Title 李義山七律集釋稿(三)

Author(s) 李義山七律注釋班

Citation 東方學報 (1984), 56: 293-359

Issue Date 1984-03-15

URL https://doi.org/10.14989/66629

Right

Type Departmental Bulletin Paper

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Kyoto University

李

義

山

七

律

集

樺

稿(

≡

)

*七律のうち詩中の文字を借りて題とする作品八篇を載せる｡

*席本李商隠詩集を底本とLtとりあげまたは引用する義山の詩に

は底本の排列による作品番枕を記す｡｢李義山詩各本篇日野照表｣

(本学報五〇研)参照｡

*義山の文の引用は契南文集詳註および契南文集補編により､｢文

集｣および

｢補編｣と略稀する｡

*文献刷の唐詩は'絶句が寓首唐人絶句'絶句以外の詩髄が㈲の叢

刊本と同系のテキストtを底本とする｡文献胤の唐詩類苑も､叢

刊本と同系のテキストを底本とする｡

*営注をふまえるばあいも原則として注者の名を明示しない｡菖注

諸本の詩樺については'粋者の名を掲げ'原則として全文を載せ

る｡

*詩梓のうち'胡震亨の項の分類表示は､統乗の作品排列で胡氏が

明確に分類項目を立てた疎音

(十六首)および情詞

(二十数首)

の二類目のみを記す｡

*朱鶴齢の項の

｢補注｣は文献皿順治刊本各巻末に附されるもの｡

李義山七律集秤稿

(≡)

李

義

山

七

律

注

揮

班

また何煙と紀的の項の

｢評本｣は閥の沈氏輯許本をさす.

*主要文献

一覧

1

無江本

仙李商隠詩集三巻

唐詩百名家全集本

(席本)

榔李南陽詩集三巻

影印鏡課金寓校本

(鏡本)

㈲李義山集三番

唐人八家詩本

(毛本)

㈲全唐詩

(三番)

㈲唐李義山詩集六着

四部叢刊本

㈲唐音統戟

(十番)

用唐詩

(十

1巻)

重文印書館影印本

(稿本)

㈲李商隠詩集十番補遺

l巻

高麗刊本

(懐徳望文庫痛)

㈲唐詩類苑二百巻

二

膏注諸本

㈹玉渓生詩塞

鏡龍憐撰

(静嘉堂文庫蔵)

皿李義山詩集三番

朱鶴齢集注

膿治十七年序列本

個李義山詩集三巻

朱鶴齢築泣

沈厚喫輯評

二九三

東

方

学

報

個西岸蓉微三寒

呉春撰

㈹義門讃書記李義山詩二巻

何倖撰

個李義山詩琉二番

徐徳瀧

･陸鳴呆撰

(徐陸合

解)(懐徳堂文

庫威)

㈹李義山詩集十六巻

挑培謙築

S玉渓生詩意八巻

屈復撰

凋重訂李義山詩集築注三巻集外詩集注

l巻

朱鶴齢元本

程夢

星珊補

個玉藻生詩設二巻

紀的撰

御玉渓生詩詳註三食

蒔浩撰

飢玉蘇生年譜含築四巻

･李義山詩興正不分怒

張采田探

聞李義山詩偶評三奄

黄侃撰

三

唐詩選本荘押

倒註唐詩鼓吹十巻

都天挺撰

贋文書局影印元利木

偶唐詩鼓吹註解大全八巻

慶文柄旗

(内閣文庫減)

脚唐詩鼓吹十巻

元好問輯

都天挺注

磨文栢解

王清臣

･陸

胎典参解

個唐才子詩甲集七言律八巻

金聖嘆撰

附才調集十巻

卑穀輯

清野

･鴻斑許

(二渇評関本)

㈹才調集補註十懇

願元勃築註

宋邦綬補註

捌唐詩貫珠六十巻

胡以梅撰

四

近代注樺

二九四

冊李義山詩講義

森塊南

飢李義山の無題詩

鈴木虎雄

(中国文撃報大筋)

鋤李商隠

高橋和巳

(中国詩人選集

l五)

