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※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 業務重点推進状況 人身安全関連事案への迅速的確な対応 及び特殊詐欺の撲滅など、犯罪の 未然防止に向けた取組の推進について

人身安全関連事案への迅速的確な対応 及び特殊詐欺の撲滅など ... · 2020. 5. 19. · 業務重点推進状況 令和2年5月 警 察 本 部 人身安全関連事案への迅速的確な対応

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※ ※※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

業 務 重 点 推 進 状 況令 和 2 年 5 月

警 察 本 部

人身安全関連事案への迅速的確な対応及 び 特 殊 詐 欺 の 撲 滅 な ど 、 犯 罪 の未然防止に向けた取組の推進について

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目 次

第1 ストーカー・DV事案を始めとする人身安全関連事案に対する取組

……………………………………1 人身安全関連事案への対処体制の確立 1

……………………………………………………(1) 人身安全対策課の設置 1

…………………………………………(2) 警察署への支援(24時間体制) 1

……………………………………………2 人身安全関連事案への対処方針 1

………………………………………3 ストーカー・DV事案に対する取組 1

………………………………………………(1) ストーカー事案の取扱状況 1

…………………………………(2) DV(配偶者等暴力)事案の取扱状況 2

………………………………………………………………(3) 具体的な取組 2

……………………………………………………………………(4) 検挙事例 4

………………4 児童虐待、高齢者虐待及び障害者虐待事案に対する取組 4

…………………………………………………(1) 児童虐待事案の取扱状況 4

…………………………(2) 高齢者虐待事案、障害者虐待事案の取扱状況 5

…………………………………………………………(3) 虐待事案への取組 5

……………………………………………………………………(4) 検挙事例 5

…………………………………………………5 行方不明者発見活動の推進 6

……………………………………………………………………(1) 取扱状況 6

………………………………………………………………(2) 具体的な取組 6

…………………………………………………………(3) 認知症高齢者対策 7

第2 特殊詐欺の抑止対策

………………………………………………………………1 特殊詐欺の現状 8

…………………………………………………………………(1) 被害の推移 8

……………………………………………………(2) 被害者の居住地区別等 8

………………………………………………………………2 検挙対策の推進 8

…………………………………………………………………(1) 検挙の推移 8

………………………………………(2) 予兆事案認知時における初動対応 9

……………………………………………………………………(3) 検挙事例 9

……………………………………………………(4) 犯行ツール対策の推進 9

………………………………………………………………3 防止対策の推進 9

…………………………………………………………(1) 県民への注意喚起 9

…………………………………(2) 金融機関等と連携した水際対策の推進 11

第3 地域社会と連帯した犯罪の起きにくい社会づくりの推進

…………………1 持続可能な防犯ボランティア活動に向けた支援の推進 12

………………………………………………………(1) 現役世代の参加促進 12

……………………………………………(2) 青色防犯パトロールへの支援 12

…………………………………2 県民に対する積極的な防犯情報の提供等 12

………………………(1) 「ひょうご防犯ネット」等を活用した情報発信 12

……………………………………(2) 関係機関・団体と連携した情報共有 13

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……………………………………………………(3) オープンデータの推進 13

……………………(4) 混乱に乗じた犯罪被害を防止するための情報提供 13

………………………………………………………3 防犯環境の整備・充実 14

……………………………………………………(1) 防犯カメラの設置促進 14

………………………………………………………(2) 防犯機器の普及促進 14

……………………………………4 子供と女性を犯罪から守る活動の推進 14

……………………………………………(1) 「先制・予防的活動」の推進 14

………………………………………………………(2) 子供の被害防止対策 14

………………………………………………………(3) 女性の被害防止対策 14

第4 新型コロナウイルス感染症対策に伴う各種事案の認知状況及び対応

………………………………………………………1 人身安全関連事案関係 15

……………………………………………………………………(1) 認知状況 15

…………………………………………………………………………(2) 対応 15

…………………………………………………………………2 特殊詐欺関係 15

……………………………………………………………………(1) 認知状況 15

…………………………………………………………………………(2) 対応 16

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- 1 -

 

