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ISEP News Letter 2011. No.4

ISEP News Letter 2011年度 第4四半期

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ISEP News Letterは、四半期毎にISEP会員を対象として発行する環境エネルギー政策研究所の活動報告です。

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Page 1: ISEP News Letter 2011年度 第4四半期

ISEP News Letter2011. No.4

Page 2: ISEP News Letter 2011年度 第4四半期

■ 2011年度 第4四半期 活動概要1月

2月

14日-15日脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA 開催(ISEPはNGO 6団体で構成する実行委員会に参加)

25日自然エネルギー世界白書2011 日本語版 公表

3月8日コミュニティ・パワー会議 開催(東京都江東区)

11日プレスリリース「3.11後の1年間を振り返り、これからを展望する」

16日シンポジウム「日本におけるバイオマスに持続可能な利用促進のために~適切なFIT制度設計のための原理・原則~」 開催(東京都港区、ISEPが協力)

1日基本問題委員会 自主的分科会 第1回 開催(東京都千代田区)(以後3月末までに第7回まで開催、4月以降も継続)

3日省エネ法の改正案に関する要望書 提出(NGO 5団体 連名)

16日自然エネルギー財団、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)に対する提言を発表(2011年12月8日にISEPが共同開催した国際ワークショップの成果)

19日ふくしまから考える原子力に依存しないエネルギー政策~基本問題委員会自主的分科会 in 南相馬 開催(福島県南相馬市)

22日つながり・ぬくもりプロジェクト~自然エネルギーによる被災地支援~活動報告会 開催(東京都千代田区)

Page 3: ISEP News Letter 2011年度 第4四半期

昨年3月11日の東日本大震災とそれに続く大津波、原発事故から1年となる今年の3月、ISEPは、自然エネルギーへの取り組みにおける新たな潮流「コミュニティ・パワー」をテーマとした会議を開催致しました。また、これに先立つ1月・2月にも、「脱原発世界会議 2 0 1 2 YOKOHAMA」の中で脱原発およびコミュニティ・パワーに関するセッションを受け持ったり、「つながり・ぬくもりプロジェクト」のこの1年間の活動を総括する報告会を開催したり、更には先日の特集号でご報告した「基本問題委員会 自主的分科会」を立ち上げて3月までに計7回開催する等、公開イベントをかつて無いほど頻繁に開催し、活発に活動を展開してまいりました。  加えて、飯田は大阪府市の特別顧問に就任し、同府市エネルギー戦略会議等において関西電力株式会社への株主提案について検討すること等を通じ、問題提起と情報発信を行っております。 今年度も引き続き、持続可能なエネルギー政策・社会の実現を目指し、精力的に活動してまいります。どうぞ引き続きご支援を頂けますよう、お願い致します。

■ プロジェクト報告

■ 2011年度 第4四半期 活動レビュー

自然エネルギー世界白書2011 日本語版 公表

所長 飯田哲也

当研究所は、REN21(21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク)が昨年に発行した『世界自然エネルギー白書2011』を日本語に翻訳し、2012年1月25日に公表しました。本レポートは世界の自然エネルギーに関する最新状況を取りまとめており、豊富なデータを通して世界の趨勢が把握できる資料です。本報告書は現在の状況についてまとめたものであり、将来シナリオについての報告書は研究部長のエリック・マーティノーを中心に作成しています。

 以下に本報告の中の主要なトピックを挙げます。

・世界の自然エネルギー市場は、世界的な景気後退や普及支援策の削減にも関わらず、堅調に伸びており、導入コストが下がり続け、世界全体に占める割合が増え続けている。

・自然エネルギーは、世界の最終エネルギー需要のおよそ16%を供給し、総電力の20%近くを供給している。

・自然エネルギーの設備容量は、世界の総発電設備の約4分の1を占めている(大規模水力を含む)。

・世界の太陽光発電は、導入コストがさらに低下し、年間の導入量が前年の2倍に拡大した。

・自然エネルギーへの投資額は世界全体で2,110億ドル(約17兆円)に拡大し、前年より30%以上増加した。特に発展途上国での投資が拡大し、中国が世界全体の3/1以上を占めた。

日本語版はこちらでダウンロードできます: http://scr.bi/IwaUmD REN21発行の英語版はこちらから: http://bit.ly/gFPOhN

主任研究員 山下 紀明

Page 4: ISEP News Letter 2011年度 第4四半期

2012年1月14・15日、パシフィコ横浜で「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」が開催され、ISEPは1日目のセッションA-2「コミュニティ・パワーが創り出す100%自然エネルギーの世界」と2日目のセッションA-5「エネルギーシフトの道筋」を担当しました。この会議は、福島の現状についての情報を世界