個

ThePoetryofLiShang

･yin劉若愚

鯛李商隠詩選

安微師範大学中文系古代文撃教研組

脚李南陽詩選

陳永正

*掲載詩篇目

二月二日1-0

即日

1-6

富年少侯211

銀河吹笠2-9

中元作

2-5

茂陵

3-0

宋玉

3-4

九日

5-3

二九四頁

三

〇l頁

三

〇七頁

三

1六頁

三二三頁

三三

1真

三四

1頁

三四八真

二月二日1-0

二月二日

二月二日江上行

二月二日

江上を行-

東風日暖聞吹笠

東風日暖かに

吹笠間ゆ

花馨柳眼各無頬

4紫蝶葺蜂倶有情

寓里憶蹄元亮井

三年従事正夫管

新灘莫悟遊人意

8吏作風暮雨夜馨

花嚢柳限

各無頼

紫煤黄蜂

倶に情有り

寓里締るを憶う

元亮の井

三年事に従う

塵夫の営

新灘は遊人の意を悟る尖らんや

更に風箸両夜の馨を作す

校

o唐詩鼓吹七

唐詩類苑

(il六人部罵旅類)

15

井

高麗本

｢宅｣

7

灘

唐詩鼓吹

｢春｣

毛木｢春㌔｣

朱鶴齢本

･全唐詩絞注

｢一作春｣

稿

本

芳江｢春｣

悟

鼓吹

｢慎㌔

｣

唐音統畿｢

慎｣

渇浩本校注

｢1作誤｣

高麗本

｢慎?｣

(

漫涯､到頭

困難

)

毛木

｢冴軒作｣

朱鶴齢本･

全唐

詩校注

｢l作讐

稿本

努注

｢讃｣

8

両夜

鼓吹

･高麗本

｢夜雨｣

毛木

･朱鶴齢本

･全唐詩

｢夜雨

軒酢｣

稿本

｢両夜｣を

｢夜雨｣に改む｡

統蛮

｢雨後｣

韻

(韻目は贋韻による｡以下同じ)

下平十二庚

(行

･笠)十四清

(情

･営

･馨)同用

*

李義山七律集梓稿

(三)

何煙

〔讃書記〕繭路相形｡来駕出憶蹄精神｡合通首反覆阻昧之｡其情

味百出｡○隔宮

99･讐筆騨1-1

･重有感

2-1･情師東3-3諸篇｡得老壮

之髄夫｡如此篇輿萄中離席98尤是｡荘子所云尊者機

(評本

本懐

を

｢結構輿萄中離庸

一篇同｣に作る)｡

○前牛｡遠出憶轟｡如此

濃至｡却使人不覚｡所謂国風好色而不淫也｡

○其紳似老杜虞｡在

作用不在気詞

(評本

文頭に

｢比等詩｣の三字あり)0

2

師温

(庭籍)請

(族泊新津却寄

一二知己)併起別離恨｡似聞歌

吹喧之意｡

7

･8

同

一江上行也｡耳目所接｡常物皆爽｡不免引動蹄恩｡及憶

蹄不得｡

則江上灘馨｡頓有凄凄風雨之意｡

筆墨至此｡

字字化エ

(評本

｢爽｣を

｢春｣に､｢免｣を

｢党｣に'｢不得｣を

｢末得｣

に､｢凄凄風雨｣を

｢風雨凄凄｣に､｢化工｣を

｢倶有化工央｣に

作る)｡

○杜萄鶴

(長安春感)詩云｡

此時晴景愁干雨｡

是虞駕馨

苦似輝｡落句｡富以此意求之

(評本

｢晴景｣を

｢情蘭｣に'｢落

句｣｢意｣なし)

