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問題解決の科学的アプローチ技法

インダストリアル・エンジニアリング(Industrial Engineering)=IE

astCI 有限会社アイキャスト

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1.IEとは・・1.IEとは・・

1-1 IEとは

問題解決の科学的アプローチの一つである。科学的であると言う事は、測定可能・復元性を持たせることができると言う事であり、その為のツールとして各種測定手法や問題の考え方、解決の切り口を持つ。生産状態をコスト換算できる特性から、特に生産性向上・コストダウンという種類の問題に適しており、作業や設備、工程だけでなく業務や人員計画など広範囲に渡り適用できるアプローチである。実際にはもっとも効率的に成果を出せる製造に関する問題解決に適用されることが多い。

1-2 IEの2大構成要素 1-3 IEの定義

方法改善(Method Ebgineering)

作業測定(Method Engineering)

・人の仕事のやり方を観察し、記録する(動作分析)・分析した結果を検討する(サーブリック)・最も優れた仕事の方法を案出する(動作経済の原則)

作業改善の技術的方法の開発

・正しい仕事の方法を決める(標準作業)・正しい方法で作業者を訓練する。・目標を具体的に示す・正しいペースを決める(標準時間)

作業管理の仕組を具体的に考察(科学的管理)

人間設備材料エネルギー

統合システム

設計

改善

定着

する

定量的に算出

専門化させた

数学物理

社会学

知識と

スキル

が エンジニアリング的仕様

分析

設計

原理と

方法

予見生み出す成果 の する

評価

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2.問題とは・・2.問題とは・・

問題とは、期待水準(あるべき姿や目標)と現状のズレをいい、大きく2種類あります。

いずれにせよ、現在の状態を定量化する事がベースになります。

①発生型問題

不具合が発生したとか、納期遅れが発生したとか、マーケットシェアの低下が発生したというよう、基準値から悪い方へ現状が逸脱した“発生型の問題”です。不具合を解決し、元の良い状態に戻す事が問題解決の主題となります。この発生型問題の解決は、「なぜ不良やクレームが発生したのか」、「なぜ、納期が遅れたのか」というように、問題発生の要因をきめ細かく解析し、原因を究明することがポイントとなります。

②設定型問題

現状では特に不具合が発生しているわけでもないが、より良い状態(あるべき姿)に変えていこうとする“設定型の問題”です。新生産システムの確立であるとか、新物流システムの構築、市場要求に対応したコストダウン(経営戦略コスト=市場価値-利益)、

短リードタイム化といったテーマのように、より良い状態を求めて、現状にとらわれず、抜本的に新しい仕事のやり方を創り出す事を指向した問題解決です。この設定型の問題を解決していく為には、どういう状態を実現するべきか、まず第一にあるべき姿・目標を設定し、次いでそれを実現する為の課題を明らかにしていくことが基本となります。

定量化(測定)

発生型問題

水準線

普通

①発見型問題とは、標準・実績標準・基準値に対しての差異

②設定型問題とは、期待水準(あるべき姿・目標・BM(ベンチマーク)

に対しての差異

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参考:与件/制約条件/問題/グチ参考:与件/制約条件/問題/グチ

・ 与件変えることが出来ないものそれを前提として、仕組や対策を立てる必要のあるもの

・ 制約条件

現時点で変えることが出来ないもの

環境が変わったり、時間が経てば変えることが出来る (設備等,投資条件)

・ 課題目的達成の為に解決必要な問題(見えた問題)

・ 問題解決できるもの管理対象となるもの

・ グチ与件、制約条件が姿を変えて個人の意見となったもの(現場の意見等)

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IEIEはどのような範囲で必要でないのか(有効な見方・考え方)はどのような範囲で必要でないのか(有効な見方・考え方)

IEの有効活用(適用)範囲

TACTICS,STRATEGY

ORGANIZEDOPERATIONS

OPERATIONS

TOP MG’T

MIDDLE MG’T

個別SOLUTION

OPERATIONS MANAGEMENT領域はI/PのO/Pへの

高効率変換が求められる

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3.生産性とは・・(経営から見た生産性)3.生産性とは・・(経営から見た生産性)

経営から見た生産性とは、『いかに効率良く資産が売上に寄与しているか』を示すものである。

資産の中でも、特に人は最も重要である為、以下のような生産性測定指標がある。人が最も重要な資産というのは、

・事業は競争優位性を維持する為に人材の質が大きく寄与するという事と、・従業員の質が製品の品質やコストを決定する重要な要因となるからである。

生産性測定法①従業員一人当り売上高の時系列変化

生産影響要因としては、従業員の資質・動機の水準・訓練の効果がある。②従業員一人当りの付加価値の変化

付加価値=売価-(原料・時間と資金の投入量)

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生産性とは・・生産性とは・・

生産性 =

投入資源(INPUT)

産出成果(OUTPUT)

・ 生産性とは、アウトプットである産出成果を得る為に、インプットである投入資源がどれだけだったかを示すものである。産出成果(アウトプット)・・生産量や市場に提供されるサービスを定量化したもの(個数、金額、工数)投入資源(インプット)・・労働力(人数や工数)、設備、建物、原材料、エネルギー等

生産性 =投入

産出

パターン1 パターン2 パターン3 パターン4 パターン5

以前の投入

以前の産出

現在の投入

現在の産出<

①投入資源はそのままで、産出成果を増やす(アウトプット増)②産出成果はそのままで、投入資源を減らす(インプット減)③投入資源を減らし、産出成果を増やす(インプット減&アウトプット増)④投入資源を増やす以上に産出成果を増やす(インプット増&アウトプット大幅増)⑤産出成果が減る以上に投入資源を減らす(インプット大幅増&アウトプット減)

※最近の傾向

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労働集約型職場における生産性労働集約型職場における生産性

現在求められる生産性は、多様な製品・サービスをそれぞれのライフサイクル内でまた、需要変動と顧客要求に対応させながら一定水準以上に保つ事である。

原材料

資本(設備)

技術(方法)

環境条件

経営スピード変化

企画価値・業績評価の変化

ビジネスモデルの変化

ステークホルダーとの関係変化

INPUTS

変換プロセス

製品

サービス

OUTPUTS品質

対応力多様性サービス

コスト納期

バラツキ

顧客要求

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労働集約型職場における生産性労働集約型職場における生産性

労働生産性 =工数(人・時間)

産出

人(人数)

産出

労働費(金額)

産出or or

投入=労働・設備・原材料(事業所指向→生産の効率化)

産出=品質・数量・時間・金額(顧客指向→製品の競争力向上)= =

C D

コストの費用展開を行って、全社もしくは工場全体・事業所の原価改善を行う場合、固定費の中の直接労務費(以下、直労費)を改善対象にあげることが多い。現場の作業改善については、「個別改善テーマ」や「グループ改善」において「○○作業工程低減」「○○作業時間の短縮」などの形で取り上げられてきたが、これらの改善効果は「みなし効果(削減時間に分率賃金短かをかけたもの)で表現されており、個別の効果はコスト換算されてはいるものの、直労費の改善には結びついていない場合がある。基本的には、直労費の改善を行う為には作業人員の削減(少人化)を行わなくてはならないが、個々の作業改善を別個に行っていてはなかなか少人化には至らないのが実際のところである。確実にコスト成果を出す現場の改善は、現場のトータル工数がどう変化するのか、その為には何をやればいいのかを総括的に議論する必要が有る。

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生産性の構造生産性の構造

1人当り出来高 = 生産性

就業工数(会社にいる間)

稼動工数(実際に作業している時間)

標準作業工数(本来、作業に必要な時間)

新標準工数(改善後の作業に必要な時間)

計画停止ロス朝礼、清掃、打合せ会議、材料待ち、指示待ち、故障段取り切替等

稼動率

総合能率

方法ロス作業能率 作業方法ロス(標準作業方法に対して)

干渉ロス(設備スピード)チョコ停ロス、不良ロス編成効率ロス等

能率ロス

方法ロス

作業方法ロス

1日の中での仕事の時間比率を多くする。

⇒稼動率を上げる

1回の作業を早くする。

⇒タクトを短くする。 稼動ロス 能率ロス 方法ロス工程分析稼動分析作業分析動作分析

ライン作業分析連合作業分析

IE技術適用対象

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設備系職場における生産性(労働生産性と生産効率)設備系職場における生産性(労働生産性と生産効率)

①3点管理とは

[現場の見方]

①段取り作業・・・・・・・・・・・・・段取り②材料準備・配膳・・・・・・・・・・欠品③品質改善・・・・・・・・・・・・・・・品質トラブル④工場内物流の改善・・・・・・・運搬,

部品供給

⑤機械・装置予防保全・・・・・・機械ストップ

サイクルタイムの削減 × 配置人員の削減

ライン(設備)稼動率向上

1.1

0.7 0.8

①人動作改善②機械動作改善③技量改善④作業編成改善

①配置人員ロス改善②マンマシンタイミング改善③作業編成改善④品質手直しロス改善

=2.0倍

・種々の特徴を持った対象職場に対し、3つの着眼点(a稼動率、bサイクルタイム、c配置人員)

により、生産効率向上余地を見積る体系的診断技術であり、High Productivityby Key Factory Evaluation Scenarioの頭文字を取って“HIKES”ともいう。

②労働生産性と生産効率

労働生産性 =配置人員

生産数量

配置人員

稼動時間/サイクルタイム=

・上記の両辺を稼動可能時間で割り、それを生産効率(単位時間当たりの労働生産性)と定義すれば、

稼動時間/稼動可能時間労働生産性 =

サイクルタイム×配置人員

サイクルタイム×配置人員

稼動率=

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TPMの現場のロス構造TPMの現場のロス構造 ~~ 1818大ロスの構造大ロスの構造 ~~

《人のロス》 《設備のロス》

就業工数

負荷工数

正味作業工数

有効工数

価値工数

操業時間

負荷時間

稼動時間

正味時間

価値稼働時間

休止ロス

作業ロス

編成ロス

不良ロス

計画休止

停止ロス

性能ロス

不良ロス

9)物流管理ロス

10)動作ロス

12)自動化置換えロス

13)構造変更可能ロス

11)編成ロス

14)測定、修正手直ロス

1)故障ロス

2)段取り、調整ロス

3)刃具交換、部品待ち

6)立上りロス

4)空転、チョコ停ロス

5)速度低下、充填ロス

7)工程不良、手直しロス

8)一発良品ロス

《エネルギーのロス》 《材料のロス》

投入エネルギー

有効エネルギー

投入材料(重量)

良品重量

16)エネルギーロス 15)材料歩留りロス

17)型、治具工具ロス 18)仕掛停滞ロス

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生産性向上の視点

サイクルタイム/配置人員

稼動率

向上

削減 削減

1)段取時間の削減2)設備トラブルの削減3)立上りロスの削減

1)配置人員ロス改善2)作業編成改善3)積替作業廃止

生産性向上の視点

高効率化の3つの視点

生産性向上余地 =

1)人の作業改善2)設備のスピード改善3)チョコ停の削減4)作業編成改善

操業度の低い場合は 1)稼動率は向上2)タクトタイムは長く3)人員は削減

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改善の基本ステップと改善技術改善の基本ステップと改善技術

1-1 改善の基本ステップ

生産現場で改善活動を進める際は、できるだけ効率的に成果を上げる必要がある。その為には効率的なステップや分析技術により定量的に進めることがその近道である。例えば代表的なステップとして以下が考えられる。

(1)改善対象の選定(2)現状分析(3)改善案検討(4)改善実行(5)維持・継続(安定化)

またこの時、現状において問題点を定量的にとらえる分析技術や改善案検討の際、案を出す為の基本的な見方・考え方を利用する事で、より大きな成果が得られることが期待できる。

1-2 必要とする改善技術

改善を進めるにあたり、必要とする改善技術には2つに大別できる。

現状分析技術・・・現在の生産状況を定量的に捉え、ロスや改善の狙いを見出す分析手法である。改善発想技術・・・改善案を検討する際、その見方・考え方などを整理したものである。

・ワークユニット・タイムスタディ,PTS法・P-Q,P-MH分析,資料分析

・稼動分析(ワークサンプリング)・工程分析(アッセンブリチャート等)・連合作業分析(4Wチャート等)

