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─ 69 ─ はじめに 古くから人は生物を動物と植物に分けて認識してき た(2 界説).顕微鏡の発明によってさまざまな微生 物が認識されるようになったが,多くの場合これらの 微生物は動物か植物のどちらかに押し込まれていた. しかし,やがて生物界における原核生物と真核生物の 間の大きな断絶や,原生生物の多様性などが明らかに なるにつれて 2 界説は崩壊していった.現在では DNA の情報によって,生物の多様性とその間の関係 について大まかな部分についてはかなり明らかになっ てきている.それによると,生物の世界は 3 つの大き なグループ(ドメイン),真正細菌,古細菌,そして 真核生物からなる.では我々を含む真核生物の中の系 統的関係は,現在のところどのように理解されている のだろうか? 動物(後生動物)や菌類,陸上植物といった我々に 身近な存在は,系統的には真核生物のごくごく一部に すぎないということが明らかとなってきた.真核生物 は,おおよそ7 つの大系統群(スーパーグループ)と, どれにも属さないいくつかの小さな系統群からなるこ とが明らかとなりつつあるが,動物や菌類,陸上植物 はそれぞれ 1 つの大系統群の一部にすぎない(図 1). では真核生物の系統的多様性の残りの部分は何によっ て占められているのだろうか? それが原生生物 (protists)である.古くは原始的な動物や植物として, また動物や植物に並列された分類群として認識された こともあった原生生物であるが,系統的には動物や菌 類,陸上植物を内包する存在であることが明らかと なっている.つまり原生生物の系統的多様性は,真核 生物の系統的多様性とほぼ同義だといってよいほどで ある.このような系統的多様性は,原生生物における さまざまな生物学的特徴の多様性を示唆するととも に,真核生物全体を理解するためには原生生物の理解 が必須であることを意味している.さらに応用学的な ことを考えてみても,このような系統的多様性は,当 然ながら未知の有用性の存在を期待させるものでもあ る. このように原生生物は大きな可能性に満ちた研究対 象であるが,動物や陸上植物はもちろん,細菌や菌類 など他の微生物と比べても馴染みが薄い生物群となっ ている.その理解の一助となることを願って,原生生 物を中心とした真核生物の系統的多様性について,最 近の知見を交えつつ以下に紹介する. オピストコンタ(Opisthokonta,後方鞭毛生物) 動物(後生動物)と菌類はかなり異なる生き方をす る生物群である.しかし遊泳細胞(精子など)が細胞 後端から生じて後方へ伸びる 1 本の鞭毛をもつという 共通点が見られることからその近縁性が示唆されるよ うになり(他の真核生物群は基本的に細胞前方〜側方 原生生物の多様性 中山 剛 筑波大学生命環境系 〒305-8572 茨城県つくば市天王台 1-1-1 Diversity of protists Takeshi Nakayama Faculty of Life and Environmental Sciences, University of Tsukuba Tennoudai 1-1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-8572, Japan Key words: eukaryotes, evolution, phylogeny, protists, supergroup Microb. Resour. Syst. 31 (1):69 76, 2015 E-mail: [email protected] 微生物系統分類学の潮流 日本微生物系統分類研究会合流特集

原生生物の多様性 - jsmrs.jp · る生物群である.しかし遊泳細胞(精子など)が細胞 後端から生じて後方へ伸びる1本の鞭毛をもつという

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Microb. Resour. Syst. June 2015 Vol. 31, No. 1

はじめに古くから人は生物を動物と植物に分けて認識してき

た(2 界説).顕微鏡の発明によってさまざまな微生物が認識されるようになったが,多くの場合これらの微生物は動物か植物のどちらかに押し込まれていた.しかし,やがて生物界における原核生物と真核生物の間の大きな断絶や,原生生物の多様性などが明らかになるにつれて 2 界説は崩壊していった.現在ではDNA の情報によって,生物の多様性とその間の関係について大まかな部分についてはかなり明らかになってきている.それによると,生物の世界は 3 つの大きなグループ(ドメイン),真正細菌,古細菌,そして真核生物からなる.では我々を含む真核生物の中の系統的関係は,現在のところどのように理解されているのだろうか?