0

〔許本〕勘債｡

○直覚甚老｡

○亦是客車恩郷｡詮釆温雅清逸｡

7

･

8

老杜

(迭李枚書二十六韻)云｡

同身硯緑野｡

惨淡如荒滞

(各修讃書記なし)0

陸鳴呆

此在幕出遊詩也｡脱力雄感｡逼最少陵遠浅｡

挑培謙

二九五

東

方

学

報

此義山在東川時懐蹄之作｡大凡人生境界無常｡只心頭不巣｡好境

都成悪貨｡此詩前四句｡乍讃之宣不是春遊佳況｡細玩

一各字｡

一

倶字｡始党無扱者白無敵｡有情着日有情｡於我絶無輿也｡蓋富里

憶蹄｡三年従事｡誠非花柳蜂蝶断髄輿知｡乃新灘水響｡更作風両

者候之馨｡脂入愁人之耳｡猶似炉我此遊也者｡然則此遊異風可巳

也｡屈

復

偶行江上｡日暖問答｡花柳蜂蝶｡皆呈春色｡猫客遊首里｡従軍数

載｡碗此春光｡能不懐郷｡故喝令今夜新灘莫作風雨之馨｡令人恩

家不探也｡

程夢星

詩中三年従事｡以歳月考之｡嘗徒事嶺南時｡本俸｡三年之後｡即

随鄭盃入朝臭｡其所謂莫悟遊人意者.首是借灘馨以喰絢之怨亜及

己｡乃不解其入幕之非薫附也｡

紀的

〔詩論上〕四家評

(衰彪

･楊守智

･何煙

･田蘭芳評)日｡前年逼

出憶蹄｡如此濃至｡郡令人不覚o

O元亮井.事無所出.恐是葛亮

之靴｡

○習泉

(旺存寛)評日0両路相形｡爽寓出憶蹄精神o合

通首反覆岨味之｡

其情味百出｡

〔詩論下〕問二月二日詩七句｡如

何下莫悟二字｡灘豊有知之物郡｡日｡此正治浪所云｡詩有別趣｡

非関理也

(各修辞本なし)0

〔評本〕灘｡

l作春｡慎｡

一作讃｡倶誤O

二九六

漏浩

6

此簡柳姓｡

7

･8

悟字入微｡我方借此遺恨｡乃新灘莫悟｡而美作風雨濠其之

態｡

以動我愁｡違令人駆愁無地失｡作誤作討｡似皆蔑也.

葺侃

案詩詞｡首席東園作｡

磨文病

此詩言懐蹄之意也｡首云二月二日o江上聞吹笠o乃動郷心｡蓮見

江上之柳眼花嚢.各無依租｡責蜂紫喋.倶有春情｡然蹄心壁切｡

而久役末寧｡故欲遊江上｡以滑恩郷之愁也｡時倫革命狐楚｡故借

言亜夫営｡其情不己.明日復来｡新春不可作風箸夜雨之馨｡慎我

遊楽之意｡反生客愁也｡

王清臣

･陸胎典

首云｡二月二日｡江上聞吹笠｡所見者柳限花安｡紫蝶黄蜂也｡乃

.余寓里遊遊｡憶蹄元亮之宅｡而三年掩久｡猶滞重夫之督｡庶幾乗

此春明｡時来遊此｡以逼郷恩｡不可作風箸夜雨之聾｡慎我遊楽之

意｡反生客愁也｡

○後漢書｡斑彪避地河西｡徒事大将軍藁融｡此

詩嘗徒事軍中而作也｡

金聖嘆

此二月二日｡乃是偶然恰値之日｡是日本是東風｡却又日焼｡江上

聞行｡忽聞吹笠｡因而遮念家宝.不能自裁也｡花薯柳限｡寓意少

年冶遊｡紫煤黄蜂｡寓意閏房秘戯｡看他無税有情上｡加各字｡倶

字｡猶言物猶如此｡人何以堪也

(前解)0

前解O止寓春色悩人｡此解.方寓粟春欲轟也｡五言別去之遠｡六

言別来之久｡七八｡言途此風晴日焼｡便宜及早束装｡静至風雨淋

構｡又恨泥滑難行也

(後解)｡

近代法秤

〔劉若愚〕

1六二頁｡〔安徽師大〕

1四四頁｡〔陳永正〕二六頁｡

*

*

集樺稿目に載せた十首のように､詩篇冒頭の二字を取

って題と

する作品をtかりに狭義の

｢借題｣とすれば'詩中の任意の二字

ないし四字をえらんで題とするものを贋義の借題とみなしうる｡

狭義のばあいは､詩の正文と題との関連性は原則としてゼロに等

しいはずだが'演義になると'関連度ゼロと百パーセントとのあ

いだのどこかに位置することになろう｡

本篇においては詩題として冒頭の二字だけでな-'四字までが

えらび取られており､しかも二月二日は三月三日や九月九日など

と同様に､昔時の節句の日でもあ

ったから'関連度きわめて高-'

