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認定特定非営利活動法人カタリバ ~「ナナメの関係と対話」を根底にする 組織が育むコミュニティ~ 2017/3/25( ) コミュニティフォーラム 2017 認定特定非営利活動法人カタリバ 辻村麻水 1

15 カタリバ 分科会E

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認定特定非営利活動法人カタリバ

~「ナナメの関係と対話」を根底にする組織が育むコミュニティ~

2017/3/25(土) コミュニティフォーラム2017

認定特定非営利活動法人カタリバ辻村麻水

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認定特定非営利活動法人カタリバ

少しだけ自己紹介。

辻村麻水Asami Tsujimura

・大阪市出身

2011年7月、関西カタリバ立ち上げに参画。2014年2月、新卒職員としてNPOカタリバに入社。現在、首都圏で企画運営の責任者、キャストラーニング研修講師、全国カタリバを担当。

■自分キーワード英語、オーストラリア、塾講師、ベース、空手、スキー、スノボー、スターバックスコーヒー

「あさみ(ん)(さん)」って呼ばれています。

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ナナメの関係

利害関係がなく、親近感と憧れを抱きやすい。

対話(半学半教)

一方的に教えるではなく、一緒に語り考える。

NPOカタリバが大切にしていること活動紹介

指導者と生徒という立場の親でも先生でもない

親・先生

友だち

タテの関係 ナナメの関係

ヨコの関係

必要

大事同じ視点によりがちな同世代の友だちでもない

親近感はあるけれど少し距離があるちょっと年上の先輩

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どんな環境に生まれ育っても、「未来は自分で創り出せる」と信じられる社会Vision/ビジョン

を手にすることができるよう活動してきた15年

とナナメの人間関係 本音で語り合える対話

日本中の思春期世代が

NPOカタリバの活動活動紹介

職員:80名(内パート職員:13名) サポーター会員:2903名

2015年度収入:522,634,746円 支出:507,383,047円2015年度時点

全ての10代の学びを

創造的に変える

取り組み

困難な環境の10代を支え

強さに変える

取り組み

教育旅行

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カタリバにあるコミュニティの土台は・・・

出張授業カタリ場プログラム

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出張授業カタリ場活動紹介

学校にプログラムを提供する

思春期世代の主体性を引き出す

プログラムを学校の授業等で行う

ことでナナメの関係を届ける

出張授業カタリ場

学校

のべ28万人(1,500校)に提供

1 出張授業カタリ場プログラム

2 連携パートナー

大学生や専門学校生、社会人と、体育館などで車座になって対話することによって、高校生の意欲を引き出し、将来への行動へと動機付けることを目的としています。「悩んでもいいんだ」「自分もこんな大人になりたい」と思える出会いをきっかけに、彼らが主体的な“一歩”を踏み出せるよう、年間270校以上で授業を行なっています。

本音の対話

ロールモデルの提示 1歩踏み出す約束

学校への出張授業

提供プログラム「出張授業カタリ場」

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認定特定非営利活動法人カタリバ

出張授業カタリ場活動紹介

学校にプログラムを提供する

思春期世代の主体性を引き出す

プログラムを学校の授業等で行う

ことでナナメの関係を届ける

出張授業カタリ場

学校

のべ28万人(1,500校)に提供

1 出張授業カタリ場プログラム

2 連携パートナー

大学生や専門学校生、社会人と、体育館などで車座になって対話することによって、高校生の意欲を引き出し、将来への行動へと動機付けることを目的としています。「悩んでもいいんだ」「自分もこんな大人になりたい」と思える出会いをきっかけに、彼らが主体的な“一歩”を踏み出せるよう、年間270校以上で授業を行なっています。

本音の対話

ロールモデルの提示 1歩踏み出す約束

学校への出張授業

提供プログラム「出張授業カタリ場」

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関西カタリバ運営:ブレイン

ヒューマニティ宇和島カタリバ運営:宇和島カタリバ

実行委員会

福岡カタリバ運営:ピープラス

カタリバ北海道運営:いきたす

宮城カタリバ/山形カタリバ運営:ワカツク

カタリバ信州運営:信州若者

1000人会議

NPOカタリバ

大分カタリバ運営:大分大学

雲南カタリバ運営:雲南市教育委員会

山口カタリバ運営:山口県教育委員会

益田カタリバ運営:益田市教育委員会

高山カタリバ運営:高山市教育委員会

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認定特定非営利活動法人カタリバ

そんなカタリ場をつくっているのは・・・

約5000人のキャスト

首都ボラ カタリズ

一般キャスト

キャスト(大学生・専門学校生・社会人)