動物(後生動物)や菌類,陸上植物といった我々に身近な存在は,系統的には真核生物のごくごく一部にすぎないということが明らかとなってきた.真核生物は,おおよそ 7 つの大系統群(スーパーグループ)と,どれにも属さないいくつかの小さな系統群からなることが明らかとなりつつあるが,動物や菌類,陸上植物はそれぞれ 1 つの大系統群の一部にすぎない(図 1).では真核生物の系統的多様性の残りの部分は何によって占められているのだろうか? それが原生生物

(protists)である.古くは原始的な動物や植物として,また動物や植物に並列された分類群として認識されたこともあった原生生物であるが,系統的には動物や菌類,陸上植物を内包する存在であることが明らかとなっている.つまり原生生物の系統的多様性は,真核生物の系統的多様性とほぼ同義だといってよいほどである.このような系統的多様性は,原生生物におけるさまざまな生物学的特徴の多様性を示唆するとともに,真核生物全体を理解するためには原生生物の理解が必須であることを意味している.さらに応用学的なことを考えてみても,このような系統的多様性は,当然ながら未知の有用性の存在を期待させるものでもある.

このように原生生物は大きな可能性に満ちた研究対象であるが,動物や陸上植物はもちろん,細菌や菌類など他の微生物と比べても馴染みが薄い生物群となっている.その理解の一助となることを願って,原生生物を中心とした真核生物の系統的多様性について,最近の知見を交えつつ以下に紹介する.

オピストコンタ(Opisthokonta,後方鞭毛生物)動物(後生動物)と菌類はかなり異なる生き方をす

る生物群である.しかし遊泳細胞(精子など)が細胞後端から生じて後方へ伸びる 1 本の鞭毛をもつという共通点が見られることからその近縁性が示唆されるようになり(他の真核生物群は基本的に細胞前方〜側方

原生生物の多様性

中山 剛

筑波大学生命環境系 〒305-8572 茨城県つくば市天王台 1-1-1

Diversity of protists

Takeshi NakayamaFaculty of Life and Environmental Sciences, University of Tsukuba

Tennoudai 1-1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-8572, Japan

Key words: eukaryotes, evolution, phylogeny, protists, supergroup

Microb. Resour. Syst. 31(1):69 ─ 76, 2015

E-mail: [email protected]

微生物系統分類学の潮流日本微生物系統分類研究会合流特集

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中山 剛原生生物の多様性

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から生じて前後に伸びる 2 本の鞭毛をもつ),やがて分子系統学的な研究からもこのことが強く支持されるようになった(e.g. Cavalier-Smith, 1987; Shalchian-Tabrizi et al., 2008).この動物と菌類が含まれる巨大な系統群はオピストコンタ(opistho=後方,konta=鞭毛)とよばれているが,この中にはいくつかの原生生物群も含まれている.これらの原生生物群の理解は,動物や菌類の初期進化を考える上で極めて重要である.襟鞭毛虫(choanoflagellates)は単細胞または群体性の鞭毛虫であり,水域に広く生育する細菌捕食者である.鞭毛基部周囲にアクチンフィラメントで支持された多数の微絨毛からなる襟状構造をもち,海綿動物などがもつ襟細胞と類似していることから動物との近縁性が古くから示唆されていたが,現在では動物に

最も近縁な原生生物であることが明らかとなっている.またフィラステレア類(Filasterea)とよばれる糸状仮足をもつ原生生物や,イクチオスポラ類

(Ichtyosporea)とよばれる胞子虫的な寄生(共生)性原生生物(Amoebidium など以前接合菌に分類されていた生物の一部も含む)も動物に近縁であることが示されている(e.g. Glockling et al., 2013).これらの原生生物に関する生物学的情報は,動物の起源,特にその多細胞化を考える際に極めて重要である.いくつかの種でゲノム情報が明らかにされており,動物に特有であると考えられていた細胞接着や細胞間シグナル伝達に関わる遺伝子(の部分)が見つかっている(e.g. Shalchian-Tabrizi et al., 2008).

