10
24 地域ごとの特徴 183 地域ごとの特徴 ベトナムの地域分類 南北に長い国土をもつベトナムは、その歴史、地理、気候風土に起因する発展形態の違いなど により、北部、南部と 2 つの地域に分けて語られることが多い。歴史的背景からいえば、19 世紀 以降でも、フランス領インドシナ下で北部、中部、南部と異なった植民地体制下に置かれたり、 ジュネーブ協定調印で設定された北緯 17 度線の軍事境界線によって南北に分割されたりするな ど、幾度も地理的に分断されてきた。1976 年にベトナム社会主義共和国が成立し、南北が統一さ れる以前には、「北は社会主義体制」、「南は資本主義体制」と政治経済体制も異なっていた。南ベ トナムには市場経済体制導入基盤が整備されていたため、外資の流入状況についても、南ベトナ ムが圧倒的にリードしてきた歴史的経緯がある。 また、北部の紅河デルタと南部のメコンデルタは、ベトナムの農業生産高の約 5 割を占める穀 倉地帯であるが、それぞれのデルタで培われた農民の特徴が、地域の人々の気質に影響を与えて いるとも言われており、現地では北部の人は「我慢強く堅実」であり、南部の人は「おおらかで その日暮らし」と言われている。 このような歴史的経緯以外にも、地理的に中国に隣接する北部と ASEAN (カンボジア)に隣接 する南部、四季のある北部と常夏の南部、と対比して語られることも多い。尚、北部は行政都市 ハノイを中心に発展し、南部は経済都市ホーチミンを中心に発展しており、両都市の関係を中国 の北京と上海のそれに例えることもできる。 ベトナムの統計では、紅河デルタ、北部内陸・山間地域、北中部・中部沿岸地域、中部高原、 南東部、メコン川デルタの 6 地域に分けられることが多い。次章より、地域編として紅河デルタ と北部内陸・山間地域の「北部」、北中部・中部沿岸地域と中部高原の「中部」、南東部とメコン 川デルタの「南部」に分けて、それぞれの地域の特徴等を記している。 北部と南部に次ぐ地域となる中部は、ベトナム第 3 の商業都市ダナンを中心に発展している地 域であるが、北部と南部の目覚ましい発展に比べると、やや開発が遅れている。中部は地理的に 細長い地形に山脈が走る構造により気候にも恵まれないことから農業生産量の成長も鈍く、工業 基盤も脆弱となっている。しかし、近年、重工業や観光業、IT 産業の投資が増加しており、今後 の発展が注目されている。 2018 年のベトナムの総人口は 9,467 万人で、北部と南部にそれぞれ 3,4003,500 万人、中部に 2,600 万人強が分布している。行政区画は現在 5 58 省となっており、北部が 2 23 省、中部が 1 18 省、南部が 2 17 省で構成される。 面積は、中部が最も広く、全体(約 33 km 2 )の 45%を占める。1km 2 あたり人口密度の地域 平均は、北部 291 人、中部 172 人、南部 542 人であり、全国ベースでは 286 人である。特に人口 が集中している地域は、北部の紅河デルタ地域(同 1,014 人)と南部の南東地域(同 725 人)と なっている(図表 24-124-2)。

地域ごとの特徴 - JBIC...地域別の経済動向 地域別の産業の特徴 歴史的には、縫製業などを中心に南部への外資の進出が多く見られ、製造業の拠点としては南

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Page 1: 地域ごとの特徴 - JBIC...地域別の経済動向 地域別の産業の特徴 歴史的には、縫製業などを中心に南部への外資の進出が多く見られ、製造業の拠点としては南