・ライン作業分析(ピッチダイアグラム)

・ECRS・5W1H・動作経済の原則・ブレーンストーミング

現状分析技術 改善発想技術

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改善の基本ステップと改善技術改善の基本ステップと改善技術

1-3 改善技術の対象

分析する手法は目的と改善対象により、下図のように使い分ける。この中で最も基本的な技術は現状作業の状態を時間的に、定量的に捉える方法であり、直接的に測定するタイムスタディと机上で分析的に時間測定を行うPTS法がある。

《改善技術》《改善ステップ》

動作系列作業者と機械系列

工程系列

P-Q,P-MH分析,資料分析

ワークユニット

タイムスタディPTS法

稼動分析

連合作業分析 工程分析

ライン作業分析

ワークユニット

動作経済の原則

1)改善の対象

※重点対象の選定

改善する単位に分割

2)現状分析

ロスの把握

作業の分析

3)改善案検討

4)改善実行

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ワークユニットワークユニット

1-1 ワークユニットとは

作業改善を実施するにあたり、まず最初に重要な事は、対象となる作業の大きさ(範囲・区分)を決める事である。それは、対象とする作業の大きさにより、改善技術が異なるからである。例えば、家電製品の組立について改善を考える場合、

改善目的 対象の大きさ 改善技術

・全体の組立手順を見直す

・製品梱包ラインを再設計する

・プリント基盤の組付作業を改善する

製品単位

工程単位

作業単位

工程分析

ライン作業分析

タイムスタディ

といった各段階があり、それに応じた技術の正しい適用法が改善活動の成否や効率を左右するからである。このような対象の大きさ(作業の構成・まとまり)の単位をワークユニットと呼び、作業測定の分析・改善の単位となる。

参考ワークユニット(W.U)は、作業の構成・まとまりの単位でありそのワークユニットの作業時間値を ワークタイム(W.T)

発生回数を ワークカウント(W.C) と呼ぶ

したがって、ワークユニットの仕事量はワークタイムとワークカウントの掛け算で表され、分解された個々のワークユニットの仕事量を総和したものが製品全体の仕事量となる。

製品全体の仕事量 = ∑(個々のワークタイム×個々のワークカウント)

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ワークユニットワークユニット

ワークユニットのレベルとして一般的なものはマンデルの8段階のレベルである。しかし、生産現場の作業分析・改善を進める上では、下図のような6段階のレベルで十分といえる。

ただしワークユニットのレベルは画一的なものではなく、状況に適応したレベルの設定が望まれる。

《ワークユニットのレベル例》

レベル ワークユニット 説 明 例

6

5

4

3

2

1

最終製品

業務

中間製品

大工程

課題

工程

単位作業

要素作業

動作

目的(完成)を果たすのに必要な作業・業務のまとまった単位。各工程の集結からなる最終アウトプット

いくつかの工程を経た、中間段階での作業系列のまとまった完成状態。

決まった作業域での1つのまとまった

作業で、作業のサイクルとして完結を見る単位。

作業として完結する最小単位で作業の努力度合や作業結果を具体的に評価できる最小単位

いくつかの動作の組合せによって構成される1つの作業の区切り。ストップウォッチ

で測定できる最小単位

作業の最も小さな単位の区分要素作業を構成する測定可能な最小単位

・自動車組立・製造

・エンジン組立・機械加工

・ギア加工・車体溶接

・材料加工・穴あけ

・材料を取る・ハンマーで叩く

・手を伸ばす・つかむ

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作業分析の体系作業分析の体系

連合作業分析 人・人連合作業分析

人・機械連合作業分析 M-Mチャート

4Wチャート作業改善を行う為に現状作業を詳細に正しく把握

・人・人 人・機械の連合作業の分析→1人の作業のみで作業が完遂するもので

無い場合、各作業の順序・タイミングの明確化が必要。

・人と機械の動きの絡み合いと関連を図表化

作業分析の体系

作業分析 基本分析

・1人作業の分析

→どのような作業があり、どのくらい各作業に時間が

かかっているかを押える。

・1人1人の作業者の作業分析を行い、

共同作業がどのようなタイミング・順序で行われているのかをグラフで明確にする。(連合作業分析)

作業分析

・人の作業と機械のサイクルとしての内容を各々作業分析を行い、人+機械の動きの関連を明確にし、仕事

のバランス・機械の加工待ち、人作業のピークを見る。→人は1人1人の作業分析を行う。

→機械はどのような工程かを押える。機械のサイクルは作業者の作業内容からおさえたり、別途測定、資料や計算で求める。

・機械1台に対して

複数作業者が連合したり分担して

作業を行う場合は、人が移動しな がら作業する事がある。

その時、M-Mチャー

トに場所を明確にした項目を付加したもの。

重点分析

・作業者・モノ・設備の現象を探り、各要素作業の因果関係を明確にし、

不要な要因を排除・現象を行う。→目的と手段、目的と原因、原因と結果を明確にすること。

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1.タイムスタディー1.タイムスタディー

1-1 タイムスタディーとは

作業の要素作業単位のワークユニットに分割し、時間を尺度として実際に測定し評価する分析手法である。その分析結果はオペレーションリストとしてまとめられる。

スポット溶接作業オペレーション

12345 完成品をテーブルに置く。

要素作業名 時間(W/T)5.6秒

13.3 秒4.8秒7.9秒3.0秒

部品A,Bを本体にセットする。溶接位置に部品を合わせ固定するスポットを溶接する固定治具をはずす。

1-2 タイムスタディーの目的

① 仕事量の定量的把握現在の作業の方法をモデル化した上で、その時間を定量的に把握、改善の重点を抽出する。

② 見落としの無い事実の確認現在の仕事の構成を明確にし、分析する事により、改善すべき作業の見落しを防ぐ。

③ 作業のムダの発見と改善の第1ステップ

要素作業レベルでのムダの発見と、それらを改善するための着眼を得る為の第1ステップ。

改善の目的がどのようであっても、現状を定量的に表すには作業を時間値で測定する必要がある。従って作業を標準化する様々な分析手法の基本に、タイムスタディーを行う事が要求される。

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1.タイムスタディー1.タイムスタディー

1-3 タイムスタディーの進め方

作業分析の基本的な進め方を以下に表す。ポイントはただ単に時間を測定するのではなく対象となる作業を予測した上、分析する単位(ワークユニット)を明らかにし、現状(作業手順・時間)を定量化することにある。

(1) 対象作業を区切る(2) 観測実施(3) 観測結果の検討(4) 改善案検討

(1) 対象作業を区切る

時間測定をする準備として、対象作業を要素作業単位で区切る。その際、繰返しのない作業や予め予測し、また繰返しのあるものは現場での予備観測などにより行う。(実務的には以後の観測も考えて、作業をVTR撮影しておくことが多い)

要素作業を区切る場合として、

・作業を要素作業に分割する単位は出来るだけ小さい方が良いが、観測可能な大きさである事。(2~3秒)・主目的の要素と付随な要素は分けること(分けなくても可)

(主体的な作業)・・・組立てる,溶接する,分解する,吹付ける(付随的な作業)・・・材料を取る,部品を置く,機械の側まであるく

・連合作業においては作業者が単独に行っている要素作業は分けること。・作業者要素と機械要素を分けること。機械設備を使用する作業では、人がする作業と機械設備がする

時間は分ける。・出来るだけ要素作業の目的が異なるものは分けること。

規則的作業 ・・・1作業または1工程のサイクルごとに発生する要素不規則的作業・・・1作業に必要ではあるが、規則的または基本的な要素作業のサイクル感覚に比べ

規則性に乏しい感覚で発生する要素・抜取りで寸法を測定する・工具についた切粉を払う

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1.タイムスタディー1.タイムスタディー

(2) 観測実施

区切りをいれた要素作業後ごとに時間を測定する。測定は一般に時間分析の方法の中のストップウォッチ観測法を用いる。規則的に繰返し作業がある場合は、5~10の連続観測を行い平均値をとる。

◆観測時のポイント

・ 作業者に観測の目的を十分に説明し、よい結果が得られるように協力を求める。・ 作業の状態及び内容が正常であるかを確認すること。(不安定時は避ける)・ 観測時に測定しやすい作業の区切りで分割する。・ 観測時、作業単位の読みの時間を記録する事。・ 協力的な作業者と熟練作業者(普通でも可)を選ぶ。・ 作業者がよく見え、かつ邪魔にならない位置に立つこと。

◆データの記録と整理

・ 観測は予めストップウォッチを動かしておいてから始める事・ 作業の繰返しがある場合は連続して観測する事。・ 読取った時間は観測用紙の“読み時間”の欄に記入する事・ 上段の“個別時間”は観測後整理の段階で記入する・ 観測時間の記録の要領は次のように行う事

⇒分の位が前の作業と同じ場合には、分の単位を省略してもよい(例) 前作業の観測時間・・・272

当作業の観測時間・・・291→91 と書いてもよい⇒観測中にトラブルがあった場合はチェックしておく⇒規則的な作業の中に不規則的作業が発生したならば、作業名を都度余白の予備欄へ

記録する事。そして対応する規則的作業の読み時間を合わせて記号をつけ、関連を明確にする。⇒観測時、観測者の不注意などの為、記録すべき時間を見落したとき、作業読み時間の欄には

“M”(ミスの略)として記入する。⇒規則的作業が省略された場合は“↑”として記入する。

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1.タイムスタディー1.タイムスタディー

(3)観測結果の検討

◆観測記録の整理

・ 観測記録の整理は、記憶のある内に行う事・ 観測中の改善着眼事項はできるだけ詳細に記録して、作業改善に生かされるようにすること・ 個別時間の算出を行う事・ 特に長い時間と短い時間は、異常かどうかを確認し、異常値なら除去する。

◆作業手順・時間値のモデル化

作業改善を観測した結果は多くの場合、手順・時間値がばらついている。従って改善を進める上で、現状作業をモデル化(標準化)し、それを基準に改善を考える事が必要である。

○ 手順のモデル化基本的には現状で最も多く観測された方法をモデルとする場合が多い。言換えれば熟練した作業者が、平均的に行った作業手順をモデル化することになる。

○ 時間値のモデル化個別時間のモデル化(代表値の算出)の方法は、いくつか考えられる。

・平均値 ・・・ 全観測値の平均値・最多値 ・・・ 最も出現の多い時間値・中央値 ・・・ 観測値の最大値と最小値の中間の値・最小値(最速値)・・・ 最も小さい(速い)値・1/選択値 ・・・ 全体観測地の中で最小値から25%の値

(10個の観測地で3つ目に速い値)一般的には平均値か1/4選択値が推奨される。

モデル化した結果はオペレーションリストとしてまとめておく。

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1.タイムスタディー1.タイムスタディー

(4) 改善案検討

現状の作業を分析し改善案を出すには、先入観にとらわれず、意識的疑問的態度で望むことが必要である。このときの見方・考え方(改善発想技術)はいくつか用意されている。

○ 排除を考える事(E : Eliminate)その仕事、その作業はなくせないか。これが実現できれば最も改善効果は明確なものとなる。したがってあらゆる改善に先行して考える必要がある。

○ 結合と分離を考える事 (C : Combine)排除できない仕事は、既成概念や偏見にとらわれず、なるべく簡単な方法で再編成する。

○ 入替と代替を考える事 (R : Rearrange)作業をいつ行えばよいか、どんな順序で行えばよいか、どうしたら作業が容易になるかなどを検討することである。

○ 簡素化を考える事(S : Simplify)

作業別に簡単に楽にすべく、距離を短く、重量を軽くなどの改善を考える。

① ECRS (改善の4原則)

なんのために(Why) ・・・ (理由・目的・成果)をはっきりさせた上で

なにを(What)だれが(Who)いつ (When)どこで(Where)どうして(How)