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カタリズ

・学校を通して、研修の

一貫として参加している

専門学校生・大学生

首都圏教育ボランティア

(首都ボラ)

・自分で説会に申し込み

参加するキャスト

・4ヶ月間で8校以上の

高校現場に参加する

キャストとしての入り方は大きく分けて2つ

12

STEP:1

基礎研修

STEP:2

シミュレーション

STEP:3

カタリ場 本番

STEP:4

振り返り研修

<カタリズ参加の流れ>

STEP:1

カタリバ説明会

STEP:2

シミュレーション

STEP:3

カタリ場 本番

STEP:4

振り返り会など

<キャスト自主参加の流れ>

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キャストは色んな思いで参加している

自分の意思誰かの期待

多様性

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自分自身と向き合う「きっかけ」を提供し、高校生が主体的に動くきっかけをつくる。

出張授業カタリ場活動紹介

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■ 可能性を信じる■ 共に学ぶ■ 相手のために■ 場づくり■ 言葉に追いつく■ 持ち場■ 憧れ■ 当事者意識■ 一緒に創る■ 一歩踏み出す

カタリ場で大切にしている姿勢:クレド「カタリバの約束」

12認定特定非営利活動法人カタリバ

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目標設定(約束)を一緒に行い、一緒に振り返る

「〇〇したい」を応援する風土

憧れの連鎖を生み出し自走するコミュニティを

キャストコミュニティをつくる中で意識したこと

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認定特定非営利活動法人カタリバ

キャストコミュニティをつくる中で意識したこと

目標設定(約束)を一緒に行い、一緒に振り返る

「〇〇したい」を応援する風土

憧れの連鎖を生み出し自走するコミュニティを

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認定特定非営利活動法人カタリバ

目標設定(約束)を一緒に行い、一緒に振り返る

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□なぜ〇〇をするのか?(キャスト、PMコア、インターン)□本人の憧れを確認□在りたい姿を言語化□大切にしていきたいことを知る

目の前の相手を想い、“あったかい”おせっかいを

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項目 内容自己評価

研修 1回目 2回目 3回目

1親しみやすさ話しかけやすい雰囲気をつくる

/10 /10 /10 /10

2気配り相手の立場に立って思いやる

/10 /10 /10 /10

3対人興味他者に興味を持つ

/10 /10 /10 /10

4共感・受容相手の話に共感し、受けとめる

/10 /10 /10 /10

5多様性理解多様な価値観を尊重する

/10 /10 /10 /10

6話し合うどんな相手に対しても、相手にあわせて

自分の考えを述べることができる/10 /10 /10 /10

7他者の動機付け他者に働きかけ、やる気にさせる

/10 /10 /10 /10

8自己効力感・楽観性やればできるという予測や確信を持つ

/10 /10 /10 /10

9良い行動の習慣化自分なりのやり方を見出し、習慣化する

/10 /10 /10 /10

10セルフアウェアネス自分の感情や気持ちを理解し、言葉にして

表現をする /10 /10 /10 /10

11 ストレス・マネジメント緊張感やプレッシャーを力に変える

/10 /10 /10 /10

12 学習視点常に何かを学ぼうとする視点を持つ

/10 /10 /10 /10

合計/120 /120 /120 /120

▼ステップアップシート ▼カタリズノート

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目標設定(約束)を一緒に行い、一緒に振り返る

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▼目標設定シート(PMコア用) ■高校企画をつくる人(PMコア)■