恋愛感情等のもつれに起因する暴力的事案

行方不明事案 虐待事案

相談 通報

警察署

生活安全部門 刑事部門

警察本部

生活安全部

人身安全対策課 捜査第一課

刑事部

平成30年3月設置

認知

連携

連携

速報支援

指導・助言

第1 ストーカー・DV事案を始めとする人身安全関連事案に対する取組

1 人身安全関連事案への対処体制の確立

(1) 人身安全対策課の設置

人身安全関連事案に的確に対

処するため、平成30年3月、生

活安全部に人身安全対策課を設

置した。

(2) 警察署への支援(24時間体制)

人身安全対策課では、必要に

応じて刑事部捜査第一課と連携

を図りつつ、24時間体制で警察

署を支援する体制を確立してい

る。

2 人身安全関連事案への対処方針

認知の段階から生活安全部門と刑事部門が緊密に連携を図り、警察

本部が確実に関与して事案の危険性・切迫性を的確に判断した上で、

被害者等の安全確保を最優先に考えた対応の徹底を図っている。

3 ストーカー・DV事案に対する取組

(1) ストーカー事案の取扱状況

ストーカー事案の認知件数は、平成22年以降10年連続で1,000件

を超える高水準で推移しており、令和元年中のストーカー規制法違

反による検挙件数は、過去最多となっている。

年別 H27年 H28年 H29年 H30年 R元年 H31年 R2年 前年対比区分 3月末 3月末

認 知 件 数 1,103 1,176 1,103 1,142 1,095 262 210 -52兵

女 性 956 1,074 979 992 978 237 188 -49

男 性 147 102 124 150 117 25 22 - 3

庫 検 ストーカー規制法 51 67 94 77 95 29 15 -14

挙 その他の刑罰法令 100 105 97 98 75 18 17 - 1

対 書面警告 176 192 87 40 65 7 12 + 5県応 禁止命令 10 14 82 92 98 31 25 - 6

全 認 知 件 数 21,968 22,737 23,079 21,556 20,912 ― ― ―

検 ストーカー規制法 677 769 926 870 864 ― ― ―

挙国 その他の刑罰法令 1,872 1,919 1,699 1,594 1,491 ― ― ―

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- 2 -

(2) DV(配偶者等暴力)事案の取扱状況

配偶者等暴力事案の認知件数は増加傾向にあり、暴行、傷害等に

よる検挙件数は、依然として高水準で推移している。

(3) 具体的な取組

ア 被害者の意思決定の支援

事案の危険性、警察として

執り得る措置、被害者自身の

決断等の必要性について丁寧

に説明を行った上で、右の書

面を活用し、被害者の意思決

定を支援している。

イ 安心コールの実施

被害者の現況確認を定期的

に行い、その結果を踏まえて

必要な措置を講じている。

ウ 110番通報登録制度の運用

通信指令ネットワークシス

テムを活用し、被害者等の住

所や電話番号等をあらかじめ

登録しておく「110番通報登

録制度」を運用し、登録番号

からの110番通報を受理した

際には、迅速な指令が可能と

なるようにしている。

年別 H27年 H28年 H29年 H30年 R元年 H31年 R2年 前年対比区分 3月末 3月末

認 知 件 数 2,736 3,010 3,380 3,453 3,465 819 851 +32兵

婚姻関係 1,977 2,139 2,414 2,596 2,557 607 644 +37

