12
地域の経済2019 ―人口減少時代の成長に向けた土台づくり― [説明資料] 2020年2月 内閣府政策統括官(経済財政分析担当)

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地域の経済2019

―人口減少時代の成長に向けた土台づくり―

[説明資料]

2020年2月

内閣府政策統括官(経済財政分析担当)

目 次

第1章 地域別にみた経済の動向第1節 生産の動向第2節 雇用・労働の動向第3節 消費の動向

第2章 地域経済の発展に資する地域金融第1節 景気回復が続く地域経済と地域金融の動向第2節 地域経済を支える地域金融第3節 今後の地域経済と地域金融の展望

第3章 健康と地域経済第1節 健康と経済活動第2節 健康と医療費第3節 健康と地域資源

2

第1章 地域別にみた経済の動向

今回の景気回復局面(2012年第4四半期以降)では、地域ごとの景況感のばらつきが小さい。 製造業・非製造業別の業況判断DIをみると、非製造業は引き続き全ての地域で良いが悪

いを上回って推移しているが、製造業は下回る地域もある。

○ 地域別業況判断DIの推移(1)全産業

第1-1-1図、第1-1-2図より(備考)1.日本銀行「全国企業短期経済観測調査(日銀短観)」より作成。

2.業況について「良い」と答えた企業から「悪い」と答えた企業の割合を引いたもの。3.統計データの制約上、関東甲信越、東海は、2004年第2四半期以降のみの数値。

△ 70

△ 60

△ 50

△ 40

△ 30

△ 20

△ 10

0

10

20

30

40

50

Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ

2002 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

北海道 東北

関東甲信越 東海

北陸 近畿

中国 四国

九州・沖縄

(期)

(年)

(%ポイント)

△ 70

△ 60

△ 50

△ 40

△ 30

△ 20

△ 10

0

10

20

30

40

50

Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ

2002 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

北海道 東北

関東甲信越 東海

北陸 近畿

中国 四国

九州・沖縄

(期)

(年)

(%ポイント)

(2)製造業

△ 70

△ 60

△ 50

△ 40

△ 30

△ 20

△ 10

0

10

20

30

40

50

Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ

2002 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

北海道 東北

関東甲信越 東海

北陸 近畿

中国 四国

九州・沖縄

(期)

(年)

(%ポイント)

(3)非製造業

3

第1章 地域別にみた経済の動向

製造業の生産は、2019年に入り、ほとんどの地域で弱い動きが見られる。 業種別にみると汎用、生産用、業務用機械などの輸出比率の高い産業が大きく減少に寄与。

米中貿易摩擦等を背景とした世界経済の減速が影響。

○ 地域別鉱工業生産の産業別寄与度(2018年1~11月→2019年1~11月)

第1-1-4図より(備考)1.経済産業省、各経済産業局、中部経済産業局電力・ガス事業北陸支局「鉱工業生産動向」により作成。

2.北関東、南関東、甲信越は関東経済産業局、東海は関東経済産業局、中部経済産業局の「鉱工業指数の動向」より内閣府にて算出。第1-1-3図より

(備考)1.経済産業省、各経済産業局、中部経済産業局電力・ガス事業北陸支局「鉱工業生産動向」より作成。2.基準年は2015年、季節調整値。3.北関東、南関東、甲信越は関東経済産業局、東海は関東経済産業局、中部経済産業局の「鉱工業指数の動向」に

より内閣府にて算出。4.直近月は、2か月平均。

(2)北陸~九州

○ 地域別鉱工業生産指数の推移(1)北海道~東海

90

95

100

105

110

3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 11

2015 2016 2017 2018 2019

(2015年1月=100・中心3か月移動平均)

全国

97.3

(月)

(年)

東北

甲信越 東海

北関東

南関東

北海道

90

95

100

105

110

3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 11

2015 2016 2017 2018 2019

(2015年1月=100・中心3か月移動平均)

全国

97.3

(月)

(年)

北陸近畿

九州

中国

四国

△ 6

△ 4

△ 2

0

2

4

北海道 東北 北関東 南関東 甲信越 東海 北陸 近畿 中国 四国 九州

石油・石炭製品、化学、プラスチック製品

電子部品・デバイス、電気・情報通信

食料品・たばこ

窯業・土石、その他工業

輸送機械

汎用、生産用、業務用機械

紙、パルプ、繊維

鉄鋼業・非鉄金属・金属製品

(%ポイント)

4

第1章 地域別にみた経済の動向

全地域で有効求人倍率が1倍を超える高い水準で推移するなど、雇用環境が良好。 ただし、2019年に入り、製造業を中心に新規求人数は減少。

○ 新規求人数の前年同期比産業別寄与度(2019年7-9月期)

