Cell Reservoir One は、マユ由来タンパク質のセリシンを主成分とした細胞保存液です。セリシンは、血清と同程度の凍結保存効果を有する上に、DMSO の毒性緩和作用を示します。しかしながら、一般的に DMSO が細胞の機能に影響を与えることが指摘されていることから、DMSO 含有と DMSO 不含タイプの２種類の製品を販売しています。※本製品は、セーレン株式会社との共同推進のもと製造しております。( 特許取得 )

特　長 ● ES 細胞の保存にも有効（DMSO 不含タイプ）● 高い回復率（増殖能・機能）と生存率● 無血清培養細胞の保存に最適● 血清および哺乳動物由来成分不含

実施例 1 C e l l R e s e r v o i r O n e ( D M S O 不 含 ) の マ ウ ス E S 細 胞 へ の 適 応

■ 解凍時生存率

解凍時生存率

010

203040

50607080

90100

* **

NHDF SIRC Jurkat mES

生存率(%)

セリシン凍結保存液（DMSO不含）FBS/10%DMSOCell Reservoir One（DMSO不含）FBS/10%DMSO

* p<0.05, **p<0.01

NHDFSIRCJurkatmES

：正常ヒト皮膚繊維芽細胞：ウサギ角膜由来細胞：ヒト白血病由来細胞：マウスES細胞

凍結条件：-80℃　1週間

生存率の低下しやすいマウスES細胞で高い生存率を維持

■ 増殖能・未分化状態への影響

本品FBS製品A凍結条件細胞

：Cell Reservoir One（DMSO不含）：FBS/10%DMSO：血清不含・DMSO含有：-80℃　1週間：マウスES細胞

本品 FBS 製品A

Oct3/4

Nanog

β-Actin

解凍後未分化マーカー発現 (3日目)

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

本品 FBS 製品A

解凍後の未分化状態 (3日目)

ALP活性（相対値）

0

10

20

30

40

本品 FBS 製品A

解凍後の増殖能 (3日目)

増殖率（倍）

L-98-7

細胞保存液 Cell Reservoir One

2

実施例 1 つづき ■ 拍動心筋分化への影響

Cell Reservoir One（DMSO不含）

FBS/10%DMSO製品A（血清不含・DMSO含有）

凍結条件：-80℃　1週間　細胞　　：マウスES細胞0

10

20

30

40

50

60

70

3日目 4日目 5日目 7日目 8日目

拍動心筋分化率(%)

解凍後の心筋分化能 解凍後、心筋への分化能を維持

■ 操作性向上

凍結期間：-80℃　1ヶ月　条件　　：凍結細胞を解凍し、遠心操作を省略し、　　　　　　　凍結保存液を10％添加して培養　　

本品FBS凍結期間

：Cell Reservoir One（DMSO不含）：FBS/10%DMSO：-80℃　3週間

①凍結操作の延長による生存率低下を回避 ②解凍時に遠心操作を省略可能凍結保存液添加による心筋分化障害Cell Reservoir One（DMSO不含）FBS/10%DMSO製品A（血清不含・DMSO含有）

拍動心筋分化率(%)

3日目 4日目 5日目0

20

40

60

80

100

120

Cell Reservoir Oneは、懸濁30分後の凍結でも、高い生存率を示しています。

Cell Reservoir Oneは、心筋分化への障害が少ないことを示しています。

生存率(%)

30

40

50

60

70

80

90

100解凍時生存率

本品 FBS

懸濁直後凍結懸濁30分後凍結 細胞：マウスES細胞

実施例 2 Cell Reservoir One のヒト不死化間葉系幹細胞（hMSC）への適応

■ 骨分化への影響

凍結期間：-80℃　1ヶ月　条件　　：分化誘導4週間後にアリザリンレッドで染色（左）　分化誘導後に沈着カルシウム量を定量（右）

Cell Reservoir OneはhMSCの骨への分化能を維持します。

（DMSO含有）

骨分化誘導

Cell Reservoir One

骨分化誘導

通常培養

通常培養

Cell Reservoir One（DMSO不含）

FBS/10%DMSO

0

20

40

60

80

100

120

0

20

40

60

80

100

120

FBS/10％DMSO 製品B

カルシウム濃度（mg/dl）

DMSO不含DMSO含有Cell Reservoir One （血清含有・DMSO含有）

製品B（血清含有・DMSO含有）

3

実施例 3 下記のモデルでは Cell Reservoir One(DMSO 含有 ) で凍結保存した細胞が細胞増殖能だけでなくインスリン生産能力やアルブミン生産能力も維持していることを示しています。また、セリシンが細胞凍結保存に効果があることを示しています。

■ 膵島移植モデル（福井大学提供）

※Cell Reservoir Oneからセリシンを除いたもの

Cell Reservoir One　セリシン不含※

0

200

400

600

800

インスリン濃度 (ng/ml)

血清 Cell Reservoir One　(DMSO含有)　

製品C

解凍3日後解凍5日後

血清Cell Reservoir One　(DMSO含有)