元配偶者 243 299 286 182 217 44 45 + 1

内縁関係 245 233 254 240 288 74 72 - 2庫

同棲関係 271 339 426 435 403 94 90 - 4

検 保 護 命 令 違 反 7 5 4 3 8 4 1 - 3

挙 その他の刑罰法令 531 625 746 775 664 181 150 -31県

保護命令通知 110 102 109 86 113 37 23 -14

全 認 知 件 数 63,141 69,908 72,455 77,482 82,207 ― ― ―

検 保 護 命 令 違 反 106 104 80 71 71 ― ― ―

挙国 その他の刑罰法令 7,914 8,291 8,342 9,017 9,090 ― ― ―

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- 3 -

エ 相談電話の運用

警察本部に相談電話を設置

して、24時間体制で相談を受

理し、相談内容や相談者の意

向に応じて、制度教示、防犯

指導等の支援を実施している。

【ストーカー・DV相談電話】

078-371-7830

皆一番に相談し、悩みゼロ 【電話相談による支援】

オ 関係行政機関等との連携

(ア) 被害者の保護対策

県・神戸市等が行うDV

対策連携会議に出席し、情

報交換等を行っているほ

か、被害者等の住民基本台

帳の閲覧制限や避難施設

(シェルター等)への一時

保護等の支援について、兵

庫県女性家庭センター、各

市町の福祉事務所等の関係

機関と緊密に連携を図って

いる。

【関係行政機関等との連携状況】

(イ) 広報啓発活動

毎年11月12日から25日までの内閣府が提唱する「女性に対す

る暴力をなくす運動」期間中、行政機関と連携した街頭キャン

ペーン等の広報啓発活動を行っている。

【市役所等合同による街頭キャンペーン 洲本署・淡路署・南あわじ署】

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- 4 -

カ その他の取組(宿泊費の補助)

ストーカー・DV事案のうち、

事情により関係機関の避難施設へ

の避難が困難である被害者等に対

して、宿泊施設への一時避難に伴

う費用の一部を公費負担し、被害

者等の安全確保の措置を講じてい

る。

【一時避難場所の施設使用に係る経費の一部補助制度】

(4) 検挙事例

ア 元交際女性に対するストーカー事件の検挙

被害者に対する未練から、被害者に対して、封書や靴が在中

する段ボールを配送し、義務のない物品の受け取りを要求等した

ことから、元交際相手の男をストーカー規制法違反で検挙した。

イ 妻に対する配偶者等暴力事件の検挙

妻に暴力を振るい、裁判所から面会を要求すること等を禁止す

る内容の保護命令が発せられたにもかかわらず、SNSを利用して、

妻に対する脅迫文言を投稿したことから、夫を配偶者暴力防止法

違反及び脅迫で検挙した。

4 児童虐待、高齢者虐待及び障害者虐待事案に対する取組

(1) 児童虐待事案の取扱状況

認知対応件数は、統計を取り始めた平成12年以降最多となってお

り、通告人員についても最多となっている。

年別 H27年 H28年 H29年 H30年 R元年 H31年 R2年 前年対比区分 3月末 3月末

認知対応件数 865 1,496 2,326 3,482 3,891 899 1,067 +168児 兵認知件数 705 1,290 1,966 2,690 3,008 737 857 +120