あるいは題詠の可能性さえあるかもしれない｡

二月二日

二月二日に踏青を行う風習が唐代牛ば以後

一般にあ

った｡

〔奮唐書

二

代宗紀〕(大層二年)二月壬午

(二日)o

幸毘

明池踏青｡〔李縛秦中歳時記〕二月二日｡

曲江採菜｡

士民肪観梅

盛

(詮部七四)

｡〔杜氏壷中華録〕萄中風俗｡奮以二月二日馬蹄青

筋｡都人士女｡

絡浮遊賞｡捉幕歌酒｡散在四郊

(歳時虞記

一審

･

李義山七律集揮稿

(三)

2遊局江候)｡〔文昌雑録三〕唐歳時節物｡元日則有屠蘇酒｡

･･･二月

二日則有迎富貴果子｡-今歳時遺問略同｡

〔白楽天二月二日詩〕二月二日新雨晴｡草芽菜甲

一時生｡軽杉

細馬春年少｡

十字津頭

一字行｡

〔又二月

一日作胎毒七庶子詩〕明

朝二月二.疾中質復華｡魔須撃

〓讐

尋花寛葦七.

〔韓蛋二月二

日遊洛源詩〕奮苑新晴革似苔｡

人還香在踏青廻｡

〔責酒二月二日

宴中胎同年封先輩洞詩〕桂苑五東森梯後｡蓬山二月看花開｡

二月二日で始まる義山のこの詩も白楽天の詩も､杜甫麗人行の

起句を意識しているか-

三月三日天気新'長安水蓮多麗人｡

江上

〔文選四左思萄都賦〕巴姫弾弦｡漠女撃節｡起西音於促

桂｡歌江上之親属｡〔又二〇謝眺新亭渚別掲零陵詩〕心事倶己失｡

江上徒離憂｡

〔杜甫江畔狗歩尋花七絶句之

こ

江上被花惜不徹｡

無慮告訴只厳狂｡

東風

〔理記月令〕孟春之月-東風解凍｡〔江掩詠美人春遊詩〕

江南二月春｡東風韓線素｡

〔昭雲迭別詩〕東風柳線長｡達郎上河

梁｡日

暖

〔卑泰山房春草二首之

こ

風情日煙蕩春光｡戯煤遊蜂乱

入房｡〔李嘉砧輿鄭錫遊春詩〕日暖臨芳草｡天晴憶故郷｡〔李賀感

春詩〕日暖自粛候｡花悲北郭騒｡

吹笠

〔詩小雅鹿鳴〕我有嘉賓｡

鼓芽吹笠｡

〔文選四左恩萄都

戚〕弾等吹笠｡更馬新著｡

〔杜甫成都府詩〕喧然名都合｡

吹静間

笠賓｡信実無輿適｡側身望川梁｡

二九七

東

方

学

報

3

･4

〔玉垂新詠九簡文帝雑句春情詩〕煉責花紫燕相追｡楊低柳

合

路塵飛o

〔春日1-3〕焼衝花益蜂衝粉｡共助青楼

1日忙o

〔閏情

2-5〕紅露花房自蜜牌｡黄蜂紫蝶両参差｡

3

花競

〔文選四左恩萄都戚

(散薬威薮)劉淵林注〕薬者戎謂之

華｡

戎謂之葺0

1日花嚢頭鮎也｡

〔六十華厳経三六〕

二

蓮華｡

各有不可詮不可設妙襲撃者｡

11華馨｡各有賛師子座｡

〔杜甫陪

李金吾花下飲詩〕見樫吹鳥義｡随意数花馨｡

柳眼

〔元現生春二十葦之九〕何虞生春草｡春生柳眼中｡〔叉寄

楽天詩〕泳錆田地置錐短O

春入枝候柳眼低｡

〔白楽天楊柳枝詞八

首之七〕葉含濃露如時限｡技褒軽風似舞腰｡柳の若葉をいうよう

だが'

