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PNC TN8410 97-314 |公開資料| PNC-TN--8410-97-314 川川川 Mnu 川川げ川川 41 川川川川門 U 川川川川勺 L HHHHHnu mm Qv uuuuunud 山川川 Dl 川川川川 1J カルシウム型化ベントナイトの 圧密非排水三軸圧縮試験 1997 12 量霊童彊値主主嵐官司E 動力炉・核燃料開発事業団 東海事業所 州制川④ 川川川川川川ヲ' HMMMM3 mm 山山間山川 rH 川川川川川川ヲ' 川川川川川川川フ』 山山川川山肌剛山 n u - - - - - - - - - - - - - - 川山川川川 mm nU HMMMM d U UU3 30 10

PNC 97-314 |公開資料| PNC-TN--8410-97-314 川川川川 川川 ......PNC TN8410 97-314 2 試験条件2.1 使用材料 ナトリウム型ベントナイトには、表-2.1. 1に示すとおりクニミネ工業社の市販製品である

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  • PNC TN8410 97-314 |公開資料|

    PNC-TN--8410-97-314

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    カルシウム型化ベントナイトの圧密非排水三軸圧縮試験

    199 7年 12月

    量霊童彊値主主嵐官司E

    動力炉・核燃料開発事業団

    東海事業所州制川④

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  • Inquiries about copyright and reproduction should be addressed to:

    Technology Management Section, Tokai Works, Power Reactor and Nuclear Fuel

    Development Corporation 4-33, Muramatsu, Tokai-mura, Naka-gun, Ibaraki,

    319-11, Japan )

    複製又はこの資料の入手については、下記にお問い合わせ下さい。

    干319-11 茨城県那珂郡東海村大字村松 4-33

    動力炉・核燃料開発事業団 東海事業所

    技術開発推進部 技術管理室

    lnquiries about copyright and reproduction shou!d be addressed to:

    Technology Management Section, Tokai Works, Power Reactor and Nuclear Fue!

    Deve10pment Corporation 4-33, Muramatsu, Tokai-mura, Naka-gun, lbaraki,

    319-11, Japan )

    動力炉・核燃料開発事業団 CPowerReactor and Nuc!ear Fue! Deve!opment

    Corporation)1997

  • 公開資料PNC TN8410 97-314 199 7年 12月

    カルシウム型化ベントナイトの圧密非排水三軸圧縮試験

    報告者前田宗宏*、伊藤勝**

    三原守弘仲*、田中益弘材料

    要旨

    人工バリアシステムを構成する緩衝材には、廃棄体等の自重や周辺岩盤のクリープ変形等に

    より、長期的な外力が作用すると予測される。緩衝材の力学的安定性を評価するためには、こ

    れらの外力に対する緩衝材の力学的変形挙動を明らかにする必要がある。

    一方、放射性廃棄物の処分において緩衝材としてナトリウム型ベントナイトを使用した場合、

    ベントナイト中の方解石や地下水成分の影響により、処分環境において長期的にナトリウム型

    からカルシウム型に変化することが考えられる。また、1RU廃棄物処分施設においては、構

    造躯体や充填材、さらには支保にセメント系の材料を使用する可能性があり、その場合、カル

    シウム型への変化は顕著になるものと考えられる。したがって、 τRU廃棄物の処分研究にお

    いては、カルシウム型に変化したベントナイトの特性を知る必要がある。

    本報告書は1RU廃棄物の処分概念の検討の一環として行われた、飽和した圧縮ベントナイ

    トの圧密非排水三軸圧縮試験 (ξむ試験)についてまとめたものである。本試験では、ナトリ

    ウム型及びカルシウム型化ベントナイト(べントナイト含有率 1∞%)を乾燥密度が1.6g1cm3

    になるように圧縮成型し、飽和させた供試体を用いた。試験は三軸圧縮試験装置を用いて行い、

    飽和供試体を 0.5恥fPaから 2.0恥fPaの圧密応力で圧密後、非排水条件で圧縮試験を行った。

    その結果、カルシウム型化べントナイトの力学特性は、ナトリウム型ベントナイトのそれよ

    りわずかに大きくなる傾向を示した。しかし、その差は試験データのバラツキの範囲に収まる

    程度で、顕著な差とは認められなかった。したがって、緩衝材の力学的変形挙動の保守的な検

    討には、ナトリウム型ベントナイトの力学特性を用いて検討を行えばよいと判断された。

    * 株式会社小堀鐸二研究所** 東海事業所環境技術開発部材* 東海事業所環境技術開発部処分システム解析室

    ****鹿島建設株式会社技術研究所

  • PNC TN8410 97-314

    目次

    l はじめに

    2 試験条件 ....・H ・......・H ・...…H ・H ・-…・…….....・H ・-……H ・H ・...…..….........…....・H ・-…・・……......・H ・... 2

    2.1 使用材料 …...・H ・H ・H ・..…H ・H ・...・H ・.....・H ・....・H ・-……・….....・H ・-……...・H ・....・H ・....・H ・....・H ・.. 2

    2.2 試験条件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・H ・H ・….....・H ・...・H ・.....・H ・-…....・H ・. 3

    2.3 試験方法 …・............................................................................................................ 3

    . 2.3.1 試料調整 ...・H ・-….....・H ・...・H ・…....・H ・.....・H ・-……・・…・・H ・H ・...・H ・-…....・H ・-….....・H ・-…・ 4

    2.3.2 圧縮固化 …・..................................................................................................... 4

    2.3.3 飽和....・H ・...・H ・.....・H ・...・H ・-…..………...・H ・.....・H ・-…・….....・H ・-…….....・H ・…...・H ・.. 4

    2.3.4 供試体の設置 …...・H ・...・H ・...・H ・.....・H ・....・H ・...・H ・......・H ・...・H ・.......・H ・-…H ・H ・......・H ・.. 6

    2.3.5 圧密....・H ・....・H ・.....・H ・....・……・…・…....・H ・...・H ・.....・H ・.......・H ・.....・H ・-…...・H ・....・H ・.. 6

    2.3.6 せん断 .…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…....・H ・-…・…....・H ・-… 9

    2.3.7 乾燥重量の測定 ....・H ・....….....・H ・....….....・H ・....・H ・-……....・H ・.....・H ・.......・H ・.....・H ・.. 9

    2.4 試験結果 ................................................................................................................ 10

    2.4.1 圧縮固化 …・…....・H ・-…...・H ・-…………-……………....・H ・-……-…..……...・H ・ 10

    2.4.2 飽和.…...・H ・.....・H ・-…...・H ・-….....・H ・...・H ・-…....・H ・....・H ・….....・H ・….....・H ・........・H ・. 10

    2.4.3 圧密............................................................................................................. 11

    (1)圧密量及び圧密時間 .…...・H ・-……………………・…・…...・H ・.....・H ・……… 11

    (2)間隙水圧係数 B値 …・…・….....・H ・.....・H ・....・H ・-……H ・H ・..…・….....・...…・…...・H ・-……・ 13

    (3)供試体の圧密状態 ….....・H ・…......・H ・…・….....・H ・...・H ・-…・・……H ・H ・.....・H ・.....・H ・-……・・ 14

    2.4.4 せん断 ....・H ・-……H ・H ・..…………....・H ・.....・H ・...・H ・....・H ・....・H ・H ・H ・...・H ・...・H ・.....・H ・ 16

    (1)せん断試験における粘土の一般的挙動 ……....・H ・……………………………・ 16

    (2)本試験の結果 ....・H ・-……・………....・H ・-……....・H ・-…・…・…...・H ・-…・………....・H ・-… 16

    (3)並河らの結果との比較 ....・H ・...・H ・-………・…H ・H ・......・H ・-……・…...・H ・-…H ・H ・....・H ・ 24

    y

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    3

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    4 まとめと今後の課題 ………...・H ・-…...・H ・...・H ・...…H ・H ・.....・H ・....・H ・-…...・H ・.....・H ・....・H ・-….. 44

    4.1 まとめ …...・H ・.....・H ・......・H ・..…...・H ・.....・H ・.....・H ・....・H ・...……...・H ・.....・H ・.....・H ・..……...・H ・.44

    E

  • PNCτ"N84IO 97-314

    4.2 今後の課題 ....・H ・-…................................................................................................ 46

    謝 辞 '"・H ・-…・……・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・H ・H ・...・H ・.........…-….....・H ・.46

    参考文献…....・H ・-….....・H ・....・H ・.....・H ・.,.・H ・-……....・H ・...・H ・...…….....・H ・.....・H ・....・H ・...….....・H ・ 幻

    付録 1 Gap-Senser非接触式変位計 ....・...…・……・…・……・…・・…....・H ・....・H ・...….....・H ・-…・・ 48

    III

  • PNC TN8410 97-314

    l はじめに

    現在までのところ、1RU廃棄物の地層処分における緩衝材として、圧縮ベントナイトが有

    望な候補材料と考えられる。緩衝材には、拡散場を維持するための止水性、核種吸着遅延性、

    力学的安定性等の性能が要求される。力学的安定性の観点から、人工バリアシステムを構成す

    る緩衝材には、廃棄体等の自重や周辺岩盤のクリープ変形等により、長期的な外力が作用する

    と予測される。緩衝材の力学的安定性を評価するためには、これらの外力に対する緩衝材の力

    学的変形挙動を明らかにする必要がある。緩衝材として用いるベントナイトのような粘土材料

    の力学的変形挙動を調べる試験には、圧密試験や三軸圧縮試験等があり、動燃事業団において

    も、これまでにナトリウム型ベントナイトに対し圧密試験 1)や非圧密非排水三軸圧縮試験 (UU

    試験)2)、圧密非排水三軸圧縮試験 (CU試験)3)等が行われている。

    一方、放射性廃棄物の処分において緩衝材としてナトリウム型ベントナイトを使用した場合、

    ベントナイト中の方解石や地下水成分の影響により、処分環境において長期的にナトリウム型

    からカルシウム型に変化することが考えられる。また、1RU廃棄物処分施設においては、構

    造躯体や充填材、さらには支保にセメント系の材料を使用する可能性があり、その場合、カル

    シウム型への変化は顕著になるものと考えられる。したがって、1RU廃棄物の処分研究にお

    いては、カルシウム型に変化したベントナイトの特性を知る必要がある。

    本報告書は1RU廃棄物の処分概念の検討の一環として行われた、飽和した圧縮ベントナイ

    トの圧密非排水三軸圧縮試験 (ξU試験)についてまとめたものである。圧密非排水三軸圧縮

    試験は、主として飽和した粘土材料を対象に、地盤上に載荷された荷重で地盤が圧密された時

    の強度の予測や有効応力による強度定数を決定することを目的としている 4)。また、圧密非排

    水三軸圧縮試験により得られる強度定数は、圧密排水三軸圧縮試験 (CD試験)で求まるそれ

    とほぼ等しくなる 5)。試験結果としては、任意の拘束圧下での非排水せん断強度、応力経路、

    応力.ひずみ関係等が得られる。本試験では、ナトリウム型及びカルシウム型化ベントナイト

    (ベントナイト含有率 l∞%)を乾燥密度が 1.6g/cm3になるように圧縮成型した後、飽和させ

    た供試体を用いた。試験は三軸圧縮試験装置を用いて行い、飽和供試体を O.5MPaから 2.0MPa

    の圧密応力で圧密後、非排水条件で圧縮試験を行った。せん断方法としては、ひずみ制御方式

    を用いた。

    なお、圧密非排水三軸圧縮試験は、委託研究 I1RU廃棄物の処分概念の検討 (II)J (委

    託先:鹿島建設株式会社)において実施された。

  • PNC TN8410 97-314

    2 試験条件

    2.1 使用材料

    ナトリウム型ベントナイトには、表-2.1.1に示すとおりクニミネ工業社の市販製品である

    クニゲル V1を使用した。また、カルシウム型化ベントナイトは、クニゲル V1を強制的にカル

    シウム型に変質させることにより作製した。以下においては、ナトリウム型ベントナイトに対

    しクニゲル V1、カルシウム型化ベントナイトに対し臼型化クニゲル V1と記述する。

    Ca型化クニゲル V1の作製に当たっては、クニゲル V1の臨伴鉱物をできるだけ変化させな

    いように、塩化カルシウム水溶液を用いてモンモリロナイトの層聞をカルシウムに置換した 6)。

    その後、ろ過・水洗いを行い可能な限りベントナイトに付着した塩化物イオンを除去し、その

    上澄み液に硝酸銀溶液を添加して溶液が白濁しないことを確認した。クニゲル V1および ca

    型化クニゲル V1の浸出陽イオン量を表-2.1.2に示す。浸出陽イオン量の測定結果から、浸出

    陽イオンのほとんどがカルシウムイオンであることが分かる。また、 X線回折分析により、ベ

    ントナイトの随伴鉱物が変化していないことを確認した。

    また、表-2.1.3には、予備試験により取得した各使用材料の物理特性を示す。

    'h'