約2~3か月間、1人のリーダー、

2人の副リーダーでチームをつくり、

1つの高校にカタリ場を届ける。

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目標設定(約束)を一緒に行い、一緒に振り返る

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キャストラーニングチーム訓

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目標設定(約束)を一緒に行い、一緒に振り返る

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キャストコミュニティをつくる中で意識したこと

目標設定(約束)を一緒に行い、一緒に振り返る

「〇〇したい」を応援する風土

憧れの連鎖を生み出し自走するコミュニティを

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「〇〇したい」を応援する風土

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□キャストをしたい□サンプリングをしたい□PMコアをしたい□インターンをしたい□チーム訓をつくりたい□mtgを仕切りたい□キャストスペースをキレイにしたい□忘年会をしたい□キックオフをしたい□卒業式をしたい etc

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「〇〇したい」を応援する風土

カタリ場に参加する理由自分が高校時代、親と進路の事で言い合ったり、部活で人間関係で苦しんだことが

あって、同じような思いをしている高校生の役にたちたいと思い、カタリズになりました。初めて違う分野のカタリズに会った時は仲よくなれるか不安だったし、緊張しました。でも、1年間活動してきて、カタリズ2期生とはお互いを受け入れることができる存在になりました。一緒にいて心地良い仲間です。

カタリバ活動に参加して、学校生活や日常生活に影響したことカタリバで生徒と仲よくなるために、まずは生徒の好きなものから話題を広げる

ようにし、生徒の持ち物を見て好みを把握したり、生徒のキャラクターに合わせてテンションを変えたりしていました。それをオープンキャンパスのスタッフで活かして、高校生と仲よくなることができました。

また、生徒の中にはなかなか発言できない生徒がいたので、話せない生徒に気を掛けたり、質問するばかりではなく、相手の表情をみて、話してくれるまで待つということをするようにしていました。その結果、実行委員の時や、クラスで全員の意見をまとめる時に普段意見を

言えない子には私から話を振ったり、話しやすい雰囲気をつくるように工夫できるようになりました。ただ質問をするのではなく、自分が同じ立場だったらどんな質問なら答えられるか、どうやったら仲よくなれるのかを考えることができて、実習にも活かすことができました。意識して接することで、実習の時も、実行委員や、行事で人前に出た時も、相手の表情を見ることができたり、その表情の変化から相手が本音を話してくれているかどうかが分かるようになった気がします。

連続でカタリ場に参加する意義最初に現場に出た時は進路の話に

話題を持っていかなきゃと思っていたけど、大学生の先輩たちとワークをしたり、現場で振り返りをして、カタリバは進路の授業ではないという事を感じました。そのことに気づいてからは生徒が一番話したい内容が話せる時間にしたいと思い、前日に必ず生徒想定をしたり、どんな話をするかイメージして現場に参加しています。その工夫をしてから、生徒の表情が変わる瞬間に気づけたり、今まで誰にも話したことなかった話を生徒から聞けるようになって、カタリバ続けてきてよかったと思いました。

職員からの声

1年前に比べ、人と接する中で周りをよく見れるようになったと思います。距離の縮め方、質問の広げ方もそうですが、何よりも相手の言葉を待つというコミュニケーションができるようになりました。相手を思いやることで、彼女自身の表情も明るくなったように感じます。

ポイント①相手の表情を見て会話を楽しむことができるようになりました。②現場ごとにしっかり想定して、振り返りをすることで生徒との距離の縮め方が上手くなりました。③実行委員として、全員が話しやすい雰囲気づくりが出来ていました。

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キャストコミュニティをつくる中で意識したこと

目標設定(約束)を一緒に行い、一緒に振り返る

「〇〇したい」を応援する風土

憧れの連鎖を生み出し自走するコミュニティを

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憧れの連鎖を生み出し自走するコミュニティを

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□キャストステップアップ(メンター、リーダー、ポンプ、コアスタッフプロジェクトマネージャー、インターン)