元環の次の詩では柳の花をさすかもしれない｡

〔道春三首○

之二〕柳眼開揮轟｡梅心動巳聞｡なお朱鶴齢注に引-白詩は'葉

0

合を花合に作る｡

無頼

憶-て叉はいとし-て'

たまらない｡

〔杜甫奉陪鄭別席

葦曲二首之

一〕毒曲花無機｡家家悩殺人

(逝清江

起用俗語｡豪

縦鉄若｡

杜臆

此詩全是反言以形容其佳勝｡日無頼｡正見其有

趣)

｡〔又迭路六侍御入朝詩〕不分桃花紅勝錦｡生憎柳架自於綿｡

剣南春色還無税｡鯖件愁人到酒達

(九家法

趨云｡桃花之深紅｡

桃色之礁白｡正是春色放蕩｡無折藷規者｡都是嫡件愁人断逸｡令

到於酒過｡以散其愁)

｡〔段成式楊柳詞〕長恨早梅無税極｡先将春

色出前林｡なお王鉄は'本作品をも例笹として'無根に

｢無意'

無心｣の語義を立てるが

(語酎例秤

二

一二貢)'少くとも

ここに

二九八

はあてはまらぬのではないか｡

4

蝶

･蜂はしばしば艶情の表現に用いられる｡たとえば

〔嘗句有

封3-0〕但党遊蜂儀舞蝶｡豊知孤鳳憶離轡｡

紫蝶

〔王勃上巳浮江宴序〕丹鴬紫煤O候芳香而騰姿.早燕蹄

鴻O侯迅風而弄影｡

黄蜂

〔李賀硬練曲〕垂楊菓老鷺晴見｡残練欲断黄蜂蹄｡

〔又

南図十三首之八〕春水初生乳燕飛｡葺蜂小尾撲花蹄｡足長蜂のた

ぐいであろう｡〔大観本革二〇峰子候〕団粒日o蜂｡本経有蜂子C

責蜂｡-峰子郎蜜蜂子也｡-責蜂子即人家屋上作房｡

有情

草木ならばともか-'煤蜂などの有情をいう例はあまり

見かけぬようだが'杜甫にやや近い表現がある｡

〔白練行〕春天

衣著馬君舞｡蚊峡飛来黄鴎語｡落繋造林亦有情｡随風照日宜軽

挙｡

00

00

5

･6

〔梁武帝冬歌〕

一年漏蒋轟｡寓里人未蹄｡

000

000

〔白楽天楊柳枝八首之二〕陶令門前四五樹｡韮夫営裏百千候｡

〔雲難友議下温襲瓢候〕楊柳枝詞｡作者雑多｡鮮親其妙｡--腰

000

000

(逼)郎中叉云｡陶令門前胃接範｡

正夫薯裏排朱旗｡但不言楊柳

二字｡最馬妙也

(ただし李神の集にも

〔柳二首之

一〕の初二句と

して見える)｡

5

義山

〔無題5-0〕寓里風波

1葉舟｡憶蹄初罷更夷拾

(集樺稿;秦

草報五三筋六六二頁)

0

蔦里

〔文選四

1李陵答蘇武書〕相去寓里0人絶路殊｡生馬別

世之人｡

死馬異域之鬼｡

〔又三〇陸機擬行行蛮行行詩〕仔立想寓

里｡沈憂革我心｡

憶蹄

〔白楽天小池二首之二〕毎

一臨此坐｡

憶蹄青渓居｡

〔薙

陶迭

萄客詩〕莫怪迭君行較遠｡白線身是憶蹄人｡

憶は恩よりも重い｡〔樺名樺言語〕憶｡意也｡恒在意中也｡〔高

適封丘作〕夢想嘗山安在哉｡馬衝君命且遅同.乃知梅頑徒馬爾o

樽憶陶潜蹄去来｡

元亮井

〔陶淵明蹄園田居五首之四〕久去山揮遊｡浪葬林野嫉｡

-排相即陳間.依依昔入居.