対象物・範囲人・機械設備時間・時刻・時期位置・経路・方向手段・手法

不必要な動きの排除人の結合または変更時または順序の結合または変更場所の結合または変更方法の単純化または改善

(チェック項目) (対象項目) (改善の着眼点)・・・・・・・・・・・・・・・

E

E・R

S

② 5W1H

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1.タイムスタディー1.タイムスタディー

③ 動作経済の原則

原則-1 動作の数を少なくする着眼a 動作の数はなるべく少ないほどよい

b 保持している動作は保持具を考える事によってなくすよう努める。c 自働送り時間,加熱時間を有効に活用する。d 適当な用具,材料を使用して動作の数を少なくする。e 2つ以上の工具を結合したり、材料や部品の取りやすい容器を利用して動作の数を減らす。f 動作の配列順序を入れ替えて余分な動作を省くg 足を有効に使って手の動作を減らす。

原則-2 両手は同時に使う着眼a なるべく両手は同時に作業を始め、同時に終わるようにする。

b 両手動作は反対方向に、かつ対称になるようにする。c 保持具や足踏装置をできるだけ利用する。

原則-3 移動距離を短縮する着眼a 出来るだけ歩行距離を短くする。

b 身体を曲げる,ねじるなど胴の動作を減らす。c 腕の移動距離を短くする。d 手が届くできるだけ近い範囲に加工品や工具等を置く。

原則-4 動作を楽にする

着眼a 出来るだけ,慣性,重力,自然力,などを利用する。b 不自然な姿勢を避け、出来るだけ楽な姿勢で仕事をする事。c 正確さを必要とする作業では、簡単な道具で一定の運動経路を守る。d 適当な換気、正常な温度と湿度は疲労を減少させる。e 安全である事,整理整頓されている事,適当な作業服は、作業者を負傷や障害から守り能率を上げる。

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22..PTSPTS法法(MOST(MOST))

1-1 MOSTとは

PTS法(Predetermaind-Time Standard,-Time System)とは、人の行う全ての作業を

それを構成する基本動作に分解し、各基本動作に対して、その性質と条件に応じて前もって定められた時間値をあてはめる手法である。PTS法のうち、MOST(Maynard Operation Sequence Technique)は、他の手法と比較して簡単で経済性に優れた手法である。PTS法は従来ともすればその手法の繁雑さが普及の妨げとなっていたが、MOSTは分析の容易さ,分析スピードの速さ,正確性の点で変化の

激しい時代の要請に応えた手法と言える。

代表的な作業測定手法

実績資料法

経験見積法

タイムスタディー (ストップウォッチ法)

ワークサンプリング法

PTS法

要素作業時間資料法

WF法

MTM法

その他

MOST

統計的方法

観測法

合成法

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22..PTSPTS法法(MOST(MOST))

1-2 MOSTの特徴

(1) 経済性 分析時間が短い最小のペーパーワーク習得が速い

(2) 充分な正確性 適応誤差が(分析者によるミス)が少ない一貫性がある(レイティングが不要,主観が入らない)

(3) メソッドに敏感

(4) 広い適用範囲 マルチレベル(多品種,少量~量産,直接~間接)

追加データ開発が可能

(5) 実作業前でも

標準時間設定が可能

従来の作業測定法との比較

変動要因

困難90時間

±10~20%つかめない

1枚

多品種少量生産・量産・間接作業に適用

-困難

継続的レイティング学習要

多くて,複雑16枚

多品種少量生産対応が困難

基本動作の積上げ

従来のPTS法 タイムスタディー1

誤差±5%以内30~50倍 時間観測のみ2倍±5%以内

分析単位作業方法の変化対応

習得期間

MOST

少なく,分かりやすく1枚

多品種少量生産・量産・間接作業に広く適用

作業単位のシーケンス容易(事前設定可能)

30時間

分析時間精度(一貫性)

分析用紙使用枚数

適用範囲

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3.稼動分析3.稼動分析

1-1 稼動分析とは

ある時間帯(例えば就業時間)の中での作業者や作業や設備の状態の時間比率を把握する手法である。

1-2 稼動分析の目的

(1) ロスを定量化して改善の為の対象を絞り込む。(2) 生産性向上の余地を概括的に把握する。(3) おおよその各作業、状態の時間値の把握。

セットリセット稼動24%

測定13%

運搬25%

アイドル不稼動

25%

清掃13%

手待ち(設備トラブル)

0%

手待ち0%

8:15 8:42 9:22 ・・・・ 計2 1 2 ・・・・ 401 1 ・・・・ 602 2 3 ・・・・ 502 ・・・・ 75

1 ・・・・ 1705 ・・・・ 75

1 1 ・・・・ 30

手待ち

手待ち(設備トラブル)清掃

稼動

セットリセット測定運搬

不稼動

アイドル

<稼動分析(ワークサンプリング)例>

<観測用紙><結 果>

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3.稼動分析3.稼動分析

1-3 稼動分析のタイプ

(1) 連続観測法

作業や状態を連続的に観測し、時間比率を把握する手法である。特定の作業者や設備を詳細に調査する事には適しているが、1度に複数の対象を調査することは困難であるため

現場全体を概括的に分析する場合に適していな。

(2) 瞬間観測法 (ワークサンプリング)

①(目視) ワークサンプリング作業や状態を瞬間的に何回か観測し、それらを集計して、それぞれの作業の時間比率を把握する

稼動分析である。瞬間の観測の為詳細な分析には適してないが、広い範囲で多数の作業や設備を少ない工数で調査できる為、現状の概括的な実態把握には適している。

②申告ワークサンプリング(セルフワークサンプリング)自分の作業や状態を何回か瞬間的に把握し、それらを集計してそれぞれの作業時間比率を把握

する自己申告の稼動分析である。第3者の観測では内容の把握しにくい間接作業の業務定量に

適している。

(3) その他

①日報集計作業日報などで作業や設備の状態の実績時間を集計する稼動分析である。時間申告のため、

詳細な項目を定量化するのは申告者に負担をかけ精度の高いデータを取れなくなるので、項目を絞って調査する必要がある。

②計測器稼動メーターなどで設備に取り付け、それで設備の状態を把握する。簡便だが、調査項目は

限定される。

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3.稼動分析3.稼動分析

2.ワークサンプリング2.ワークサンプリング1-1 ワークサンプリングとは

例えば、ある現場の2人の作業者が下図のような内容で時間経過と共に作業を行っていた場合、適当なタイミングで10回瞬間的に作業を観測(ワークサンプリング)を行ったとする。その観測された作業内容の

集計結果と実際の作業内容の比率を比較すると結果は近いことがわかる。

(時刻) 9:00 10 20 30 40 50 10:00

作業者A

作業者B

① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩

<図 ワークサンプリングの例>

[10回の瞬間観測]

観測結果集計結果

① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ 加工 段取作業者A 3 7作業者B 3 7

加工 段取実際 29%(35分) 71%(85分)W・S 30%(6回) 70%(14回)

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3.稼動分析3.稼動分析

2.ワークサンプリング2.ワークサンプリング1-2 ワークサンプリングの特徴

<利点> <欠点>

①少ない工数で・広い対象について・時間のかかる作業や・発生タイミングのわからない作業

の定量化を比較的簡便に行う事が出来る。②分析対象者に精神的な負担をかけない。

瞬間観測の為、質的な内容を把握しにくい。つまり①作業ペースは評価しにくい。②作業の順序を把握できない。③無効な作業の見分けがしにくい。④作業の目的が把握しにくい。

1-3 ワークサンプリングの手順

3.

観測期間、回数、時刻、

巡回経路を決める。

5.

結果をまとめる。

2.

調査項目を分類し、定義する。

4.

観測を実施する。

1.

調査項目を明確にする。

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3.稼動分析3.稼動分析

2.ワークサンプリング2.ワークサンプリング(1) 調査の目的を明確にする。

① 調査の目的を明確にする。(例) ・作業の運搬,設備のチョコ停を定量化したい。

・標準時間の余裕率(手待ち時間)を把握したい

② 調査の目的にワークサンプリングがその利点,欠点から考えて、分析手法としてふさわしいかを検討する。

(2) 観測項目を設定し、定義する。

① 目的に合った観測の対象(人,設備,現場,時間帯)を決める。

② 現場観測をして、作業の内容を理解する。・ワークサンプリングは瞬間観測で作業を把握しなければならない為、予めその内容を理解しておく

必要がある。③ 観測項目を設定する。

・『知りたい事』が顕在化できるように観測項目を設定する。・観測項目は、瞬間観測で判断できる内容が望ましい。但し、それで知りたい事が顕在化できなかった

場合には、a 作業者に尋ねるb 別途、他の詳細調査を行う

等でカバーする。・観測項目の種類は、観測時に発生する内容を網羅しておく必要がある。観測時にチェックする項目が

ないというのでは、構成比率を正しく算出できないからである。・観測項目は迷ったら細かくしておく。観測後に項目をまとめる事はできても、分割する事はできない

からである。

④ 観測項目を定義する。・観測の一貫性をとるために、各項目は作業の開始、終了が分かるように定義しておく。

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3.稼動分析3.稼動分析

2.ワークサンプリング2.ワークサンプリング(3) 観測期間、回数、時刻、巡回経路を決める。

① 観測時間を決める。・観測期間は、対称の状態変動やサイクルや分析の目的により決定される。例えば、週サイクルで生産している

現場ですべての変化を捉えるには、一般に1週間の観測期間を必要とする。しかしその中で設備のチョコ停を定量化することが目的で、製品は何がきてもその比率は変わらない事が予測される場合には1日の観測でよい。また、経理業務は月サイクルで変動する為1ヶ月の観測期間が望ましい事になる。

② 観測回数の決定

ワークサンプリングでは観測回数を増やすほど、実際の値に近づいていく(精度の向上)。しかしロスを見出す為だけならば結果が大きく、実際と大きく違わない範囲で回数を決める。

通常観測回数は次の式で表される。

観測数 = 観測対象数 × 1日の観測回数 × 日数 × 観測者数

上記の各項を求める手順として・ロスの把握という目的では、観測数は、予測される作業の発生比率に対し一般的に

相対精度 10% 信頼度 95%を異化の式により目処に求める。・観測数を求めるためには発生比率が必要であるが、それはある程度の予備観測を行い

それにより発生比率を予測する。・1日の観測回数は観測対象者と可能な観測日数観測者からもとめていく。

・実際には観測をある期間継続して、累積結果が安定してきたところで打ちきる場合がある。

<観測数の求め方>

N:観測数

S:希望する制度(相対誤差)P:推定発生比率

N =4(1-P)

S P2

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3.稼動分析3.稼動分析

2.ワークサンプリング2.ワークサンプリング③ 観測時間の決定

観測の際、ある特定の作業だけを観測するような「かたより」を防ぐためランダム時刻表を用いて観測時刻を決定する。

<ランダム時刻表の使い方>

手順① 適当な列を選ぶ(乱数表等)

手順② 観測開始時刻を0時に当てはめる始業開始8時25分なら 0→8時 1→9時 ・・・ 9→17時

手順③ 作業時間外の時刻の行を消す始業時刻前、休憩時間、就業時刻後

手順④ 残った時刻の中で、左列の番号の小さい順に1日の観測数だけ選ぶ

手順⑤ 観測回数が1回あたり(観測して戻るまで)時間以外の場合は、

その時を除き、次の番号を加える。

④ 巡回経路の決定普通は1人で対象を数十点受け持ちして観測することが多い。したがって、観測する為には巡回経路を

あらかじめ決めておき混乱の無いようにしておく。そしてランダム時刻表で決めた時刻に出発し、観測点を順番に巡って行く。

その際、巡回経路は何種類か用意しランダムに選んで観測を行い、データに「かたより」の起きないように考慮する。

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3.稼動分析3.稼動分析

2.ワークサンプリング2.ワークサンプリング

(4) 観測を実施する。

① あらかじめ現場の了解を取っておく。・異常日の観測は避ける (棚卸日,大晦日等)

② 観測用紙を準備する。・観測用紙は、例えば工程毎、職場毎などで分けておき、後でデータの整理をしやすくしておく。

③ 対象職場の配置人員,観測時の応受援人数を確認する。

・観測対象者は応受縁人数も含める。

④ 観測を実施する。・ワークサンプリングは瞬間の作業、状態を捉えなければならないが、作業を見続けていると、アクションの大きな

作業やイレギュラー作業に目がいってしまう。観測直前に「5秒後に作業をチェックしよう」などと決めておくとよい。

また短サイクルライン作業などは見た瞬間の作業は慣れないと捉えられない。慣れない間は目をつぶって開いてはまた閉じた残像を利用するとよい。

・1回の巡回の観測数は観測対象数に等しい。観測1回毎に観測のモレがないかどうかを確かめる。

・観測中に観測項目に無い作業が発生した場合は、新たに観測項目を設定するか、欄外に記入する。・数人で観測している場合は1日の観測終了後に、観測値の問題点、迷った点などをディスカッションして