庫童 措児相への通告 968 1,838 2,884 4,220 4,741 1,188 1,372 +184

置県

状事件処理 46 75 123 167 209 58 51 - 7虐 況

全 認知件数 25,193 42,278 52,022 65,801 86,386 ― ― ―

待 国 事件処理 822 1,081 1,138 1,380 1,972 ― ― ―

※ 1 措置状況は、重複計上である。2 認知件数は、捜査の結果「虐待事実あり」と判断したものを計上している。3 児相への通告は、通告人員を計上している。

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(2) 高齢者虐待事案、障害者虐待事案の取扱状況

高齢者虐待事案及び障害者虐待事案の認知件数は、いずれも増加

傾向にあり、これに伴い市町への通報件数も増加している。

(3) 虐待事案への取組

ア 被害者の安全確保

虐待事案を認知した場合には、関係者を分離した上、個別に聴

取し、被害者を目視確認するなど、被害者の安全確認及び安全確

保を最優先とした対応を徹底している。

イ 検挙措置

刑罰法令に抵触する場合には検挙措置を講ずることはもとよ

り、検挙に至らない場合であっても加害者への指導、警告を行う

など、必要な措置を講じている。

ウ 関係機関(児童相談所等)との連携

児童虐待事案は、児童相談所へ確実に通告するとともに、再被

害防止に向け訪問指導活動を行っている。

さらには、市町と虐待事案に係る情報共有を進めているほか、

今春からは現職警察官が県の児童相談所へ出向している。

また、高齢者虐待事案及び障害者虐待事案は、被害者の住居地

市町への通報を徹底するなど、関係機関との連携を図っている。

(4) 検挙事例

ア 乳幼児4名に対する児童虐待(ネグレクト)事案の検挙

自宅において、実子である0歳から5歳までの乳幼児4名を放

置し遺棄したとして、両親を保護責任者遺棄で検挙した。

イ 養護者による高齢者虐待(身体的虐待)事案の検挙

自宅において、同居する高齢者を果物ナイフで突き刺し、殺害

しようとした養護者を殺人未遂で検挙した。

年別 H27年 H28年 H29年 H30年 R元年 H31年 R2年 前年対比区分 3月末 3月末

認知件数 525 654 989 1,095 1,114 252 247 - 5高齢者

措 市町への通報 514 638 967 1,062 1,103 251 244 - 7置虐 待状 事件処理 63 75 140 214 163 37 21 -16況

認知件数 11 67 98 132 134 33 35 + 2障害者

措 市町への通報 11 65 94 125 127 28 35 + 7置虐 待状 事件処理 3 11 21 20 7 1 3 + 2況

※ 措置状況は、重複計上である。

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- 6 -

ウ 障害者支援施設における障害者虐待(身体的虐待)事案の検挙

障害者支援施設において、注意しても言うことを聞かない障害

者に対して激高し、障害者の頭部を殴打するなどの暴行を加えた

施設従事者を傷害で検挙した。

5 行方不明者発見活動の推進

(1) 取扱状況

行方不明者届の受理件数は年々増加しており、特に届出受理件数

全体に占める認知症(疑いを含む。)が原因の行方不明者に係る届

出の割合は、増加傾向にある。

(2) 具体的な取組

ア 事件性を視野に入れた捜査

行方不明となった原因が犯罪被害によるものである可能性を考

慮し、防犯カメラの確認等の必要な捜査を実施している。

イ 組織的な発見活動(警察犬、航空機など)