中の人々と共有し、今後にいかにして日本で脱原発を実現するか、またどのようにして再生可能エネルギーによる持続可能な社会を実現するのか、多様な人々の多様な観点から議論することを目的として企画されました。準備・運営にあたっては、ピースボートを中心に主要な環境NGOが実行委員会を組織し、さまざまな市民団体や個人が協力して開催しました。当日の参加者は1万1,500人、インターネットでの視聴者は約10万人に上り、震災後に開催されたエネルギー関連イベントとしては最大規模のものとなりました。実際に会議に参加した海外の専門家の中には「これまで長年、反原発・脱原発関連の運動やイベントに関わってきたが、今回の会議はその中でももっとも重要で意義のある会議だった」と感想を述べていました。この会議をきっかけとして、新たなイニシアティブが次々と生まれました。引き続き、ISEPはそれ

らのイニシアティブをより具体的なかたちにする活動をサポートしていきたいと思います。

■ 会議報告

コミュニティ・パワー会議2012年3月8日、日本科学未来館で「コミュニティ・パワー会議」が開催されました。この会議は、地域がオーナーシップをもって進める自然エネルギーの取り組みについて、国内外で先行して取り組んできた方々と、これから国内で取り組みを進めようとしている方々の対話から、今後それぞれの地域でどのように具体的に進めていけばよいのか手がかりを探ることを目的に開催しました。海外からは、デンマーク・サムソ・エネルギー・アカデミーのソーレン・ハーマンセンさん、世界

風力エネルギー協会のステファン・ゼンガーさん、カナダ・ヨーク大学のホセ・エチェベリーさんがそれぞれ基調講演をおこないました。参加者からは、彼らの言葉はひとつひとつが経験に根差したものであったため、非常に参考になったとのコメントが寄せられています。今回の会議の様子は、新たに配信を開始した「ISEP コミュニティ・パワー ニュース」に字幕付き

映像とあわせてまとめてありますので、ぜひご覧下さい。

ISEP コミュニティ・パワー ニュース: http://bit.ly/H9DWef古屋 将太(ISEP研究員)

脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA

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■ ボランティア・レポート

2012年3月からISEPでインターンさせてもらっています。インターンしようと思ったきっかけは東日本大震災から1年が経っても尚、なかなか改善しないエネルギー政策分野に持つ不信感が強くなったからです。自分が生きていく社会にどう責任をもち、変えていけるか考えた結果まず勉強が必要だと思いました。インターンを始めてから1ヶ月になりますが、作業内容は主に研究員の方の原稿英訳やデータ要約などです。改めてまだまだ学ぶべきことばかりだと痛感しながら、たくさんの刺激を日々いただいています。

寺田 葉月中央大学総合政策学部政策科学科4年在学。専攻は環境社会学・エネルギー政策など。

再生可能エネルギー政策に関心があり、今年の2月よりISEPのインターンに参加しています。主に、研究員の方の補助や会議等のお手伝い・議事録の作成等をさせていただいています。インターンを通じて知識の面で得ることも多いですが、それ以上に最前線で働く方々の姿を実際に見て肌で感じることができることも私にとっては大きな経験です。特に関心のある分野は、再生可能エネルギー普及における市民参加の役割とその促進についてです。

松浜 昭平早稲田大学政治経済学部政治学科卒、現在早稲田大学大学院政治学研究科政治学コース公共政策領域1年在籍。専攻は国際行政学。

岩田 和子1952年生まれ東京都国分寺市在住家族は夫、娘2人、猫1匹。

瀧浪 邦子  夫の仕事の都合で、2008年からスウェーデン・ルンドに滞在し、震災後の2011年5月に帰国しました。 ヨーロッパでもツナミやフクシマのことは大きく報道され、私もまわりの人々に やさしい言葉をかけてもらいました。なかでもウクライナ人

のイゴーから「チェルノブイリでは事実が隠されたけど、日本は僕らの国とは違う。大丈夫だよ、きっと」と言われたことが忘れられません。不安な気持ちで情報を求めていたとき、TBSラジオのポッドキャストDigで飯田さんの話を聞きました。エネルギーのこれからについて、分かりやすく話してくれて、気持ちが明るくなりました。  帰国後、ISEP のボランティアに申し込み、週1、2回事務所でお手伝いをしています。個人的には今年から森林インストラクターとして活動を始めていて、森を活用したエネルギーに興味があります。これからも私なりに出来ることをやっていきたいと思っています。

私が飯田哲也さん、ISEPを知ったのは鎌仲ひとみ監督の映画「みつばちの羽音と地球の回転」を6月に観たことからです。もともと原発には反対でしたが、福島原発の事故で大変ショックを受け絶望的になり、しばらく落ち込んでいました。このままではいけない何か行動しなければと、インターネットで色々な情報を探しました。とにかく1日も早く原発を廃止し、安全な新しいエネルギー政策が実現することに、希望を見いだすことに、微力ながら少しでも貢献できたらと思い10月から参加させてもらっています。