⇒キャストの間でナナメの関係ができるように場をつくる。

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キャストコミュニティをつくる中で意識したこと

目標設定(約束)を一緒に行い、一緒に振り返る

「〇〇したい」を応援する風土

憧れの連鎖を生み出し自走するコミュニティを

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認定特定非営利活動法人カタリバ

「高校生を主役にしよう」と思っているうちに、実はキャスト自身も主役になっている。

相手のことだけを考えていると、自分に結果が跳ね返ってきて大きな醍醐味が得られる。

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“ナナメの関係”の本質

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取組みの中で見えてきたこと−1活動紹介

若い世代が子どもたちをサポートすることで、双方が育つ少し年上の先輩として、ナナメの関係の担い手となる若者の自己肯定感も高まり、自立につながる。

11.5%

11.1%

16.7%

27.9%

35.1%

37.7%

24.9%

26.9%

28.9%

23.0%

21.0%

13.8%

12.8%

5.9%

3.0%

17歳の時の自分

カタリバに関わる直前の自分

カタリバに関わった後の自分

8.9%

11.1%

19.3%

21.6%

29.5%

39.3%

30.2%

30.5%

29.2%

21.6%

19.7%

8.2%

17.7%

9.2%

3.9%

17歳の時の自分

カタリバに関わる直前の自分

カタリバに関わった後の自分

5.2%

7.5%

10.2%

14.1%

16.1%

32.8%

21.6%

28.5%

26.9%

27.2%

24.6%

19.7%

31.8%

23.3%

10.5%

17歳の時の自分

カタリバに関わる直前の自分

カタリバに関わった後の自分

■とてもそう思う ■そう思う ■どちらともいえない ■あまりそう思わない ■そう思わない

自分には人並みの能力があると思う

自分は価値のある人間だと思う

私は自分自身に満足している

ナナメの関係の担い手アンケートより①※NPOカタリバ2016年11月実施アンケートより

回答数=305名

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取組みの中で見えてきたこと−1活動紹介

若い世代が子どもたちをサポートすることで、双方が育つ少し年上の先輩として、ナナメの関係の担い手となる若者の自己肯定感も高まり、自立につながる。

ナナメの関係の担い手アンケートより②※NPOカタリバ2016年11月実施アンケートより

回答数=305名

10.8%

5.6%

3.3%

21.3%

14.8%

8.5%

24.3%

27.2%

22.3%

24.6%

30.5%

34.8%

19.0%

22.0%

31.1%

17歳の時の自分

カタリバに関わる直前の自分

カタリバに関わった後の自分

7.2%

9.5%

20.3%

11.5%

22.0%

33.8%

20.3%

28.5%

27.2%

30.5%

21.0%

12.5%

30.5%

19.0%

6.2%

17歳の時の自分

カタリバに関わる直前の自分

カタリバに関わった後の自分

6.5%

12.3%

25.0%

15.1%

25.0%

40.4%

21.6%

30.5%

20.2%

30.1%

21.9%

8.2%

26.7%

10.3%

6.2%

17歳の時の自分

カタリバに関わる直前の自分

カタリバに関わった後の自分

自分は役に立たないと強く感じる

欠点も含めて自分のことが好きだ

私は自分自身に満足している

■とてもそう思う ■そう思う ■どちらともいえない ■あまりそう思わない ■そう思わない

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取組みの中で見えてきたこと−1活動紹介

若い世代が子どもたちをサポートすることで、双方が育つ少し年上の先輩として、ナナメの関係の担い手となる若者の自己肯定感も高まり、自立につながる。

ナナメの関係の担い手アンケートより③※NPOカタリバ2016年11月実施アンケートより

回答数=305名

中高生と関わるなかで中高生時代の自分と重なる場面に遭遇することが度々あった。そのため活動するなかで、過去の自分を客観視することができ、良い過去も悪い過去もうまく消化できた。カタリバの活動では中高生のために動くことが、過去の自らの経験から学びを引き出し、現在の自分を精神的に成長させることに繋がったと思う。この人生を歩めて良かったと思えた。(活動時:22歳)

自分が何かをできなければ価値がないと思っていたところから、まずは自分自身や人それぞれに価値があると感じた。また、価値を考える時に、自分の中の足りないものばかり見てしまっていて、自信がなくなってしまっている自分に気づいた。また、失敗や悲しい出来事から得られたことがあったからこそ、気付けたことや学べたことがあったと認識できて、自信につながった。(活動時:20歳)

自分が1人で孤独に抱えていると思っていた悩みが他の誰かも同じように抱えているものだとわかって気持ちが楽になった。自分のネガティブな経験が、誰かの役に立つのではないかと初めて思えた。自分のネガティブな部分はただダメなものだと思っていたが、周りの人も同じようにダメなところを抱えて悩んでいるのをみて、みんな同じなんだと思えて自分を少し認めてあげられた。(活動時:21歳)