第 24 章 地域ごとの特徴

183

地域ごとの特徴

ベトナムの地域分類

南北に長い国土をもつベトナムは、その歴史、地理、気候風土に起因する発展形態の違いなど

により、北部、南部と 2 つの地域に分けて語られることが多い。歴史的背景からいえば、19 世紀

以降でも、フランス領インドシナ下で北部、中部、南部と異なった植民地体制下に置かれたり、

ジュネーブ協定調印で設定された北緯 17 度線の軍事境界線によって南北に分割されたりするな

ど、幾度も地理的に分断されてきた。1976 年にベトナム社会主義共和国が成立し、南北が統一さ

れる以前には、「北は社会主義体制」、「南は資本主義体制」と政治経済体制も異なっていた。南ベ

トナムには市場経済体制導入基盤が整備されていたため、外資の流入状況についても、南ベトナ

ムが圧倒的にリードしてきた歴史的経緯がある。

また、北部の紅河デルタと南部のメコンデルタは、ベトナムの農業生産高の約 5 割を占める穀

倉地帯であるが、それぞれのデルタで培われた農民の特徴が、地域の人々の気質に影響を与えて

いるとも言われており、現地では北部の人は「我慢強く堅実」であり、南部の人は「おおらかで

その日暮らし」と言われている。

このような歴史的経緯以外にも、地理的に中国に隣接する北部と ASEAN(カンボジア)に隣接

する南部、四季のある北部と常夏の南部、と対比して語られることも多い。尚、北部は行政都市

ハノイを中心に発展し、南部は経済都市ホーチミンを中心に発展しており、両都市の関係を中国

の北京と上海のそれに例えることもできる。

ベトナムの統計では、紅河デルタ、北部内陸・山間地域、北中部・中部沿岸地域、中部高原、

南東部、メコン川デルタの 6 地域に分けられることが多い。次章より、地域編として紅河デルタ

と北部内陸・山間地域の「北部」、北中部・中部沿岸地域と中部高原の「中部」、南東部とメコン

川デルタの「南部」に分けて、それぞれの地域の特徴等を記している。

北部と南部に次ぐ地域となる中部は、ベトナム第 3 の商業都市ダナンを中心に発展している地

域であるが、北部と南部の目覚ましい発展に比べると、やや開発が遅れている。中部は地理的に

細長い地形に山脈が走る構造により気候にも恵まれないことから農業生産量の成長も鈍く、工業

基盤も脆弱となっている。しかし、近年、重工業や観光業、IT 産業の投資が増加しており、今後

の発展が注目されている。

2018 年のベトナムの総人口は 9,467 万人で、北部と南部にそれぞれ 3,400~3,500 万人、中部に

2,600 万人強が分布している。行政区画は現在 5 市 58 省となっており、北部が 2 市 23 省、中部が

1 市 18 省、南部が 2 市 17 省で構成される。

面積は、中部が最も広く、全体(約 33 万 km2)の 45%を占める。1km2 あたり人口密度の地域

平均は、北部 291 人、中部 172 人、南部 542 人であり、全国ベースでは 286 人である。特に人口

が集中している地域は、北部の紅河デルタ地域(同 1,014 人)と南部の南東地域(同 725 人)と

なっている(図表 24-1、24-2)。

Page 2: 地域ごとの特徴 - JBIC...地域別の経済動向 地域別の産業の特徴 歴史的には、縫製業などを中心に南部への外資の進出が多く見られ、製造業の拠点としては南

ベトナムの投資環境

184

図表 24-1 行政区画(5 市 58 省)

(注)シャドーは中央直轄特別都市 (出所)MAPIO、各種資料より作成

<北部 2市23省>

1 Ha Noi City (ハノイ) 10 Nam Dinh (ナムディン) 19 Lang Son (ランソン)

2 Vinh Phuc (ヴィンフック) 11 Ninh Binh (ニンビン) 20 Bac Giang (バクザン)

3 Bac Ninh (バクニン) 12 Ha Giang (ハザン) 21 Phu Tho (フートー)

4 Quang Ninh (クアンニン) 13 Cao Bang (カオバン) 22 Dien Bien (ディエンビェン)

5 Hai Duong (ハイズオン) 14 Bac Can (バクカン) 23 Lai Chau (ライチャウ)

6 Hai Phong City (ハイフォン) 15 Tuyen Quang (トゥイェンクアン) 24 Son La (ソンラ)

7 Hung Yen (フンイェン) 16 Lao Cai (ラオカイ) 25 Hoa Binh (ホアビン)

8 Thai Binh (タイビン) 17 Yen Bai (イェンバイ)

9 Ha Nam (ハナム) 18 Thai Nguyen (タイグエン)

<中部 1市18省>

26 Thanh Hoa (タインホア)

27 Nghe An (ゲアン)

28 Ha Tinh (ハティン)

29 Quang Binh (クアンビン)

30 Quang Tri (クアンチ)

31 Thua Thien Hue (トゥアティエンフエ)

32 Da Nang City (ダナン)

33 Quang Nam (クアンナム)

34 Quang Ngai (クアンガイ)

35 Binh Dinh (ビンディン)

36 Phu Yen (フーイェン)

37 Khanh Hoa (カインホア)

39 Ninh Thuan (ニントゥアン)

39 Binh Thuan (ビントゥアン)

40 Kon Tum (コントゥム)

41 Gia Lai (ザーライ)

42 Dac Lak (ダクラク)

43 Dac Nong (ダクノン)

44 Lam Dong (ラムドン)

<南部 2市17省>

45 Binh Phuoc (ビンフック)

46 Tay Ninh (タイニン)

47 Binh Duong (ビンズン)

48 Dong Nai (ドンナイ)

49 Ba Ria - Vung Tau (バリア・ヴンタウ)

50 Ho Chi Minh City (ホーチミン)

51 Long An (ロンアン)

52 Tien Giang (ティエンザン)

53 Ben Tre (ベンチェ)

54 Tra Vinh (チャヴィン)

55 Vinh Long (ヴィンロン)

56 Dong Thap (ドンタップ)

57 An Giang (アンザン)

58 Kien Giang (キエンザン)

59 Can Tho (カントー)

60 Hau Giang (ハウザン)

61 Soc Trang (ソクチャン)

62 Bac Lieu (バクリュウ)

63 Ca Mau (カマウ)

北部内陸・山間地域紅河デルタ

北中部・

中部沿岸地域

中部高原

南東部

メコン川デルタ

中国

ラオス

タイ

カンボジア

23 1612 13

22

24

17

21

15 141918

20

25

北部内陸・山間地域

21 3

7 6589

11 10

4

紅河デルタ26

27

28

29

3031

3233

34

35

36

37

38

39

北中部・中部沿岸地域

40

41

42

4344

中部高原

48

495047

4546

南東部

6362

58

5755

61

515256

595460

53

メコン川デルタ

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第 24 章 地域ごとの特徴

185

図表 24-2 ベトナム各省市の面積・人口(2018 年)