    一KEJ1

    一イナ

    一ナト

    ト一トン

    イ一ンベ

    ナ一ベ化

    ト一型型

    、/一ムム

    ウリ

    ルナ

    表-2.1.1 使用材料

    製造元及び商品名

    クニミネ工業社製、クニゲルVI@

    クニゲルV1@を強制的にカルシウム型に変質させたもの

    表-2.1.2 浸出陽イオン量 6)

    クニゲルV1 。型化クニゲル V1

    Na+ 53.9 5.2

    K+ 1.4 1.4

    浸出陽イオン量 Ca2+ 48.5 102.8

    (m問11∞,g) Mg2+ 7.4 7.0 三E〉I、雪ロit 111.2 116.4

    陽イオン交換容量 (meqlI∞g) 59.9 60.8

    表-2.1.3 使用材料の物理特性

    ペントナイト自然含水比 土粒子密度 液性限界 塑性限界 塑性指数

    Wn (%) p s (g1cm3) WL (%) Wp (%) Ip (%)

    クニゲル V1 5.8 2.7 419.2 18.4 400.8

    。型化クニゲル V1 6.5 2.7 121.0 23.9 97.1

    -2 -

  • PNC TN8410 97-314

    2.2 試験条件

    以下に試験条件を示す。乾燥密度、供試体形状及び初期含水比は、あくまでも目標値である 0

    ・乾燥密度 1.6g1cm3

    -供試体形状

    ・初期含水比

    :直径5cmX高さ IOcm

    : 10% (飽和度39%)

    -有効拘束圧(圧密応力) : 0.49、0.98、1.96MPa

    -試験温度 :室温 (20"(前後)

    -試験水 :蒸留水

    2.3 試験方法

    試験は、基本的にJSFT523に準じて行う。図-2.3.1に試験の具体的なフローを示すととも

    に、以下に詳述するo

    0初期含水比 10%0混合後24時間放置

    0乾燥密度 1.6g1cm3

    0圧縮応力 10恥1Pa

    0銅製飽和セル内で通水圧0.7MPaを約 1カ月間維持

    0三軸セルへのセット

    0圧密時聞は、 3t法で規定O圧密柊了後、 B値測定

    0せん断速度0.01%/min (ひずみ制御試験)O軸応力、間隙水圧、ひずみ等の測定0軸ひずみ 15%でせん断終了

    図-2.3.1 ベントナイト三軸圧縮試験の試験フロー

    -3 -

  • PNC TN84!O 97-314

    2.3.1 試料調整

    粉末のベントナイトを必要重量分測定・し、含水比 109もになるように水を霧吹きで散布し、十

    分に混合する O 混合後は、水分分布がなるべく平均化することを目的に 24時間放置する。

    2.3.2 圧縮固化

    合水比調整した試料の一部より含水比をあらかじめ測定した上で目標乾燥密度 (1.6g1cm3)

    に必要な湿潤重量を測定し、圧縮固化体作製治具に投入する。その後、一軸圧縮試験装置で圧

    縮応力 101VlPa程度を加え、所要の供試体形状(直径 5cmX高さ lOcm) になるよう静的に固化

    させる。図 -2.3.2に圧縮固化した供試体例を示す。

    図-2.3.2 圧縮固化したベントナイト供試体例

    2.3.3 飽和

    圧縮固化したベントナイト供試体の飽和は、以下の手順で行う。また、図 -2.3.3に飽和セ

    ル、図 -2.3.4に飽和状況を示す。

    ① 供試体飽和セルにろ紙を介して設置する。

    ② 飽和セルの上下から真空度を徐々に高めていき、 24時間真空脱気する。

    ③ 今度は圧力を徐々に大気圧に戻して、上下から吸水させた後、通水圧 0.7MPaで30日間

    吸水させる O

    -4 -

  • PNC TN8410 97-314

    図-2.3.3 飽和セル

    図-2.3.4 飽和状況

  • PNC TN84IO 97-314

    2.3.4 供試体の設置

    飽和セルから供試体を取り出した後、ろ紙を外し、径、高さ及び重量を測定した。その後、

    すみやかに三軸圧縮試験装置に設置した。三軸セルへの設置は、以下の手順で行う。また、図

    -2.3.5に三軸圧縮試験装置の概要、図-2.3.6に供試体設置状況を示す。

    ① ポーラスストーンと一体になったペデスタル上にろ紙を敷き、供試体を置く。

    ② 供試体側面には、新たにペーパードレーン(ろ紙)を巻き、上端面にもろ紙を敷く。

    ③ ゴムスリープをかぶせキャップを置き、上下のゴムスリープをシールする。

    ④ 上下端面からの排水設備のセットを行う。

    ⑤ 三軸セルをセットし、セル内に水を充満させる。

    2.3.5 圧密

    供試体を三軸セルに設置した後、上下のコックを聞き所定の有効拘束圧 (0.49、0.98、

    1.96}'在Pa)で等方的に圧密を開始する。この時、間隙水圧及び拘束圧には、 0.69rv1Paの背圧を

    負荷する O したがって、拘束圧は、有効拘束圧十背圧(1.18、1.67、2.65MPa) となる。

    圧密の終了は、いくつかある規定方法の内、最も妥当な方法である 3t法7)を適用して判断

    した。この方法は、圧密量~時間(対数)曲線の最急勾配部の接線を時間軸方向に 3倍平行移

    動し、この直線と圧密量~時間(対数)曲線が交差した時点で圧密が終了したとするものであ

    る(図-2.3.7参照)。また、図ー2.3.8に圧密状況を示す。

    また、供試体の飽和の指標となる間隙水圧係数B値を測定する。 B値は、圧密終了後、拘束

    圧 σ3を0.49MPa減圧させた時に生じる間隙水圧の変化ムUを測定し、次式により算定する。

    B=ムu/ムσ-ムu/0.49

    ここに、 B 間隙水圧係数B値

    ムu 間隙水圧の変化量 (MPa)

    ム σ 拘束圧の変化量(恥1Pa) (ムσ3=0.49MPa)

    -6 -

  • PNC TN8410 97-3i4

    ノ'/ク~/I;;曹

    "~ 。

    三軸圧縮試験 (CU)

    試験前

    [~~j ~2.3.6 供試体設置状況

    ー7-

  • PNC TN8410 97-314

    一一一一一一L 3t

    圧密時間(対数)

    tc(圧密終了)

    〕円}

    '記、

    川己 、図-2.3.7 3 t法概念図

    図-2.3.8 圧密状況

    -8 -

  • PNC TN8410 97-314

    2.3.6 せん断

    三軸セルの上下のコックを閉じて非排水状態にした上で、通常の粘土に適用されるひずみ速

    度 (0.2~O.05%/mín) 9;よりも小さい速度 (0.01%!min)で軸載荷を行う(ひずみ制御試験)。

    これは、一般にひずみ速度が速くなると、強度が大きく評価されるためである 10)。ひずみが

    15%を越えた段階で供試体が破壊したとみなし、載荷を停止する。この問、軸応力、軸ひずみ、

    間隙Jki王及び側方ひずみの測定を行う。通常の三軸圧縮試験では、慎IJ方ひずみの測定は行わな

    いが、今回はポアソン比を算定することを日的に G叩拘Senser(>J非接触式変位計、付録 1参照)

    を取り付け、測定する。図-2.3.9にせん断後の供試体例を示す。

    図-2.3.9 せん断後の供試体例

    2.3.7 乾燥重量の測定

    せん断試験終了後、試験に供した試料の乾燥重量を!日間 J10cCで乾燥した後、測定する。

    この乾燥重量を基に吸水飽和後の飽和度を算出するc

    -9 -

  • PNC TN8410 97-314

    2.4 試験結果

    2.4.1 圧縮固化

    表-2.4.1に圧縮固化後の供試体諸元を示す。試料調整の段階では含水比 100/0を目標として

    いたが、 G 型化クニゲル Vlにおいては低めの値となった。

    表-2.4.1 圧縮固化後の供試体諸元

    有効拘束圧 径 高さ 体積 湿潤重量乾燥重量乾燥密度 含水比 間隙比 飽和度σ,(MPa) 世(cm) h(cm) V(cm3) ~ ~ 2' .(g/cm

    3) w(%) E Sr(%)

    クニゲル V1

    0.49 4.99 10.00 195.56 343.8 312.3 1.60 10.1 0.69 39.5

    0.98 4.99 9.99 195.37 349.2 317.2 1.62 10.1 0.67 40.7

    1.96 5.00 10.00 196.35 349.9 317.8 1.62 10.1 0.67 40.7

    Ca型化クニゲル V1

    0.49 4.98 10.08 196.34 333.5 314.0 1.60 6.2 0.69 24.3

    0.98 4.98 10.11 196.92 339.0 319.2 1.62 6.2 0.67 25.0

    1.96 4.98 10.10 196.73 338.2 310.3 1.58 9.0 0.71 34.2

    備考:乾燥重量Wd=lOOW,/(lOO+叫。

    乾燥密度rd=W/V。

    間隙比e=(l-rj P .)/(r 'p.)