一方,ヌクレアリア類(nucleariids; Nuclearia,

図 1 真核生物の系統樹近年のさまざまな研究を基に作図したもの.真核生物の系統における根の位置についてはいくつかの意見があり,図では点線で示している.1-5:動物(後生動物),6, 7:襟鞭毛虫,8:ヌクレアリア類,9-13:菌類,14:アプソモナス類,15:アンキロモナス類,16-21:アメーボゾア,22:ディフィレイア類,23:ロウコゾア(ジャコバ類),24:フォルニカータ

(ディプロモナス類),25, 26:ペルコロゾア(ヘテロロボーサ),27-30:ユーグレノゾア,31-42:緑色植物,43-46:紅色植物,47, 48:灰色植物,49-51:クリプチスタ,52, 53:太陽虫(ヘリオゾア),54:テロネマ,55, 56:ハプト植物,57:ラビリンチュラ類,58:ビコソエカ類,59-61:不等毛植物,62:偽菌類(卵菌類),63-65:渦鞭毛植物,66-68:繊毛虫,69:放散虫,70:有孔虫,71-74:フィローサ(ケルコゾア)

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Fonticula など)とよばれる糸状仮足をもつ捕食栄養性のアメーバ状生物群が,菌類の姉妹群であることが明らかとなってきた(e.g. Brown et al., 2009).さらに藻類や他の菌類に侵入して生活する(捕食または吸収栄養)アフェリディウム類やロゼラ類とよばれる生物群,および細胞内寄生生活に適応して極度に単純化

(ミトコンドリアの退化,ATP の収奪など)した生物群である微胞子虫類が菌類の中で最も初期に分かれたものであることが示されている(e.g. James et al., 2013; Karpov et al., 2014).菌類の初期進化においては捕食栄養から吸収栄養への変化を伴う寄生生活が大きな役割を果たしたのかもしれない.

アメーボゾア(Amoebozoa,アメーバ動物)仮足によって運動する生物はアメーバ類(肉質虫類)

と総称されることが多いが,その仮足を含め微細構造的特徴,そしてその系統的位置は極めて多様である.しかし,その中には葉状仮足と管状ミトコンドリアクリステをもつものが多く,これらのアメーバ類は真核生物における大系統群の一つであるアメーボゾアを構成している.アメーボゾアの中にはさまざまな系統群が存在し,いまだその全容が明らかとなっていない

(e.g. Cavalier-Smith et al., 2015).その中には裸のものから鱗片に覆われるもの,殻をもつものなどがある.また底泥や動物の消化管など嫌気的環境に生育するものもおり,このような生物ではミトコンドリアが退化している(Pelomyxa, Entamoeba など).多くのアメーボゾアは鞭毛を欠いているが,中には通常時に鞭毛をもち鞭毛虫として生きるものもいる(Multicilia, Phalanstelium など).

また,古くは菌類として扱われることが多かった粘菌(変形菌)の多くも,アメーボゾアに含まれることが 明 ら か と な っ て い る(e.g. Fiore-Donno et al., 2010).ゲノム研究が進んでいるディクティオステリウム類や美しい子実体を形成する真正粘菌(狭義の変形菌),またこれらの祖先的生物として考えられていた原生粘菌の一部(ツノホコリなど)はアメーボゾアの中で 1 つの系統群を形成している可能性が高い.これらの生物は生活環の中で動物的な栄養細胞(捕食栄養)と菌類的な生殖構造(胞子をつくる構造である子実体)をもつという点で,また単細胞と多細胞(または巨大な多核細胞)を行き来するという点で興味深い生物群であり,特にディクティオステリウム類はこのような観点から研究されている.また一方で,原生粘菌とされていた生物はアメーボゾア内のさまざまな系

統的位置に存在すること,さらに細胞性粘菌とよばれていた生物は真核生物のさまざまな大系統群(オピストコンタ,エクスカバータ,リザリアなど)に見られることは,アメーバ的な生き方において子実体形成能に何らかの利点があり,そのためさまざまな系統群で平行進化が起こったことが示唆される(e.g. Shadwick et al., 2009; Brown & Silberman, 2013).