Cell Reservoir One　セリシン不含※

製品C

凍結時 解凍直後 3日後 5日後0

20

40

60

80

100

120

【解凍後細胞増殖】 【解凍後インスリン産生】

凍結液に懸濁5 min 氷冷

‐80℃3 months 保存

凍結液に懸濁5 min 氷冷

ラットインスリノーマ細胞株 RIN-5Fインスリンを産生するラット膵島細胞

生細胞密度 (×104 cells/tube)

（血清不含・DMSO含有）

■ バイオ人工肝臓モデル（福井大学提供）

※Cell Reservoir Oneからセリシンを除いたもの

凍結液に懸濁5 min 氷冷

ヒトヘパトーマ細胞株 HepG2人工肝臓モデルとして使用されるヒト肝癌細胞

‐80℃4 months 保存

【解凍後アルブミン産生】

製品C

生細胞密度 (×104 cells/tube)

凍結時 解凍直後 3日後 5日後

【解凍後細胞増殖】

0

10

20

30

40

50

60

◆

◆

◆◆

▲

▲▲

▲

■

■■■

●

●●●

Cell Reservoir One　(DMSO含有)

Cell Reservoir One　　　セリシン不含※

血清解凍3日後解凍5日後

Cell Reservoir One　　セリシン不含※

血清 Cell Reservoir One　(DMSO含有)

　　

製品C

アルブミン濃度 (ng/ml)

100

200

300

0

（血清不含・DMSO含有）

試験例 ■ 細胞凍結保存試験比較例

細胞種：CHO

凍結期間：1年保存温度：－80℃

細胞種：Jurkat 細胞種：HeLa

細胞種：マウスES

0

20

40

60

80

100

① ② ③ ④

生存率（％）

0

20

40

60

80

100

① ② ③

生存率（％）

0

20

40

60

80

100

① ② ③

生存率（％）

0

20

40

60

80

100

① ② ③ ④

生存率（％）

① Cell Reservoir One（DMSO含有）　　② Cell Reservoir One（DMSO不含）　　③ 製品B（血清含有・DMSO含有）　　 　 ④ 製品D（血清不含・DMSO含有）　

ご注意　試験・研究用以外には使用しないでください。※記載の内容は、'11 年 10 月現在の情報に基づいております。※価格に消費税は含まれておりません。

ナカライテスク株式会社〒 604-0855　京都市中京区二条通烏丸西入東玉屋町 498

■販売取扱店

1110T

Web site http://www.nacalai.co.jp

0 1 2 0 - 4 8 9 - 5 5 2価格 ・ 納期のご照会製品に関する技術的なご照会 E-mail:info-tech@nacalai.co.jp

TEL:075-211-2703 FAX:075-211-2673

試　 薬 は こ こ に

試験例つづき ■ 細胞凍結保存試験比較例

動物種 細胞種 由来組織 凍結期間Cell Reservoir One 生存率（%）

(DMSO 含有 ) (DMSO 不含 )

ヒト Jurkat 血液 1 年 90 85

ヒト HL-60 血液 1 年 90 80

ヒト WIL2-NS 脾臓 1 年 90 70

ヒト MSC 骨髄 1 年 90 70

ヒト HeLa 子宮頸部 1 年 90 80

ヒト HepG2 肝臓 1 年 85 70

ヒト NHDF 正常皮膚 1 年 90 75

マウス KUSA-A1 骨髄 9 ヶ月 90 80

マウス 2E3-O ハイブリドーマ 1 年 90 80

マウス P3U1 骨髄 1 年 90 80

マウス OP9 頭蓋冠 10 ヶ月 95 85

マウス ES 胚 1 年 80 90

ラット PC-12 副腎 1 年 90 70

ハムスター CHO 卵巣 1 年 95 90

ウサギ RC4 角膜 1 年 90 70

昆虫 Sf-9 卵巣 1 年 75 70

※保存温度 -80℃

使用方法 ＜保存時＞1） 対数増殖期にある細胞を回収します。2） 回収した細胞 (5 × 105 ～１× 107 個 ) を本品 1 ml に懸濁し、凍結保存用チューブに分注し

ます 。3）予備凍結せずに -80℃で凍結保存します。-80℃で凍結した細胞は、液体窒素でも保存可能

です。＜解凍時＞1）解凍操作は、37℃恒温槽中で速やかに行ってください。2）解凍後、使用される培地で懸濁後、遠心をかけて上清を取り除いた後、再度培地で懸濁後

培養に移します。

ご注意 1） ご使用に際しては、目的の細胞で事前に試用試験を実施してください。2） 弊社は本品の使用に起因する事故や損害についての責任を負いかねますので、ご了承くだ

さい。

価格表

製品名 規格 貯法 製品番号 容量 価格

Cell Reservoir One Trial Set SP 冷蔵 09550-01 1 set 4,200

Cell Reservoir One(DMSO 含有 ) SP 冷蔵 07485-44 100 ml 9,800

Cell Reservoir One(DMSO 不含 ) SP 冷蔵 07579-24 100 ml 14,000

主成分のセリシンは、セーレン株式会社で製造