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[実験5] 単細胞生物の構造と細胞小器官の機能 ―― ゾウリムシの観察 ―― 観察材料 ゾウリムシ(Paramecium caudatum ) 目的 ゾウリムシの細胞構造を詳しく観察し 細胞小器官の特徴と機能を理解する。 実験 収縮胞の収縮頻度の測定を行う。 試薬類 蒸留水 ゾウリムシ 塩化ニッケル 0.2 M ソルビトール 0.2 M 塩化ナトリウム 班によってどちらか 一方を使用する オレンジ 黄色 緑色 ラベル 無印 内容 注意事項 試薬の混入が起こらないように、試験管、 ピペット、チップの取り扱いに注意すること

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[実験5]単細胞生物の構造と細胞小器官の機能

―― ゾウリムシの観察 ――

観察材料 ゾウリムシ(Paramecium caudatum )

目的 ゾウリムシの細胞構造を詳しく観察し細胞小器官の特徴と機能を理解する。

実験 収縮胞の収縮頻度の測定を行う。

試薬類

白 蒸留水

ゾウリムシ

塩化ニッケル

0.2 M ソルビトール

0.2 M 塩化ナトリウム班によってどちらか一方を使用する

オレンジ

黄色

緑色

ラベル

無印

内容 注意事項

試薬の混入が起こらないように、試験管、ピペット、チップの取り扱いに注意すること

GeneMac
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1.5mL チューブ内で ゾウリムシ 0.5 mL と塩化ニッケル水溶液 0.5 mL を混合

チューブを立てた状態で 5分間静置

沈んだゾウリムシ上澄み液

チューブを立てた状態で 5分間静置

完成(0.2 mL の塩化ニッケル処理済みゾウリムシ)

+蒸留水 1.0 mL

① 

実験 収縮胞の収縮頻度の測定

ゾウリムシの塩化ニッケル処理

上澄み液 0.9 mL を除去 ※できるだけゾウリムシを吸わないように注意

上澄み液 0.9 mL を除去※できるだけゾウリムシを吸わないように注意

GeneMac
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0 25 50 100 200

ⅰ.5本の 1.5mL チューブを用意し、0、25、50、100、200 と書く。

ⅱ.「200」以外のチューブに蒸留水を 50μL ずつ分注する。

ⅲ.「200」には 0.2 M 塩化ナトリウムまたはソルビトールを 100μL   量り取る。

ⅳ.「200」から 50μL取り、「100」に加えて数回ピペッティングする。   この操作によって 100 mM水溶液が 100μL できる。

ⅴ.以下、25 mM まで同様に調製する。

蒸留水 50μL

蒸留水 50μL

蒸留水 50μL

蒸留水 50μL

50μL50μL50μL

0.2 M水溶液 100μL

② 

③ 5本の0.5mLチューブに0、12.5、25、50、100と書き、  それぞれに0、25、50、100、200 mM の水溶液を  20μLずつ分注する 。

④ ①をタッピングしてゾウリムシを均等に分散させてから   20 μL ずつ③に加える 。

実験 収縮胞の収縮頻度の測定

塩化ナトリウムまたはソルビトールの希釈系列を調製。

GeneMac
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収縮胞の収縮周期

拡張期

収縮胞

放射状水管

収縮期

注意点・ポイント

⑤ ④をタッピングしてゾウリムシを均等に分散させてから5μL をリングシール付スライドガラスに滴下しカバーガラスをかけて観察する。

⑥ 収縮胞の収縮周期(拡張期+収縮期)を測定する。

  1つの濃度について3個体の測定※を行い 、  1分間あたりの収縮頻度の平均値を算出する。※2分以上観察しても収縮しない場合には、収縮周期「120秒以上」、収縮頻度「0回/分」とする。

⑦ 

実験 収縮胞の収縮頻度の測定

・塩化ニッケル処理したゾウリムシはチューブの底に沈むため、タッピングして全体に分散させてから使用する。

・実験は各個人で行い、1人で一連の測定結果をまとめること。

⑥で得られる結果を表とグラフにまとめる。指定のPCにデータを入力し、これまでの分の集計結果を確認する。

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レポートについて

単細胞生物の構造と細胞小器官の機能

ゾウリムシ(Paramecium caudatum)

・細胞外液の塩化ナトリウムまたはソルビトール 濃度と収縮胞の収縮頻度の関係から、収縮胞の 機能を考察せよ。

・塩化ナトリウムとソルビトールの作用の違いが どのような理由によって生じるのか説明せよ。

・その他

考察

結果

方法

目的

観察材料

実験題目

教科書と実験補遺を参考に簡潔にまとめる

例1.塩化ニッケル処理後にゾウリムシを洗浄した理由

例2.期待するような測定結果が得られなかった原因5

塩化ナトリウムまたはソルビトール添加時 の収縮胞の収縮頻度を測定し、 測定値と集計値を表とグラフにまとめよ。

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スライドガラス

カバーガラス

水道水で洗う  ↓洗瓶の蒸留水ですすぐ  ↓専用ケースへ戻す

0.5mL チューブ使用済み

1.5mL チューブ

フタを開けた状態で回収バケツに捨てる

試薬入り試験管その他の道具類 実験台の上に置いておく

顕 微 鏡

プレパラートを回収する  ↓対物レンズを4倍にする  ↓実験机の下にしまう

あとかたづけ

水道水で軽くすすいで

GeneMac
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※縦軸の目盛りには各自で数字を書き入れること

図.ゾウリムシ収縮胞の収縮頻度に対する細胞外液の塩化ナトリウムおよびソルビトールの影響

班  座席    番 

月   日   曜    科  類

氏名

0 10 20 30 40 50

最終濃度(mM)

塩化ナトリウムの集計値 ソルビトールの集計値 測定値

60 70 80 90 100

収縮頻度(回/分)

GeneMac
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最終濃度

(mM)

個体番号

周期

(秒/回)

収縮頻度

(回/分)

収縮頻度

の平均値

(回/分)

最終濃度

(mM)

塩化ナトリウム

添加時の

収縮頻度(回/分)

サンプ

ル数

ソルビトール

添加時の

収縮頻度(回/分)

サンプ

ル数

123456789101112131415

※平均値±標準偏差のかたちで記入すること。

50

100

班 

座席    番 

    月   日   曜    科   類   組 

氏名班 

座席    番 

    月   日   曜    科   類   組 

氏名

※2分間以上収縮しない場合、周期を「120秒

以上」、収縮頻度を「0回/

分」として、記入および計算すること。

表1.塩化ナトリウム ソルビトール (いずれかに○)

添加によるゾウリムシ収縮胞の収縮頻度の変化(測定値)

0

12.5

2550

100

表2.ゾウリムシ収縮胞の収縮頻度の集計結果

0

12.5

25

GeneMac
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