

しても、治療できることは

積極的に努力したい。

 その最新治療事情です。

 多くは病気の原因に挑み

勝利をめざす。確かに進歩

です。けれども、時に患者

にはかなりの痛みと苦しみ

を強いてしまいがちです。

 患者はというと、病気か

ら回復・改善するなら、と

期待し、受け入れていく。

 そもそも、そう快で、心

地よく、笑みがこぼれるよ

うな治療なんてない。

 いやいや、"和温療法"

は違う。やってみたくなる

治療という。なぜか。

 「心身を和ませ、温もり

のある治療だから」という

のは、和温療法研究所の鄭

忠和所長。専門は循環器学、

心不全、心機能です。「和

温療法の和温は、私の造語

です。訓読みで和は"なご

む"、温は"ぬくもり"。身

版)を開くと和温療法の記

述がありました。"薬物療

法の補助療法として推奨"

 補助療法として?

 「薬物療法など確立され

た治療法があります。それ

に和温療法を組み合わせる

(併用する)ことを勧めて

いるのです」

慢性心不全に〝和温療法〞

60度サウナ浴+保温 

あったか治療で劇的改善健康生活

心拍出量を増やす

和ませ温もりの治療

﹁いつ死んでもよか﹂

和温療法

心不全の改善閉塞性動脈硬化症の改善

心機能の改善、全身の血流増加、一酸化窒素(血管拡張物質)の産生、血管内皮機能の改善、酸化ストレスの軽減など

自律神経および神経体液性因子の是正

心身のリラックス

心不全に対する和温療法の予後改善効果慢性心不全患者を5年間追跡

死亡または再入院率

非和温療法群(65例)

和温療法群(64例)

追跡期間

1 人用の和温療法室(室内がほぼ均等の 60 度に設定された遠赤外線乾式サウナ室)がこれ、と鄭忠和所長。「和温療法の臨床応用は多彩で、心不全以外にも難治性疾患(閉塞性動脈硬化症、繊維筋痛症、筋痛性脳脊髄炎、唾液分泌不全症、術後イレウスなど)に効果を発揮しています」(心不全に対する和温療法は先進医療として承認されました)

入院中は和温療法を1日1回、週5回実施。

退院後、週2回の和温療法を外来で継続でき

た群を和温療法実施群、薬物療法だけの群

を非実施群とした。心不全の重症度と年齢

を一致させて追跡した(日本心臓病学会誌

Journal of Cordiology 2009;53:214-218