観測の一貫性を保つよう心掛ける。

⑤ 精度のチェックをする。S = 精度(相対誤差) 信頼度 95%N = 観測数 P = 発生比率

S = 2 1-PNP

(5) 結果をまとめる。

結果は全体および工程、設備職場毎のほか場合により時間帯別や作業担当別(管理者と作業者)に整理して問題点の検討がしやすいようにまとめる。

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3.稼動分析3.稼動分析

2.ワークサンプリング2.ワークサンプリング

1-4 ワークサンプリング実施の意義

(1) (ワークサンプリングの過程で)今までとは違った目で現場をみることになりその結果、次の事が期待できる。

① 改善の仮説の確認② 今まで気付かなかったロスの発見③ 観測者間での問題意識の共通化

ワークサンプリングによる事実の定量化により関係者(現場のマネージャー、作業者、会社の幹部)に問題の共通認識が生まれる。

⇒考え方のベクトルを合わせる手助けとなり、改善活動が前に進みやすくなる、

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3.稼動分析3.稼動分析

3.稼動分析と3.稼動分析とTT//SS(タイムスタディー)の違い(タイムスタディー)の違い1.1分析可能範囲 1.2定量化可能範囲

・・・人

非サイクル作業

サイクル作業 不稼動

T/S

W/S:連続稼動分析

W/S:瞬間稼動分析

トラブル対応不良処理長サイクル作業

長所として、少ない工程で、広い対象について、時間のかかる作業や発生タイミングの判らない作業の定量化を比較的簡単に行うことができる。また上図のように、T/Sでは把握しにくい部分が定量可能というメリットがある。

弱点として、瞬間観測の為質的な内容を把握しにくい。つまり、作業ペース、作業順序、無効な作業の見分けが難しい、作業目的が把握しにくい,個別の作業の時間

的大きさが掴み難い、個別作業改善が検討できない等の問題がある。よって、WSにより全体の概要を定量化し、重点的に改善するべきポイントを見極め、そこにはTS等対象作業

種類に適した分析・改善手法を用いるのが良い。

W/S(ワークサンプリング)が特に有効なのは、不特定性が多い場合

→上図のように不特定エリアを人が渡り歩く場合→不特定発生サイクル作業がある場合→作業分担が不特定な場合時間がかかる作業を行っている場合→作業サイクルが長い

T/S(タイムスタディー)が有効なのは、上図四角枠内のように一定エリア・

一定サイクルの作業であり、人も固定的な工程の分析に有効である。T/Sでは撮影したものしか分析できない(不稼動は掴み難い、非サイクル

作業も把握しにくい)が、方法・時間の関係(時間を決める条件、バラツキ)が明確になる。

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4.工程分析4.工程分析

1-1 工程分析とは

製造現場において、材料や製品がどのような手順・経路で作られるかを工程の系列でとらえ、決められた記号で表し、現状を明らかにして改善の着想を得る方法である。

1-2 工程分析の種類と目的

分析の方法は改善の目的により、

○ フロープロセスチャート (加工工程分析)○ アッセンブリーチャート (組立工程分析)○ 経路分析 (類似工程分析)○ フローダイアグラム ( 流れ分析 )

などから適切なものを選び、これにより

・ 工程の構成や各工程の相互関係を明らかにすること。・ 工程の不必要な部分を見つけ出し、改善検討対象を明らかにすること。・ 工程の種類や順番について問題を見つけ出し、改善検討対象を明らかにすること。

が可能となり、以下の目的につなげることができる。

・ 工程系列の概要把握・ 生産期間の短縮・ 仕掛りの削減・ 工数の低減・ レイアウト改善

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4.工程分析4.工程分析

1-3 工程とは

1人の作業者、一つの設備、または一つの作業域で、ある仕事(目的)を達成するために分担している作業

範囲を工程という。

工程単位への分割の考え方を以下に示す。

図表1 工程分析の大きさ

分割の大きさ程度 分割内容 具体的な例

普通(一般的)の分割

粗い分割

細かい分割

1人の作業者が、決まった作業場所

で、ある仕事を達成する為に分割している作業範囲。

「普通の分割」の2つ以上の工程を1工程にまとめて一区切りとする

分析。・一般的な工程改善の場合はこの

分割は用いない。

「普通の分割」をさらにいくつかに分割し、それぞれを1工程と区切っ

て分析する。

作業者(1人)が1台の設備を使用して

外径を切削しをロット作業で行う。・材料取付け・外径削り・材料取り外しを繰返すが、その全体を1工程と分析

する。

本体AにB,C,Dの部品を1人の作業者が1作業場所で組立てるが

・AにBを組付ける・CとDを組付ける・AにCとDを組んだものを組付けるの3工程に区分して分析する。

組立熱外注

機械

材料 倉庫

上図のように大きな分割をする。

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4.工程分析4.工程分析

一般的に作業の構成・まとまりの単位の大きさを(レベル)をワークユニットといい、下図のような段階がある。図表1での工程の普通の分割(青い部分)は図表2のレベル4にあたる。

図表2 ワークユニットのレベル例

レベル ワークユニット 説 明 例

6

5

4

3

2

1

最終製品

業務

中間製品

大工程

課題

工程

単位作業

要素作業

動作

目的(完成)を果たすのに必要な作業・業務のまとまった単位。各工程の集結からなる最終アウトプット

いくつかの工程を経た、中間段階での作業系列のまとまった完成状態。

決まった作業域での1つのまとまった

作業で、作業のサイクルとして完結を見る単位。

作業として完結する最小単位で作業の努力度合や作業結果を具体的に評価できる最小単位

いくつかの動作の組合せによって構成される1つの作業の区切り。ストップウォッチ

で測定できる最小単位

作業の最も小さな単位の区分要素作業を構成する測定可能な最小単位

・自動車組立・製造

・エンジン組立・機械加工

・ギア加工・車体溶接

・材料加工・穴あけ

・材料を取る・ハンマーで叩く

・手を伸ばす・つかむ

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4.工程分析4.工程分析

1-4 工程の種類

(1) 加工工程

材料,半製品,部品,副資材などが「目的(完成)」に向かって変化している状態。

その内容は変質・変更・変色・組立・分解からなる。

(2) 運搬工程

物が1つの作業域から他の作業域へ移動する為,積込み・移動・荷卸しされている状態。

(3) 検査工程

物が、その数量や品質を評価されている状態。

(4) 停滞工程

物が停滞または貯蔵されている状態。前後の工程の処理能力差などで、計画とは反して停滞している状態を滞留、計画的なものを貯蔵とする。

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4.工程分析4.工程分析

2-1 フロープロセスチャートとは

加工工程分析とも言われ、機械加工職場で材料・部品が加工される場合などの分析で使われる。1つの材料や部品が各工程を通って変化していく状態を、加工される順に工程記号で上から下へ表したものである。また同時に工程内容,距離,時間,作業者の分担などの条件を明確に併記していく。

素材置場(1~4日間)

Aラインへ30m

荒加工

1日

Bラインへ10m

仕上加工

組立職場へ120m

加工完了品置場(2~5日間)

図表3フロープロセスチャート例(1)

〈機械加工職場〉

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4.工程分析4.工程分析

図表4 工程分析記号

記号

総時間1単位にかかる時間×分析単位の数量

総運搬距離1回の運搬距離×運搬回数

検査

停滞

運搬

工程分類

加工

滞留

貯蔵

管理区分担当区分

加工

運搬

数量検査

品質検査

省略廃却

補助記号

運搬距離・時間の表示時間

材料,半製品,部品に変化を与える過程を表す

材料,半製品,部品の位置に変化を与える過程を表す(直径は加工記号の1/2~1/3)

材料,半製品,部品の量または個数を測って、基準と比較して差異を知る過程を表す

材料,半製品,部品の品質特性を試験し、基準と比較して差異を知る過程を表す

材料,半製品,部品が滞っている状態を表す材料,半製品,部品が計画により貯えている過程を表す管理部門または責任区分を表す

工程系列の一部の省略を表す材料,半製品,部品の一部を廃却する場合

意味

運搬距離

記号名称

担当者または作業者の責任区分を表す

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4.工程分析4.工程分析

2-2 分析の手順

① 目的・対象範囲の確認 分析の目的を明確にし、目的にあった分析の粗さ、調査項目を決定する。また対象製品,分析する範囲についても決めておく。このときに多品種の場合は、P-Q分析、P-MH分析により代表品種を選定

する。

② 製品・工程の概要把握 分析にムダのないよう予め工程を予測しておくため、現物見本、設計図、部品表、手順表などの資料や現場での聞き取りにより概要をつかむ。

工程の順序に従って、1工程ごとに作業状況を観察し、内容を理解した上、

分析表を作成する。この際の留意点は、・実際の現場では予測とは違う事が多いが、必ず現状を観察すること。・作業内容、作業条件を漏らさず調べる事。・各工程ごとにロットが違うときは明記する事。

③ 調査・分析

④ 総括表の作成 調査項目に異常がないことを確認した上、まとめとして各工程別の工程数、時間、距離の合計を算出しておく。

2-3 参照⑤ 改善案検討

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4.工程分析4.工程分析

2-3 改善案検討

改善案の出し方として「改善の4原則」を着眼することが役に立つ。

● E(Eliminate:排除) ・・・ その工程をなくせないか● C(Combine:結合) ・・・ 他の工程と 組み合わせられないか● R(Rearrange:入替) ・・・ 工程順序を分離、入替て容易にできないか● S(Simplify:簡素化) ・・・ 工程そのものを単純化できないか

これにより工程数削減、時間・距離を短縮させる改善案を検討する。

<改善案例>

工程

加工

運搬

検査

滞留・

貯蔵

工程数削減 時間短縮 距離短縮

・製品設計の変更(VE)・材料仕様の変更・包装仕様の変更・他の工程と同時に行う

・待ち時間に他の作業を行う・同時加工数を増やす・動作のムダをなくす・設備能力向上、自動化

・工程間距離の短縮

・自主検査の実施・不良原因を排除し

検査をなくす

・前工程と同期化・ライン化・サブ組立のインライン化・工程管理レベル向上

・運搬手段変更・運搬ロットを増やす・運搬容器の変更・運搬手段の動力化

・検査用具の変更・抜取り検査の実施

・加工の小ロット化・部品の小ロット納入・運搬の小ロット化・工程の不安定要因排除

・レイアウトの変更

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4.工程分析4.工程分析

3-1 アッセンブリチャートとは

組立工程分析ともういわれ、組立職場で多くの部品が集まって、1つの製品(半製品)を作る場合などの

分析で使われる。いくつかの部品が組合わさっていく過程を工程記号で枝状にしたものである。またフロープロセスチャートと同様に工程の条件を併記していく。

加工完了品置場

Cラインへ15m

A部品 B部品 C部品

サブ組立

D部品

加熱し柔らかくする

倉庫へ30m

出荷倉庫(2~5日間)

<アッセンブリチャート例[組立職場]>

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4.工程分析4.工程分析

3-2 経路分析

多品種職場などで、品種毎に流れる工程の経路を調べ、いくつかの類似工程系列グループに分類する分析方法を経路分析(類似工程分析)という。

3-3 経路分析の目的

(1) 改善の重点品種グループを絞込む

多品種職場で改善を行う上で、全ての品種を同時に検討していくのは、大変な手間が必要であり、経路分析により品種グループに分類した上、

・ 生産量が多いもの・ 工程数が多く、他の品種へ改善の横展開がしやすいもの・ 将来的にも生産が継続されるもの

などの選択のポイントとし改善の重点品種を絞込む。

(2) 各工程の負荷量の把握

各工程を通る品種が明らかになるので、その品種の生産量がわかれば、工程ごとに、ある期間内にかかる負荷量が把握できる。これは生産計画、各工程の能力設定などの基礎データとして活用できる。