    飽和度 Sr=wp ./e。

    ベントナイトの真密度 P.は共に 2.7g/cm3として計算。

    2.4.2 飽和

    表-2.4.2に飽和後の供試体諸元を示す。

    表-2.4.2 飽和後の供試体諸7E

    有効拘束圧 径 高さ 体積 湿潤重量乾燥重量乾燥密度 含水比 間隙比 飽和度σ3 (MPa) ~ h(cm) V(cm

    3) ~ ~ 2' .(g/cmワ w(%) e Sr(%)

    クニゲル Vl

    0.49 5.02 10.10 199.90 392.6 303.4 1.52 29.1 0.78 100.7

    0.98 5.04 10.02 199.90 397.5 312.1 1.56 27.4 0.73 101.3

    1.96 5.03 9.90 196.73 399.7 320.7 1.63 24.6 0.66 100.6

    Ca型化クニゲル Vl

    0.49 4.98 9.73 189.52 377.4 299.9 1.58 25.8 0.71 98.1

    0.98 4.97 10.22 198.27 381.2 293.9 1.48 29.7 0.82 97.8

    1.96 5.03 9.90 196.73 390.4 314.0 1.60 24.3 0.69 95.1

    備考:乾燥重量は、せん断終了後に測定した値。

    乾燥密度2'd=W/V。

    含水比w=(1 OOW/Wd)一100。

    間除、比e=(l-2' j P ,)/(2' j p ,)0

    飽和度 Sr=wp ,/e。

    ヘ・ントナイトの真密度 p,は、共に 2.7g/cmJとして計算。

    -10-

  • PNC TN8410 97-314

    乾燥密度 1.6g/cm3程度では、飽和期間 30日、通水圧0.7MPaという条件で供試体がほぼ飽和

    状態になることが確認された。

    クニゲルVlの飽和度において 1∞%を超える値が示されているが、実際には 1∞%を超える

    ことはあり得ないので、供試体形状等の計測誤差に起因するものと考えられる。

    また、前記の圧縮固化後の乾燥密度と飽和後のそれとでは、相違が生じている。これは、膨

    潤による体積増加、計測誤差、ベントナイト真密度及び含水比の仮定による計算値と実際の相

    違、ろ紙交換による供試体表面の剥離等種々の要因が重なり合った結果と考えられる。特に、

    クニゲルVlの有効拘束圧0.49MPa及びG型化クニゲルVlの有効拘束圧0.98MPaにおいては、

    乾燥密度が約1.5g/cm3となった。

    密圧2.4.3

    (1)圧密量及び圧密時間

    この図図-2.4.1は、圧密開始後の経過時間と供試体の体積圧縮量を示したものである。

    で圧密時間を 3t法で規定した場合、今回の試験条件(乾燥密度1.6g/cm3、圧密応力 σ3=0.49、

    までに圧密の終了を確認することができた。では、 7日間(10,000分)0.98、1.96MPa)

    4

    12

    嗣~

    出 16海さを

    20

    8

    〈円

    -5〉

    4

    クニゲル VlCa型化クニゲル Vl圧密応力 σ3

    0.49MPa

    O.98MPa

    1. 96MPa

    A

    O

    A

    • • 10000 1000 100 10

    (min)

    経過時間と体積圧縮量の関係

    -11 -

    t 経過時間

    図-2.4.1

  • PNC TN8410 97-314

    表-2.4.3に圧密終了時の軸圧縮量、体積圧縮量及び圧密時間を示す。軸圧縮量ならびに

    体積圧縮量は、圧密応力の増加に伴い大きくなる傾向を示す。しかし、 ca型化クニゲル Vl

    の圧密応力 σ3=O.98Iv1Paにおいては、前述したように乾燥密度が目標値より小さくなり、

    間隙比が大きくなったため圧縮量も大きくなったと思われる。

    また、表-2.4.4には、体積圧縮量が排水量に等しいと考えた場合の供試体諸元を参考と

    して示す。

    表-2.4.3 圧密終了時の軸圧縮量、体積圧縮量及び圧密時間

    有効拘束圧 軸圧縮量 体積圧縮量 圧密時間

    σ3仏在Pa) ムh(,αn) ムV(αn3) t (min)

    クニゲル Vl

    0.49 0.03 2.60

    0.98 0.04 4.60 10,080

    1.96 0.07 8.89

    Ca型化クニゲルVl

    0.49 0.03 1.93

    0.98 0.32 14.44 10,080

    1.96 0.22 14.92

    表-2.4.4 圧密終了時の供試体諸元(参考値注)

    有効拘束圧 体積 湿潤重量 乾燥重量 乾燥密度 含水比 間隙比

    σ3仏在Pa) V(cm3) Wt包) Wd包) )' d(g/cmJ) w (%) e

    クニゲルVl

    0.49 197.30 390.0 304.0 1.54 28.6 0.75

    0.98 195.10 392.7 312.1 1.60 25.8 0.69

    1.96 187.84 390.8 320.7 1.71 21.9 0.58

    Ca型化クニゲルVl

    0.49 187.59 375.5 299.9 1.60 25.2 0.69

    0.98 183.83 366.8 293.9 1.60 24.8 0.69

    1.96 181.81 375.5 314.0 1.73 19.6 0.56

    注:体積圧縮量に関して過大評価の可能性があるため、本表の数値は参考値とする。

    備考:乾燥重量は、せん断終了後に測定した値。

    体積=飽和終了時の体積一体積圧縮量(全て水と仮定)。

    湿潤重量=飽和終了時の湿潤重量一体積圧縮量。

    乾燥密度-yd=W/V。

    含水比 w= (J OOW'/Wd) ー100。

    間隙比e=(I--yj p ,)/(-y j p.)。

    ベントナイトの真密度は、共に 2.7g/cmJとして計算。

    -12 -

  • PNC TN8410 97-314

    また、並河らによる同種の試験 3) によると乾燥密度 1.6g/cm3のクニゲル Vlにおいて、表

    -2.4.5に示す有効拘束圧と供試体体積変化の関係が得られている。有効拘束圧が lMPa以下

    の場合、供試体は吸水膨張している。これは、有効拘束圧が供試体の膨潤圧より小さいこと

    に起因すると考えられる。また、有効拘束圧が約 3MPaでも体積圧縮量は 12cm3程度である。

    表-2.4.5 並河らの試験による有効拘束圧と供試体体積変化

    試 験 方 法

    項 目 応力制御試験 ひずみ制御試験

    有効拘束圧 (MPa) 0.784 0.98 2.05 2.97 0.98 1.47 1.96 2.45 2.94

    体積変化 (cm3) -3.9 -0.74 7.0 12.0 -1.7 2.7 5.1 6.2 12.7

    注:体積変化は、正が圧縮、負が膨張を示す。

    表-2.4.5の結果を念頭に入れ、表-2.4.3に示した本試験におけるクニゲル Vlの体積圧

    縮量と比較すると、本試験結果はどのケースも大きい傾向にある。また、 ca型化クニゲル

    V1の膨潤圧は、乾燥密度1.6g/cm3程度では、クニゲルV1のそれと大差無い 7)ことから、 G

    型化クニゲルV1の体積圧縮量も大きい傾向にあると推察される。

    この相違の原因は、供試体を三軸圧縮試験装置にセットする際、排水経路の飽和等の作業

    過程で供試体が吸水したことによると考えられる。このため並河らの試験では、排水経路を

    水で満たした後、平衡膨潤圧相当と考えられる 0.735MPaの拘束圧を負荷し、余分な水の排

    水を行っている。本試験では、この過程を踏んでいないため、体積圧縮量には余分に吸水し

    た水量も含まれていると考えられる。したがって、表-2.4.4に示した圧密終了後の供試体

    諸元は、実際よりも圧密量が過大に評価され、乾燥密度は大きく、間隙比は小さくなってい

    る可能性がある。そのため表-2.4.4に示した数値は、あくまでも参考値として扱うことと

    する。

    (2)間隙水圧係数 B値

    表-2.4.6に、間隙水圧係数B値の測定結果を示す。

    圧密終了後の B値として 0.81~0.92 が得られた。これらの値は、通常、飽和状態の目安と

    される 0.95以上 8)・ (ASTM(AmericanSociety of Testing Materials)における目安値)よりも小さ

    な値である。また、 NGI(Norw egian Geotechnical Institute)においては軟らかい粘性土なら

    B=0.9程度でもよいとしている 8)。しかしながら、せん断試験終了後に測定した乾燥重量を

    -13・

  • PNC TN8410 97-314

    表-2.4.6 間隙水圧係数B値測定結果

    有効拘束圧 間隙水圧の変化量 拘束圧の変化量

    σ3(MPa) ムu(MPa) ム σ3⑦.1Pa) B値

    クニゲルVl

    0.49 0.417 0.85

    0.98 0.397 0.49 0.81

    1.96 0.451 0.92

    Ca型化クニゲルVl

    0.49 0.436 0.89

    0.98 0.436 0.49 0.89

    1.96 0.441 0.90

    基に算出した圧密開始前の飽和度は前述のとおり 95%以上の値が得られており、実質的に飽

    和とみなしでも差し支えないと判断される。また、これ以上B値を上げることは本試験方法

    では困難と考えられ、並河らもそのように結論付けている J)。したがって、この状態でせん

    断試験を行うこととした。

    これまで筆者らは、飽和ベントナイトの三軸圧縮試験を実施してきたが、 B値0.95に固執

    していたために飽和の判断ができず、せん断試験に移行できなかった。したがって、圧縮成

    型ベントナイトのような通常の粘土より透水性が小さい材料に対しては、 B値で飽和を規定

    するより、予備試験を行い飽和度と通水圧及び飽和期間の関係を知ることが実際的と考える。

    今回用いた飽和方法により、供試体をほぼ飽和状態にすることができた。

    (3)供試体の圧密状態

    図-2.4.2は、並河らが乾燥密度1.6g1cmJのクニゲルVlに対して行った一次元圧密試験か

    ら得られたe-logP曲線 1)と本試験における圧密後の状態を比較したものである。前述したよ

    うに、本試験における圧密後の間隙比は、過小評価されている可能性があるため、。logP曲

    線に載る載らないという評価は困難である。ここでは、各供試体の圧密状態が、過圧密か正

    規圧密かということに着目する。

    並河らは、求めたかlogP曲線より圧密降伏応力が l.5MPa程度であるとしている。したが

    って、クニゲル Vlの有効拘束圧 0.49及び 0.9ぬ1Paは過圧密領域のと百試験、有効拘束圧

    1.96MPaは正規圧密領域のcu試験であると言える。また、 ca型化クニゲル Vlにおいても

    以下の理由より有効拘束圧0.49及び、0.98MPaは過圧密領域のとむ試験、有効拘束圧 1.96MPa

    は正規圧密領域のとむ試験と推察される。

    -14 -

  • ーーー並河らの一次元圧密試験結果

    クニゲルV1 (1) =0.49MPa

    クニゲルV1 (1) =O.98MPa

    クニゲルVl t1 )=1.96MPa

    Ca型化クニゲルV1 : t1 ) =0.49MPa

    Ca型化クニゲルVl: t1 )=O.98MPa

    Ca型化クニゲルVl:(1)=1.96MPa

    PNC TN8410 97-314

    0.75

    A

    U

    O

    圧密降伏応力

    PCキ1.5MPa

    ロ0.70

    0.65

    0.60

  • PNC TN8410 97-314

    せん断2.4.4

    (1)せん断試験における粘土の一般的挙動

    本試験の結果を記述する前に、 CU試験における粘土の一般的挙動について触れておく。

    図-2.4.3は、 P訂 ry,R.H.Gが練り返し Weald粘土の正規、過庄密状態に対して行った CU、

    CD (庄密排水)試験結果である 12)。図には、軸ひずみe:1と軸差応力 σl一σ3の関係、ま

    たとむ試験では間隙水圧 U2、①試験では圧縮を正とする体積ひずみ e:,も示している。これ

    より正規圧密粘土のCU試験では、軸差応力と比較して若干低めの正の間隙水圧が発生し、

    軸差応力と間隙水圧の曲線はほぼ相似形となることが分かる。一方、過庄密粘土の場合、間

    隙水圧は軸ひずみの初期段階でわずかな正のピークを迎え、その後負の間隙水圧が発生する

    ことが分かる。

    -5

    (次)よ

    O

    3.0

    --.. 2.0 g u

    、¥

    b.O ,足

    宍1.0

    4乏

    O

    -5

    (次)J

    O

    σ1一σ3(U)