井竃有遠慮｡

桑竹残朽株｡〔李白牌

崖秋清三首之

一〕吾愛荏秋浦｡宛然陶今風｡門前五楊柳｡井上二

梧桐｡〔又留別襲庭土詩〕柳深陶令宅o竹暗辞蛋園｡

淵明の居虞

といえば大概柳が連想される｡

創南東川節度使たる柳仲郡の幕僚を勤めてきたことをいう｡同

じような表現が攻の詩にも見える｡

〔梓州罷吟寄同舎3-5〕

不凍花

朝輿雪朝｡五年従事覆審挑｡

徒事

上旬の憶蹄と封しているから､ひとまず事

二徹りとよむ｡

〔詩小雅北山〕借倍土子｡

朝夕従事｡

〔文選九班彪北征賦〕達人

従事｡有儀則合｡

が'この語はむろん幕僚の通稀である｡

〔通典

三二職官経論州佐修〕州之佐吏｡漠有別駕

･治中

･主簿

･功常

･

書佐

･簿曹

(原注

簿曹従事史.主鏡穀簿書)･兵曹

(原注

兵曹

従事史｡

有軍事則置之o

以主兵馬)･部郡園従事史

･典郡書佐等

官｡〔文選五七播岳馬折督謀〕確州徒事｡

忌敦勃数｡

極推小肢｡

李義山七律集秤稿

(≡)

〔杜南柏従歌

(原注

胎厳二別駕)〕

枠中豪俊大著誰｡

本州従事

知名久

(影宋本社工部集)｡

亜夫管

〔漢書四〇周正父博〕文帝後六年｡何奴大人達｡以宗

正劉穫馬将軍軍窮上｡現弦侯徐属馬将軍軍麻門｡以河内守正夫馬

将軍軍細柳.以備胡｡上白勢軍｡至覇上及東門軍｡直馳入｡婿以

下騎出入迭迎｡巳而之細柳軍｡軍士吏被甲.鏡兵刃｡戟弓撃o持

満｡-至中管｡将軍重夫揖｡日｡介曽之士不拝｡講以軍穫見｡

･

既出軍門｡華臣皆驚｡文帝日｡嵯平.此賞牌軍臭｡郷者覇上棟門

如兄戯耳｡

〔杜甫春遠詩〕故郷蹄不得｡

地入正夫督

(黄鶴注

此

是永泰元年春｡在院花渓作)

0

義山は大中五年から六年にかけて梓州から成都へ公務出張した

と

き

'