(3) 効率のよいレイアウト検討の基礎データとして活用

経路分析(類似工程分析)により、品種別に全工程が一覧となっているため、品種別の生産量がわかれば、各工程間の運搬量が把握できる。その運搬量はレイアウト変更などの基礎データとして活用できる。

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4.工程分析4.工程分析

4-1 フローダイアグラムとその目的

フローダイアグラムとは、とくに多品種少量で各品種の工程系列が異なる、ジョブショップ型の生産を行っている職場の物の流れを分析する手法である。

分析により工程間の相互関係(運搬量、運搬回数、運搬方法、運搬距離)を明確に、最適なレイアウトを決定する際などの基礎データとして活用する。

4-2 フローダイアグラム作成の進め方

(1) 代表品種の選定

製品の類似性でグループに分け、各グループから分析対象とする代表品種を選定する。その際そのグループ全体の生産量を代表品種の生産量とみなすこととする。

(2) 経路分析

分析対象機種およびそれを構成する全部品について、工程分析表を用いて経路分析を行う。

(3) 荷姿による製品分類

各工程間を運搬する際の荷姿を調べ製品を分類する。(例えばボックス、パレット、段ボール箱、など。)そして荷姿による中の部品の入数から運搬量が明確になる。

(4) フロムツーチャートの作成

工程分析表より各工程間の運搬量を整理する為に、縦横に関する工程の全てを同じ順番に並べ、各職場同士の列と行の交差する欄に、運搬量と荷姿を併記した、フロムツーチャートを作成する。

(5) フローダイアグラムの作成

工程をブロックで表し、その間を運搬量を示す線(線の数または太さで流れの強度を表す)で結び、各工程間の相互関係を図表化する。この各工程間の距離に合わせて各工程の位置を記入すると、運搬量と距離の関係が一目でわかる。

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5.ライン作業分析

1-1.ラインとは、

物が完成するまでの作業を複数の工程に分割し、各工程は独立して同時の作業を行い、物は

一定のスピードで完成方向に流していき、一定間隔で完成品が産出される作業形体を言う。

製品の流れ

1-2.ラインのメリット、デメリット

(1)メリット

a.運搬工数が少ない

・物が移動・運搬経路が単純・距離が短い

b.管理が容易

・ラインスピードで作業スピードを拘束・通常は最初の投入と最後の完成数量を管理すれば良い

・異常はラインストップとしてすぐ顕在化する

c.仕掛が少ない

・同期化によって工程間待ちが無い・省スペースでやれる

d.作業習熟が容易

・人件費を変動費化しやすい・自動化しやすい

(2)デメリット

a.1工程のトラブルが即全体に影響を及ぼす。

b.作業分割のバランスが取れないと工数ロスが大きい

c.設備や人が固定化しやすく、製品種類、量などの変化に対する柔軟性が少ない。

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5.ライン作業分析

2-1.ライン作業分析とは、

各工程に分担された作業をピッチダイアグラムに表してサイクルタイムとのバランスロス(編成ロス)を明確にし、

改善の着眼を得る分析手法である。

作業編成表

A B C D E1 ○2 ○3 ○4 ○5 ○6 ○7 ○8 ○

完成品をケースに入れる説明書をケースに入れる

ケースの蓋を閉めるケースにテープを貼る

ケースをパレットに入れるパレットに伝票を入れるパレットを台車に載せる

台車を倉庫に運ぶ

7.28.83.03.54.03.22.03.2

時間値/CT(秒)

作業者作業名

ピッチダイアグラム

7.2秒 7.2秒

5.2秒

6.2秒

8.8秒

A B C D E

編成ロス

サイクルタイム10秒

正味作業工数

作業者

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5.ライン作業分析

2-2.サイクルタイム

サイクルタイムとは完成品の出来上がる時間間隔であり、各工程の繰返し作業の1周期の事でもある。

この間隔は必要生産量により決まり、これによりラインでのものを流すスピードが決定され、各工程の作業分割が決定される。

目標サイクルタイム(TCT)=就業時間-不稼動時間

必要生産量÷良品率

2-3.ラインバランス

ラインバランスとはラインを構成する各工程が分担する正味作業量のバランスの事である。効率の良い

ラインとはバランスの良い設計を成されたラインの事である。このラインバランスを評価する尺度が編成功率、またはバランスロス率である。

7.2秒 7.2秒

5.2秒6.2秒

8.8秒

ピッチダイアグラム

編成功率=Σ(各工程の正味作業量)

TCT×人数

バランスロス=100-編成功率

編成ロス

サイクルタイム10秒

正味作業工数

A B C D E作業者

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5.ライン作業分析

2-4.ライン作業分析の目的ピッチダイアグラムによってロスを明確にし、そのロスを減少させる事によって次の目的を果たす。

(1)現状サイクルタイム短縮

(2)要員減

(1)現状サイクルタイム短縮

目標サイクルタイム(TCT)をオーバーするネック工程をいかに潰すかがポイントとなる。

改善後ネック

改善前

現状CTネック工程を潰す事でサイクルタイムの短縮に繋がった

TCT

A B C D A B C D(2)要員減

現状のライン配置人員を減少させるために分析を行う。編成ロスをいかに旨く使うかがポイントとなる。

改善前 改善後

A B C D A B C

TCT改善前に比べて改善後は作業者1名減編成功率もUP

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5.ライン作業分析

2-5.連合作業分析と改善の手順

(1)対象の選定

(2)現状の定量化

(3)目標サイクルタイム算出

(4)ピッチダイアグラム作成

(5)ライン改善

(6)レイアウト設計

(7)案の評価、選択

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5.ライン作業分析

(1)対象の選定

まず、分析の対象となる「品種」を設定し将来を加味して「生産量」を設定する。そのために以下のような

分析を行う。

a.生産量推移

過去半年(又は1年)程度と将来の予測を取入れた品種別の生産量推移を分析する。

生産量

1月 2月 3月 4月 5月 6月・・・・・・・・・・・

B品種

C品種

Q

A品種

b.PーQチャート、P-MHチャート

過去半年(又は1年)の生産のPーQチャート、P-MHチャートを作成し、その期間の中で生産量(工数)の

上位の品種を確認する。

PーQチャート P-MHチャート

生産量Q

A B C D E F品種

工数

MH

A B C D E F品種

※P・・・Products(製品又は品種)

Q・・・Quantity(生産量)

MH・・Man-Hour(生産工数)

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5.ライン作業分析

c.類似作業分析

各製品がどの工程を通過するのかを一目で分かるようにし各製品がどれだけ類似性が有るかを分析する。

○ ○ ○ ○

○ ○

○ ○ ○ ○ ○

○ ○ ○○ ○ ○

○ ○ ○

○ ○ ○ ○ ○

○ ○ ○ ○ ○ ○

○ ○ ○ ○ ○

○ ○ ○ ○ ○ ○

C製品

○ ○

工程I

工程J

A製品 ○

工程K

○ ○ ○ ○

工程F

工程G

工程H

F製品

工程D

工程E

G製品

工程B

工程C

工程A

D製品

E製品

B製品

工程名

製品名

以上のa、b、cの分析を通じ、次の考え方で対象とする品種を設定する。

将来に向けて生産量の多いもの

対象製品

類似作業を多く持つもの

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5.ライン作業分析

(2)現状の定量化

定量化の対象は「稼働時間」「良品率」「正味作業時間」である。

a.ライン稼働時間

ライン稼働時間=就業時間-ライン不稼働時間

ライン稼働時間を定量化する為に、ラインが停止するライン不稼働時間を定量化する必要がある。ラインを停止する要因は大別すると次の通りである。

①準備時間 ライン切替時間、ライン稼動準備時間、後始末時間

②トラブル停止時間 設備トラブル、品質トラブル、部品切れ、供給遅れ

③管理時間 朝礼、休憩時間、QC活動等

これらをタイムスタディ、ワークサンプリング、日報、ヒアリング(経験値)で分析し、ラインを動かせない「ライン不稼働時間」を定量化する。

b.良品率

資料、作業日報等で対象製品の良品率を定量化する。これによって次の式で実際に処理しなければならない生産量が求められる。

生産量=必要生産量÷良品率

c.正味作業時間

現状の各工程の作業時間をタイムスタディ又はPTS法で定量化し把握する。

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5.ライン作業分析

(3)目標サイクルタイム設定

生産量とライン稼動時間、良品率を求めたら目標サイクルタイムを設定する。

目標サイクルタイム(TCT)=就業時間-ライン不稼働時間

必要生産量÷良品率

(4)現状のピッチダイアグラム作成

横軸に工程を取り、各工程の作業時間値を縦軸に取り、TCTを明確にして現状のラインの形である、

ピッチダイアグラムを作成する。また、TCTと各工程のバランスを計る編成功率を求める。

ピッチダイアグラム

7.2秒 7.2秒

5.2秒

6.2秒

8.8秒

作業者

A B C D E

編成ロス

編成功率=Σ(各工程の正味作業時間)

TCT×人数

バランスロス=100-編成功率(%)

サイクルタイム10秒

正味作業工数

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5.ライン作業分析

(5)ライン作業改善

ライン作業改善の狙いは「要員減」と「サイクルタイムの削減」があるが、その改善には次の3つのアプローチがある。

a.正味作業改善

工程毎の作業内容を改善しライン稼動時間中の正味作業時間値を削減する。例) ネジ締めを4点締めていたものを、改善後は3点で強度が保たれるように改善する。

b.ライン不稼動時間削減と良品率向上によるTCTの延長

ライン不稼動時間を削減する事によってライン稼動時間延長と良品率向上によるTCTの延長。

例)

不稼動時間 : 60分良品率 : 95%

不稼動時間 : 30分良品率 : 98%

480-30480-60TCT=TCT=

4275÷0.95×60

4275÷0.98×60

=6.2秒=5.6秒

改善後

TCT:5.6秒

改善前

TCT:6.2秒

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5.ライン作業分析

c.作業分担見直しによる編成功率向上

ライン不稼動時間改善後のTCTに近づくように改善後の正味作業を積み上げる。

その際には次の点に注意する。

①積上げた作業時間はTCTを越えない。

②作業の分割単位を考慮して作業分担する。

③連合作業の分割

④性質の異なる作業の分割

⑤確認と調整作業の統合

⑥工具の数の検討

⑦ライン外の作業検討

⑧部品供給方式の検討

例)

改善前 改善後

TCT:6.2秒

作業者1人減

編成功率 : 98%編成功率 : 80%

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5.ライン作業分析

(6)レイアウト設計

ライン編成案に対して、設備位置の制約や作業域、バッファ数とライン長、ライン形状(直線、U字型等)などを

考慮してレイアウト設計を行う。但し、作業の手順や分担は作業域レイアウトにより大きく左右されるのでライン編成時から、ある程度検討しておく必要がある。

以下にレイアウト検討時の配慮点を示す。

レイアウト検討時の配慮点

a.最短移動距離

部品、治具等のレイアウトの構成要素を物や人の移動距離が最短になるように配置する。

b.適正空間

c.工程数の増減や設備配置の弾力性

作業者が十分安心して体を動かせるような空間を確保する。また空部品バスケットや不良品処理のスペースも確保する事。

生産数量や生産品種の変化、欠勤等による配置人員減に応じてフレキシブルに対応できる弾力性を持ったライン設計を行う。

例)

改善後(U字型ライン)改善前(直線型ライン)

直線型からU字型に変える事で各作業者への作業に

必要な部品の供給を行う距離が短縮された。

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5.ライン作業分析

(7)案の評価、選択

a.今まで検討した案を評価、選択する。

個別案の評価項目は次の点である。

①案の効果

作業改善や編成功率改善の削減工数、人員を明らかにする。

②改善費用

投資(改善費用)対効果を会社の基準に照らして妥当であるかを見極める。

③改善期間

改善実施を始めてから終了するまでの期間の事である。一般に1年以上かかるものは改善の

前提条件である生産量や品種が変わる可能性があるので注意する。

④条件変動への対応度

その改善案は予想される条件変動にどの程度対応可能か明らかにする。1年後には有効

でなくなる案と数年先まで効果が持続しそうな案では①~③が同じでも採否の判断は異なってくる。

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5.ライン作業分析

b. 評価して採択された案をまとめて代替案(A案を選ぶとB案は選べない)をつくり、評価、選択をする。そこで明らかにしておく事は以下の通りである。

①配置人員と現状に比べた時の生産性向上率

②編成功率

③総費用

④実施期間

⑤その他の特徴

その他の判断材料として以下のものがある。

①目標人数

②過去の販売量変動と将来の販売予測(新製品も含む)