生命や身体に危険が生じるおそれのある行方不明事案への対応

に当たっては、認知した初期の段階から多数の警察官を投入して

発見活動を行うとともに、必要に応じて警察犬、警察用航空機の

活用や他府県警察、公共交通機関等への手配を行うなど組織的な

発見活動を推進している。

【警察犬による捜索活動】 【航空機による捜索活動】

年別 H27年 H28年 H29年 H30年 R元年 H31年 R2年 前年対比区分 3月末 3月末

兵 届出受理件数 4,932 5,183 5,193 5,427 5,524 1,336 1,278 - 58

庫 認知症(疑いを含む) 1,309 1,300 1,396 1,585 1,778 466 439 - 27

県 割 合 ( % ) 26.5 25.1 26.9 29.2 32.2 34.9 34.4 -0.5P

届出受理件数 82,035 84,850 84,850 87,962 86,939 ― ― ―全

認知症(疑いを含む) 12,208 15,432 15,863 16,927 17,479 ― ― ―国

割 合 ( % ) 14.9 18.2 18.7 19.2 20.1 ― ― ―

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- 7 -

(3) 認知症高齢者対策

ア 自治体等との連携

(ア) 見守り・SOSネットワーク等

県下の各自治体が構築している

「認知症高齢者等の見守り・SO

Sネットワーク」を協力機関とし

て、自治体等が主催する声掛け模

擬訓練に参加するなど、自治体と

の連携を図っている。 【声掛け模擬訓練】

また、自治体等が実施する認知症高齢者の事前登録制度を活

用し、関係機関と緊密に連携した行方不明者発見活動を推進し

ている。

(イ) 認知症高齢者に関する情報の提供

保護等警察活動によって認知症高齢者であることが判明し

た場合には、行方不明事案の再発防止等の観点から各自治体

が実施する認知症支援施策につなげるため、高齢者本人、又

は家族の同意を得るなどして、高齢者の住居地市町に情報提

供を行っている。

イ 兵庫県警察ホームページを活用した行方不明者資料の公表

認知症やその疑いが原因の行方不明者を早期に発見保護するた

め、兵庫県警察ホームページに行方不明者に係る資料を公表し、

県民等からの情報提供を求めている。

ウ 認知症サポーター養成講座の受講

認知症への正しい知識と理解を深

めることを目的に、警察署で勤務す

る職員を対象に認知症サポーター養

成講座の受講を推進している。

【認知症サポーター養成講座の受講 神戸水上署】

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第2 特殊詐欺の抑止対策

1 特殊詐欺の現状

(1) 被害の推移

特殊詐欺被害は、令和2年3月末現在、前年同期と比べて認知件

数、被害額共に増加している。

手口別では、警察官などをかたりキャッシュカードをだまし取る

預貯金詐欺や医療費等還付金名目でATMに誘導し、振り込みさせ

る還付金詐欺が多発しており、深刻な状況となっている。

(2) 被害者の居住地区別等

令和2年3月末現在における被害者の居住地区別では阪神・神戸

地区が84%、年齢別では70歳以上が85%を占める。

2 検挙対策の推進

被害者の協力を得た受け子等の現場検挙のほか、犯行拠点の摘発等による首

魁等の検挙など、犯人グループの壊滅に向けた検挙対策に取り組んでいる。

(1) 検挙の推移

年別H27年 H28年 H29年 H30年 R元年

H31年 R2年 前年対比区分 3月末 3月末 増減 割合(%)

認 知 件 数 375 425 766 773 657 128 236 108 84.4

オレオレ詐欺 104 137 189 240 66 35 4 - 31 - 88.6

兵 預 貯 金 詐 欺 ― ― ― ― 249 30 111 81 270.0

架空料金請求詐欺 156 191 398 388 170 32 23 - 9 - 28.1

庫 融資保証金詐欺 28 19 43 25 19 2 12 10 500.0

還 付 金 詐 欺 20 51 121 59 8 4 49 45 1,125.0

県 上記以外の特殊詐欺 67 27 15 12 7 1 2 1 100.0

キャッシュカード詐欺盗 ― ― ― 49 138 24 35 11 45.8

被害額(億円) 14.9 14.8 14.7 18.4 10.9 2.83 3.94 1.11 39.2

全 認 知 件 数 13,824 14,154 18,212 17,844 16,836 ― ― ― ―

国 被害額(億円) 482.0 407.7 394.8 382.9 301.5 ― ― ― ―

※ 預貯金詐欺は昨年以降、キャッシュカード詐欺盗は平成30年以降を集計

(件)年別 H27年 H28年 H29年 H30年 R元年 H31年 R2年 前年対比区分 3月末 3月末

実 行 犯97 524 188 218 184 36 38 2

( 20) ( 66) ( 68) ( 105) ( 93) ( 12) ( 22) ( 10)

助 長 犯 115 149 166 167 116 28 21 -7( 100) ( 110) ( 138) ( 120) ( 98) ( 25) ( 16) ( -9)