第1-2-4図より(備考)厚生労働省提供データより作成(受理地別)。

○ 地域別有効求人倍率の推移

第1-2-1図より(備考)厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成。

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅲ

2005 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

北海道 東北

北関東 南関東

甲信越 東海

北陸 近畿

中国 四国

九州 沖縄

(倍)

(期)

(年)

1.2

△ 5.4

△ 1.1 △ 1.7

△ 5.8

△ 2.6△ 1.6

0.8△ 1.5

2.0

△ 2.8

2.6

△ 1.7

△ 10

△ 5

0

5

10

北海道 東北 北関東 南関東 甲信越 東海 北陸 近畿 中国 四国 九州 沖縄 全国

建設 製造業 卸売・小売 飲食・宿泊 医療・福祉 サービス その他 合計

(%ポイント)

5

第1章 地域別にみた経済の動向

景気ウォッチャー調査の現状判断DIをみると、消費税率引上げ後の低下幅は、前回よりも今回の方が小さい。その背景には、キャッシュレス決済にかかるポイント還元や軽減税率の導入といった各種施策の効果を指摘する声がある。

消費税又は増税についてコメントしたウォッチャーの数は前回よりも今回の方が少ない。

○ 消費税率引上げ前後の現状判断DIの推移 ○ 消費税率引上げに関するコメント数

コラム図1-2-1より(備考)内閣府「景気ウォッチャー調査」より作成。

コラム図1-2-3(1)より(備考)内閣府「景気ウォッチャー調査」より作成。

30

35

40

45

50

55

60

10 11 12 1 2 3 4 5 6 7

2013 2014

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1

2019 2020

2014年

2019年

(月)

(年)前回

今回

(DI)

0

100

200

300

400

500

600

700

800

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7

2013 2014

10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1

2018 2019 2020

今回

前回

消費税率

引上げ後

消費税or増税(前回)

消費税or増税(今回)

(年)

(月)

(コメント数)

△ 4

△ 2

0

2

4

6

8

北海道 東北 北関東 南関東 甲信越 東海 北陸 近畿 中国 四国 九州・沖縄

(%)

民間企業設備投資

民間住宅投資

移出入在庫変動

政府支出民間最終消費支出

△ 10

△ 8

△ 6

△ 4

△ 2

0

2

4

6

8

10

北海道 東北 北関東 南関東 甲信越 東海 北陸 近畿 中国 四国 九州・沖縄

(%)

民間最終消費支出政府支出

民間企業設備投資 移出入民間住宅投資

在庫変動

0.4

1.4 1.1

0.8 0.6 0.6 0.6

0.8

1.3

0.7 0.9

△ 1

0

1

2

3

北海道 東北 北関東 南関東 甲信越 東海 北陸 近畿 中国 四国 九州・沖縄

(%)

△ 0.1 △ 0.4

1.0

0.3

0.8

0.0

△ 0.0

0.2

0.5

1.7

0.9

△ 1

0

1

2

3

北海道 東北 北関東 南関東 甲信越 東海 北陸 近畿 中国 四国 九州・沖縄

(%)

6

第2章 地域経済の発展に資する地域金融

今回の景気回復局面では、全ての地域でプラス成長(2013~2016年度GDP成長率平均)となっており、過去の回復局面と比べて、地域間のばらつきが小さい。

いずれの地域でも設備投資が成長に対して大きくプラスに寄与。

○ 実質GDP成長率の比較(1)2009年度~2011年度

○ 実質GDP項目別寄与度の比較(1)2008年度→2011年度

(2)2013年度~2016年度

第2-1-2図(2)、(3)より(備考)1.内閣府「県民経済計算」より作成。

2.各期間における実質GDP成長率(前年度比)を幾何平均した値。3.2008SNA及び平成23年基準の数値。

第2-1-3図(2)、(3)より(備考)1.内閣府「県民経済計算」より作成。

2.それぞれ、2008年度を起点とした2011年度までの成長率、2012年度を起点とした2016年度までの成長率に対する需要項目ごとの寄与度。

3.2008SNA及び平成23年基準の数値。

(2)2012年度→2016年度

y = 0.31x + 37.52

R² = 0.1076

t値:2.112

10

20

30

40

50

60

70

△ 20 △ 10 0 10 20 30 40

(金融機関借入金増減額、兆円)

(設備投資額、兆円)

7

第2章 地域経済の発展に資する地域金融

企業の設備投資と金融機関からの借入金増減額の間には緩やかな正の相関がみられる。 銀行の貸出金残高の動きをみると、2013年以降、地方銀行の中小企業向け貸出額が増加。 地域金融機関による資金供給が中小企業の設備投資の増加を支えている可能性。

右図は、第2-1-10図(1)、(2)より(備考)1.日本銀行「預金・現金・貸出金」により作成。

2.都市銀行には、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行が含まれる。地方銀行には、全国地方銀行協会加盟銀行(64行)及び第二地方銀行協会加盟銀行(39行)が含まれる。