(出所)各種資料より作成

地域別の経済動向

地域別の産業の特徴

歴史的には、縫製業などを中心に南部への外資の進出が多く見られ、製造業の拠点としては南

部が優位にあったが、北部でのバイクや完成車メーカーの進出や、韓国の携帯電話やディスプレ

イ製造工場進出などもあり、北部での製造業の位置づけが大きく変化してきた。

中部では、ダナンを中心に、観光や IT 分野への注力に加え、クアンガイ省やタインホア省での

大規模石油化学工場やハティン省での製鉄工場など、重化学工業分野での投資も多い。南部では、

縫製や家電工場など多くの生産拠点が立地しているのに加え、サービス業への投資も拡大してい

る。

面積 人口 人口密度 面積 人口 人口密度

(km2) (構成比) (万人) (構成比)(人/km

2) (km

2) (構成比) (万人) (構成比)(人/km

2)

全国 331,236 100.0% 9,467 100.0% 286 紅河デルタ 21,260 6.4% 2,157 22.8% 1,014 中部高原 54,508 16.5% 587 6.2% 108

ハノイ 3,359 1.0% 752 7.9% 2,239 コントゥム 9,674 2.9% 54 0.6% 55 ヴィンフック 1,235 0.4% 109 1.2% 884 ザーライ 15,511 4.7% 146 1.5% 94 バクニン 823 0.2% 125 1.3% 1,516 ダクラク 13,031 3.9% 192 2.0% 147 クアンニン 6,178 1.9% 127 1.3% 205 ダクノン 6,509 2.0% 65 0.7% 99 ハイズオン 1,668 0.5% 181 1.9% 1,083 ラムドン 9,783 3.0% 131 1.4% 134 ハイフォン 1,562 0.5% 201 2.1% 1,289 南東部 23,553 7.1% 1,707 18.0% 725 フンイェン 930 0.3% 119 1.3% 1,278 ビンフック 6,877 2.1% 98 1.0% 142 タイビン 1,586 0.5% 179 1.9% 1,130 タイニン 4,041 1.2% 113 1.2% 280 ハナム 862 0.3% 81 0.9% 938 ビンズン 2,695 0.8% 216 2.3% 803 ナムディン 1,669 0.5% 185 2.0% 1,111 ドンナイ 5,864 1.8% 309 3.3% 526 ニンビン 1,387 0.4% 97 1.0% 702 バリア・ヴンタウ 1,981 0.6% 111 1.2% 562

北部内陸・山間地域 95,222 28.7% 1,229 13.0% 129 ホーチミン 2,061 0.6% 860 9.1% 4,171 ハザン 7,930 2.4% 85 0.9% 107 メコン川デルタ 40,816 12.3% 1,780 18.8% 436 カオバン 6,700 2.0% 54 0.6% 81 ロンアン 4,495 1.4% 150 1.6% 334 バクカン 4,860 1.5% 33 0.3% 67 ティエンザン 2,511 0.8% 176 1.9% 702 トゥイェンクアン 5,868 1.8% 78 0.8% 133 ベンチェ 2,395 0.7% 127 1.3% 530 ラオカイ 6,364 1.9% 71 0.7% 111 チャヴィン 2,358 0.7% 105 1.1% 445 イェンバイ 6,888 2.1% 82 0.9% 118 ヴィンロン 1,526 0.5% 105 1.1% 689 タイグエン 3,527 1.1% 127 1.3% 360 ドンタップ 3,384 1.0% 169 1.8% 500 ランソン 8,310 2.5% 79 0.8% 95 アンザン 3,537 1.1% 216 2.3% 612 バクザン 3,896 1.2% 169 1.8% 434 キエンザン 6,349 1.9% 181 1.9% 285 フートー 3,535 1.1% 140 1.5% 397 カントー 1,439 0.4% 128 1.4% 891 ディエンビェン 9,541 2.9% 58 0.6% 60 ハウザン 1,622 0.5% 78 0.8% 479 ライチャウ 9,069 2.7% 46 0.5% 50 ソクチャン 3,312 1.0% 132 1.4% 397 ソンラ 14,124 4.3% 124 1.3% 88 バクリュウ 2,669 0.8% 90 0.9% 336 ホアビン 4,591 1.4% 85 0.9% 184 カマウ 5,221 1.6% 123 1.3% 236

北中部・中部沿岸地域 95,876 28.9% 2,006 21.2% 209 タインホア 11,115 3.4% 356 3.8% 320 ゲアン 16,482 5.0% 316 3.3% 192 ハティン 5,991 1.8% 128 1.3% 213 クアンビン 8,000 2.4% 89 0.9% 111 クアンチ 4,622 1.4% 63 0.7% 136 トゥアティン=フエ 4,902 1.5% 116 1.2% 237 ダナン 1,285 0.4% 108 1.1% 841 クアンナム 10,575 3.2% 150 1.6% 142 クアンガイ 5,156 1.6% 127 1.3% 247 ビンディン 6,066 1.8% 153 1.6% 253 フーイェン 5,023 1.5% 91 1.0% 181 カインホア 5,138 1.6% 123 1.3% 240 ニントゥアン 3,355 1.0% 61 0.6% 182 ビントゥアン 7,944 2.4% 124 1.3% 156