※ ( )は、検挙人員である。

【被害者年齢別】【被害者居住地区別】

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- 9 -

(2) 予兆事案認知時における初動対応

預貯金詐欺、還付金詐欺にかかる予兆電話を認知した際には

・ 発生地域における職務質問の強化

・ ATM設置場所における積極的な高齢者への声かけ

等、その手口に応じた迅速な初動対応を徹底し、被疑者の検挙及び

特殊詐欺被害の抑止を図っている。

(3) 検挙事例

ア だまされた振り作戦による受け子の検挙

息子をかたり1,000万円を要求したオレオレ詐欺事件について、

被害者方に現金を受け取りに来た犯人を検挙した。

イ 犯行拠点の摘発

市役所職員等になりすまし、被害者からキャッシュカードを詐

取した事件について、ホテルの一室を拠点としていた犯人グルー

プを特定し、拠点急襲により検挙した。

(4) 犯行ツール対策の推進

預貯金通帳等や携帯電話機を特殊詐欺の犯人グループに譲渡して、

その犯行を容易にする助長犯を検挙しているほか、特殊詐欺に使用さ

れた預貯金口座の凍結、電話番号の利用停止要請やレンタル携帯電話

の契約解除など、犯行ツール対策を推進している。

3 防止対策の推進

各種広報媒体の活用や関係機関・団体、事業者等との連携による広

報啓発活動を積極的に行うとともに、金融機関等での被害防止活動な

ど、官民一体となった取組を推進している。

(1) 県民への注意喚起

ア 高齢者層に対する広報啓発活動

警察官による戸別訪問や防犯ボランティア等と連携した訪問活

動のほか、老人会等の集会において、犯行手口を具体的に分かり

やすく説明し、被害に遭わないための防犯指導を実施している。

イ 名簿登載者に対する防犯指導

犯人グループから押収した名簿に氏名等が登載されている方に

対し、戸別訪問や電話による注意喚起を実施し、その家族にも通

知することで、被害発生を先制的に防止している。

【高齢者に対する注意喚起 尼崎市】 【高齢者に対する戸別訪問 神戸市長田区】

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ウ イベント等における広報啓発

県警音楽隊において、特殊詐

欺の手口と被害防止のポイント

等を替え歌にして注意喚起する

など工夫を凝らした広報啓発活

動を展開している。

エ 著名人等を起用したポスター等の作成

著名人等を起用した

ポスターを作成し、商

業施設、小中学校、ス

ポーツ施設等に掲示し

て、子や孫世代を始め、

県民の特殊詐欺への関

心が高まるよう努めて

いる。

オ 防犯ネットワークやSNS等を活用した情報配信

関係機関等と構築している防犯

ネットワークのほか、

ひょうご防犯ネット

兵庫県警察ツイッター

兵庫県警察フェイスブックページ

兵庫県警察公式チャンネル(You Tube)

などを活用して被害情報等のタイ

ムリーな配信に努めている。

カ 警察署の取組

啓発カルタの作成や

祖父母に送付する暑中

見舞いハガキの活用な

ど、高齢者への注意喚

起に加え、家族でも見

守り、被害防止が図ら

れるよう取り組んでい

る。

【県警音楽隊コンサート 西宮市】

【読売巨人軍 原辰徳監督】 【漫画 落第忍者乱太郎】

【啓発カルタ 高砂署】

【You Tubeを活用した情報配信】

【暑中見舞いハガキ小野署】

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キ 関係機関との協働

県内の後期高齢者に対して

被保険者証を送付する際に使

用する全ての封筒裏面に、特

殊詐欺のキーワードを印刷、

発送している。

協力:兵庫県後期高齢者医療広域連合

(2) 金融機関等と連携した水際対策の推進

ア 特殊詐欺の水際阻止の推移

金融機関等と連携した阻止件数は、令和2年3月末現在、前年

同期と比べて減少している。

イ 金融機関における被害防止対策の推進

金融機関に対し、高齢者が高額の現金を引き出す際には、使途

確認を徹底してもらい、引出理由が不自然な場合の警察への確実

な通報を要請している。

○ 金融機関の窓口職員を対象に

声掛け訓練等を実施

○ 未然防止事例には、感謝状を

贈呈

ウ コンビニエンスストアにおける被害防止対策の推進

電子マネーを購入させる手口に加え、

ATMに誘導する還付金詐欺の増加を受

け、声掛け促進用のチラシを作成し、各

店舗に配布し、協力要請を行っている。

年別H27年 H28年 H29年 H30年 R元年

H31年 R2年 前年対比区分 3月末 3月末 増減 割合(%)

阻 止 件 数 285 503 987 780 481 145 113 - 32 -22.1

阻止額(億円) 8.8 11.3 12.7 12.9 5.1 2.9 0.4 -2.5 -86.2

【金融機関窓口における声掛け訓練 尼崎市】

【署長感謝状贈呈 加古川市】 【コンビニ配布チラシ】

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第3 地域社会と連帯した犯罪の起きにくい社会づくりの推進