剣南西川節度使杜院の幕府に射して同様にいう｡

〔五言蓮

徳行情詩5-4〕芙蓉王倹府｡楊柳重夫皆O

新灘

義山以前の用例未見｡類似の語としては自屠易の詩題に

｢新小難｣あり｡

莫

ここ

は助字舞略五に見える

｢疑新｣として解する｡

〔朱

子

語類三四論語述而篇〕文莫吾猶人也｡莫是疑斜.猶今人云尖是如

此否O詩語解巻下では､尖を崖非

･崖無と秤する｡

遊人意

〔李白迭友人詩〕浮雲遊子意｡落日故人情｡進入は回

遊子におなじ｡

〔玉垂新詠五柳慣捧衣詩〕行役滞風波｡

遊人滝不

蹄

｡

〔杜牧遥上聞胡茄三首之

一〕遊人

一姫頭堪白｡

蘇武宇禁十九

年｡

㈲また遊楽の人をいうこともある｡

〔梁簡文帝遊人詩〕遊戯

二九九

東

方

学

報

長楊花｡携手雲墓間｡

歓楽未窮巴｡

白日下西山｡〔皐魔物遊龍門

香山泉詩〕山水本自任｡迷入己忘慮｡

8

風音

〔杜甫陪章留後侍御宴南榎詩〕野雲低渡水｡摩雨柵随風｡

〔張枯毅州法雲寺撃槍詩〕高臨月殿秋雲影.静入風箸夜雨馨｡

両夜

〔元萌寺院新竹詩〕風朝竿範過｡

両夜鬼神恐｡

〔白楽天

和装常侍讃微架詩〕風朝舞飛燕｡

両夜泣帯娘｡

〔薙陶和河南自甲

西池北新茸水密招賞詩〕雨夜思惑峡｡秋朝想洞庭｡

*

*

*

程夢屋をのぞき

'諸詮大筋において

1致する｡義山の晩年'萄

中枠州の任地で

｢憶蹄｣の心境を歌

った'かれとしては比較的平

明の作｡なお'何煙の指摘どおり劫機であり､1句

｢二日｣の日

は本来ならば平茸のはずだ｡

l

･2

二月二日-

各地で踏青の行事のおこなわれる日'春の野

外に多-の士女入りみだれて華やかな宴が開かれる｡江速を行け

はるかぜ

ば

東

風

に

日ざし暖か-'どこからか笠を吹いている青も聞える｡

作者もそうした宴に加わろうとしているのであろうか｡しかし'

浮き立つような雰囲気のなか'ひとり心はずまず'あるいは郷愁

がひきおこされる｡

3

･4

江連の佳景｡咲きはこる花々'黄金色にもえる柳の若葉'

それぞれに恰くてたまらぬほど魅惑的なのだ｡紫の蝶'黄色の蜂

ども､みなみないかにも気のありげなそぶりでおどり狂う｡花柳

蜂蝶は眼前の景であり'同時に金聖嘆のいうように年少の男女冶

三〇〇

蓮の暗晩である｡2句の聞吹笠ですでに

｢家宝｣を念じたとする

なら､かれらの無楓有情にことに鋭敏に反施せざるをえないわけ

だ｡

5

･6

さて'

こうした佳景に直線的に鯖零され

(屈復)'

または

むしろ反摸し

(桃培謙)た結果'懐郷の歌がはじまる｡遥か寓里

のふるさと'五柳先生陶淵明にあやかりtかの奮宅に締りたいと

常に思いつづけつつ､もう三年ものあいだ'周正夫になぞらうべ

き名将柳閣下の軍営に御奉公してきたことではあった｡義山は柳

仲郡に悪感情を抱いたわけではないが'従事の生活に倦んでいる｡

0

元亮

井は元亮宅としてよむ｡麗本は意を以て改めたのかもしれな

いが'その要はない｡

6句だけでなく'5句も

｢柳｣に掛ける｡白楽天の楊柳枝詞の

ばあいのように'同じ柳でも'出句は隠遁

･隠者のそれ'封句は

武将のそれtとレヴ

ェルが異なる｡この一連は義山のいわば原鮎

還蹄の願望の表明｡

7

･8

全磯としてまた部分的にも比較的易講のこの詩､詮の分れ

るのは7句

｢莫悟｣の英の字の解梓で､｢悟ル莫レ｣では意味が通

じないからである｡Ⅲ慶文柄

･金聖咲

･屈復らは英を二句にかけ､

｢聾ヲ作ス莫レ｣とよみ'㈲漏浩および劉若愚以下

の近代注樺

は実をただの否定詞によむが'前者は句作りからして'後者は語

義的にみて'みな無理かと考えられ､㈲挑培課の意を汲んで

｢疑

尉｣として解する｡またそれが表現として最も陰影に富む｡江連

を行-うちに出合した見慣れぬ早瀬､流れが変化して出来たばか

りの早瀬は､族の基にある行楽の客たる者の心を見すかしたので

はなかろうか｡いじわるくわざと

一際高-水音を立て'それはあ

たかも風吹きつのる軒端'雨ふりしぶ-夜の思い'人を耐えきれ

なくさせるのだ｡｢風箸夜雨馨｣は単なる

｢恩家斎候｣に止まら

ず､過去の何らかの記憶に連るのかもしれない｡毛本や鼓吹のよ

うに

｢灘｣を

｢春｣に作るのは明らかにおかし-'｢悟｣を

｢慎｣

｢冴｣に作るのも

｢皆洩也｡｣(漏浩)また

｢雨フル夜｣は

｢風バ

メル摩｣と封しているからこれも底本のままでよい｡

6句の

｢三年｣が基準となるが､梓州への特出を大中六年とみ

る漏浩は同九年に､特出を大中五年とみる張采田は同七年に'そ

れぞれ本詩を係ける｡安微師大は張におなじ｡

(荒井

健)