    ルグニて;:一

    3.0

    ,--...2.0 5 t) ¥、、

    blI ,ど

    ~ 1.0 4乏

    O

    5

    (b)過圧密粘土の三軸圧縮

    σc= 8.4 kgf/cm2→ σ3= 0.7 kgf/cm2

    5

    (a)正規粘土の三軸圧縮σ3=.2.1 kgf/cm2

    (D)CO試験

    Parry,R.H.Gによる三軸圧縮試験の応力一ひずみ関係 12)

    凡例 (U) CU試験、

    図-2.4.3

    (2)本試験の結果

    以下に、本試験の結果について記述する。図-2.4.4に軸ひずみと軸差応力の関係、図一

    2.4.5に軸ひずみと間隙水圧の関係、図-2.4.6に側方ひずみと軸差応力の関係、図-2.4.7

    に軸差応力と間隙水圧の関係を示す。ひずみは、圧縮が正、伸張が負である。

    -16 -

  • VHLn

    Z∞士。句、アl

    ピム

    AU

    ---且

    0.9

    一回一向田一四 w…

    --•

    ---h

    -h

    E『

    0.8

    fヘ 0.6

    b

    !ー 0.5b

    11 '--'" 0.4 0司

    4

    ・・AAU

    円 0.3~'.:.J

    wl 語 0.2

    皇0.7

    ー、」

    16.0 14.0 12.0 6.0 8.0

    軸ひずみ ε(%)

    せん断時における軸ひずみと軸差応力の関係

    AU

    AU

    4EEA

    4.0

    図-2.4.4

    2.0 AU

    AU

    AU

    AU

  • 34n↓Z∞ム-()市山、可

    lu-hp

    山明同州クニゲjレVl:σ1=0.98MPa

    ー一一ーCa型化クニゲjレVl:σ3 = 0.49MPa 1-1 一

    三二ごL二工σ3=0.49MPa ……一…クニゲjレVl:

    1.0

    一ート一一一一一一一一一

    同一』一一 l一一-,-噛叩山町担問問.1回目川岬品

    σ3= 1. 96MPa

    ーーー -Ca型化クニゲルVl:σ3=0.98MPa - --Ca型化クニゲjレV仁川=1.96MPa

    二¥一二三1二コ二 二一一曲目クニゲjレVl: 0.9

    0.8

    ー一一・・ 1-一一- - ・・圃圃.. ---一ー ・・ ・・圃・~-"Î圃岡田ー二て二一一一一

    ," k--

    0.7

    皇0.6

    四四国由間四四l 甲田町四

    ー'一一一一ーイ

    r:--'どごし=--ー」一一一一二一」一三C二世

    -...-" / ,

    / s

    一---岡田唱曲間四百- .... -1四唱曲目-- ー 「寸--工斗三三回

    0.5

    岩0.42雪国;;;t

    巴 0.3

    ロ寸-o。

    0.2

    一一一一←…一一角0.1

    0.0 0.0 16.0 14.0 12.0

    軸ひずみ ε(%)

    せん断時における軸ひずみと間隙水圧の関係

    10.0 8.0 6.0 4.0

    図-2.4.5

    2.0

  • MMZの斗Z∞士。。斗|凶】ム

    1.0

    0.9

    0.8 - 凶申・H ・・ e駒山~--;;;;;-一明軸圏一時一一同叫ー町一四

    言0.7

    -ーー圃圃圃ー圃 l回ー・ーーー一一一ー-・ーーーー--←

    咽』四甲町田

    0.6

    b

    |ー 0.5

    b

    11 '--" 0.4 F

    ー、。

    一…ークニゲjレVl:σ3=0.49MPa

    叩叩叩刷クニゲjレVl:σ3=O.98MPa

    +ー和田同クニゲjレVl:σ3= 1.96恥lPa

    -R (¥ 'l i会…事iB

    語 0.2一一ーーCa型化クニゲルVl:σ3=0.49MPa ーーー・Ca型化クニゲjレVl:σ3=0.98MPa

    一園田Ca型化クニゲルV1:σ3=1.96MPa 0.1

    0.0 -2.0 -6.0 -4.0

    側方ひずみ ε3 (%)

    せん断時における側方ひずみと軸差応力の関係図-2.4.6

    -8.0 0.0 -10.0

  • uzn↓Z∞AH-(〕

    |

    凶T

    H

    一一_1ク-一一一一 4一9M上P一一a一(一A一f一=一0一.7L) -一一ニゲjレVl:σ3=0. 山甲山 M クニゲjレVl:σ3=0.98MPa (Ar=0.8) トー」一一一一一一一一一一ー一一クニゲルVl:σ3=1.96MPa (ん=0.9)

    Ca型化クニゲlレVl:σ3 =0.49MPa (Ar=0.2) ト一一一 ーーー・Ca型化クニゲlレVl:σ3 =0.98MPa (Ar=0.7)

    一一一一』一一

    一一Ca型化クニゲルV仁川=1.96MPa(ん=0.7)

    ンiL一一.

    一一一一一 一ーー面調「一'ぞヤ一

    ,.".

    いJ〆

    じメ/トー一一一一一一一一一 -L竺一一一一一 一 一 、F 飽和正規圧密粘土

    J〆

    ~ • , / , ~ /

    V レ~ 飽和過圧密粘土 ノ'ノ, μ~'

    佳子'~ , メ, "

    nu

    ---且

    出特 0.42芸m;;:;> 阻止

    0.3

    0.2

    0.9

    0.7

    g 06

    0.8

    ロ 0.5

    4EEA

    AU

    トJCコ

    nu

    ---且0.9 0.8 0.4 0.5 0.6 軸差応力 q=σI一σ3 (MPa)

    せん断時における軸差応力と間隙水圧の関係

    0.7 0.3

    図-2.4.7

    0.2 4EEA

    AU

    AU

    AU

    AU

    AU

  • PNC TN8410 97-314

    (i)軸ひずみと軸差応力の関係

    軸ひずみと軸差応力の関係(図-2.4.4参照)では、有効拘束圧の大きい供試体ほど、

    また同一の有効拘束圧であればクニゲルVlより ca型化クニゲルVlの方が、同一軸ひず

    みに対する軸差応力が大きくなっている。また、各供試体とも軸ひずみが0.5~1% を超え

    たあたりで非線形性が大きくなることが分かる。そして、有効拘束圧によらず表-2.4.7

    に示すように軸ひずみが約 8~9%で軸差応力のピークを呈し、その後ほぼ一定あるいは若

    干のひずみ軟化を生じている。

    表-2.4.7 最大軸差応力及び軸ひずみ

    有効拘束圧 最大軸差応力 最大軸差応力時の軸ひずみ

    σ3(MPa) q (MPa) C 1 (%)

    クニゲルVl

    0.49 0.26 8.8

    0.98 0.45 8.6

    1.96 0.81 8.5

    Ca型化クニゲjレVl

    0.49 0.41 8.2

    0.98 0.59 8.2

    1.96 0.93 8.7

    (ii)軸ひずみと間隙水圧の関係

    軸ひずみと間隙水圧の関係(図-2.4.5参照)では、白型化クニゲルVlの有効拘束圧

    0.49及び1.96MPaを除き、軸差応力との関係と同様に軸ひずみが8%程度で間隙水圧のピ

    ークを呈し、その後ほぽ一定値を示している。また、軸差応力を若干下回る値で、ほぽ相

    似形の曲線を示しており、前述した正規圧密粘土の特徴を有している(図ー2.4.4及び図

    -2.4.5参照)。このような正規圧密状態にある供試体の非排水せん断時における間隙水

    圧の上昇は、せん断に伴う負のダイレタンシーが原因と考えられる。

    一方、白型化クニゲルVlの有効拘束圧0.49MPaでは軸ひずみ 1%強でピークを迎え、

    その後間隙水圧は減少している。負の間隙水圧の発生は見られないが、過圧密粘土的な挙

    動を示していると推察される。

    さらに、白型化クニゲルVlの有効拘束圧 1.96MPaでは、間隙水圧の初期の立ち上がり

    が他と比べて緩く、かつピークが現れていない。このような特徴を有する場合は、軸ひず

    み~軸差応力関係におけるピーク後に有効応力比 (σ1'/σ3') の最大が現れると言われ

    -21 -

  • PNC TN8410 97-314

    ている 13)。破壊点の規定には、軸差応力最大点とする立場と有効応力比最大点とする立

    場があり、有効応力比最大点とする方が合理的であるとされている。また、間隙水圧が正

    の増加傾向にあることから正規圧密状態と判断される。

    (iii)側方ひずみと軸差応力の関係

    側方ひずみと軸差応力の関係(図-2.4.6参照)では、材料及び有効拘束圧によらず全

    ての供試体において負の側方ひずみが発生している。すなわち、軸方向に圧縮されたこと

    により供試体は側方に伸張していたことを表している。また、側方ひずみは、有効拘束圧

    によらず 3%前後で軸差応力のピークを呈し、その後ほぼ一定あるいは若干の低下を生じ

    ている(表-2.4.8参照)。

    表-2.4.8 最大軸差応力及び側方ひずみ

    有効拘束圧 最大軸差応力 最大軸差応力時の側方ひずみ

    σ3(MPa) q (MPa) E: 3 (%)

    クニゲル Vl

    0.49 0.26 ー3.2

    0.98 0.45 -2.4

    1.96 0.81 -4.0

    Ca型化クニゲル Vl

    0.49 0.41 -3.0

    0.98 0.59 -2.3

    1.96 0.93 -3.6

    (iv)軸差応力と間隙水圧の関係

    軸差応力と間隙水圧の関係(図ー2.4.7参照)では、各曲線の右端が破壊点を表してい

    る。 G 型化クニゲルV1の有効拘束圧1.96MPaについては、有効応力比 (σ1'/σ/)が

    最大となる点を破壊としている。他の供試体については、軸差応力の最大点を破壊として

    いる。この図からは、間隙水圧係数~を知ることができ、表ー2.4.9 にその結果を示す。

    間隙水圧係数~は、次式により算定した。また、土のタイプと間隙水圧係数~値の関係

    として表-2.4.1014)が示されており、それを基に評価した供試体の圧密状態も表-2.4.9

    に示した。

    -22 -

  • PNC TN8410 97-314

    Ar=Ur/qr

    ここに、Ar:間隙水圧係数

    有効拘束圧

    σ3(MPa)

    クニゲルVl

    0.49

    0.98

    1.96

    Ur.破壊時の間隙水圧

    qr:破壊時の軸差応力

    表-2.4.9 間隙水圧係数Ar

    破壊時軸差応力 破壊時間隙水圧 間隙水圧係数

    告 (MPa) Ur (阻a) Ar

    0.26 0.17 0.7

    0.45 0.34 0.8

    0.81 0.72 0.9

    Ca型化クニゲル Vl

    0.49

    0.98

    1.96

    0.41 0.063 0.2

    0.59 0.41 0.7

    0.92 0.60 0.7

    表-2.4.10 土のタイプと間隙水圧係数Ar値 14)