1 持続可能な防犯ボランティア活動に向けた支援の推進

(1) 現役世代の参加促進

防犯ボランティア団体の高齢化・

固定化による後継者不足を解消する

ため、ランニングを通じて防犯パト

ロールを行う「ひょうごふれあいラ

ンニングパトロール」を官民学連携

事業として立ち上げ、気軽に防犯活

動に参加できる環境を構築し、その

取組を支援している。 【ランニングパトロール 高砂市】

また、同取組が、県民が楽しく防

犯に参加する継続的な仕組みとして

評価され、グッドデザイン賞2019を

受賞した。

【 グッ ド デ ザイ ン 賞 2 0 1 9 賞 状 】

(2) 青色防犯パトロールへの支援

青色防犯パトロール車による効果

的な防犯活動を推進するため、実施

団体に各種防犯情報を提供するとと

もに、他のボランティア団体との協

働を働き掛けるなど、活動を支援し

ている。

【ボランティア交流会 神戸市中央区】

2 県民に対する積極的な防犯情報の提供等

(1) 「ひょうご防犯ネット」等を活用した情報発信

県民の防犯意識の高揚を図るため、身近で発生する犯罪情報等を

「ひょうご防犯ネット」でタイムリーにメール配信しているほか、

兵庫県警察ホームページ等を活用して情報を発信している。

また、県民に犯罪情報を分かりやすく伝えるため、令和元年10月、

「ひょうご防犯ネット」システムを刷新し、過去の犯罪等の発生状

況が地図やグラフで表示できる機能を追加した。

H30年度 R元年度

登 録 者 数 254 322

実 施 回 数 316 366

延べ参加者数 3,194 3,824

実施団体数 275 自動車台数 1,264

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【過去の配信事案を同時表示】 【 集 計 レ ポ ー ト 】

(2) 関係機関・団体と連携した情報共有

県民や防犯活動に取り組む事業者

等との情報共有と連携強化を図るた

め、防犯ネットワークの構築に努め

るとともに、各種広報媒体を活用し

て関係機関・団体のニーズに応じた

安全安心に役立つ犯罪情報や防犯情

報を提供している。【110番の家・店・車会議 警察本部】

(3) オープンデータの推進

県民参加や官民共同の推進による諸課題の解決等を図るために施

行された官民データ活用推進基本法に基づき、ひったくり等街頭犯

罪の情報について、発生の年月日、時間帯、場所、被害者の属性等

のデータを県のオープンデータカタログサイトで公開している。

(4) 混乱に乗じた犯罪被害を防止するための情報提供

新型コロナウイルス感染症の拡大に便乗した詐欺などの被害から

県民を守るため、防犯ポイント等を記載した広報紙「防犯ニュース」

等をひょうご防犯ネットで配信するとともに、兵庫県警察ホームペ

ージやフェイスブックに掲載し、防犯情報を提供している。

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3 防犯環境の整備・充実

(1) 防犯カメラの設置促進

通学路における危険箇所の改善を

図るため、通学路での犯罪発生状況

や危険箇所の点検結果を基に、市・

町に対し防犯カメラの設置に向けた

働き掛けを行っている。

【神戸市設置防犯カメラ】

(2) 防犯機器の普及促進

県民の防犯意識の高揚と防犯機器

の普及促進を図るため、防犯機器に

関する団体及び事業者と連携して、

特殊詐欺、侵入窃盗等の被害を防止

することを目的とした防犯性能の高

い機器の展示会を開催している。

【防犯機器展示会 神戸市中央区】

4 子供と女性を犯罪から守る活動の推進

(1) 「先制・予防的活動」の推進

子供や女性に対する性犯罪を未然に防止するため、その前兆と

なる声掛けやつきまとい等についても分析を行い、早期に行為者を

特定して検挙・警告の措置を行っている。

(2) 子供の被害防止対策

平成30年5月、新潟市内で発生し

た女子児童殺害事件を受け、政府が

決定した登下校防犯プランに基づき、

防犯ボランティア等と連携した小学

校の登下校時における見守り活動の

推進や防犯訓練等による対処能力の

向上を図るなど、子供の安全対策を

強化している。 【見守り活動 伊丹市】

(3) 女性の被害防止対策

女性を対象とした犯罪の被害を防

止するため、防犯教室で犯罪発生情

報や防犯のためのノウハウを伝える

とともに、護身術DVD・マニュア

ルを活用した護身術教室を開催し、

女性の安全対策の強化を図っている。【護身術教室 豊岡南署】

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第4 新型コロナウイルス感染症対策に伴う各種事案の認知状況及び対応