3.大・中堅企業とは、資本金1億円以上の企業、中小企業とは、資本金2千万円以上1億円未満の企業。

○ 設備投資と金融機関借入金増減額(80年度~2018年度)

左図は、第2-2-2図より(備考) 1.財務省「法人企業統計年報」により作成。

2.名目値。3.設備投資額(ソフトウェア投資額除く)と金融機関借入金(固定負債)増減額の80年度から2018

年度における各年度の数値をプロットしたもの。

△ 10

△ 5

0

5

10

15

2001 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

(前年同期差、兆円)

(年)

中小企業個人

地方公共団体等

大・中堅企業

全体

△ 20

△ 15

△ 10

△ 5

0

5

10

15

2001 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

(前年同期差、兆円)

(年)

中小企業

地方公共団体等個人

大・中堅企業全体

○ 銀行の貸出金残高の推移(1)都市銀行

(2)地方銀行

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

北海道・東北

北関東

南関東

甲信越

九州・沖縄

大企業

中堅企業

中小企業

(弾性値)

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

南関東

東海

近畿

北海道・東北

北関東

甲信越

北陸

中国

四国

九州・沖縄

大企業

中堅企業中小企業

(弾性値)

8

第2章 地域経済の発展に資する地域金融

2013年度以降、資金借入の増加により設備投資は増加。特に長期資金の寄与が大きく、なかでも地方の中小企業に対する寄与が大きい。

設備投資の増加は企業の売上高増加に寄与しているが、中小企業では大企業等に比べて寄与が小さく、借入増を背景とした設備投資拡大が売上増加につながっていない可能性。

○ 金融機関からの資金借入が企業の設備投資に与える影響(1)借入金種別、企業規模別(全国)

○ 設備投資が企業の売上高に与える影響地域別、企業規模別

左図は、第2-2-3図(1)、(3)より(備考)1.財務省「法人企業統計調査」により作成。

2.長期借入について、南関東及び東海の中堅企業、北関東及び九州・沖縄の大企業は、推計結果が有意(10%有意水準)ではないため、除いた。

右図は、第2-2-4図(2)より(備考)1.財務省「法人企業統計調査」により作成。

2.北海道・東北の中小企業、甲信越の大企業は、推定結果が有意(10%有意水準)ではないため、除いた。

(2)地域別、企業規模別(長期借入)

地域金融機関の課題〇低金利下で収益面で厳しい状況

〇人口が減少する地域の経済成長に向けて、新たなビジネスモデルの確立

・事業性評価に基づく融資・コンサルティング機能の発揮

・事業再生や事業承継等、地域企業が抱える課題について人材やノウハウの提供 等

0.116

0.263

0.097

△ 0.040

0.139

0.235

0.098

0.348

△ 0.1

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

短期借入 長期借入 短期借入 長期借入 短期借入 長期借入 短期借入 長期借入

全企業 大企業 中堅企業 中小企業

(弾性値)

69

70

71

72

73

74

北海道

青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県

福島県

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

新潟県

富山県

石川県

福井県

山梨県

長野県

岐阜県

静岡県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県

鳥取県

島根県

岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

沖縄県

(年)

最大:73.21

全国:72.14

最小:71.21差 2.00

84.93 85.59 85.99 86.30 86.61 87.14

72.65 72.69 73.36 73.62 74.21 74.79

65

70

75

80

85

90

2001 2004 2007 2010 2013 2016

(年)

(年)

平均寿命

健康寿命

78.07 78.64 79.19 79.55 80.21 80.98

69.40 69.47 70.33 70.42 71.1972.14

65

70

75

80

85

90

2001 2004 2007 2010 2013 2016

(年)

(年)

平均寿命

健康寿命

〇都道府県別健康寿命の特徴 男性は最長が山梨県(73.21年)、最短が秋田県(71.21年)。その差は2.00年。 女性は最長が愛知県(76.32年)、最短が広島県(73.62年)。その差は2.70年。 男女ともに都道府県間の差はみられるが、2001年(男性3.98年、女性3.44年)と比べて縮小。

第3章 健康と地域経済

我が国の平均寿命及び健康寿命が共に延伸しているなかで、さらなる健康寿命の延伸が課題。 健康寿命は都道府県間で差があり、男性では山梨県(73.21年)、女性では愛知県(76.32年)が最長。

〇女性平均寿命及び健康寿命の推移

〇男性

〇男性都道府県別の健康寿命(2016年)

9

第3-1-2図より(備考)厚生労働省「第22回生命表(完全生命表)」、「平成30年簡易生命表」、厚生労働科学研究費補助金「健康寿命及び地域格差の要因分析と健康増進対策の効果検証に関する研究(平成28~30年度)」、「健康日本21(第二次)の

推進に関する研究(平成25~27年度)」、「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究(平成23~24年度)」資料により作成。