③現状と将来の年齢構成、社員比率

④納期達成率

⑤不良率、クレームの内容と比率

⑥競争条件(コスト、納期、品質等)

⑦設備の転用可能性

⑧製品在庫、仕掛推移

⑨製品のライフサイクル

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5.ライン作業分析

(8)運用案の検討

手順(1)~(7)までの基本的な設計は完了したが、それは生産量は一定、作業ペースも一定、

不良、設備トラブルも一定、欠勤はしないという状態、いわば「静的な状態」での連合作業設計である。しかし実際はこれらの設定した時の条件は変動する。この変動する条件を持つ「動的な状態」

のラインを運用していく為の方法を検討する必要がある。それはこの「動的な状態」の連合作業に対して「その変動幅をいかに押えるか」ということと「条件変動に対してどのように対応するか」という事についてである。

代表的な変動条件を以下に示す。

生産量 モデル外製品

設備トラブル

欠勤作業ペース、スキル

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6.連合作業分析

1-1.連合作業分析とは、

連合作業とは1つの目的を果たす為に(加工、段取等)複数の作業主体(人間や機械)が独立した作業

と共同する作業を互いに持ち、相互に作業の拘束を受けながら行う作業である。

例)人がコピー機でコピーを5枚取る

1-2.連合作業のタイプ

連合作業には以下の2つのタイプが存在する。

(1)人-人タイプ

例)2名で型替え作業を行う

(2)人-機械タイプ

人 機械

1名 1台

複数台

1台

複数台複数名

複数名

1名

対 象

3名で7台の機械でフランジ加工を行う

3名が1台の大型プレス作業を行う

1名が2台の旋盤でシャフトを加工する

1名が1台のコピー機でコピーを取る

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6.連合作業分析

1-3.M-Mチャート

M-Mチャートとは連合作業を行う各作業主体の作業過程を互いの作業のタイミングを考慮してチャート

に表し「単独」「連合」「不稼動」の各性質に区分して、ロスや改善の狙い目を明確にする為のものである。

例)M-Mチャート

停止

アンチャッキング

旋盤

切削

チャッキング

切粉除去

測定

アンチャッキング

手待ち

チャッキング

切粉除去

※サイクルタイムとは完成品の出来上がるタイミングであり、各工程の繰返し作業の1周期のことでもある。

※目標サイクルタイムとは必要な生産量を可能な生産時間内で生産する為の生産間隔

目標サイクルタイム=(TCT)

就業時間-不稼動時間

必要生産量÷良品率

※DMとは10進法換算で表した時間の単位IE技術で使われる事が多い100DM=1分(60秒)

120DM

サイクルタイム(CT)

記号 名称 説明 人 機械

自動

手扱い共同

単独機械や他作業者とは一緒に行わない単独の作業機械や他作業者と一緒に共同して行う作業

停止空転

手待ち機械や他作業者が作業している間の待っている状態

単独作業

連合作業

不稼動

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6.連合作業分析

1-4.連合作業分析の目的

(1)現状サイクルタイムを目標サイクルタイムまで短縮

(2)目標サイクルタイム内で配置人員減

例1)現状サイクルタイム短縮

アンチャッキング アンチャッキング

測定切削

手待ち

チャッキング チャッキング

人 旋盤

切粉除去 切粉除去

改善後

100DM

前回作業分

停止

アンチャッキング

旋盤

切削

チャッキング

切粉除去

測定

アンチャッキング

手待ち

チャッキング

切粉除去

改善前

測定120DM

人の手待ち時間に前回の作業で切削した分(通常1作業を繰返し行うものである)

の測定を取入れる事で改善前に比べてCT20DM短縮

次回作業へ

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6.連合作業分析

例2)配置人員減

パレット積

手待ち

手待ち

キュービック洗浄外箱置き

手待ち パレット積

キュービック水切

手待ち

作業者c 作業者d

パレット片付け

作業者a 作業者b

外箱外し 手待ち

キュービック洗浄

キュービック水切

パレット積

外箱置き

パレット積

作業者a 作業者b

外箱外し パレット片付け

改善前

改善後

改善前は作業者4名で行っていたのを改善後は2名で行える

ようになった。

作業者4名

作業者2名

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6.連合作業分析

1-5.連合作業分析と改善の手順

(1)対象の選定

(2)現状の定量化

(3)目標サイクルタイム算出

(4)M-Mチャート作成

(5)連合作業改善

(6)レイアウト設計

(7)案の評価、選択

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6.連合作業分析

(1)対象の選定

まず、分析の対象となる「品種」を設定し将来を加味して「生産量」を設定する。そのために以下のような

分析を行う。

a.生産量推移

過去半年(又は1年)程度と将来の予測を取入れた品種別の生産量推移を分析する。

生産量

1月 2月 3月 4月 5月 6月・・・・・・・・・・・

B品種

C品種

Q

A品種

b.PーQチャート、P-MHチャート

過去半年(又は1年)の生産のPーQチャート、P-MHチャートを作成し、その期間の中で生産量(工数)の

上位の品種を確認する。

生産量Q

A B C D E F品種

PーQチャート

工数

MH

A B C D E F品種

P-MHチャート

※P・・・Products(製品又は品種)

Q・・・Quantity(生産量)

MH・・Man-Hour(生産工数)

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6.連合作業分析

c.類似作業分析

各製品がどの工程を通過するのかを一目で分かるようにし各製品がどれだけ類似性が有るかを分析する。

○ ○ ○ ○

○ ○

○ ○ ○ ○ ○

○ ○ ○○ ○ ○

○ ○ ○

○ ○ ○ ○ ○

○ ○ ○ ○ ○ ○

○ ○ ○ ○ ○

○ ○ ○ ○ ○ ○

C製品

○ ○

工程I

工程J

A製品 ○

工程K

○ ○ ○ ○

工程F

工程G

工程H

F製品

工程D

工程E

G製品

工程B

工程C

工程A

D製品

E製品

B製品

工程名

製品名

以上のa、b、cの分析を通じ、次の考え方で対象とする品種を設定する。

将来に向けて生産量の多いもの

対象製品

類似作業を多く持つもの

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6.連合作業分析

(2)現状の定量化

繰返し作業の分析の場合は「作業時間」と「稼働時間」「良品率」を定量化し目標サイクルタイムを算出する。また、非繰返し的な作業の場合は「作業時間」を定量化する。その「作業時間」を定量化する際には次の点に注意する。

a.観測する作業主体は作業のタイミングを互いの拘束し合うものを選択する

b.作業主体の作業過程をすべて観測する。

c.連合部分は作業過程の「どのタイミングで」発生するのか明確にする。

d.「手待ち」「不稼動」は測定しない。(後でチャートを描くことで明確化される)

e.連合部分の作業時間は各作業主体間で統一する。(例えばA、B作業者の「共同して型を持上げる」連合作業はA、B作業者共に10Secと同じ時間とする。Aは9Sec、Bは11Secとはしない。)

f.作業の分担を明確にする。

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6.連合作業分析

(3)目標サイクルタイム短縮

目標サイクルタイムを算出する。

a.各作業主体の作業スタート時点を合わせる。

b.連合部分のタイミングを合わせる。

c.作業の1サイクルを明確にする。

d.最後に作業主体の稼働率を算出する。

稼働率=作業主体の正味作業量

サイクルタイム停止

アンチャッキング

旋盤

切削

チャッキング

切粉除去

測定

アンチャッキング

手待ち

チャッキング

切粉除去

0DM

人の稼働率=67%

旋盤の稼働率=92%

目標サイクルタイム(TCT)=就業時間-不稼動時間

必要生産量÷良品率

この式から分かるように不稼働時間を減らし良品率を上げる事がサイクルタイムを縮めるのに重要な要素となる。

ポイント!

(4)M-Mチャート作成

定量化した作業を各作業主体毎の作業過程に合わせてM-Mチャートを作成する。その時は次の点に注意する。

例)M-Mチャート

120DM

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6.連合作業分析

(5)連合作業改善

a.改善アプローチ

改善の狙いは「サイクルタイム短縮」「要員減」であるが、その改善アプローチを以下に示す。

①正味作業の改善

作業主体毎の作業を改善し正味作業時間値を削減する。連合作業は連合部分によって作業の分担やタイミングが拘束を受けているので、特に人と人、人と機械の連合作業を改善し連合部分をなくすと作業分担の自由度が増し連合作業の改善につなげやすい。

繰返し作業の場合は不稼働時間の削減または良品効率向上によりTCTを引上げる。TCTを延長する意味は編成や作業改善により要員減を行いやすくなるからである。非繰返し作業の場合はその目標時間がTCTとなる。

②不稼動時間削減と良品率向上によるTCT引上げ

③作業の分担、手順、タイミング見直し

サイクルタイムがTCTを越えないように、人の「手待ち」機械の「停止」部分を使う事を考え

て、作業の手順、分担を変える。その際作業のタイミングは連合部分を合わせなければならないために、そのことを良く考慮しておく。

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6.連合作業分析

b.改善視点

改善の視点を以下に示す。

①連合作業を単独で出来ないか。

②単独作業を連合作業にして時間を短縮できないか。

③作業分担を変えて「手待ち」「停止」を減らせないか。

A

a

b

c

d

①作業dを単独作業にする

省人化

A B

手待ち

a

b

c

d d

A B

a a

b b

c

d d

手待ち

改善前

②作業a bを連合作業とする

CT短縮a b

A B

d

手待ちc

d

③作業bをBの作業とする

CT短縮

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6.連合作業分析

(6)レイアウト設計

編成案に対して、設備位置の制約や作業域、バッファ数などを考慮してレイアウト設計を行う。

但し、作業の手順や分担は作業域レイアウトにより大きく左右されるので編成時から、ある程度検討しておく必要がある。

以下にレイアウト検討時の配慮点を示す。

a.最短距離移動

部品、治工具等のレイアウトの構成要素を物や人の移動距離が最短になるように配置する。

b.適正空間

作業者が十分安心して体を動かせるような空間を確保する。また、空部品バスケットや不良品処理のスペースも確保する事。

c.工程数の増減や設備配置の弾力性

生産数量や生産品種の変化、欠勤等による配置人員減に応じてフレキシブルに対応できる弾力性を持った設計を行う。

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6.連合作業分析

(7)案の評価、選択

a.今まで検討した案を評価、選択する。

個別案の評価項目は次の点である。

①案の効果

作業改善や編成功率改善の削減工数、人員を明らかにする。

②改善費用

投資(改善費用)対効果を会社の基準に照らして妥当であるかを見極める。

③改善期間

改善実施を始めてから終了するまでの期間の事である。一般に1年以上かかるものは改善の

前提条件である生産量や品種が変わる可能性があるので注意する。

④条件変動への対応度

その改善案は予想される条件変動にどの程度対応可能か明らかにする。1年後には有効で

なくなる案と数年先まで効果が持続しそうな案では①~③が同じでも採否の判断は異なってくる。

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6.連合作業分析

b. 評価して採択された案をまとめて代替案(A案を選ぶとB案は選べない)をつくり、評価、選択をする。そこで明らかにしておく事は以下の通りである。

①配置人員と現状に比べた時の生産性向上率

②編成功率

③総費用

④実施期間

⑤その他の特徴

その他の判断材料として以下のものがある。

①目標人数

②過去の販売量変動と将来の販売予測(新製品も含む)

③現状と将来の年齢構成、社員比率

④納期達成率

⑤不良率、クレームの内容と比率

⑥競争条件(コスト、納期、品質等)

⑦設備の転用可能性

⑧製品在庫、仕掛推移

⑨製品のライフサイクル

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6.連合作業分析

(8)運用案の検討

手順(1)~(7)までの基本的な設計は完了したが、それは生産量は一定、作業ペースも一定、

不良、設備トラブルも一定、欠勤はしないという状態、いわば「静的な状態」での連合作業設計である。しかし実際はこれらの設定した時の条件は変動する。この変動する条件を持つ「動的な状態」