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ベトナムの投資環境

186

図表 24-3 では、市省別の 1 人あたり月間収入と種類を示している。全国平均は 388 万ドン(約

18,600 円)で、この内の約半分にあたる 198 万ドン(約 9,500 円)を「給与・賃金」から得てい

る。この他の主な収入源は農業による収入で、52 万ドン(約 2,500 円)と全体の 13%程度を占め

ている。これに対し、外国資本による商品作物の栽培が盛んな中部の「中部高原」地域では、給

与・賃金は 108 万ドン(約 5,000 円)と全国平均の半分程度だが、農業での収入が 98 万ドン(約

4,700 円)と 2 倍程度となり、農業による収入が給与・賃金に同等になっている。尚、米作の盛ん

な南部の「メコン川デルタ」地域では、給与・賃金の 134 万ドン(約 6,400 円)に対し農業での

収入が 88 万ドン(約 4,200 円)で、やはり農業による収入の比率が比較的高く、主要な産業の 1つであることが分かる。

図表 24-3 市、省、地域別の 1 人あたり月間収入と収入の種類

(出所)ベトナム統計総局より作成

地域別の労働人口と所得水準

2018 年時点、15 歳以上の人口は 5,535 万人と、全人口の約 6 割である。地域別では、北部の「紅

河デルタ」が 1,210 万人で全体の 21.9%を占め最も多く、次いで中部の「北中部・中部沿岸地域」

が 1,196 万人で同 21.6%、南部の「メコン川デルタ」が 1,067 万人で 19.3%となっている。市省別

②農業 ③非農業 ④その他 ②農業 ③非農業 ④その他

(単位:1,000ドン) (順位) (順位) (単位:1,000ドン) (順位) (順位)

全国 3,876 1,981 516 882 497 紅河デルタ 4,834 2,795 330 1,078 631 中部高原 2,896 1,084 982 594 236

ハノイ 6,054 3 3,960 1 166 1,134 795 コントゥム 2,007 57 879 56 636 365 127 ヴィンフック 3,699 18 1,914 16 340 1,084 362 ザーライ 2,586 49 1,141 45 865 434 146 バクニン 5,446 5 2,498 8 264 2,037 647 ダクラク 2,748 45 1,070 48 886 548 244 クアンニン 4,777 9 2,649 7 528 1,081 519 ダクノン 3,030 35 726 59 1,414 647 244 ハイズオン 3,693 19 2,094 13 529 676 394 ラムドン 3,641 21 1,296 33 1,134 864 347 ハイフォン 5,116 7 2,811 5 341 1,117 848 南東部 5,709 3,297 303 1,443 667 フンイェン 3,843 15 2,057 14 449 925 412 ビンフック 3,604 23 1,579 25 1,108 687 230 タイビン 3,547 26 1,678 21 496 796 577 タイニン 4,258 11 2,140 11 649 1,038 432 ハナム 3,608 22 1,814 18 445 814 535 ビンズン 6,823 1 3,704 3 427 2,124 567 ナムディン 3,384 32 1,582 24 370 985 448 ドンナイ 5,300 6 2,701 6 500 1,409 690 ニンビン 3,778 17 1,800 19 566 851 560 バリア・ヴンタウ 4,881 8 2,444 9 534 1,249 654

北部内陸・山間地域 2,455 1,190 514 492 259 ホーチミン 6,177 2 3,919 2 22 1,471 765 ハザン 1,725 60 667 60 517 376 166 メコン川デルタ 3,588 1,335 877 809 567 カオバン 1,856 59 1,058 50 408 215 176 ロンアン 4,215 12 1,911 17 895 855 555 バクカン 1,945 58 967 53 547 301 130 ティエンザン 3,984 14 1,783 20 981 762 458 トゥイェンクアン 2,262 55 1,052 51 501 428 282 ベンチェ 3,409 31 1,122 46 935 792 559 ラオカイ 2,324 52 1,001 52 472 659 192 チャヴィン 2,869 42 936 54 888 463 583 イェンバイ 2,290 54 1,068 49 496 457 269 ヴィンロン 3,089 33 1,159 44 680 688 563 タイグエン 4,015 13 2,239 10 527 957 293 ドンタップ 3,500 27 1,274 35 758 856 612 ランソン 2,047 56 908 55 511 414 215 アンザン 3,560 24 1,232 38 780 1,012 536 バクザン 3,450 29 1,673 22 609 742 426 キエンザン 3,779 16 1,279 34 1,099 717 684 フートー 2,892 41 1,605 23 358 591 338 カントー 4,371 10 1,964 15 498 1,073 837 ディエンビェン 1,477 63 572 62 420 305 181 ハウザン 3,548 25 1,074 47 793 975 706 ライチャウ 1,493 61 619 61 493 218 163 ソクチャン 3,653 20 1,235 37 1,041 775 602 ソンラ 1,483 62 511 63 692 160 120 バクリュウ 2,699 46 805 57 1,010 567 317 ホアビン 2,295 53 1,173 43 486 305 331 カマウ 2,986 38 798 58 1,015 813 360