    土Ar値

    砂(ごくゆるい)

    飽和粘性土

    鋭敏なもの

    正規圧密粘土

    過圧密粘土

    著しい過圧密粘土

    飽和シjレト(中位)

    -23 -

    2 - 5

    1.5 - 3.0

    0.7 - 1.3

    0.3 - 0.7

    o ー0.5o - 0.5

    供試体の

    圧密状態

    過圧密/正規圧密

    正規圧密

    正規圧密

    過圧密

    過圧密/正規圧密

    過圧密/正規圧密

  • PNC TN8410 97-314

    (3)並河らの結果との比較

    ここでは、動燃事業団において並河らが実施したクニゲル Vl(乾燥密度1.6g1cm3) の三軸

    圧縮試験 (ξU試験) 3) と本試験結果の比較を有効応力経路及び軸ひずみと正規化軸差応力

    の関係により行う。

    (i)動燃事業団における試験条件

    表-2.4.11に並河らが実施した試験条件を示す。

    表-2.4.11 並河らが実施した試験条件

    応力制御

    クニゲル Vl

    直径5cmX高さ 10cm

    9-12%

    ひずみ制御

    使用材料

    供試体形状

    初期含水比

    せん断方法

    試験番号 CUO・1 CUO-2 CUO-3 CUO-4 CU1-1 CUl-2 CUl-3 CUl-4 CUl-5

    飽和後乾燥密度

    (gfcm3)

    有効拘束圧

    (圧密応力)仏1Pa)

    せん断速度

    1.57 1.58 1.57 1.58

    0.784 0.98 2.05 2.97

    0.05 0.075 0.10 0.15 MPaJstep MPaJstep MPaJstep MPaJstep Istep= ls飽p= 1 step = Istep=

    lday 1也y lday 5・15days

    1.58 1.57 1.58 1.58 1.57

    0.98 1.47 1.96 2.45 2.94

    0.01 mmJmin

    (約0.01%/min)

    試験は、圧密応力と前述した圧密降伏応力1.5MPaの関係より、CUO・1、CUO・2及びCU1-1

    は過圧密状態、 CU1・2は過圧密/正規圧密の中間状態、 CU0-3、CU0-4、CU1・3、CU1-4及

    びCU1-5は正規圧密状態におけるとむ試験と考えられている。

    (ii)有効応力経路

    図-2.4.8に、並河らが得たせん断時の有効応力経路を示す。

    図-2.4.8は、 p'=(σ/+2σ}')(3で定義される平均有効応力と軸差応力の関係を示したも

    ので、供試体に軸差応力を加え非排水せん断した時の有効応力経路を示している。

    正規圧密及び正規圧密と過圧密の中間状態にある供試体の各有効応力経路は、同じ傾向

    を示し、ほほ相似形である。各試験ともせん断中、軸差応力の増加に伴い過剰間隙水圧が

    発生し、平均有効応力が減少している。この過剰間隙水圧の上昇は、供試体がせん断中負

    のダイレタンシーに体積収縮しようとするが、非排水条件であるため体積変化が抑制され

    -24-

  • PNC TI、.J'841097-314

    る。それが過剰間隙水圧の上昇を招いている。

    次に破壊時の応力比q/p'であるが、正規圧密状態にあると考えられる各供試体とも傾き

    M=0.58の限界状態線上で軸差応力はほぼ最大となり破壊している。この限界状態線は、

    各有効応力経路の限界状態を結んだ線で、せん断変形が進み限界状態に至るとダイレタン

    シー効果は無くなり、軸差応力及び間隙水圧が一定のもとに塑性流動が起こる 15)。限界

    状態線の傾き Mは、粘土の構成方程式を表す carn-c1ayモデルや関口・太田モデルの入力パ

    ラメータとなり、有効内部摩擦角併'と以下の関係にある。 M=0.58の場合、ザ=15.3。で

    ある。

    M=~坐宣一一3-sinゆ'

    一方、過圧密状態の供試体では、せん断の前半において平均有効応力の変化はほとんど

    無く、後半において平均有効応力が若干増加する傾向を示す。また、正規圧密状態の試験

    に基づく限界状態線より上方で破壊している。

    図-2.4.9は、本試験の結果を整理したものである。図中には、並河らが得た限界状態

    線も示した。本試験による有効応力経路の限界状態は、並河らが得たクニゲル V1の限界

    状態線にほぼ一致する。

    各有効応力経路の形状について見ると、間隙水圧が軸ひずみの進行とともに減少する

    白型化クニゲjレVlの有効拘束圧 OA9MPaでは、せん断の終局段階で平均有効応力が増加

    している。また、間隙水圧の上昇が緩やかなクニゲル V1の有効拘束圧 0.4偽1Pa及び Ca

    型化クニゲルV1の有効拘束圧1.9品1Paでは、有効応力経路の途中段階で平均有効応力の

    増加が見られるが、最終的には間隙水圧の上昇により平均有効応力が減少し、破壊に至っ

    ている。他の供試体では、せん断の進行とともに間隙水圧が上昇し、平均有効応力が減少

    している。したがって、有効応力経路の形状からは、 Ca型化クニゲル Vlの有効拘束圧

    0.49MPaは過圧密状態、その他は正規圧密状態あるいは過圧密/正規圧密の中間状態と判

    断される。なお、並河らの試験では、正規圧密状態の各有効応力経路がほぼ相似形を成し

    ていたが、本試験ではそのような傾向は明確に現れなかった。

    -25 -

  • PNC TN8410 97-314

    1.5

    1.0

    0.5

    {£2]σ 円h門句品川一一吾

    3.5 3.0 2.5 1.0 1.5 2.0

    平均有効応力

    0.5 0.0

    0.0

    p' [MPa]

    並河らによるせん断時の有効応力経路 3)図-2.4.8

    自由時一時クニゲJレVl:σ]=0紳 MPa 11

    E 明ー'クニゲJレVl:σ]=0.98MPa 11 一一四回クニゲJレVl:σ 戸1.96MPa 11

    i-ー叩クニ杓レVl:げO紋 /1 -ーー・Ca型化クニゲJレVl:σ3=0.98MPa 11 1 ./

    i-ーーCa型化クニゲルVl:ハ=1.96MPa ノミ一一寸

    iーらの試「による限

    2.0

    1.5

    (£2)

    .,-¥l h

    ¥1,

    σ 1.0

    R t全判同草

    0.5

    3.5 3.0 1.5 2.0 2.5 p' (=(σl' +2・(J 3')13) (MPa)

    0.5 1.0 平均有効応力

    0.0

    0.0

    本試験におけるせん断時の有効応力経路

    -26 -

    図-2.4.9

  • PNC 11、~8410 97-314

    (iii)軸ひずみ~正規化軸差応力の関係

    図-2.4.10に、並河らが得たせん断時における軸ひずみと正規化軸差応力の関係を示す。

    図-2.4.10は、せん断時における軸ひずみと q/p'で定義される正規化軸差応力の関係を示

    したものである。

    並河らの結果では、正規圧密状態の試験 (CUO・3、CUI-3、CUI-4、CUI-5)において有

    効拘束圧が異なっても軸ひずみと正規化軸差応力の関係はほぼ等しく、軸ひずみ 8~10%

    程度でピークを迎え、その後一定もしくは若干の低下を示す。そして、ピーク時の正規化

    軸差応力は 0.55~0.6 程度である。このことは、有効拘束圧が異なっても軸ひずみと正規

    化軸差応力の関係が一つの曲線で表現できることを示しており、飯塚 16) によれば正規圧

    密粘土の典型的な挙動を示すものである。

    一方、過庄密状態の試験 (CUO-l、αJ0-2、αJ1-1)では、正規圧密供試体より正規化

    軸差応力が大きくなっている。

    図-2.4.11は、本試験の結果を整理したものである。クニゲル Vlの有効拘束庄 0.98、

    1.96MPa及び臼型化クニゲルVlの有効拘束庄 1.96MPaは、並河らの試験結果と同様に、

    軸ひずみ 8%程度でピークを迎え、その後一定もしくは若干の低下を示している。そして、

    ピーク時の正規化軸差応力は 0.54~0.56 程度である。このことから、これら 3 供試体は正

    規庄密状態、その他は過庄密状態でのとU試験であったことが示唆される。

    -27 -

  • -{・;CUO-1トー】_(;t;LI・1 G γ℃ーで士三三宮之ロゴア~~CUO-2

    3空管おふをぷ匂~jsm,CUl4~、・a、ー」

    r て ・ …..…..コ士三司CUl-5

    PNC TN8410 97-314

    0.8

    王子 0.7 0"'

    0.6 (心

    AR崎一)

    0.5

    0.4

    0.1

    0.2

    0.3

    h

    山冠制一一33?思同

    15 10

    E: I [%]

    5

    軸ひずみ

    0.0 0

    並河らによるせん断時の軸ひずみと正規化軸差応力の関係 3)図-2.4.10

    0.7

    。4¥0.6

    き0.5迫~ 0.4 「、寸¥

    」主J

    制 0.34罫ムJ

    譲0.2同

    0.1

    0.8

    15.0 10.0 (%)

    5.0 軸ひずみ

    0.0

    0.0

    E: I

    本試験におけるせん断時における軸ひずみと正規化軸差応力の関係

    -28 -

    図-2.4.11

  • PNC TN8410 97-314

    3 力学パラメータの設定

    3.1 せん断強度定数

    図-3.1.1及び図-3.1.2に全応力及び有効応力規準における破壊線を示す。図は、後作業の

    容易さを考慮、して、横軸に最大及び最小主応力の平均、縦軸に軸差応力の 112(せん断応力)

    を示した。すなわち図-3.1.1及び図-3.1.2は、破壊時におけるモール円の頂点位置をプロッ

    トしたことになる。この図においてせん断強度定数(粘着力 C、内部摩擦角併)は、次式によ

    り算定される。

    sinゆ=m

    c == fl イl-m

    ここに、 m:破壊線の傾きf) :破壊線の切片

    併:内部摩擦角(度)

    C:粘着力 (MPa)

    なお、破壊線は、各試験データを基に最小自乗法により回帰した。但し、 Ca型化クニゲル

    V1の有効応力規準に対する破壊線の回帰には、有効拘束圧O.98MPaのデータは用いなかった。

    なぜならば、他の試験データにおいて、同じ有効拘束圧であればクニゲル V1より Q 型化クニ

    ゲル V1の方が主応力の平均(横軸)が大きくなる傾向にあるのに対し、それはクニゲル V1

    とほぼ同じであること、乾燥密度が目標値より低下したこと等、信頼性に欠けるためである。

    図-3.1.1及び図-3.1.2から明らかなように本試験の結果は、 l本の直線上にプロットでき

    る。また、せん断強度は、 Ca型化することによりわずかに増加する。この傾向は、不飽和供

    試体に対する一軸圧縮強さの関係)1)と一致する。しかし、せん断強度の増加は、工学的に有

    意な差とは考えにくい。表-3.1.1は、本試験結果のみから上式を用いてせん断強度定数を算

    定した結果である。

    表-3.1.1 本試験結果のみによるせん断強度定数

    全応力 規準 有効応力 規準

    材 手ヰ 傾き 切片 内部摩擦角 粘着力 傾き 切片 内部摩擦角粘着力町1 民

    (ft) Cru 町1 f)