エクスカバータ(Excavata,溝状食装置生物)エクスカバータとはもともと細胞腹部に細胞口とな

る大きな窪み(その名の由来でもある)をもつという形態的特徴から認識されるようになった生物群であり,ディプロモナス類(ランブル鞭毛虫など),ジャコバ類,ヘテロロボーサ類,Trimastix,Malawimonasなどの原生生物を含んでいた.その後,分子系統学的情報などからユーグレノゾア類,パラバサリア類(副基体類),オキシモナス類など明瞭な細胞口をもたない生物群もエクスカバータに含まれるようになった

(e.g. Simpson, 2003).エクスカバータの中にはトリコモナスやオキシモナスのような寄生性・共生性の鞭毛虫が多く含まれ,これに関連する研究が盛んに行われている.またエクスカバータの中には底泥など嫌気的環境で自由生活するものも多いらしい.寄生性種を含む嫌気的環境に生育するエクスカバータでは,ミトコンドリアが退化してマイトソームやハイドロジェノソームとなっているものが多く,このようなオルガネラの進化を探る際の興味深い対象でもある.さらにユーグレノゾア(Euglenozoa)に属する鞭毛虫は,細菌または真核生物捕食者として,水界で最も普遍的なグループの 1 つであり,またその中のユーグレナ類は二次的に葉緑体を獲得して(後述の二次共生)淡水域における重要な植物プランクトンとなっている.

エクスカバータは真核生物全体の進化を考える際にも興味深い存在である.エクスカバータに属するReclinomonas のミトコンドリアゲノムは真核生物の中で最も原始的な(プロテオバクテリア的な)特徴を多く残している(Gray et al., 2004).またエクスカバータの細胞構造,特に鞭毛装置(鞭毛基部とそれに付随する微小管や繊維性鞭毛根からなる構造)は極めて複雑であるが,これはさまざまな真核生物の大系統群に見られる特徴を足し合わせたような形を示す.このことは,エクスカバータの鞭毛装置,そして細胞構造が真核生物の大きな部分の原始形を示していることを示唆している(Yubuki & Leander, 2013).

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アーケプラスチダ(Archaeplastida,古色素体類)真核生物の中には,酸素発生型光合成を行うさまざ

まな生物が存在する.しかし酸素発生型光合成という機能は,おそらく生物の進化の中でたった一度だけ,原核生物であるシアノバクテリア(藍藻)で生まれた機能である.そしてこの機能はシアノバクテリアと無色の真核生物との共生,つまり一次共生によって真核生物へと伝えられた.この一次共生も生物の進化の中でたった一度だけ起こった現象であったと考えられている(ただし後述のポーリネラの例を除く).一次共生によって葉緑体(色素体)を獲得した生物は一次植物とよばれるが,一次植物には灰色植物,紅色植物,および緑色植物がある.現在のところ,この一次植物の 3 群は真核生物の中で単系統群を構成しているとされることが多く,この大系統群はアーケプラスチダ

(archae=古い,plastida=色素体)とよばれている(e.g. Adl et al., 2012).また分類学的に,植物界(kingdom Plantae)をこの大系統群に当てることもある.ただしアーケプラスチダの単系統性については異論もあり,一部の真核生物は,一次共生由来の色素体を二次的に失ったものであるとする意見もある(Nozaki et al., 2009).

一次植物の中で,灰色植物(Glaucophyta)は原始的な葉緑体をもつことで注目されている生物群である.その 2 枚の葉緑体膜の間にはシアノバクテリアの細胞壁であるペプチドグリカン層が存在することや,典型的な LHC タンパク質を欠くなどシアノバクテリア的な(原始的な)特徴がいくつか見られ,一次共生による葉緑体成立を考える際に極めて興味深い生物群で あ る. こ の よ う な 観 点 か ら, 灰 色 植 物 の 一 種

(Cyanophora paradoxa)では核ゲノム塩基配列が決定されている(Price et al., 2012).アーケプラスチダを 構 成 す る 2 つ め の グ ル ー プ で あ る 紅 色 植 物

(Rhodophyta)の中には,酸性温泉に生育しモデル生物として利用される Cyanidioschyzon とともに,水産業で取引額が最も大きい水産物であるアマノリ類