北中部・中部沿岸地域 3,015 1,476 445 676 418 タインホア 3,015 37 1,529 27 446 683 357 ゲアン 2,543 50 1,190 40 437 435 480 ハティン 2,844 43 1,174 42 519 597 554 クアンビン 2,666 47 1,253 36 433 560 420 クアンチ 2,543 50 1,177 41 450 610 305 トゥアティン=フエ 3,084 34 1,489 29 283 857 456 ダナン 5,506 4 3,006 4 54 1,561 885 クアンナム 2,906 39 1,524 28 338 744 300 クアンガイ 2,900 40 1,383 30 400 660 456 ビンディン 3,024 36 1,326 31 564 716 418 フーイェン 2,837 44 1,307 32 599 638 294 カインホア 3,455 28 2,135 12 330 686 304 ニントゥアン 2,631 48 1,191 39 477 594 369 ビントゥアン 3,445 30 1,537 26 940 658 310

合計(①~④) ①給与・賃金 合計(①~④) ①給与・賃金

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第 24 章 地域ごとの特徴

187

では、ホーチミンの 447 万人(8.1%)が最も多く、ハノイも 385 万人で 7.0%を占めている。そ

の他、ゲアン省 189 万人(3.4%)、ドンナイ省 169 万人(3.1%)など、進出企業数が多い地域の

労働人口が多い。識字率は高く、全国平均は 94.8%、地域別では北部の「紅河デルタ」が 98.2%と最も高いが、最も低いのも北部である(北部内陸・山間地域:89.7%)である。市省別での最

高はハノイ(98.8%)で、最低は「北部内陸・山間地域」のライチャウ省(63.3%)である。

月間収入の全国平均は 388 万ドン(約 18,600 円)であるが、地域別にみると、ホーチミンを含

む「南東部」が 571 万ドン(約 27,300 円)と、全国平均の 1.5 倍の水準となっている。次いでハ

ノイを含む「紅河デルタ」が 483 万ドン(約 23,100 円)である。市省別では、ホーチミンの北部

に隣接し、外資も多く進出するビンズン省が最も高く 682 万ドン(約 32,600 円)で、全国平均の

1.8 倍の水準となっている。次いで、ホーチミン 618 万ドン(約 29,600 円)、ハノイ 605 万ドン(約

28,900 円)で、中部の中心都市ダナンは 551 万ドン(約 26,300 円)である。

図表 24-4 省市別の 15 歳以上人口、識字率、競争指数

(出所)ベトナム統計総局、“THE PROVINCIAL COMPETITIVENESS INDEX (PCI) ”等より作成

15歳以上人口 識字率 15歳以上人口 識字率

(万人) (構成比) (%) (Index) (順位) (評価) (万人) (構成比) (%) (Index) (順位) (評価)

全国 5,535 100.0% 94.8 紅河デルタ 1,210 21.9% 98.2 中部高原 360 6.5% 90.1

ハノイ 385 7.0% 98.8 65.40 9 High コントゥム 32 0.6% 89.6 60.63 59 Mid-Lowヴィンフック 64 1.1% 97.4 64.55 13 Mid-High ザーライ 89 1.6% 85.4 63.08 33 Mid-Highバクニン 68 1.2% 97.7 64.50 15 Mid-High ダクラク 118 2.1% 90.4 62.48 40 Mid-Highクアンニン 72 1.3% 96.8 70.36 1 Excellent ダクノン 40 0.7% 92.9 58.16 63 Lowハイズオン 104 1.9% 98.2 60.98 55 Mid-Low ラムドン 81 1.5% 93.5 63.79 27 Mid-Highハイフォン 115 2.1% 98.3 64.48 16 Mid-High 南東部 935 16.9% 96.9 フンイェン 71 1.3% 98.2 60.66 58 Mid-Low ビンフック 59 1.1% 91.1 60.02 61 Mid-Lowタイビン 111 2.0% 98.6 63.23 32 Mid-High タイニン 66 1.2% 94.3 64.54 14 Mid-Highハナム 47 0.9% 98.0 62.77 37 Mid-High ビンズン 133 2.4% 96.5 64.04 20 Mid-Highナムディン 115 2.1% 97.7 63.01 35 Mid-High ドンナイ 169 3.1% 96.5 63.84 26 Mid-Highニンビン 59 1.1% 97.5 63.55 29 Mid-High バリア・ヴンタウ 60 1.1% 97.2 64.02 21 Mid-High