■ インターン・レポート

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■ ご寄付のお願い

1% for 祝島「祝島 自然エネルギー100%プロジェクト」

太陽光・太陽熱・バイオマスなどによる被災地支援「つながり・ぬくもりプロジェクト」

山口県上関町祝島の「祝島島民の会」を中心に、自然エネルギー100%をめざすプロジェクトです。 祝島の自然エネルギー100%を実現するプロセスに、個人や企業・団体が幅広く参加できるよう、各自のなんらかの活動から1%の寄付を募る「1% for 祝島」プログラムを実施しています!

★ご寄付のお申し込みは「つながり・ぬくもりプロジェクト」ホームページから!

  http://tsunagari-nukumori.jp/

★プロジェクトの経過報告はホームページと Facebook にて随時アップデートします!

  http://www.facebook.com/tsunagari.nukumori

★ご寄付のお申し込みは「祝島 自然エネルギー100%プロジェクト」ホームページから!

  http://www.iwai100.jp/

Page 7: ISEP News Letter 2011年度 第4四半期

■ 書籍・冊子 紹介

原発とサヨナラする54の理由未来の大人たちに教えたい

 著者: 飯田哲也 単行本、141ページ 価格: 1,575円 出版社: 牧野出版 ISBN-10: 4895001539 ISBN-13: 978-4895001533

原発を再稼働させてはいけない4つの理由合同ブックレット・eシフトエネルギーシリーズ Vol. 1

(第4章「原発なしでも電気が不足することはない」を 松原弘直 ISEP理事・主席研究員が執筆) 編集:eシフト (脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会) 単行本、80ページ 価格: 630円 出版社: 合同出版 ISBN-10: 4772610723 ISBN-13: 978-4772610728

原発と建築家: 僕たちは何を設計できるのか。再生可能エネルギーの未来、新しい時代の建築を考えた。

 編集: 竹内昌義 著者: 竹内昌義, 松隈洋, 後藤政志, 佐藤栄佐久,  池田一昭, 清水精太, 林昌宏, 三浦秀一, 飯田哲也 単行本、232ページ 価格: 2,100円 出版社: 学芸出版社 ISBN-10: 4761525290 ISBN-13: 978-4761525293

 ※ お求めは書店店頭、Amazon等で

Page 8: ISEP News Letter 2011年度 第4四半期

原発ゼロ ‒ 私たちの選択  (2011年12月10日に行われた「原発ゼロ 京都アピール」講演会の内容に加筆し書籍化) 著者: 安斎 育郎, 大島 堅一, 長谷川 羽衣子, 飯田 哲也 単行本、83ページ 価格: 1,000円 出版社: かもがわ出版 ISBN-10: 4780305292 ISBN-13: 978-4780305296

原発のない世界のつくりかたHow to make a nuclear power free world

 (飯田哲也メッセージ収録) 編集: 「脱原発世界会議」実行委員会 単行本、247ページ 価格: 1,260円 出版社: 合同出版 ISBN-10: 4772610618 ISBN-13: 978-4772610612

カラー図解 ストップ原発 3電力と自然エネルギー

 著者: 新美景子 監修: 飯田哲也 大型本、39ページ 価格: 2,940円 出版社: 大月書店 ISBN-10: 4272408437 ISBN-13: 978-4272408436

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見学! 自然エネルギー大図鑑 3バイオマス・温度差発電ほか

 監修: 飯田哲也 イラスト: 林幸 単行本、48ページ 価格: 2,940円 出版社: 偕成社 ISBN-10: 4036361309 ISBN-13: 978-4036361304

※ お求めは書店店頭、Amazon等で

見学! 自然エネルギー大図鑑 1太陽光・風力発電

 監修: 飯田哲也 イラスト: 林幸 単行本、48ページ 価格: 2,940円 出版社: 偕成社 ISBN-10: 4036361104 ISBN-13: 978-4036361106

見学! 自然エネルギー大図鑑 2地熱・小水力発電ほか

 監修: 飯田哲也 イラスト: 林幸 単行本、48ページ 価格: 2,940円 出版社: 偕成社 ISBN-10: 4036361201 ISBN-13: 978-4036361205

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ISEP News Letterは、四半期毎に会員のみなさまを対象として発行する環境エネルギー政策研究所の活動報告です。

認定NPO法人 環境エネルギー政策研究所  〒164-0011  東京都中野区中央4-54-11  TEL: 03-6382-6061  FAX: 03-6382-6062  Eメール: [email protected]