のラインを運用していく為の方法を検討する必要がある。それはこの「動的な状態」の連合作業に対して「その変動幅をいかに押えるか」ということと「条件変動に対してどのように対応するか」という事についてである。

代表的な変動条件を以下に示す。

生産量 モデル外製品

設備トラブル

欠勤作業ペース、スキル

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資料編

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生産性向上の生産性向上の33側面側面

生産性向上を考える場合次の3側面を切口として考えると向上させやすい。

M面M面

U

生産性

OUT PUTIN PUT=

①計画、活用面のロス(効率よく作業できる場面を計画しているか?)計画、活用面:有効活用度

・計画、管理・処理計画

①計画、活用面のロス(効率よく作業できる場面を計画しているか?)計画、活用面:有効活用度

・計画、管理・処理計画

P面P面

②実施効率面のロス(標準の達成度旨く行く人と行かない人の差はぜ)パフォーマンス面:業務処理効率

・標準の達成度・処理能率

②実施効率面のロス(標準の達成度旨く行く人と行かない人の差はぜ)パフォーマンス面:業務処理効率

・標準の達成度・処理能率

③方法面のロス(お金を生んでいる仕事の比率?)メソッド面:業務処理方法

・標準のレベル・処理方法

③方法面のロス(お金を生んでいる仕事の比率?)メソッド面:業務処理方法

・標準のレベル・処理方法

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改善の改善の44原則原則(ECRS)(ECRS)

改善は次の4つの原則に沿って考えて行く。

排除又は回数の削減(E)

その仕事、その作業はなくてもよいかという問により、不要なものは行わないようにする。これが実現できれば4つの原則の中でもっとも改善効果は明確なものになる。したがって、

この排除を考える事はあらゆる改善に先行して行われる事が必要である。

結合、分離(C)

排除できない仕事や作業は、どんな方法でやったらいいのか考える。しかも既成概念や

偏見にとらわれずに検討し、なるべく簡単な方法で再編成してみる事。これが結合であり、分離である。

入替、代替(R)

この入替と代替を考える事は、いつ行ったら良いのか、どんな順序でやったら良いのか

どうしたら作業が容易になるのかなどを検討する事であり、改善の効果も大きい場合がある。

簡素化(S)

簡素化は忘れてはならない重要な点である。作業別に簡単にすべく、距離を短く、重量を

軽くなどの改善も考える。

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動作経済の原則動作経済の原則

<動作経済の原則と改善例>

原則 改善例

動作の数を減らす

・保持動作は保持治具に置きかえる・反転させないで済むように、ケースの持ち方、置き方の統一・2つ以上の動作を組合せる

・仮置きしないでライン上で作業する・足を有効に使って手の動作を減らす・動作の順序を入替えて余分な動作を減らす

両手は同時に使う

・片手を保持に使わなくて済むように保持治具を使う・両手で2つのものを同時に取る

・両手は同時に始め、同時に終わる動作を行う・両手動作は反対かつ非対象になるようにする

移動距離の短縮

・近い場所に配置する・身体を曲げる、振向くという動作をなくす・腕は動かさないで前腕、手首または指だけの動作で済ませる・ものを作業者の視界の範囲に置く

動作を楽にする

・できるだけ慣性、重力を利用する・持ちやすい形にする・自然な姿勢で作業できるようにする・動作経路を自然にする

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作業簡素化の作業簡素化の1111原理原理

①産業界の激しい競争に打ち勝って、優位な立場を確保するには、品質の良いものを低コストで納期内に生産するためのあらゆる行動が必要である。

②変更される事に対する抵抗や、現状を批判される事に対する反発は人間の心情に深く根ざすものであり、これが方法改善を進める上の障害となっている。

③従業員の1人1人に、構成員としての所属感、作業改善を通じての参加感、目的を果たす達成感を植え付けることは、経営者の任務

④それゆえに、作業簡素化の目的は発展のために不断の努力をしている従業員たちの生産力、創造力あるいはその他の知恵を取り入れ、しかもそれらを育成する事にある。

⑤作業簡素化は、製品価値を増す事もなく、必要な情報を与える事も得られる事もなく、あるいは意味のある集計や計画が成されないような仕事は、本質的にはムダであるという考え方が基礎になっている。

⑥作業プロセス、人と機械の組み合わせ、あるいは作業動作などの観察によって得られる分析資料は、無駄の現象と方法改善を研究するのに必要な基礎事項である。

⑦作業プロセスにおける主要な無駄は、「手待ち」「移動」および「検査」である。人と機械の組合せにおける主要な無駄は人と機械の両方に起こる「あそび」時間である。作業動作の主要な無駄は、もっと楽に速い動作でできる方法をよういる工夫をなおざりにするために起こる無駄な時間である。

⑧作業簡素化は、全ての活動に対して分析的観察がなされた時にその威力を発揮する。そして、分析結果に付いて5W1Hの自問を投げかけると改善が進められる。

⑨改善の程度は、主としてどれほど良く観察分析がなされたかによって決まる。どんな仕事でも改善される機会は均等に解放されていなければならない

⑩他の業務での経験は、現在の仕事を改善するのにも役立つ。

⑪いろいろな分析手法を用いる事によって、独創的な才能を実際面に応用する道が開かれる

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動作改善の為のチェックリスト動作改善の為のチェックリスト

改善着想立案の為のチェックリストを以下に示す。

1.さがす

①物を探さなくてもいいように作業域のレイアウトはされているか②部品や材料が混合されていないか③照明は十分か④先行作業の部品、工具を置く地点に、次の作業の部品、工具を配置できないか⑤材料や工具の置場は常に一定しているか⑥目の上下運動によるよりも、左右運動で探せるように配置されているか⑦材料や工具は常に整頓された状態になっているか

YES NO

2.選ぶ

①形や色別によって選びやすいようになっているか②工具や部品の標準化の余地はないか③前の作業を行っている間に次の部品・工具の選別は出来ないか④設備や容器などを改善して、選択を容易にしたり、除けないか⑤部品や材料が混合されていないか

3.空手

①移動距離を短く出来ないか②途中の障害物をなくし、方向変更を避けれないか

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4.つかむ

①一度に多くつかんで、つかむ回数を減らせないか②小物は指先で接触した後、滑らせながらつかめないか③つかむ回数を少なくする為に組み合わせ工具は使えないか④磁石・ゴムイボを使って、手の代用をさせれないか⑤つかみやすくつかみ直しの要らない置き方になっているか⑥治具や容器は中の部品を取出しやすくなってるか⑦つかみやすい設計に出来ないか

YES NO

5.運ぶ

①移動距離を短縮できないか②途中の障害物を除いて、移動経路を滑らかに出来ないか③1回の運搬量を多くして、移動回数を減らせないか

④重量や抵抗、距離などに適した体の部分を使っているか⑤コンベア・シュートを使って移動を行う重量や抵抗を減らせないか⑥重力、慣性、自然力を使えないか⑦足で行う機構は考えられないか⑧両手は同時に対象に動かせないか⑨使用頻度の多い部品・工具を使用場所の近くに置いてあるか

6.位置決め

①前工程で後工程が位置決めが無いように置けないか②工具や部品を整頓して、位置、方向を一定に出来ないか③きちんと並んでいるものを、崩さない様に次工程に遅れないか④部品の形状を、前後又は左右対称にしてつかみ直しの無い様に出来ないか⑤ホッパー、シュートを利用して一定方向になる様に出来ないか

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7.組合せ

①ストッパー又はガイドを利用できないか②2個以上を一緒に組合せ出来ないか

③カム又は空気装置を利用できないか

YES NO

8.使用

①工具は把握面を十分大きくして力が楽に入るように出来ないか②治具、取付具、自動装置、自動機の利用は出来ないか③工具は出来るだけ自動化できないか④機械の切削中、他の仕事が出来ないか⑤切削中の切粉の除去方法に工夫の余地はないか

9.分解

①治具、取付具、自動装置は利用できないか②同時に数台を並行して分解できないか③同時に数台を取外すように出来ないか④カム又は空気装置を使用できないか⑤動力利用の工具は利用できないか

10.手放し

①運ぶ途中で手放しできないか②注意を払わないで手放しできないか③落とし込み、受けじょうごを利用できないか④機械力、圧力、空気による吹き飛ばし、重力による自然落下装置は

考えられないか

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11.しらべる

①検査を省略するか、他の作業と一緒に出来ないか②測定器具のメモリが読みやすい様に工夫されているか③検査に適した光源を使用しているか④合否の範囲が一目で分かるように印がつけてある⑤限界ゲージは利用できないか

YES NO

12.前置き

①工具を吊り下げて、直立の姿勢で操作し得るように出来ないか②部品の前面が同じような形状に設計できないか③動作中に前置きが出来ないか④工具の柄を取りやすい様に置けないか

13.保持

①運ぶ途中で手放しできないか②注意を払わないで手放しできないか③落とし込み、受けじょうごを利用できないか④機械力、圧力、空気による吹き飛ばし、重力による自然落下装置は

考えられないか

14.避け得ない遅れ

①動作の組合せを変えて遅れを減らせないか②工程管理・設備管理などを徹底して管理ロスを減らせないか③作業分担を変える事は出来ないか

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15.避けられる遅れ

①作業者の志気を向上することで「遅れ」を減らせないか②作業をリズミカルにして遅れをなくせないか

YES NO

16.休み

①休憩時間の与え方に考える余地はないか②作業環境(温度、湿度、騒音など)を良くして疲労を減らせないか

13.保持

①作業の指示を分かり易く具体的に出来ないか②作業の準備、段取を標準化できないか③分業化を進めて作業方法を単純化できないか

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動作改善事例動作改善事例

ボルトとワッシャー、ナットの組立作業について

<改善前>

①右手でボルトを取り左手に渡す②左手はボルトを持ったままで右手でワッシャーを取り

ボルトに組立てる③右手でナットを取りボルトに組立て軽く5回ねじ込む

④左手でボルト、ナットを完成品置場に置く

左手の作業 右手の作業

<改善後>

①左右両手でボルトをとり保持具に立てる②左右両手でワッシャーを取りボルトに組立てる③左右両手でナットを取りボルトに組立て軽く5回ねじ込む

④左右両手で完成品を保持具から取外し完成品置場に置く

保持具でボルトを固定

左手の作業 右手の作業

改善前は左手の保持動作(ボルトを持ったままの状態等)が多かったが、簡単な保持具を用いる事で保持動作が減り、それによって両手が同時に同じ作業を行えるようになった。

改善の効果

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ワークサンプリング事例ワークサンプリング事例

観測用紙 観測結果グラフ

主稼動

45%

準稼動

32%

準備

6%

手待ち

11%

6%

稼動

77%

不稼動

23%

観測日:観測者:

9:16 10:34 11:54 13:46 15:08 16:181 2 3 4 5 6

点検ハンマー等で叩く / // 3スパナで締める //// /// /// // / /// 16確認測定 / 1給油、注水 // / / 4車体洗浄 / / 2開ける、はめる、おす / / / 3部品加工 / // 3車両運転 / / 2資料を見る 0書く / / 2運搬 // / // / / // 9歩行 // / / / / / 7工具類取扱 // / 3身繕い / / 2掃除 // 2手待ち // / 3休憩 / / 2話してる /// 3ミーティング 0不在 // // 4

14 14 12 13 7 11 71

主稼動

準稼動

準備

職場 : 車両整備 工程:対象:

手待ち

稼動

不稼動

ワークサンプリング用紙

区分・要素作業観測対象・時間

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経路分析事例経路分析事例①①

機械加工職場のレイアウト変更事例

<改善前>

現在は設備間で仕掛を持ちながら生産している為、生産期間が長くかかっている。また凄惨進捗もわかりにくい。

フローダイアグラム(レイアウト)経路分析表

AT-1

Y-2

O-2 TM

TP

OT-2KY

Y-3 Y-4

I-1 I-2 I-3 I-4

AT-1O-2TM

Y-2TPKY

OT-2Y-3Y-4I-1I-2I-3I-4

グループ C D生産量 1,000 850

① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦

A B18,000 7,900

機種設備

分析のポイント

・機種別に生産経路を分析し、類似経路毎にグルーピングを行う。・生産量を調べメイングループを中心にレイアウト変更を検討する。※レイアウト図上に機種別の経路を記入すると、改善後のものの流れの違いが良く分かる。

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経路分析事例経路分析事例②②

経路分析表、フローダイアグラムから新しいレイアウトを構築する。

<改善後><改善前>

レイアウトレイアウト

AT-1

Y-2

O-2 TM

TP

OT-2KY

Y-3 Y-4

I-1 I-2 I-3 I-4

I-1I-2I-3I-4

AT-1

Y-2

O-2KY

Y-3

Y-4

TMTP

OT-2

・メイン機種を中心に一貫生産ライン(仕掛を持たないライン)を構成する。

・仕掛は持たないので、設備間は狭くて良く、省スペース化を狙う。

改善後ポイント

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ライン作業改善事例ライン作業改善事例①①

名称

3

2

No.