    (長)C'

    (MPa) (MPa)

    クニゲlレV1 0.158 0.032 9.1 0.03 0.231 0.024 13.4 0.02

    Ca型化クニゲル V1 0.147 0.106 8.5 0.11 0.214 0.071 12.4 0.07

    -29・

  • PNC TN8410 97-314

    1.0

    0.8

    c;:!

    a噌苫

    N 0.6

    b

    と 0.4

    e ぷht 部

    語 0.2

    0.0

    0.0

    1.0

    0.8 司

    巳4

    2

    N 0.6 k

    b

    と 0.4

    e 世き予

    言語 0.2

    0.0

    0.0

    。クニゲルVI・Ca型化クニゲルVI

    1 一一一一一クニゲルVl回帰線

    i 一一一-Ca型化クニゲルVl回帰線

    0.5 1.0 1.5 破壊時の (σ1+σ 3)12

    図-3.1.1 破壊線(全応力)

    。クニゲルVl• Ca型化クニゲlレVl

    一一一一クニゲルVl回帰線 i

    一一一-Ca型化クニゲJレVl回帰線|

    0.5 1.0 1.5 破壊時の (σ1+σ3)/2

    2.0 (MPa)

    2.0

    (MPa)

    図-3.1.2 破壊線(有効応力)

    -30・

    -------

    2.5 3.0

    2.5 3.0

  • PNC TN8410 97-314

    一方、一般に破壊線は供試体の圧密状態によって異なり、図-3.1.317)に示すように過圧密

    状態では C宇0、正規圧密状態では CキOである。しかし、図-3.1.1及び図-3.1.2に図示した

    破壊線では、原点を通るべき正規圧密状態の破壊線を十分に表現していない。そこで、この観

    点、より前述のせん断強度定数を再考する。

    これまでいくつかの指標により各供試体の圧密状態に言及してきた。その結果を整理したも

    のが表-3.1.2である。これより、少なくとも有効拘束圧 1.96MPaの供試体はクニゲル Vl及び

    ca型化クニゲルV1とも正規圧密状態、 ca型化クニゲルVlの有効拘束圧0.49MPaは過圧密状

    態にあったと考えられる。また、本試験結果のみでは、明らかに正規圧密状態と言えるデータ

    が不足するため、並河らが得た結果も加味して検討することにする。

    以{想室、てが

    度'e虫哩

    qd

    -9

    す対hv

    htt

    nu

    rlムru

    寸||川ム

    Fau

    垂直応力 σr.σ. ' (p,は圧密降伏応力)

    図-3.1.3 CU試験結果の全応力(点 a~f) 及び有効応力(点ぜ~f)による破壊線川

    表-3.1.2 各指標における各供試体の圧密状態

    有効拘束圧 指 標

    σ3 (MPa) e-logP曲線 間隙水圧の変化 間隙水圧係数 有効応力経路 軸ひずみ~(Pc= 1.5MPa) ~ 正規化軸差応力

    クニゲル Vl

    0.49 活!DF-:tえ稜 正規圧密状態 過/正規圧密状態 正規圧密状態 過圧A':/K@

    0.98 週圧A':t土宗 正規圧密状態 正規圧密状態 正規圧密状態 正規圧密状態

    1.96 正規圧密状態 正規圧密状態 正規圧密状態 正規圧密状態 正規圧密状態

    Ca型化クニゲル Vl

    0.49 週圧A':t土産 通圧A':t定.@ 週圧A'.tk@ 週庄密':t士/~ 過圧A':tえを育

    0.98 週圧A'.fX.@ 正規圧密状態 過/正規圧密状態 正規圧密状態 通圧A':tえをF

    1.96 正規圧密状態 正規圧密状態 過/正規圧密状態 正規圧密状態 正規圧管状態

    臼型化クニゲルVIの 間隙水圧の減少が へ>0.7を正規圧 有効応力が減少し 並河らの結果とー

    備考 PCをクニゲルVIと同 あるものを過圧 密、へ

  • PNC TN8410 97-314

    図-3.1.4及び図-3.1.5は、本試験結果に並河らの結果を追加し、全応力規準及び有効応力

    規準で前出と同様の破壊線を描画したものである。太い実線は、クニゲルV1の正規圧密状態

    における破壊線を示したもので、本試験による有効拘束圧 1.96MPaの結果と並河らによる正規

    圧密状態及び過圧密と正規圧密の中間 (CUO・3~CUO・4、 CUl-2~CUl-5) の結果を用い、原点

    を通る直線に回帰させたものである。一方、太い点線は、過圧密状態、における破壊線を示した

    もので、並河らによる過圧密 (αJ0-1~CU0-2、 αj ト 1) の結果を用い、直線に回帰させたも

    のである。

    以上の整理結果を概観すると、本試験におけるクニゲル V1の結果は、並河らのそれに比べ

    せん断強度が小さく評価されている。特に、有効拘束圧が比較的小さい 0.49及び0.98I¥在Paの

    結果も正規圧密状態の破壊線に載っており、前述の圧密状態の指標の幾つかでこれらが正規圧

    密状態と評価されたことの裏付けとなった。

    。型化クニゲルV1に関してはデータが少ないため、それ独自の破壊線を描画することは困

    難である。しかし、この程度の相違を試験誤差の範囲内とするならば、 G 型化クニゲル V1の

    破壊時の状態はクニゲルV1のそれと大差無いと考えられる。

    表-3.1.3は、前述の回帰線を基に算出したクニゲルV1のせん断強度定数である。これによ

    るとクニゲルV1の内部摩擦角は、全応力規準で 100

    程度、有効応力規準で 15。程度である。

    また、有効応力規準の粘着力(応力 Oにおけるせん断強度)は、全応力規準におけるそれの半

    分程度である。これらせん断強度定数の大小関係は、図-3.1.3に示した一般的な粘土の傾向

    に合致するものである。

    表-3.1.3 せん断強度定数

    全応力規準 有効応力規準

    応力範囲 傾き 切片 内部摩擦角粘着力 傾き 切片 内部摩擦角粘着力

    ロ1 f, (神度田)

    C

  • uzn↓Z∞主()喝、アlU】品

    1.0

    O クニゲJレVl

    Ca型化クニゲJレVl

    ークニゲJレVl回帰線

    一一一一 Ca型化クニゲルVl回帰線

    並河らによるクニゲルVl

    • 。

    一一一一正規圧管状態クニゲルVlの回帰線

    ・・・過圧密状態、クニゲルVlの回帰線

    0.8

    皇0.6

    ト』

    b

    b

    E;' 0.4

    世理部握

    0.2

    VJ VJ

    4.0 3.5 3.0 2.0 2.5

    (σ ,+σ3)12 (MPa) 破壊線(全応力)

    1.5

    破壊時の

    図-3.1.4

    1.0 0.5 0.0

    0.0

  • vzn↓Z∞ム】。ゆ斗|凶】ム

    O

    ハU4

    ・・A

    Ca型イヒクニゲjレVl

    今クニゲJレVl回帰線

    Ca型イヒクニゲJレVl回帰線

    並河らによるクニゲルVl

    一一一一正規圧密状態クニゲルVlの回帰線

    ・・・過圧密状態クニゲJレVlの回帰線

    • 。

    cuo・l

    0.8

    (1;j

    皇0.6

    ト』

    b

    b

    E;' 0.4

    世部主題

    0.2

    w 4込

    4.0 3.5 3.0 2.0 2.5

    (σ.+σ3)/2 (MPa)

    破壊線(有効応力)

    1.5

    破壊時の

    図-3.1.5

    1.0 0.5 0.0

    0.0

  • PNC TN8410 97-314

    3.2 変形係数

    図 -2.4.4に示した軸ひずみ~軸差応力関係を基に各供試体の変形係数 ~o を算定する。一般

    に変形係数 ~oは、破壊時の軸差応力の 112 となる曲線上の点と原点を結んで得られる直線の勾

    配で定義される。式で表現すると以下に示すとおりとなる。

    E qmぅ450 =百戸12)

    ここに、 巳。変形係数 (MPa)

    qmax 破壊時の軸差応力 (MPa)

    E 1 (qmax/2) :破壊時の軸差応力の 1/2に対応する軸ひずみ(ー)

    表-3.2.1 に本試験における各供試体の変形係数~。の算定結果を示す。また、図 -3.2.1 ~図

    -3.2.6 に各供試体の変形係数 ~O を示す。ここで、 ca型化クニゲル V1 の有効拘束圧1.96叩a

    については、前述の理由より σ//σJの最大点を破壊点とし、その他は軸差応力の最大点を

    破壊点としている。ちなみに臼型化クニゲル V1の有効拘束圧 1.96MPaに関して軸差応力の最

    大点を破壊点とした場合の変形係数民。は、 104恥1Paであり、 σ//σJの最大点を破壊点とし

    た場合と大差ない。

    表-3.2.1 本試験による変形係数巳。

    有効拘束圧 破壊点の軸差応力破壊点の軸差応力 弘3>.12に対応する

    変形係数の112 軸ひずみ

    σ3 仏国 弘田12 E: 1 E50 (MPa) (MPa) (Mpa) (%) (MPa)

    クニゲル V1

    0.49 0.256 0.128 0.802 16

    0.98 0.447 0.224 0.559 40

    1.96 0.808 0.404 0.597 68

    Ca型化クニゲルVl

    0.49 0.412 0.206 0.419 49

    0.98 0.591 0.296 0.550 54

    1.96 0.919 0.460 0.438 105

    -35 -

  • PNC 1下~84 1O 97-314

    1.0

    0.9 田町一 εl~q関係

    ........ 0.8 司

    一一一傾きがEsoの直線ー巳喝

    さ 0.7

    f 三 0.6b

    1-0.5 b

    11 11 0.4

    0"

    -R 0.3

    t金制 0.2モヨ今=-

    0.1

    0.0

    0.0 2.0 4.0 6.0 8.0

    軸ひずみ εl

    10.0

    (0/0)

    血血

    12.0 14.0

    図-3.2.1 クニゲルV1 (有効拘束圧 σ3=u.49MPa)の変形係数民。

    16.0

    トト0.9 r--t--i- ll 四回目 εl~q関係 ト(O 8 1 1 1 傾きがEsの直線!/ 2 '-" 0.7

    2 06/!lii|!

    1 同一ヤ 間同l 酬曲目輔自国国自国回目 』時

    11, 0.4 1:--/ u ...---T四... -二 /e' +.. r "'-1 1-4 0.2 1

    V4罫A111

    0.1

    0.0

    0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0

    軸ひずみ ε (0/0)

    図-3ユ2 クニゲルV1 (有効拘束圧 σ3=u.98MPa)の変形係数民。

    -36 -

  • PNC TN8410 97-314

    1.0

    0.9

    0.8

    3 0.7

    --ユ 0.6b

    |ー 0.5b

    !! ~ 0.4 0・

    -R 0.3 迫

    型0.2→寄

    0.1

    0.0

    0.0

    1.0

    0.9

    ~ 0.8 0.. 2 '---' 0.7

    f ユ0.6b

    !戸0.5b

    ~ 0.4 0・

    且由- 4 ー白骨ー企揖 岨暗唱 事唱暗暗唱喧w 恒申同t ドみ司邑唱寸『』. .p、. 時 H 輔t 自甲唱. -官~ ...... -~... .,....