(Pyropia)などが含まれる.また紅色植物は細胞壁に多量のゲル化ガラクタン(アガロース,カラギーナンなど)をもつものが多く,その一部は商業的に大規模に利用されている.アーケプラスチダ内の最大のグループが緑色植物(Viridiplantae)である.緑色植物は大きく 2 つの系統群,緑藻植物とストレプト植物からなることが明らかとなっているが,陸上植物は後者に含まれる.緑藻植物の中にはモデル生物となっているクラミドモナスやクロレラとともに,近年オイル産

生藻として注目されるボトリオコッカス(Botryococcus)が含まれる.またストレプト植物内には陸上植物とともに接合藻(アオミドロやミカヅキモ)やシャジクモ,コレオケーテなどの藻類(シャジクモ藻と総称されるが単系統ではない)が含まれており,これらは陸上植物への進化を考える際に重要なモデルとなる可能性を秘めている.

ストラメノパイル(stramenopiles,中空小毛生物,不等毛類)

前述のように,酸素発生型光合成能はシアノバクテリアで生まれ,その後一次共生によって真核生物へと伝えられた.しかし,一次植物以外にも光合成を行う真核生物は多数存在する(ミドリムシ,コンブ,珪藻など).これは一次植物とその他の真核生物との共生,つまり二次共生によるものであると考えられている.さまざまな証拠から,紅色植物を共生者とすることでクリプト藻,ハプト植物,不等毛植物,渦鞭毛植物が生じ,緑色植物を共生者とすることでユーグレナ藻とクロララクニオン藻が生じたと考えられている.二次共生はおそらく独立に何度も起こった現象であるが,いずれにしてもその結果生まれた生物(二次植物)は一次植物より後に生まれた“新しい”光合成生物である.実際,化石記録などから二次植物が多くなるのは中生代以降であることが知られており,水界では一次植物(緑藻など)から二次植物への主役交代が起こったと考えられている(井上,2007).このような二次植物の中で,おそらく最も生物量が大きいグループが不等毛植物である.不等毛植物の中にはおそらく現在最も重要な水界の生産者である珪藻類とともに,コンブやワカメなど陸上植物に匹敵する多細胞化を遂げた褐藻類,しばしば赤潮を形成するラフィド藻類などが含まれる.

不等毛植物の遊泳細胞は,基本的に前後に伸びる不等運動性の鞭毛をもち,前鞭毛には管状軸部をもつ 3部構成の鞭毛小毛が付随している.この構造は葉緑体

(色素体)をもたないさまざまな原生生物群にも見られ,その近縁性が示唆されていたが,現在ではこれらの原生生物が不等毛植物とともに真核生物における 1つの大系統群を構成していることが明らかとなっており,この大系統群はストラメノパイル(stramenopiles; stramen=管状の,pile=毛)またはヘテロコンタ

(Heterokonta,不等毛類)とよばれている(e.g. Patterson, 1989).このような色素体をもたないストラメノパイルとしては,水界の細菌捕食者として重要

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な鞭毛虫であるビコソエカ類や,吸収栄養によって菌類的に生きる卵菌類やラビリンチュラ類,寄生虫として生きるオパリナ類などがある.この中で卵菌類は重要な植物病原菌を含み,応用学的にも重要な生物群である.分子情報からは,自由生活性の単細胞鞭毛虫

(Developayella)や珪藻に寄生する生物(ピルソニア類)が卵菌類に近縁であることが示されており,卵菌類の起源やその特徴の進化を考える際にはこれらの生物の情報が不可欠である(e.g. Beakes et al., 2012).またラビリンチュラ類はバイオマス燃料や有用物質産生の点で注目されている生物群であるが,その系統的多様性が明らかになっているとはいえず,クロレラを共生させた有殻アメーバ状生物であるアンフィトレマ類など,ラビリンチュラ類の新たな系統群が近年になって報告されている(Gomaa et al., 2013).

アルベオラータ(Alveolata,表層胞生物)水界の単細胞性捕食者として大繁栄している生物群

である繊毛虫,寄生虫として大成功した生物群であるアピコンプレクサ類,そして特に海洋における重要な生産者であると同時に捕食者でもある渦鞭毛植物(渦鞭毛虫)の 3 者は全く異なる生き方をする生物群であるが,この 3 者の近縁性は分子系統学的研究以前から示唆されていた.それはこの 3 者では細胞膜直下に扁平な小胞(アルベオル)が存在するためであり,分子形質から 3 者の近縁性が支持されるようになってからはこの系統群の名(アルベオラータ)の由来ともなっている(e.g. Cavalier-Smith, 1991;堀口,2011).