北部内陸・山間地域 768 13.9% 89.7 ホーチミン 447 8.1% 98.1 65.34 10 Mid-Highハザン 54 1.0% 72.4 61.19 52 Mid-Low メコン川デルタ 1,067 19.3% 92.8 カオバン 36 0.7% 85.6 60.67 57 Mid-Low ロンアン 90 1.6% 95.8 68.09 3 Highバクカン 23 0.4% 92.3 60.11 60 Mid-Low ティエンザン 114 2.1% 94.9 62.75 38 Mid-Highトゥイェンクアン 49 0.9% 94.7 63.01 34 Mid-High ベンチェ 81 1.5% 93.8 67.67 4 Highラオカイ 44 0.8% 81.9 64.63 12 Mid-High チャヴィン 62 1.1% 87.8 61.79 46 Mid-Lowイェンバイ 53 1.0% 88.8 62.22 42 Mid-Low ヴィンロン 64 1.2% 93.1 65.53 8 Highタイグエン 75 1.4% 98.3 64.24 18 Mid-High ドンタップ 114 2.1% 91.6 70.19 2 Excellentランソン 52 0.9% 96.3 61.70 50 Mid-Low アンザン 123 2.2% 91.7 63.65 28 Mid-Highバクザン 106 1.9% 97.5 63.01 36 Mid-High キエンザン 101 1.8% 90.9 63.42 31 Mid-Highフートー 83 1.5% 98.1 63.95 24 Mid-High カントー 73 1.3% 93.9 64.98 11 Mid-Highディエンビェン 35 0.6% 75.4 61.77 47 Mid-Low ハウザン 48 0.9% 94.0 61.87 44 Mid-Lowライチャウ 28 0.5% 63.3 58.33 62 Low ソクチャン 74 1.3% 89.8 61.82 45 Mid-Lowソンラ 76 1.4% 77.5 60.79 56 Mid-Low バクリュウ 52 0.9% 93.7 62.53 39 Mid-Highホアビン 56 1.0% 97.0 61.73 48 Mid-Low カマウ 72 1.3% 96.4 61.73 49 Mid-Low

北中部・中部沿岸地域 1,196 21.6% 95.3 タインホア 225 4.1% 95.9 63.94 25 Mid-Highゲアン 189 3.4% 97.3 64.08 19 Mid-Highハティン 72 1.3% 97.9 63.99 23 Mid-Highクアンビン 53 1.0% 97.5 61.06 54 Mid-Lowクアンチ 35 0.6% 92.6 61.16 53 Mid-Lowトゥアティン=フエ 64 1.1% 92.2 63.51 30 Mid-Highダナン 58 1.0% 97.9 67.65 5 Highクアンナム 93 1.7% 95.0 65.85 7 Highクアンガイ 78 1.4% 93.0 62.40 41 Mid-Highビンディン 94 1.7% 96.3 66.09 6 Highフーイェン 55 1.0% 93.2 61.69 51 Mid-Lowカインホア 71 1.3% 95.1 64.42 17 Mid-Highニントゥアン 36 0.6% 86.8 62.21 43 Mid-Lowビントゥアン 73 1.3% 93.2 64.00 22 Mid-High

競争指数 競争指数

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ベトナムの投資環境

188

賃金水準

JETRO の「2018 年度 アジア・オセアニア投資関連コスト比較調査(2019 年 3 月)」に拠ると、

日系企業の現地給与水準は図表 24-5 の通りである。ハノイ、ホーチミン、ダナンの 3 都市での比

較では、製造業のワーカー(一般工職)とエンジニア(中堅技術者)、非製造業のスタッフ(一般

職)でホーチミンが最も高い。一方、管理職については、製造業の中間管理職(課長クラス)、非

製造業のマネージャー(課長クラス)のいずれもハノイが最も高くなっている。ダナンは、法定

最低賃金ではハノイとホーチミンの 183 ドルに対して 163 ドルでハノイ、ホーチミンの 9 割の水

準となっているが、製造業のエンジニア(中堅技術者)と中間管理職(課長クラス)では両市の

7 割程度の水準となっている。

図表 24-5 主要 3 都市の日系企業の給与水準(月額)

(出所)JETRO「2018 年度 アジア・オセアニア投資関連コスト比較調査(2019 年 3 月)」より作成

ひとくちメモ 17: インターネットによる労働者の募集も増加

現地日系企業によると、ワーカーの求人広告の手段として、工業団地事務所の掲示板や工場の門に張

り紙をする、地元情報誌への掲載、口コミなどを通して行うのが定番となっている。エンジニアや中間

管理職候補となるスタッフに関しては、人材紹介会社のほかにインターネットを通じて募集をかける企

業も多い。

ひとくちメモ 18: ベトナムの労働者について

現地調査では、ベトナム人労働者(ワーカークラス)の評価はまじめで優秀、と評価する企業が多か

った。エンジニアもタイ・ラオス等と比べてもかなり優秀なレベルに達していると評価を受けている。

しかし、管理職クラスについては、仲間意識が強いことから、企業からリーダーシップを求めると、求

められたベトナム人も困るらしい。ある作業工程の班長に指名したところ、なりたくないと答えたベト

ナム人従業員もいたという。

南部の人々の特徴として、明るくおおらかな気質がみられるが、反対にハングリー精神はあまりない

との声が多かった。北部でも、以前に比較するとがむしゃらさが薄らいできたと指摘する声もあった。

ワーカー(一般工職)

217 242 203 162 201 413

エンジニア(中堅技術者)

436 464 311 349 648 728

中間管理職(課長クラス)

957 943 621 1,016 1,117 1,559

スタッフ(一般職)

543 568 499 415 501 789

マネージャー(課長クラス)

1,281 1,209 1,058 1,028 1,273 1,755

183 183 163 182

バンコク(参考)