1 人身安全関連事案関係

(1) 認知状況

新型コロナウイルス感染症対策として学校の休校措置や外出自粛

が行われている中、本年3月中では、DV事案及び児童虐待事案の

認知件数が前年対比で増加している。

新型コロナウイルス感染症対策と認知件数増加の因果関係は特定

できないが、

○ 新型コロナウイルスの影響で仕事がうまくいかないストレス

○ 休校中の子供が長時間ゲームなどをしていることへの不満

○ 感染防止のために外出を注意したことに対する反発

をきっかけに、口論や暴行に発展した事例がある。

(件)年月 H31年 R2年

前年対比H31年 R2年

前年対比H31年 R2年

前年対比区分 1月中 1月中 2月中 2月中 3月中 3月中

D V 事 案 329 290 - 39 205 262 + 57 285 299 + 14

児童虐待事案 224 307 + 83 255 255 ± 0 258 295 + 37

高齢者虐待事案 80 97 + 17 73 77 + 4 99 73 - 26

障害者虐待事案 8 15 + 7 16 9 - 7 11 11 ± 0

(2) 対応

休業や外出自粛等を背景とした生活不安やストレスなどが起因

し、今後も家庭内でのトラブルが増加するとの危機感を持ち、

○ 事案の軽重に応じた現場対応

コロナに関連する特殊事情に鑑み、事件化のみならず、行

政機関に協力を求めるなど、事案の軽重に応じた対応

○ 相談者に対する長期的な対応

事案が長期化する可能性が高いことから、継続的に相談者

に連絡し、現況確認を行うなど、以後の経過観察

○ 関係機関との連携強化

事案の背景にある重要事案(虐待事案等)を見逃さないよ

う、児童相談所等との連携を強化し、一層の情報共有

○ 相談窓口に係る広報啓発

「ひょうご防犯ネット」や県警ホームページを活用し、相

談窓口や関係機関を教示するなど早期相談に向けた啓発

に取り組んでいる。

2 特殊詐欺関係

(1) 認知状況

本年3月末現在、特殊詐欺の認知件数は前年対比で増加しており、

新型コロナウイルスに関連する事案として、

○ コロナ対策での低金利融資を名目とした詐欺被害

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○ 給付金を名目とした不審電話

○ 給付金申請手続きを代行する旨の不審メール

○ コロナに感染した息子を装った不審電話

等の被害・相談事例を認知している。

(2) 対応

給付金の支給等に便乗した不審電話等の増加が危惧されることか

ら、特に外出自粛で在宅する高齢者に対して、

○ 県警音楽隊による「機動広報隊」の運用音楽隊員が、車両にて県内を巡回し警戒するとともに、車

載スピーカーを用いて、広報啓発活動を実施○ 家族からの注意喚起

被害防止キーワードを盛り込んだ「手遊び動画」を考案し、SNS等で配信することで家族の絆による被害防止を推進

○ 弁当宅配事業者等との連携配達時に、県警のチラシ等を持参し注意喚起を実施

○ 自治体や行政機関、高齢者関連団体等と連携した注意喚起市町消費生活センター、県シルバー人材センター協会、防

犯協会等の関係機関・団体を通じ、チラシを送付○ 自治体が各世帯に送付する給付金申請書類への防犯チラシの同封依頼

○ 自治体や協力団体が保有するメールネットワーク等を活用

した情報配信

○ ケーブルテレビやFMラジオ、新聞折り込み、自治会回覧

板等の活用

○ 各署から高齢者世帯に対する電話での注意喚起

に取り組んでいるほか、○ 商業施設の電光掲示板を活用した広報啓発

○ 金融機関、コンビニエンスストア等におけるチェックシー

トを活用した店員から顧客への声掛け

等の施策を推進している。