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Jasag2012

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JASAG2012年春大会,ゲーミフィケーションシンポジウムで使ったスライド

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Page 1: Jasag2012

ゲーミフィケーション概念の吟味

小山友介(芝浦工業大学)

JASAG シンポジウム

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話のつかみ:少し嫌みっぽくゲーム上の悲惨は、現実的な悲惨の表現でもあるし、現実的な悲惨に対する抗議でもある。ゲームは、抑圧された生きものの嘆息であり、非常な世界の心情であるとともに、精神を失った状態の精神である。それは民衆の阿片である。(マルクス,『ヘーゲル法哲学批判序説』, 宗教→ゲームに変更)

ゲーミフィケーションは,ゲームを民衆の阿片にしようとしているのではないか?

JASAG シンポジウム

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ゲーミフィケーションは Buzzword? ゲーム界隈では久しぶりのスマッシュヒット

あちこちでセミナー 流行はとうとう JASAG まで(笑)

・・・でも、正しく理解してされているか、ちょっと怪しい 井上本の定義もかなり曖昧 言葉の範囲が広い→何でもゲーミフィケーション

→ Buzzword 化→セミナー頻発? 意図的/偶然は不明

本発表の目的 JASAG 関係者のための概念整理 コヤマが感じている危惧

JASAG シンポジウム

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定義について 井上本の定義

コンピュータ・ゲームの中で特徴的に培われてきたノウハウを現実の社会活動に応用する行為のこと。応用された形式自体のことは「ゲーミフィケーション事例」として扱う。受験勉強や、ゲームとしての工夫を持たないポイントカードなど、「ゲーム的に楽しむことができなくもない」程度のものは含まない。また、シリアス・ゲームも含まない。

井上本& Reality i s Broken 内の事例から逆推論 参加者を増やす、一度参加した人をつなぎ止めておく、

単純で退屈な作業や労働に彩りや潤いを与える・・・→ ゲームを用いたモチベーションへの介入?

JASAG シンポジウム

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小山による再定義 ゲームの持つ 2 つの機能に着目し,応用

取っつきの良さ ゲーミングで近い概念:アイスブレイキング

単純な作業への集中の持続性 ゲーミングで近い概念:ファシリテーション

モチベーションに関することを中心に再定義 真面目な動機だけでは継続できなかったり,心理的理由でそもそも取りかからない人が多い何らかの「活動」に対して,ゲーム(特にコンピュータゲーム)が持つ人々を活動を始めさせるノウハウや作業を楽しくさせるノウハウを駆使して、その「活動」に参加する人を増やし、かつ継続性を高めること

JASAG シンポジウム

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ゲーミングとの共通点:社会イメージ 社会に対する認識はゲーミフィケーションも

ゲーミングもほぼ同じ(はず)

社会のとらえ方 社会:ルールの束(制度)が覆っている 人々:様々な「役割」と行動ルールの束を持つ

日常社会とゲーム世界 形式的には同じ ルールの複雑さとプレイする面白さが違うだけ

「現実はクソゲー」(ネットスラング)

JASAG シンポジウム

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ゲーミングとの違い ゲーミング:世界を「モデル化」し,構造を可視

化する 様々な役割をプレイできるようにする 現象の俯瞰的理解 「共通言語」獲得による社会的合意形成

ゲーミフィケーション:世界を「演出」し,楽しくする 様々な活動を前向きに行えるように 「日常世界というクソゲーを少しプレイアブルにする試み」

JASAG シンポジウム

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ゲーム

モデル

現象の俯瞰的理解

役割交代による理解共

取りかかりやすさ

アイスブレイキン

間口の広さ

作業の楽しさ

自発的な活動

集中の持続

ゲーミング&シミュレーション

ゲーミフィケーション

概念図

JASAG シンポジウム

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ゲーミフィケーションの動機転換機能 2つの動機づけ

外発的動機づけ 金銭,名誉などの外からの報酬による動機

内発的動機づけ 行動それ自体、達成感などの内からの報酬による動機

ゲーミフィケーション:行動を楽しくする「演出」→様々な活動に内発的動機づけを付与する→ それによって,外発的動機づけ/既存の内発的動機づけだけでは持続しない活動を可能に

ポジティブな例: #denkimeter , Wii Fit によるダイエット

JASAG シンポジウム

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負の側面:視野の閉塞化 ゲーム的楽しさによる「熱中」は劇薬

成果主義賃金の失敗 成果ポイントとなることしかしない→仕事場がギスギス

熱中時に次のステージに進むために消費アイテムをリアルマネー購入するとすれば?? 簡単に数万,数十万単位の支出に 単純な広告の数千倍?数万倍?の効果

元々の活動のためではなく,ゲーム的楽しさの追求自体が目的となることも 手段と目的の転倒 その活動自体の社会的意義や、活動を取り巻く全体的構造へ

の関心を弱めてしまう

JASAG シンポジウム

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まとめ:社会技術として上手く使う 危惧:内発的動機づけに介入する点

ゲーム:広告よりずっと没入感が強いメディア プレイヤー:意図通りに操られる 洗脳ツールにも出来る

問題:ゲームデザイナーのゲーム設計 果たして良いデザインなのか? 社会を正しくモデル化し,よくするためのゲームなの

か? 技術は中立

ゲーミフィケーションは社会を盛り上げる「技術」 有効に使うための歩み寄りを

まずはデブリーフィングから:プレイヤーの納得が必要JASAG シンポジウム