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質問2.マッソントリクローム染色以外に行われている膠原線維染色はありますか?
アザン染色 10施設 67%
ワンギーソン染色 6施設 43%
その他 4施設 33%
その他:マロリー染色
エラスチカマッソン染色
エラスチカワンギーソン染色
脱パラ・水洗
第1媒染
洗浄
核染色
分別
洗浄・色出し
第2媒染
オレンジ
G
洗浄
細胞質染色
洗浄
媒染(リンタングステン酸)
洗浄
膠原線維染色
洗浄
脱水・透徹
マッソントリクローム染色手順
第1媒染
実施している実施していない
14施設2施設
媒染剤の種類 時間
10%重クロム酸カリウム+10%トリクロール酢酸 12施設
10~20分 5施設
21~30分 4施設
31分~ 3施設
ブアン固定液 2施設 56~60℃1時間 or 室温1晩
核染色
鉄ヘマトキシリン(自家調製)12施設
鉄ヘマトキシリン(武藤化学)4施設
<染色液について> <染色時間>
0 2 4 6 8 10 12 14
11分~
5~10分
~4分
<核染色後の分別について> 実施している実施していない
5施設11施設
細胞質染色
<染色液について> <染色時間>
ポンソーキリジン・酸フクシン・アゾフロキシン
9施設
ビーブリッヒスカーレット酸フクシン 1施設
アゾカルミンG1施設
マッソン染色液B(武藤化学)4施設
クロモトープ2R(Alfa Aesar)1施設 染色液 時間
ポンソーキリジン・酸フクシン・アゾフロキシン
9施設
~10分 2施設
11~20分 3施設
21~40分 4施設
ビーブリッヒスカーレット酸フクシン 1施設 10分以上
アゾカルミンG 1施設 12分
マッソン染色液B(武藤化学) 4施設
20分 2施設
30分 1施設
1時間 1施設
クロモトープ2R(Alfa Aesar) 1施設 30分
媒染剤 時間
2.5%リンタングステン酸 13施設
~5分 4施設
6~10分 6施設
11分~ 2施設
リンタングステン酸+リンモリブデン酸 2施設15分 1施設
30分 1施設
5%リンタングステン酸 1施設 10分
媒染
膠原線維染色
<染色液について>
<染色時間>
アニリン青7施設
メチル青3施設メチル青・オレンジG液
1施設
アニリン青(武藤化学)4施設
アニリン青(和光純薬)2施設
全ての染色液について1~10分の間に鏡検しながら止めるという施設が多かった
最多は5分 6施設
10%重クロム酸カリウム、10%トリクロール酢酸 20分
水洗
鉄ヘマ 10分
分別なし
水洗 5分
リンタングステン酸+リンモリブデン酸 1分
オレンジG 1分
1%酢酸水 軽く
ポンソーキシリジン・酸フクシン・アゾフロキシン 20分
1%酢酸水 軽く
2.5%リンタングステン酸 10分
1%酢酸水 軽く
アニリン青 5分
1%酢酸水 軽く
最頻値による染色プロトコール
4
細胞質染色液の違いによる色調差(2)
5 10
3 13 14
ポンソーキシリジン・酸フクシン・アゾフロキシン
マッソン染色液B(武藤化学)
ポンソーキシリジン・酸フクシン・アゾフロキシンは「えんじ色」に近い マッソン染色液Bは「赤紫色」に近い
色素の違いによる色調の差まとめ
膠原線維 細胞質
アニリン青 明るい青色に近いポンソーキシリジン・酸フクシン・
アゾフロキシンえんじ色に近い
メチル青 群青色に近い マッソン染色液B 赤紫色に近い
染色手技だけでなく染色液の違いによっても若干の色調の違いが生じる
脱パラ・水洗
第1媒染
洗浄
核染色
分別
洗浄・色出し
第2媒染
オレンジ
G
洗浄
細胞質染色
洗浄
媒染(リンタングステン酸)
洗浄
膠原線維染色
洗浄
脱水・透徹
マッソントリクローム染色手順
マッソントリクローム染色の染色原理
①化学的親和性(イオン結合)
酸フクシン(赤)、アニリン青(青)などの色素:酸性色素水溶液中でマイナスに荷電する部位がある
蛋白質は酸性下でプラスに荷電する(R-NH3+)
②分子量による染め分け
色素の分子量と組織部位の構築の疎密よって染め分けられる
第1媒染の意味と効果(1)
重クロム酸カリウム+トリクロロ酢酸
蛋白質 蛋白質ーNHーCH2ーNHー
ホルマリン固定
メチレン架橋
蛋白質 蛋白質ーNH2 NH2ー
アミノ基がたくさん露出してくる
酸性色素が結合しやすい状態
酸フクシン、アニリン青のいずれも結合しやすくなる?
一般的には、赤い色素の染色性を良くするために行うと言われている。
第1媒染の意味と効果(2) 時間、剖検材料、生検材料による各色素の染色性の違い
剖検材料 生検材料
30分
1時間 3時間
30分なし なし
1時間 3時間
第1媒染の処理時間に比例して、赤の染色性がよくなっている
剖検材料では、3時間処理で赤、青ともにバランスの良い染色性。生検材料では、3時間では各色素が過染気味。短い処理でOK.
→剖検材料のような過固定検体(固定だけの問題ではないが)は、長めに処理することで赤の染色性がよくなる
第2媒染の意味と効果(3)
第2媒染剤:リンタングステン酸+リンモリブデン酸
リンタングステン酸
[P(W3O10)4]3-
核PO4
-
DNAPO4
-
DNANH3
+
蛋白質NH3
+
蛋白質NH3
+
蛋白質NH3
+
蛋白質
鉄ヘマトキシリン
核内に存在するプラス荷電を有する蛋白質を媒染剤がブロックし、酸性色素を入りにくくする
酸フクシン
×
細胞質のプラス荷電もマスクしてしまうため、長時間処理すると赤い色素が入りにくくなる
マイナスに荷電している
リンタングステン酸の意味と効果(2)
ーNH3+
ーNH3+
ーNH3+
赤血球
細胞質
膠原線維
オレンジG MW452.4
ポンソーキシリジン MW480酸フクシン MW585.5アゾフロキシン MW509.4
アニリン青 MW737.7
SO3-ー
SO3-ー
SO3-ー
リンタングステン酸[P(W3O10)4]
3-
リンタングステン酸[P(W3O10)4]
3-
リンタングステン酸[P(W3O10)4]
3-
SO3-ー
×
×
×
染色過程における媒染剤の意味と効果まとめ
第1媒染ホルマリン固定によるメチレン架橋を切断し、アミノ基を露出させる→ 酸性色素が結合しやすい状態を作り出す
第2媒染核内に存在するプラス荷電を有する蛋白質を媒染剤がブロック→ 核への赤の共染を防ぐ→ 過剰な処理は、細胞質への赤の入りが悪くなる
リンタングステン酸
蛋白質のプラス荷電に対して結合し、酸性色素(青)のイオン結合を阻害する→ 青は構築の疎な部分に入りやすく、膠原線維への選択性が生じる
赤:ポンソーキリジン・酸フクシン・アゾフロキシン 8分
青:アニリン青 3~5分
第1媒染 20分第2媒染 なし
赤が強めに出る媒染条件だが、赤の染色時間を8分に抑えているため、バランスがとれている。赤血球のオレンジもしっかり残っている。
4