    4, .. ' !| l/;

    f ,

    fJ

    2.0 4.0

    図-3.2.3 クニゲルVl

    /1

    1/1

    !町一白~ e ,-q関係 一

    6.0 軸ひずみ

    8.0 εl

    10.0 (%)

    (有効拘束圧 σ3=1.96MPa)

    傾向。の直線一

    12.0 14.0 16.0

    の変形係数Eso

    0.3 r-、?¥ イ乞J

    品0.2〆ーi 一円関係 「0.1

    0.0

    0.0 2.0

    図-3.2.4

    4.0

    l 一一傾 EI-Iff: Esoの直線

    6.0 8.0

    軸ひずみ εl

    10.0

    (%)

    12.0 14.0

    。型化クニゲルVI (有効拘束圧 σ3=0.49MPa) の変形係数Eso

    ー37-

    16.0

  • PNC TN8410 97-314

    1.0

    0.9

    ----0.8 司

    0..

    ~ 0.7

    ぺ 0.6b

    1_ 0.5 b

    11 0.4 σ-

    宍 0.3

    迫制 0.2審

    0.1

    0.0

    1.0

    0.9

    ____ 0.8 司巳司

    250.7

    勺、 0.6b

    1_ 0.5 b

    ~ 0.4 σ-

    干ミ 0.3

    i主が¥!l0.2

    0.0

    -・・・.・・・・・・・・-ー園田園田~... --_.・ 『 圃邑i l,FI l-------.... l ",. ', i}

    rl

    " e I~q | 傾出の直線トr I ~I ~

    ・ー・・・

    0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 軸ひずみ ε(%)

    図-3.2.5 ca型化クニゲル Vl (有効拘束圧 σ戸 O.98MPa) の変形係数民。

    ト ー ;-F」ー一一一

    と 〓一二一!"r I

    i¥| l l l i l i l l

    0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 軸ひずみ ε(%)

    図-3.2.6 ca型化クニゲル Vl (有効拘束圧 σ3=1.96Mpa) の変形係数民。

    事 38-

    16.0

    16.0

  • PNC T1、-l841097-314

    有効拘束圧と変形係数巳。の関係を示したものである。図には、本試験図-3ユ7は、また、

    結果の他、並河らによる試験結果 3) (表-3ユ2参照)及び藤田らによる試験結果 2)(表-3.2.3)

    を追記した。

    llAYJ114「

    〆一一ずh

    i

    l

    t

    一一-0-一一クニゲルVI

    ,--eーーCa型化クニゲルVI。並河らによるクニゲルVI (応力制御試験)ー一-6,一一並河らによるクニケソレVI (ひずみ制御試験)

    , ---x--藤田らによるクニゲルVI (三軸uu試験)一一一一クニゲルV1保守側回帰線一一一ーCa型化クニゲルV1回帰線

    150

    _____ 100 司己司

    E

    話峰山南側 50

    O

    0.0 3.0 2.5 2.0

    有効拘束圧と変形係数巳。の関係

    1.0 1.5 有効拘束圧 σ3 (MPa)

    図-3.2.7

    0.5

    変形係数

    so (MPa)

    並河らの試験による変形係数巳。

    破壊点の 破壊点の も田/2に対応戦差応力註 軸差応力の 1/2 する軸差応力注

    qMn (MPa) 丸町/2(MPa) ( , (0/0)

    表-3.2.2

    有効拘束圧試験番号

    nunuqJnu

    tU勺

    r勺

    rny

    43

    57

    71

    116

    138

    0.5

    0.5

    0.8

    0.8

    0.8

    0.7

    0.7

    0.5

    0.5

    0.30 0.35

    0.60

    0.72

    0.34

    0.40

    0.50

    0.58

    0.69

    -39・

    σ &在Pa)

    クニゲル Vl

    応力制御試験

    CUO-1

    CUO-2

    CUO-3

    CUO-4

    ひずみ制御試験

    CU1-1 0.98 0.68

    CUl-2 1.47 0.80

    CUl-3 1.96 1.00

    CUl-4 2.45 1.15

    CUl-5 2.94 1.38

    注:文献3) に示される図から著者が読みとった値。

    0.60

    0.70

    1.20

    1.43

    0.784

    0.98

    2.05

    2.97

  • PNC TN8410 97-314

    表-3.2.3 藤田らの試験による変形係数巳。

    乾燥密度 飽和度 有効拘束圧 変形係数

    Y d (g1cmJ) Sr (%) σJ(MPa) E50 (MPa)

    クニゲルVl

    1.59 98.5 O 17.3

    1.57 96.8 0.1 18.8

    1.57 96.6 0.15 21.6

    1.58 97.1 0.2 17.2

    注:文献2)における三軸uu試験結果に基づき整理。供試体形状は、直径5cmX高さlOcm。試験温度は、 23'C。

    図から明らかなように変形係数巳。は、有効拘束圧の増加に依存して大きくなる。そして、

    同じ有効拘束圧であればCa型化クニゲルVlの方が、変形係数巳。はやや大きめの値をとる。

    また、本試験結果におけるクニゲル Vl の有効拘束圧 0.9肋fPa及び~Ca 型化クニゲル Vl の有効

    拘束圧0.49MPaの変形係数巳。は、本試験の他の結果と比較して小さめの値を示している。こ

    れは、前述したように、これらの供試体の乾燥密度が低下しすぎたことの影響と考えられる。

    図に示した太い実線は、設計的に保守側と考えられるクニゲルVlの有効拘束圧と変形係数

    巳。の関係を示す回帰線である。ここで設計的に保守側とは、変形しやすい、すなわち変形係

    数巳。が小さいことと考えた。また、回帰に用いたデータは、本試験による有効拘束圧0.98及

    び 1.96MPa の結果、並河らによる CUO・3~CUO・4 及び CU1-l ~CUI-3 の結果、藤田らによる結

    果の計 11データである。その結果、乾燥密度1.6g/cm3のクニゲルVlにおける飽和時の有効拘

    束圧と変形係数巳。の関係式として以下を得た。

    巳。=26.4σ3+ 16.3

    ここに、巳。:乾燥密度 1.6g1cm3におけるクニゲルVlの変形係数(恥fPa)

    σ 有効拘束圧 (MPa)

    また、図中の太い破線は、 Ca型化クニゲル Vlの有効拘束圧と変形係数巳。の関係を示す回

    帰線である。回帰に用いたデータは、本試験による有効拘束圧0.49及び 1.96MPaの結果の計2

    データである。その結果、乾燥密度 1.6g/cm3のG 型化クニゲルVlにおける飽和時の有効拘束

    圧と変形係数巳。の関係式として以下を得た。

    -40 -

  • PNC TI、-1841097-314

    巳。=38.0σ3+30.1

    ここに、巳。:乾燥密度 1.6g1cm3における臼型化クニゲル Vlの変形係数(恥1Pa)

    σ 有効拘束圧(恥1Pa)

    この臼型化クニゲル Vlの回帰線に並河らによるクニゲル Vlの結果が、何点か載っている。

    これから判断するに、。型化クニゲル Vlの変形係数巳。が、クニゲル Vlのそれより大きいと

    言っても、たかだかバラツキの上限程度である。

    3.3 ポアソン比

    図-3.3.1に軸ひずみとポアソン比の関係を示す。ポアソン比は、各軸ひずみに対応する側

    方ひずみから下式により算定した。

    v=Jε31 -εI

    ここに、 ν:ポアソン上ヒ

    E 1 軸ひずみ

    E 3 .側方ひずみ

    低軸ひずみ領域では、計測開始直後に生じた側方ひずみの乱れを受けている。その後、 ν=

    0.2~0.5 の間で変化しているが、材料や有効拘束庄、軸ひずみとの相関は全く読み取れず、ポ

    アソン比の同定は困難である。また、一部の供試体では、高軸ひずみ域で0.5を上回っており、

    ポアソン比測定、言い換えれば側方ひずみ測定の難しさを物語っている。これは、供試体の側

    方への変形が、高さ方向に関し均等でないためと考えられる。

    そこで、ポアソン比と静止土庄係数との関係 18)からポアソン比の算定を試みる。静止土庄

    係数の算定には、有効応力時の内部摩擦角に応じて変化する Jakyの実験提案式削を用いる。

    以上を式で表現すると、以下に示すとおりである。また、表-3.3.1は、表-3.1.3に示したク

    ニゲル Vlの有効内部摩擦角からポアソン比を算定した結果である。

    -41 -

  • 山町

    ?EQ封入ヘドトvT必母'」

    rb零時土持斗世盗、くヤ

    (

    )

    -

    【.内ヤl

    w

    c.甲-

    C.寸-

    0.0-

    C.唱

    0.寸

    0.N

    0.N-

    c.∞

    PNC TN8410 97-314

    C.c c.0

    -.0

    N.0

    町一

    .0

    寸.0

    羽ぺ t,l..誌と

    -42 -

    m.0 パ

    .0

    ト.0

    ∞.0

    a.0

    0.{

  • PNC TN8410 97-314

    Ko = l-sInゆ(Jakyの実験提案式)Ko

    v=一一一一一l+Ko

    ここに、 ν:ポアソン比

    Ko:静止土庄係数

    ~' :有効内部摩擦角

    表-3.3.1 クニゲルVlのポアソン比算定結果

    圧密状態有効内部摩擦角 静止土圧係数 ポアソン比

    クニゲル Vl

    過圧密状態

    正規圧密状態

    4'C) Ko ν

    14.4

    15.3

    0.75

    0.74

    0.43

    0.43

    算定の結果、クニゲルVlのポアソン比は、圧密状態に係わらず ν=0.43となった。本試験

    に供したベントナイトは、飽和粘土と見なせるが、完全な等方弾性体 (ν=0.5) より若干小

    さな値となった。また、静止土庄係数は、粘土に対する Terzaghi の実験結果凡=O.70~O.7519)