製造業

非製造業

法定最低賃金 3.13/日 9.64~10.32/日

(単位:ドル) ハノイ ホーチミン ダナンヤンゴン(参考)

プノンペン(参考)

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第 24 章 地域ごとの特徴

189

図表 24-6 月額法定最低賃金の推移と地域区分

(出所)Decree No. 153/2016/ND-CP 等より作成

外国投資が多い地域と工業団地の分布

2017 年 10 月現在のベトナムにおける日系企業の拠点数は 1,816 拠点であり、地域別ではハノイ

市、ホーチミン市、その周辺地域が主な進出先となっている。図表 24-7 は、大使館・総領事館の

管轄地域別に集計したものである。北部と南部の 2 地域に分類されているデータだが、全国 1,816拠点のうち、1,118 拠点はホーチミンの総領事館の管轄区域内に立地している。特に、卸売業・小

売業(全国 157 拠点、うち南部 101 拠点)で南部への進出が多い。製造業では、全国 801 拠点の

うち、北部が 359 拠点、南部 442 拠点で南部の方が多いものの、北部の拠点数も拡大している。

工業団地は、特にハノイ市、ハイフォン市とそれらの間に位置する地域(ハイズン省など)や、

ホーチミン市とその周辺省のホーチミン市寄りに多数立地している。2018 年 6 月時点、ベトナム

で稼動している工業団地は 251 ヵ所(建設・販売中等を含めると 326 ヵ所)の工業団地がある。

図表 24-8 では、日系企業が多く入居する工業団地を中心に記載している。近年では、レンタル工

050

100150200250300350400450

2013 2014 2015 2016 2017 2018

(万ドン)

(暦年)

地域1 地域2 地域3 地域4

地域1

地域2

地域3

地域4

上記以外のハノイ市、ハイフォン市、ハイズオン省ハイズオン市、フンイェン省の一部、

バクニン省の一部、ダナン市区部、カントー市区部、ドンナイ省の一部、

ビンズン省の一部、ホーチミン市Can Gioなど

ハイズオン省の一部の地域、バクニン省の一部の地域、クアンニン省の一部の地域、

ドンナイ省の一部の地域など

上記以外

ハノイ市区部、Gia Lam、Dong Anh、Soc Son、Thanh Tri、Thuong Tin、Hoai Duc、Thach

That、Quoc Oai、Thanh Oai、Me Linh、Chuong My、Son Tay

ハイフォン市区部、Thuy Nguyen、An Duong、 An Lao、Vinh Bao

ホーチミン市区部、Cu Chi、Hoc Mon、Binh Chanh、Nha Be

ドンナイ省Bien Hoa、Nhon Trach、Long Thanh、Vinh Cuu、Trang Bom

ビンズン省Thu Dau Mot、Thuan An、Di An、Ben Cat、Tan Uyen、Bau Bang、Bac Tan Uyen

バリア・ヴンタウ省ヴンタウ市、Tan Thanh

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ベトナムの投資環境

190

業団地の整備が進み、中小企業の進出をサポートしている。中部では沿岸部に大型の経済開発区

などが設置され、大型インフラ投資が進められている。

図表 24-7 地域別にみた日系進出企業の業種の内訳(2017 年 10 月時点)

(出所)外務省「海外在留邦人数調査統計 平成 30 年版」より作成

ひとくちメモ 19: 北部と南部で大きく異なる行政手続き費用指数

2018年 8月、ベトナム政府が「行政手続き費用評価指数(APCI:Administrative Procedures Compliance

Costs Index)報告書 2018」を初めて公表した。個人や企業が現行の法規に従って行政手続きに費やす

時間と費用を評価している。評価は 8つの主要な行政手続きについて行われた(事業登録、税金、投資、

事業許可、労働許可、土地、環境、建設)。

8項目を平均すると、費用面では北部と中部が南部よりも高い。一方、手続きにかかる時間に関して

は、北部の省の方が他の省よりも短い。南部で投資許可を取得したい場合でもハノイに足を運ばなくて

はならないケースもあり(条件付き投資分野など)、それが数値化したような報告書である。

全業種 1,816 698 1,118

農業、林業 7 4 3 漁業  3 2 1 鉱業、採石業 5 2 3 建設業 128 64 64 製造業 801 359 442 電気・ガス・熱供給・水道業 13 5 8 情報通信業 80 31 49 運輸業、郵便業 98 45 53 卸売業・小売業 157 56 101 金融業・保険業 50 18 32 不動産業、物品賃貸業 22 6 16 学術研究、専門・技術サービス業 70 13 57 宿泊業、飲食サービス業 30 8 22 生活関連サービス業、娯楽業 24 3 21 教育、学習支援業 17 9 8 医療、福祉 16 6 10 複合サービス事業 17 8 9 サービス業(他に分類されないもの) 118 46 72 公務(他に分類されるものを除く) 3 1 2 分類不能の産業 4 4 0 区分不明 153 8 145

全地域大使館

(ハノイ)