高校生の前で自分の話をする機会があった際、事前準備としてこれまでの自分の人生を客観視する作業を行いました。その中で、これまでの人生のターニングポイントや自分の中の譲れない核、悩みを抱えた時期の心の揺れや葛藤などを再認識すると共に、“今の自分に至る道”を再度辿ることができました。その結果、自分の理想とする姿や進むべき道も自ずと見えるようになり、悩んだ時も「私は私らしく前に進んでいこう」と自分で自分の背中を押すことができるようになりました。(活動時:19歳)

関わる前と比べて、明らかに充実し、豊かで、幸せな人生を送れるようになりました。ナナメ上の先輩たちが人生を楽しんでいる姿を見て、本気で人生を楽しむってかっこいいと憧れを見つけ、そこに近づく楽しさを知りました。受け身の人生ではなく、自分の人生を生きることが出来るようになったし、自分の可能性を信じてもいいんだと思えるようにもなりました。(活動時:19歳)

自分の事は自分でやる。という考えで基本生きていましたが、ボランティアという与える立場にたって、実は自分の事に多くの人が関わって助けてくれていた事を実感する事ができました。ありがとうや、ごめんなさいを心から言える様になったと思います。また、たくさんの考えや、たくさんの経験をしてる人、たくさんの悩みを抱えてる人など、リアルにたくさんの人に接して話をできた事で人をとても尊敬できる様になったと思います。(活動時:22歳)

▽コメントピックアップ

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取組みの中で見えてきたこと−1活動紹介

若い世代が子どもたちをサポートすることで、双方が育つ少し年上の先輩として、ナナメの関係の担い手となる若者の自己肯定感も高まり、自立につながる。

ナナメの関係の担い手アンケートより③※NPOカタリバ2016年11月実施アンケートより

回答数=305名

▽コメントピックアップ

高校生に対して、投げかけた言葉が自分自身に跳ね返ってきたり、高校生から言われた言葉や、態度で高校生の役に立てたと感じることができ、自信になった。(活動時:21歳)

自分の人生における、消し去りたい失敗も、それがあるからこそとれる生徒とのコミュニケーションがあり、過去の人生に無駄なことはなかったと思えるようになった。「課題を抱える高校生」は自分と重なるところが多々あり、そんな高校生を否定せず、まずは受け入れながらコミュニケーションをとることで、過去の自分を受容することにつながった。(活動時:19歳)

自分と似たような生徒と出会い、その子と向き合ったことによって、自分のことを客観的に見られて、当時の自分の考えが見えたり、マイナスのこともプラスに捉えられてきた。(活動時:20歳)

高校大学時代を通して参加する前に感じていた「はたして、自分は何かを成し遂げられるのか?」という疑問を解消する場、それがカタリバでした。それまでアルバイト等ではなかった、確かに誰かの役に立つという体験を得られたことにより、自分は役に立たない人間ではないのだと、確信を得られた。(活動時:22歳)

自分の向き合おうとしていなかった過去の出来事や後悔に気づいた。また、そんな自分でも何か他者へ貢献できることを知ることができた。また改めて自分の弱い部分と向き合った期間だった。弱い自分でも誰かに受け留めてもらえることや受容されることで、素の自分に向き合える環境をもらったと思う。(活動時:22歳)

自分を変えようと自ら働きかける力が少しずつ社会を変えていくということが分かった。変わらないと嘆くのではなく、変えられると信じて働き続けることの大切さを感じた。(活動時:24歳)

自分のダメだと思っていたこと、コンプレックスだった過去を肯定的に捉えられるようになった。悩みや葛藤があった自分の体験が誰かのためのサンプルになりうることを知り、人それぞれの人生の挫折や成功には、自分なりの意味が見いだせると考えるようになった。(活動時:22歳)

カタリバに関わるまでは、自分の事を、代わりはいくらでもいる、大して価値のない存在だと思っていた。しかし、カタリバで活動するうちに、自分のことを唯一無二のかけがえのない存在だと感じるようになった。(活動時:24歳)

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さいごに・・・

30

自分の在り方