72

73

74

75

76

77

北海道

青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県

福島県

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

新潟県

富山県

石川県

福井県

山梨県

長野県

岐阜県

静岡県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県

鳥取県

島根県

岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

沖縄県

(年)

全国:74.79

最長:76.32

最短:73.62差 2.70

〇女性

第3-1-4図より(備考)1.厚生労働科学研究費補助金「健康寿命及び地域格差の要因分析と健康増進対策の効果検証に関する研究(平成28~30年度)」より作成。

2.熊本県は「平成28年熊本地震」により調査を行っていないため欠損値となっている。

y = 2.3666x - 115.12

R² = 0.2917

t値4.2563

50

52

54

56

58

60

62

64

72 73 74 75

(有業率、%)

(健康寿命、年)

第3章 健康と地域経済

都道府県別データでは、健康度の改善により有業率や生産性が上昇する傾向がある。 その他の条件が一定の場合、より健康度の高い地域でより県内総生産が高い傾向。

左図は、第3-1-6図より(備考)総務省「就業構造基本調査(平成29年)」、厚生労働科学研究費補助金「健康寿命

及び地域格差の要因分析と健康増進対策の効果検証に関する研究(平成28~30年度)」より作成。

(2)主観的健康度と労働生産性

10

健康寿命と有業率の関係を年齢別にみると、有業率(15~49歳)より、有業率(50歳以上)の方が相関関係は強い。

(3)健康度を取り入れた生産関数による推計

県内総生産と健康寿命の関係について、労働ストック、資本ストック、教育年数及び経験年数をコントロールして推計。 その他の条件が一定の場合、より健康度の高い地域でより県内総生産が高い傾向。

𝑙𝑙𝑙𝑙 𝑌𝑌𝑖𝑖 = −8.427 + 0.501∗∗𝑙𝑙𝑙𝑙𝐾𝐾𝑖𝑖 + 0.574∗∗∗ 𝑙𝑙𝑙𝑙 𝐿𝐿𝑖𝑖 + 0.266∗∗∗𝑠𝑠𝑖𝑖 + 0.074∗∗𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑖𝑖 − 0.001𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑒𝑖𝑖2 + 𝟎𝟎.𝟎𝟎𝟎𝟎𝟎𝟎∗∗∗𝒉𝒉𝒊𝒊

(1)健康寿命と有業率

右図は、第3-1-10より(備考)内閣府「県民経済計算」、厚生労働省「毎月勤労統計調査(地方調査)」、「国民生活

基礎調査(平成28年)」より内閣府作成。

(備考)RIETI「R-JIPデータベース2017」、総務省統計局「就業構造基本調査」、厚生労働省「医療費の地域差分析」より作成。

(備考)1.Y:都道府県別実質付加価値、K:資本、L:労働、s:教育年数、exp:経験年数、h:健康度(健康寿命)2.**、***はそれぞれ5%、1%の有意水準で有意であることを示す。

y = 4.8607x - 9.0552

R² = 0.0781

t値1.931

6

7

8

9

10

3.3 3.4 3.5 3.6

(労働生産性(マンアワーベース)、百万円)

(主観的健康度、点)

主観的健康度に良い影響を与えている地域資源はソーシャルキャピタルの豊かさ等。 ソーシャルキャピタルと健康に関する事例として、地域のボランティアによる食生活の改善の働きか

けなどがある。

○ 山梨県のみそ汁塩分マップ(2018年度)○ 山梨県のみそ汁塩分マップ(2011年度)

第3章 健康と地域経済

コラム図3-1-4より(備考)山梨県提供資料より引用。

11

山梨県内では、1982年から、食生活改善推進員(ボランティア)が各家庭を訪問し、みそ汁の塩分濃度の測定や、減塩に向けたアドバイスを行うといった活動を実施。また測定結果は塩分マップとして公表している。

減塩活動の結果、2011年のみそ汁塩分濃度は県平均0.97%であったが、2018年には0.79%まで低下。

①地域資源等が主観的健康度に与える影響に関する分析結果

第3-3-2表より(備考)1.内閣府「生活の質に関する調査(2012年度)」より作成。

2.プラスは有意水準10%未満で正の相関、マイナスは有意水準10%未満で負の相関があるもの。

プラスに寄与した項目 マイナスに寄与した項目

世帯人員 配偶関係:死別

就労状態:通学 就労状態:休業、引退

最終学歴:大卒 年齢

介護家族の有無

1人当たり部屋の数 住居の問題

近隣の環境

身の回りから受ける援助への期待

困難な時に助けてくれる隣人の有無

組織への信頼

一般的信頼

街の構造 徒歩又は自転車で行ける施設の種類

社会経済的状況(SES)

居住環境

ソーシャルキャピタル

②地域のボランティアによる減塩活動(山梨県)