    と一致する結果となった。

    G 型化クニゲルVlに対するポアソン比は、明確な有効内部摩擦角が得られていないため算

    定できないが、前述したょっに G 型化クニゲル Vlとクニゲル Vlの有効内部摩擦角が大差な

    いと考えるならば、ポアソン比も表-3.3.1に示した値と大きく異なることはないであろう。

    以上より、ひずみ測定試験から直接的にポアソン比を決定するよりも、せん断試験結果に基

    づく有効内部摩擦角を用い、計算式によってポアソン比を算定する方法が実用的と考える。

    ー43-

  • PNC 11'、1841097-314

    4. まとめと今後の課題

    4.1 まとめ

    (1)乾燥密度1.6許可程度では、飽和期間 30日、通水圧 0.7恥1Paという条件で供試体がほぼ

    飽和状態になることが確認された。

    (2)庄密時間を 3t法で規定した場合、今回の試験条件(乾燥密度1.6g!cm3、庄密応力 σ

    0.49、0.98、1.96tv1Pa) では、 7日間 (10,∞o分)までに圧密の終了を確認することがで

    きた。

    (3)ベントナイト供試体は、三軸圧縮試験装置にセットする際、排水経路の飽和等の作業過

    程で余分な水を吸水する可能性がある。この余分な水の影響を圧密量に与えないために

    は、排水経路を水で満たした後、平衡膨i閏圧相当と考えられる拘束圧を負荷し、余分な

    水の排水を行うことが肝要である。

    (4)圧密終了後の間隙水圧係数B値として 0.81~0.92 が得られた。これらの値は、通常、飽

    和状態の目安とされる 0.95よりも小さな値である。しかしながら、圧密開始前の飽和度

    は95%以上得られており、実質的に飽和とみなしでも差し支えないと判断される。また、

    これ以上B値を上げることは本試験方法では困難と考えられる。これまで、なかなか飽

    和ペントナイトの三軸圧縮試験の成果が得られなかったのは、 B値0.95に固執していた

    ためである。したがって、ペントナイトのような通常の粘土より透水性が小さい材料に

    対しては、 B値0.95で飽和を規定するより、予備試験を行い飽和度と通水圧及ぴ飽和期

    間の関係を知ることが実際的と考える。

    (5)軸ひずみと軸差応力の関係では、有効拘束圧の大きい供試体ほど、また同ーの有効拘束

    圧であればクニゲルVlより G 型化クニゲルVlの方が、同一軸ひずみに対する軸差応力

    が大きい。また、各供試体とも軸ひずみが 1%を超えたあたりで非線形性が大きくなった。

    そして、有効拘束圧によらず軸ひずみが約 8~9%で軸差応力のピークを呈し、その後ほ

    ほ一定あるいは若干のひずみ軟化を生じた。

    (6)軸ひずみと間隙水圧の関係では、 α型化クニゲルVlの有効拘束圧0.49及び1.96MPa

    を除き、軸差応力との関係と同様に軸ひずみが8%程度で間隙水圧のピークを呈し、そ

    の後ほぼ一定値を示した。一方、 G 型化クニゲルVlの有効拘束庄 0.49MPaでは軸ひ

    ずみ 1%強でピークを迎え、その後間隙水圧は減少した。さらに、白型化クニゲルVl

    の有効拘束圧 1.96MPaでは、間隙水圧の初期の立ち上がりが他と比べて緩く、かっピ

    ークが現れなかった。

    -44-

  • PNCτ"N841O 97-314

    (7)側方ひずみと軸差応力の関係では、材料及び有効拘束圧によらず全ての供試体において

    負の側方ひずみが発生した。すなわち、軸方向に圧縮されたことにより供試体は側方に

    伸張していたことを表している。また側方ひずみは、有効拘束圧によらず3%前後で軸差

    応力のピークを呈し、その後ほぽ一定あるいは若干の低下を生じた。

    (8)各供試体における有効応力経路の限界状態は、並河らが得たクニゲル Vlの限界状態線

    (M=0.58、 戸 =15.30

    ) 3) にほぼ一致した。

    (9)軸ひずみと正規化軸差応力の関係においてクニゲルVlの有効拘束庄0.98、1.96MPa及び

    Ca型化クニゲル Vlの有効拘束庄1.96叩 aは、並河らの試験結果 3) と同様に、軸ひずみ

    8%程度でピークを迎え、その後一定もしくは若干の低下を示した。そして、ピーク時の

    正規化軸差応力も並河らの試験結果 3) と同様であった。

    (10)せん断強度は、 Na型ベントナイトがG 型化することによりわずかに増加するが、工学

    的に有意な差とは考えにくい。

    (11)本試験におけるクニゲルVlのせん断強度は、並河ら 3)のそれに比べ小さい傾向にあっ

    た。

    (12)本試験及び並河らの試験結果 3)から求めたクニゲル Vlのせん断強度定数は、表 5.1.1

    に示すとおりとなった。 Ca型化クニゲル Vlに対するせん断強度定数は、データが少な

    いため同定困難であるが、(10)の立場を採れば表-5.1.1と大差無いと考えられた。

    表-5.1.1 せん断強度定数

    全応力規準 有効応力規準

    応力範囲 内部摩擦角 粘着力 傾き 粘着力

    t印(度) C白 (MPa) m C' (MPa)

    クニゲルVl

    過圧密領域 10.3 0.12 0.249 0.05

    正規圧密領域 11.2 0.0 0.264 0.0

    (13)本試験、並河らの試験3)及び藤田らの試験2)結果を整理すことにより、乾燥密度1.6g1cm3

    のクニゲルVlにおける飽和時の有効拘束圧と変形係数巳。の保守的な関係として下式を

    得た。また、 Ca型化クニゲル Vlの変形係数巳。は、クニゲル Vlのそれより若干大きい

    が、クニゲル Vlのバラツキの上限程度であった。

    -45 -

  • PNC TN8410 97-314

    ~o=26.4 σ3+ 16.3

    ここに、 ~o :乾燥密度1.6g1cm3におけるクニゲル V1の変形係数(t-.伊'a)

    σ 有効拘束圧(tv1Pa)

    (14)ベントナイトのポアソン比を試験から同定することは、困難であった。そこで、有効

    内部摩擦角から静止土庄係数を算定し、さらに静止土庄係数からポアソン比を算定した。

    その結果、クニゲル V1のポアソン比は、供試体の圧密状態、によらず ν=0.43を得た。

    また、 Ca型化クニゲル V1のポアソン比は、他と同様に(10)の立場を採れば、クニゲル

    V1と大差無いと考えられた。

    4.2 今後の課題

    (1)乾燥密度1.6g1cm3のG 型化クニゲル Vlの力学定数は、クニゲルVlのそれより若干大き

    くなる傾向を示した。クニゲル V1に対する力学定数を用いれば、保守的な検討が可能と

    考えられる。しかしながら、 Ca型化クニゲル Vl独自の力学定数がどうしても必要な場

    合は、データが少なく、決定困難である。正規圧密状態の力学定数を決定するには、現

    在より高い拘束圧下での試験データ取得が望まれる。また、有効拘束圧0.98tv1Paにおけ

    る試験は乾燥密度が目標より低下する等信頼性が乏しいため、全般的に試験データの拡

    充が望まれる。

    (勾現在、1RU廃棄物の処分概念設計では、乾燥密度1.8 glcm3のベントナイトを想定してい

    る。したがって、乾燥密度 1.6g1cm3のベントナイトで要求性能が担保できなければ、乾

    燥密度 1.8g1cm3の試験結果が必要となる。その場合、飽和度と通水圧及び飽和期間の関

    係を明らかする予備試験を行う必要がある。

    謝辞

    本研究における試験の実施や結果の解釈を行つに当たっては、田中俊行氏をはじめ鹿島建設

    株式会社の多数の方々に多大な御協力をいただいた。ここに記して感謝の意を表します。

    -46 -

  • PNC TN8410 97-314

    参考文献

    1)並河努、菅野毅:緩衝材の圧密特性 PNCTN8410 97・051, (1997)

    2)藤田朝雄、早乙女敦、原啓二:緩衝材の力学試験, PNCη~841092-170 , (1992)

    3)並河努、菅野毅:緩衝材のせん断特性 1PNC TN8410 97-074, (1997)

    4) (社)土質工学会 :N値およびc・4一考え方と利用法- p104 (1992)

    5)鹿島建設土木設計本部編:土木設計の要点①設計の基本知識,鹿島出版会, p18 (1993)

    6)三原守弘、伊藤勝、加藤博康、上田真三:ナトリウム型ベントナイトのカルシウム型化に

    伴う形状因子の変化・圧縮ベントナイト中のトリチウムの実効拡散係数による比較ー,

    (社)日本原子力学会 11995年秋の大会J, p642 (1995)

    7) 田中益弘、山本博之:Na型ベントナイトの臼化による透水係数と最大膨潤圧の変化,

    (社)日本原子力学会 11997年秋の大会J, (1997)

    8) (社)土質工学会:土質試験の方法と解説, pp304~305 (1990)

    9) (社)土質工学会:土の試験実習書ー第一回改訂版一, p145 (1984)

    10)前出 4), p102

    11)前田宗宏、伊藤勝、三原守弘:カルシウム型ベントナイトの基本特性ー透水係数、膨潤

    圧、一軸圧縮強度-PNC 1N (作成中)

    12)山口柏樹:土質力学(全改訂)講義と演習,技報堂出版, p160 (1984)

    13)前出 12), p167

    14)前出 12), p100

    15)前出 12), p185

    16)飯塚敦:地盤の変形解析への適用一弾塑性もしくは弾粘塑性構成モデルを用いた試みー

    (社)土質工学会関西支部地盤工学における有限要素法入門講習会, p31 (1992)

    17)前出 4), p107

    18) 日本建築学会:建築基礎構造設計指針, p149 (1993)

    19)前出 18), p101

    -47 -

  • PNC 11、~84 1O 97-314

    付録 1 Gap-Senser@非接触式変位計

    -48 -

  • PNC TN8410 97-314

    霊童ム戸国語謹開室喜藍舜g)非接触式変位計

  • Model AEC-5509Set NIodel AEC-5505Set

    (Zxl....S

    自「戸ごせL自イ戸均ピLプロープPU.09

    古川M了三静

    、 • ........ ・ー・'.,一--..~ ... ・".....:..-,.~_.~-.-.

    , ・ ・一・'プ・・ァ.‘5一_...-.-、一一今e 哨 . 、-‘h‘ 、三~. -~与一 ‘、,τ‘但、--、..,.ι一占.,,

    変換器 AEC-5S0S 変換器 AEC-S509

    GAP咽 SENSER プロープ PU-OS(O5) プロープ PU-09 (lt9)

    ケープJレ PC・03 ケーブル PC'03

    測 定 箆 箇 0-2000μm 0-4000μm

    出 カ 土5V(刷/川)陶u叩 Q I土5V(2.5mV/μm)R叫 SOQ介 解 能 0.5μm lμm

    周波量生符 fさ DC-20KHz-2dB

    直 線 性 士0.5%以内(フ)!.-.スケー)!.-(二対し)Fig2参照

    使用温度ie:錨変換器 -JO'"Cー+55'"C

    プロープ 標講ー3口℃ー+120"C ;Ii混用 -50'"Cー +220"C

    変換器+5'"C -+4日℃の変化て酬0.05r'aI'C

    Fig3参照|;昆吏ドリフト +40'"Cー +65'"Cの変化でO.I%/"C

    プロ}ブ -IO"C叩+IOO'"C全域変化で::::0.04%Fig3参照

    電E 2置 oc土12V、土4CmA

    ケーブルPC・OJ

    F十74

    士宮川時了当持ケープ出PC・OJ

    / ~.trrytfIN Cd~ 43.: _ ~J

    ?" 一一一一吋ニ仕樟

    非欄拭変位計

    jJ]O ùBJ ム豆 Gコ13~O~];]rxdeJ À三 ç~=0-0-I)♀

    写真はAEC-5505Setのほぼ原寸大ですh

    変換器

    安否:安婦民議総百議議挙j桝員長区三宅三三烈:jE~出力特性(Fig:2}.~:}玄室主;奈1護霊表彰f長窪護霊護霊護霊祭謹222:

    舛a.物が鉄材のように磁色体であれば{l{~閉じ符

    tt/J'f呆られ1;1" n'、備やアJν ミ事事のような非穏t主体では出力符慢が受イヒL.~ 1".

    liXlJIの出力特色調宣伝ゆ肝九

    四 50・

    交換器(!C)~Iム一般的に室~'('使用されますの

    で、プローブ認の湿度変化によ召GAP-SENSE耳・の縫合出カ得七1;11優れた安乏