在ホーチミン総

領事館

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第 24 章 地域ごとの特徴

191

図表 24-8 ベトナム国内の主要工業団地分布図

(出所)MAPIO、各種資料より作成

【ハイフォン市】

・チャンズェ工業団地

・ディンヴー工業団地

・野村ハイフォン工業団地

・VSIPハイフォン工業団地

【バクニン省】

・クエヴォⅠ、Ⅱ、Ⅲ工業団地

・ティエンソン工業団地

・VSIPバクニン

【ダナン市】

・新ホアカイン工業団地

・ダナン工業団地

・ダナンハイテクパーク

・ホアカイン工業団地

・ホアカム工業団地

【クアンナム省】

・チューライ開放経済区

・ディエンナム・ディエンゴック工業団地

【フーイェン省】

・ホアヒエップⅠ工業団地

【クアンガイ省】

・ズンクアット経済区

・VSIPクアンガイ工業団地

【ハノイ市】

・タンロン工業団地

・クアンミン工業団地

・タックタット・クオックオアイ工業団地

・ノイバイ工業団地

・ハノイダイトゥ工業団地

・ホアラックハイテクパーク

【ハイズオン省】

・タンチュオン工業団地

・ダイアン工業団地

・ナムサック工業団地

・フックディエン工業団地

【フンイェン省】

・第2タンロン工業団地

・フォーノイA工業団地

【タイグエン省】

・イェンビエン工業団地

【ハーナム省】

・ドンバン工業団地

・ホアマック工業団地

【バクザン省】

・クアンチャウ工業団地

・ディンチャム工業団地

【ホアビン省】

・ボーチャイソンダ工業団地

・ルオンソン工業団地

【タインホア省】

・ギソン経済区

【バリア・ヴンタウ省】

・ミースアン工業団地

【ビンズン省】

・APSTP・バウバン工業団地

・ドンアン工業団地

・ミーフック工業団地1~5・ナムタンウェン工業団地

・VSIP1~2

【ロンアン省】

・ロンハウ工業団地

・フーアンタイン工業団地

・タンドゥク工業団地

・タンキム工業団地

・タイホア工業団地

・ティンファット工業団地

・トゥアンダオ工業団地

【ティエンザン省】

・タンフン工業団地

・ロンザン工業団地

【チャヴィン省】

・ロンドゥク工業団地

【ヴィンロン省】

・ホアフー1工業団地

【ホーチミン市】

・ヒェップフォック工業団地

・レ・ミンスアン工業団地

・リンチュン1、2輸出加工区・工業団地

・クアンチュンソフトウェアシティ

・サイゴンハイテクパーク

・タンビン工業団地

・タントゥアン輸出加工区

・ヴィンロック工業団地

【タイニン省】

・リンチュン3輸出加工区・工業団地

・ロンザン工業団地

・タンフン工業団地【ドンナイ省】

・アマタ工業団地

・ビエンホア1、2工業団地

・ロンドゥック工業団地

・ロテコ

・ニョンチャック1、2、3、5工業団地

・ソナデジ・ロンタイン工業団地

Page 10: 地域ごとの特徴 - JBIC...地域別の経済動向 地域別の産業の特徴 歴史的には、縫製業などを中心に南部への外資の進出が多く見られ、製造業の拠点としては南

ベトナムの投資環境

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【参考】地域別気候

ベトナムの気候については、北部は亜熱帯気候に属し、四季が見られる。1 年を通じた気温変

化が大きく、1 月から 4 月は乾季で肌寒く、気温が 10℃前後まで下がることもある。5 月から 10月の雨季には気温は 30℃を超え、スコールのような雨が多い。

南部は、熱帯モンスーン気候で、11 月から 4 月の乾期と、5 月から 10 月の雨季とに分かれてい

る。年間を通じて気温が高く、3 月から 4 月が最も暑い。雨季にはスコールが見られる。

中部は、北部と南部の中間にあたる気候であるが、8 月、9 月には台風の上陸が多く、8 月から

12 月にかけて降雨量も多いといった特徴がある(図表 24-9)。

図表 24-9 地域別の気温と降水量(2015 年)

(注)南部については、ホーチミンの数字の公表がなかったため、公表されている都市の中で最もホーチミン

に近いヴンタウの数字で比較した。 (出所)中央統計局より作成

ひとくちメモ 20: 日本語とベトナム語

ベトナムには日本語人材が多いため、中小企業にとって事業がしやすい環境といえる。古くは漢字を

使用していたこともあるため、日本語への理解も比較的スムーズなのかもしれない。2018年 12 月に実

施された日本語能力試験の受験者数を実施国別に見ると、ASEAN で 3 分の 1 以上を占める約 36,000 人

がベトナムで受験している。試験は N1~N5 の 5 段階で認定され、日本語で働いてもらうには、N2~N3

以上(受験者数の半数程度)が望ましいとされている。

一方で、日本人にとって、6つの声調を有するベトナム語は習得が難しい。また、ベトナム人労働者

は、外国人との接点が少なかったせいか、苦労してベトナム語を話しても、ちょっとした声調の違いで

理解してくれない場合が多いという。それでも通訳を介すとニュアンスが伝わらないために自分がベト

ナム語を話す方がよいとの考えもあるようだ。

そのため、社内での公用語は、日本人管理者とスタッフ部門の間では英語、工場ではベトナム人同士

でベトナム語、というケースが多い。