34

組立て

I型部品検査

56712312

5

3451

No. 名称ラインから本体を取る本体を治具にセットする

12

工程合計

時間値×頻度

要素作業工程

本体性能検査 4.21 本体検査

2.07.12.16.4

2.0I型部品を取りパッキン取付 8.6

26.0

本体を治具から外す 2.2

バルブを閉める本体耐圧検査

本体をラインへ置く

8.1I型部品のキャップを取付けて置く 2.7

19.4I型部品耐圧検査

39.2L型部品にラベルを貼る 8.2説明書を取る 1.2

7.1カバーをねじ込む 11.6カバーを取り拭く

3.9L型部品をダンボールで巻く 2.1

部品箱を組立てておく 11.1L型部品を拭く 2.8

30.4I型部品をダンボールで巻く 3.4I型部品をゴムで止め置く 1.2

L型部品をゴムで止め置く 3.1I型部品を拭く 2.1

L型部品を袋に入れる

説明書を取ってI型部品ケースに入れる 9.1

ダンボールを置く 2.791

4 梱包1

78

6

234

空箱を組立てる 3.92 テープを取る 1.8

2.14 I型部品箱をテープで止める 2.13 箱を置く

箱を閉じる

3.66 ダンボールを巻いて詰める 3.15 部品(3つ)を箱に入れる 27.95

9 本体にクラフト紙を被せゴムで止める

梱包2

2.98 テープを取って止める 2.77

5.71 内装箱を取って組立て 2.6

2.23 内装箱にラベル貼付け 3.12 ホッチキス止め(3個所)

1.05 ダンボールをセットする(2枚) 7.14 ラインに置く

2.67 本体と緩衝材を入れる 4.56 部品箱を入れる

6 梱包3

8 ダンボールをセットする 3.89 部品箱を入れる 2.8

10.52 内装箱を閉じる 5.41 ダンボールをセットする

7 梱包43 テープで止める 7.84 外装箱へ入れる 4.6

200.9

28.3

29.7

現状オペレーションリスト<改善前>

時間値(秒)

1 2 4 5 6工程名 7

26.0 19.4 39.2 30.4 27.9 29.7 28.3

3

現状ピッチダイアグラムサイクルタイム

47.6秒

200.9×100 =編成功率60%47.6×7

100-編成功率60%=バランスロス40%

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ライン作業改善事例ライン作業改善事例②②

作業編成表を使ってバランスロスを減らす為の作業の排除、組替え、結合、簡素化を行う。

作業編成表

No.

2

3

名称

I型部品検査

組立て

3456712312

5

3451

No. 名称ラインから本体を取る本体を治具にセットする

12

工程合計

時間値×頻度

要素作業工程

本体性能検査 4.21 本体検査

2.07.12.16.4

2.0I型部品を取りパッキン取付 8.6

26.0

本体を治具から外す 2.2

バルブを閉める本体耐圧検査

本体をラインへ置く

8.1I型部品のキャップを取付けて置く 2.7

19.4I型部品耐圧検査

カバーを取り拭く

L型部品を拭く 2.8

39.2L型部品にラベルを貼る 8.2説明書を取る 1.2

7.1カバーをねじ込む 11.6

ダンボールを置く 2.7

30.4I型部品をダンボールで巻く 3.4I型部品をゴムで止め置く 1.2

L型部品をゴムで止め置く 3.1I型部品を拭く

説明書を取ってI型部品ケースに入れる 9.1

2.1

L型部品を袋に入れる 3.9L型部品をダンボールで巻く 2.1

部品箱を組立てておく

9

4 梱包1

78

6

234

11.1

1 空箱を組立てる 3.92 テープを取る 1.8

4 I型部品箱をテープで止める 2.13 箱を置く

6 ダンボールを巻いて詰める 3.15 部品(3つ)を箱に入れる

2.9

3.6

2.1

27.95

9 本体にクラフト紙を被せゴムで止める

梱包2

8 テープを取って止める 2.77 箱を閉じる

5.71 内装箱を取って組立て 2.6

3 内装箱にラベル貼付け 3.12 ホッチキス止め(3個所)

5 ダンボールをセットする(2枚) 7.14 ラインに置く

6 部品箱を入れる

9 部品箱を入れる 2.8

6 梱包3

8 ダンボールをセットする

2.67 本体と緩衝材を入れる

1 ダンボールをセットする

4 外装箱へ入れる 4.6

7 梱包43 テープで止める

10.52 内装箱を閉じる

7.85.4

3.84.5

1.0

2.2

200.9

28.3

29.7

×

×

×

○○○○○

○○○

○○

○○

○○

○○○

F GD E○A B C

○○○

現状の作業者への作業配分

○○○○○○○○○

○○○○○○○○○

○○○○

26 19.4 39.2 30.4 27.9 29.7 28.3

○○

○○

○○

○○

○○

○○

○○○○○○○○○

26 19.4 39.2 30.4

改善後の作業者への作業配分A B C D○

○○○○○○○

○○

○○

○○○○○

○○

○○

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ライン作業改善事例ライン作業改善事例③③

<改善後>

工程 要素作業 時間値 工程No. 名称 No. 名称

7.1

×頻度 合計1 ラインから本体を取る 2.02 本体を治具にセットする3 本体耐圧検査 6.44 本体性能検査 4.2

I型部品を取りパッキン取付

5 本体を治具から外す 2.26 本体をラインへ置く 2.0

1 カバーを取り拭く

8.69 I型部品耐圧検査 8.110 I型部品のキャップを取付けて置く 2.7

8

カバーをねじ込む 11.63 L型部品にラベルを貼る 8.2

7 I型部品を拭く 2.1

4 部品箱を組立てておく 10.1

7.12

5 空箱を組立てる 2.96 箱を置く 1.17 本体にクラフト紙を被せゴムで止める 4.7

検査1 45.4

組立て2 45.7

3 梱包1

1 L型部品を拭く

6 I型部品をダンボールで巻く

8 説明書を取ってI型部品ケースに入れる

47.0

2 L型部品を袋に入れる 3.93 L型部品をダンボールで巻く 2.14 L型部品をゴムで止め置く 2.9

2.8

8 テープを取って止める

9.1

3.47 I型部品をゴムで止め置く 1.0

I型部品箱をテープで止める

6 ダンボールを巻いて詰める部品(3つ)を箱に入れる 3.6

2 テープを取る 1.04

0.7

3.17 箱を閉じる 2.9

2.15

2 部品箱を入れる

4 ダンボールをセットする

3 内装箱にラベル貼付け 2.64 ラインに置く

2.62 ホッチキス止め(3個所) 2.21 内装箱を取って組立て

1.01 ダンボールをセットする(2枚) 7.1

梱包243.8

5 部品箱を入れる 2.8

2.63 本体と緩衝材を入れる 4.5

8 テープで止める 7.89 外装箱へ入れる

9.07 内装箱を閉じる 5.46 ダンボールをセットする

4.6

計 185.7

47.6

改善後オペレーションリスト

3 4

時間値(秒) 45.4 45.7 47.0 47.6

工程名 1 2

改善後ピッチダイアグラム サイクルタイム47.6秒

185.7×100 =編成功率97.3%47.6×4

100-編成功率97.3%=バランスロス2.7%

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連合作業分析事例連合作業分析事例①①

穴あけ機による鉄板の穴あけ作業についての連合作業分析改善を行う。

穴あけ機は次のようなものである。

鉄板 鉄板

穴あけ機は1軸のドリルであり1台で右と左の2個所に鉄板を

取付ける事が可能。また左の鉄板を穴あけ中に右テーブルの鉄板の取付取り外しは可能。

穴あけ機正面からの図

※詳細な作業内容はオペレーション・リストに示す

オペレーション・リスト時間(秒)

鉄板置場から鉄板を取り機械まで運ぶ 左テーブル鉄板取付鉄板を左テーブルに取付ける 右テーブル鉄板取付鉄板置場から鉄板を取り機械まで運ぶ 加工データ入力・スイッチを押す鉄板を右テーブルに取付ける 左テーブル穴あけ加工加工データを入力し、穴あけ開始スイッチを 右テーブル穴あけ加工押す 左テーブル切粉除去・鉄板の取り外し左右のテーブルの穴あけ完了後左テーブル 右テーブル切粉除去・鉄板の取り外しの切粉をエアーで除去し、鉄板を機械から ドリル交換取外すそれを鉄板置場に運んで置き機械の所に戻る次に右テーブルの切粉をエアーで除去し、鉄板を機械から取外すそれを鉄板置場に運んで置き機械の所に戻る次の鉄板のあな開けに使用するドリルをドリルホルダーに取付ける機械についているドリルを外し、準備していたドリルを機械に取付ける

9

10

11

1234

5

6

7

8

作業者No.520420

10

15

5

15

4

25

10

時間(秒)

20201025301515108

765

No. 機械

4321

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連合作業分析事例連合作業分析事例②②

20

4

20

5

作業者 機械

10

55

15

5

15

4

25

10

鉄板置場から鉄板を取り機械へ運ぶ 待ち

鉄板を左テーブルに取付ける

鉄板置場から鉄板を取り機械へ運ぶ

鉄板を右テーブルに取付ける

加工データを入力、開始スイッチ押す

待ち

切粉を除去し、鉄板を取り外す(左)

鉄板置場に運ぶ

切粉を除去し、鉄板を取り外す(右)

鉄板置場に運ぶ

次のドリルをドリルホルダーに取付ける

ドリルを機械に取付ける

鉄板を左テーブルに取付ける

待ち

鉄板を右テーブルに取付ける

加工データを入力、開始スイッチ押す

切粉を除去し、鉄板を取り外す(左)

左テーブルで穴あけ

右テーブルで穴あけ

待ち

切粉を除去し、鉄板を取り外す(右)

待ち

ドリルを機械に取付ける

対象時間

(秒)

M-Mチャート<改善前>

単独作業

連合作業

不稼動

サイクルタイム : 188秒作業者稼働率 : 71%機械稼働率 : 77%

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連合作業分析事例連合作業分析事例③③

<改善後> M-Mチャート

単独作業

連合作業

不稼動

対象時間

(秒)

作業者 機械

5 鉄板置場から鉄板を取り機械へ運ぶ 待ち

鉄板を左テーブルに取付ける

10 加工データを入力、開始スイッチ押す 加工データを入力、開始スイッチ押す

20 鉄板を左テーブルに取付ける

左テーブルで穴あけ

鉄板を右テーブルに取付ける20 鉄板を右テーブルに取付ける

15 切粉を除去し、鉄板を取り外す(右)

25 次のドリルをドリルホルダーに取付ける

ドリルを機械に取付ける

4 左右の鉄板を鉄板置場に運ぶ 待ち

10 ドリルを機械に取付ける

切粉を除去し、鉄板を取り外す(右)

右テーブルで穴あけ

切粉を除去し、鉄板を取り外す(左)

サイクルタイム : 125秒作業者稼働率 : 100%機械稼働率 : 92%

上記<改善後>は不稼動時間を極力なくすように作業の段取を変更しただけである。その為作業

方法の改善等を含めて考える事で更なる改善が期待できる。また、改善結果は1種類ではない為、上記の結果はほんの一例である。