繊毛虫はさまざまな分子生物学的現象の発見につながったモデル生物であり,原生生物の代表例として扱われることも多い.ただし,繊毛虫には小核と大核の分化,大核における大規模な遺伝的改変,接合とよばれる単相核の交換,多数の鞭毛(繊毛)と細胞表層の複雑な分化など,独自の極めて特異な特徴をもつ.

アピコンプレクサ類は,マラリア原虫やトキソプラズマ,コクシジウムなどを含み寄生者としてよく知られた生物群であるが,多くの種が退化的な色素体(アピコプラスト)をもつことが知られている(ただし一部の種は欠く).アピコプラストはこれをもつアピコンプレクサ類において,脂肪酸代謝などを行う必須の細胞小器官であり,マラリア原虫などに対してはこれを利用した薬剤も開発されている.このことはアピコンプレクサ類がもともと光合成を行う生物だったことを示唆しているが,近年になって実際に葉緑体をもつア ピ コ ン プ レ ク サ 類 が 発 見, 報 告 さ れ て い る

(Chromera velia, Vitrella brassicaformis)(Oborník & Lukeš, 2013).これらの生物はクロメラ類とよばれているが,立派な光合成を行うとともにサンゴと密接な関わりをもって生きていることが示唆されており,光合成者から寄生者への途上にある生物群であるのかもしれない.

渦鞭毛植物はさまざまな点で異質な性質をもつ真核生物群である.多くの渦鞭毛藻は,真核生物における核ゲノムの基本構造であるヌクレオソームを形成せず,特異な核タンパク質(DVNP)とともに間期も含めて特徴的に凝集している(Gornik et al., 2012).またおよそ半数の種は紅色植物との二次共生に由来する3 重膜に囲まれた葉緑体をもつが,この葉緑体のゲノムは 1〜数遺伝子がコードされた小さな環状 DNA(ミニサークル)から構成されている.おそらく共通の起源をもつクロメラ類の葉緑体が一般的な(多数の遺伝子がコードされた)環状葉緑体ゲノムをもつことから,クロメラ類(アピコンプレクサ類)との分岐後に渦鞭毛藻の共通祖先でこのような特異な葉緑体ゲノムが進化したものと思われる.また渦鞭毛藻の中には,本来もっていたと思われる上記のような葉緑体を欠失し,代わりに珪藻やハプト藻,緑藻などを起源とする葉緑体をもつものが知られている.この他にも渦鞭毛植物には特異な性質が多く知られており,未知の生物学的現象を探る上で可能性に満ちた研究対象である.

リザリア(Rhizaria,根状仮足生物)分子情報の利用によって初めて認識されるように

なった真核生物の大系統群がリザリアである.この生物群に共通する表現形質を挙げることはできないが,多くは分枝する糸状仮足(rhizo は根の意味)や管状ミトコンドリアクリステをもつ鞭毛虫やアメーバであり,よく知られた原生生物としては有孔虫,放散虫,ネコブカビなどが含まれる.多くは捕食または吸収栄養による従属栄養性生物であるが,有孔虫や放散虫の中には共生や盗色素体化(後述)によって生産者として生きるものもあり,またクロララクニオン藻やポーリネラ(Paulinella chromatophora)は共生に由来する光合成オルガネラをもつ.クロララクニオン藻は緑藻との二次共生に由来する葉緑体をもつが,その際の共生者の核が退化的な形で残存している(ヌクレオモルフとよばれる).この点で同じくヌクレオモルフを残すクリプト藻類(後述,ただし二次共生のパートナーが紅藻である点で異なる)とともに,真核生物多様化の一大原動力となった二次共生という現象を考える際

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中山 剛原生生物の多様性

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のモデルとして注目され,現在では核,ヌクレオモルフのゲノム塩基配列が報告されている(e.g.谷藤,2011; Curtis et al., 2012).一方,ポーリネラは葉緑体の成立へとつながった一次共生とは異なる起源のシアノバクテリアとの共生に由来するオルガネラをもつ.このシアノバクテリアとの共生は,進化的な意味で“ごく最近”起こった現象であり,そのオルガネラにはゲノムサイズなどの点でシアノバクテリア的な特徴を大きく残している.このことは,この生物が一次共生の初期段階を探る際の良いモデルとなる可能性を示唆している(中山,2012).

その他の系統群これまで示してきたように,現在のところ真核生物

の中にはおよそ 7 つの大系統群が認識されているが,どの大系統群とも明瞭な近縁性を示さない原生生物群が い く つ か 知 ら れ て い る. 例 え ば ハ プ ト 植 物

(Haptophyta)は前述の不等毛植物のそれに類似した葉緑体をもつが,両者の間に明瞭な近縁性は認められていない.ハプト植物は特に海洋に多い藻類群であり,一次生産者として重要なだけでなく,炭酸カルシウムからなる鱗片(円石)の形成や混合栄養(光合成とともに細菌を捕食するものがいる)という栄養様式,ジメチルサルファイド(DSM)の生成などを通じて地球上の炭素や硫黄循環に重要な役割を担っていると考えられている.またクリプト藻(cryptomonads)も紅色植物との二次共生に由来する葉緑体をもつ生物群であり,従属栄養性鞭毛虫であるゴニオモナス類やカタブレファリス類とともに系統群(クリプチスタ,Cryptista)を形成することが示されているが,クリプチスタはどの大系統群とも明瞭な類縁性を示さない.クリプト藻が関わる興味深い現象として,盗色素体化(kleptoplastidy)というものがある.繊毛虫や渦鞭毛藻の中には,クリプト藻を取り込み,一時的にこれを保持して光合成器官として利用するものがいることが知られている.この現象を盗色素体化とよび,嚢舌類ウミウシ類と海藻や,カタブレファリス類の 1種(Hatena arenicola)と緑藻の間などでも知られている.盗色素体化という現象は,葉緑体の起源として一般的にイメージされる“共生”とは異なり一方的な関係であるが,二次共生による葉緑体獲得という過程にはこのような関係も関与していた可能性がある(山口ら,2008).盗色素体化における“宿主”と“共生者”の二員培養系を用いた研究による,この現象に関する生物学的知見の蓄積が期待される.

この他にも太陽虫類(Heliozoa)やテロネマ類(Telonemia),ディフィレイア類(Diphyllatea)など他の真核生物との類縁性がはっきりしない原生生物群がいくつか知られており,また近年の研究ではそのような原生生物群の一つであるアプソゾア類(匍匐性の2 本 鞭 毛 性 鞭 毛 虫 で あ り, ア プ ソ モ ナ ス 類

(apusomonads)とアンキロモナス類(ancyromonads)からなる)がオピストコンタに近縁であることが示唆されている(Paps et al., 2013).また近年の環境DNA 研究の発展により,自然界には正体不明の真核生物系統群がいくつも存在することが明らかとなってきた.そのような系統群の一つであるピコゾア類

(Picozoa,ピコビリ藻類とよばれていた)は,近年にな っ て や っ と そ の 実 態 が 明 ら か と な っ た が

(Seenivasan et al., 2013),いまだ正体が明らかではない系統群も多く残されている.

最後に以上のように,分子情報によって真核生物,そして

原生生物の系統的多様性に関する理解は大きく進歩してきた.このような系統的多様性の理解の上に立って,今後はこれら原生生物に関する生物学的理解が急速に進展していくものと期待される.原生生物を対象とした研究において,このような研究の発展のためには充実した培養株リソースの存在が不可欠である.現在ではゲノム情報の取得は以前とは比べ物にならないほど一般化してきており,原生生物でもこれから大量のゲノム情報が利用可能になっていくであろう.これらの情報はもちろんその生物を理解するための重要な基盤情報となるが,現在のところ残念ながらそれだけでその生物学的特徴を知ることはできない.原生生物に関する生物学的理解を進展させていくためには,その系統的多様性を反映したさまざまな培養株とそのゲノム情報という基盤が重要になっていくだろう.

文 献Adl, S.M., Simpson, A.G., Lane, C.E., Lukeš, J., Bass,

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