･m]n日

1

1歳林花

即日休

江問亭下慣

掩留

重吟細把虞無奈

4巳落猶開未放愁

山色正来街中苑

春陰只欲傍高楼

金鞍忽散銀壷滴

即日

一歳の林花

即日に休まん

江問亭下

懐として掩留す

重吟細把

展に奈する無し

己に落ち猶開く

未だ愁を放せず

山色正に来りて

小苑を衝み

春陰只だ高楼に傍わんと欲す

金鞍忽ち散じ

銀壷滴る

李義山七律集梓稿

(≡)

8更酔誰家白玉鈎

更に誰が家の白玉鈎に酔わん

校

o

唐詩類苑

二

一二

(入部雑興類)

2

問

毛木

･朱鶴齢本

･全唐詩枚注

｢一作門｣

幾本

｢間

･門｣

讃解不能なるも眉批に

｢間｣

3

虞

高麗本

｢絡｣

7

滴

毛本

･金聖嘆本

｢漏｣

朱鶴齢本

･全唐詩

｢漏新作｣

韻

下平十八尤

(休

･留

･愁)十九侯

(棲

･鈎)同用

*

何煙

〔譲書記〕

1歳之花連休｡

1日之光速暮｡買所謂刻意傷春着也｡

金鞍忽散｡慨帳猫蹄｡

泥酔無従｡

排悶不得｡

其強裁此詩｡

買有

歌輿泣倶者失｡観江間之文｡疑亦在東川時所作

(評本

｢光｣を

｢景｣に作る)｡

〇五六｡言井不便我棺得掩哲也｡落句｡言風光易

過｡不醇無以遣懐｡然使我更醇誰家平｡無柳之甚也

(評本

｢五

六｣を

｢山色

一聯｣に､｢井｣を

｢並｣に､｢易｣を

｢忽｣に作る)｡

〔許本〕嬰

一片飛花減却春｡

徐徳私

此惜春残而寓行蔵之感也｡花落人滝｡駕得不帳｡落着旺無可奈何

失｡猶開署亦纏行末放之愁耳｡二句有去留両難意｡腰聯寛鰭然景

色｡亦有人事崖蛇意｡末言景残時蓋｡何虞更尋架地｡隠然有陪烏

三〇

1

東

方

学

報

受止之思蔦｡

挑培謙

此歎恩情之不可侍也｡花開花謝｡発憐関頭｡頃刻分列｡然不待花

謝之時也｡最難馬是賭謝未謝時｡掩留光景｡蓋就施患者而言｡垂

吟細把.拾党営情無奈.就受愚者而言o巳落猶開｡倫恩百計取憐.

嘗斯時也｡山色春陰｡巴不得従容留待

一日｡而無如金鞍之忽散何

也｡恩情中道絶｡翌待到別家簾幌時郡.

屈復

江亭花額.春光巳晩｡山色春陰.日亦牌暮｡乃金鞍忽散｡銀壷下

漏｡更酔誰家｡以遣此情平｡

紀的

〔詩説上〕純以情致勝｡筆筆唱嘆｡意境白深｡曲池詩1-2亦是此詞｡

則近乎廃兵

(評本

｢乎｣を

｢於｣に作る)｡〔又下〕問即日詩｡

更酔誰家白玉鈎句｡朱注

(丁仙芝詩｡簾垂白玉鈎)如何｡日｡非

也｡此玉鈎郎隔座迭鈎之鈎.線此戯起干鈎ぺ夫人之白玉鈎｡故云

爾耳

(許本

木修なし)0

鴻浩

何日.

一歳之花連休｡

1日之景遠暮｡金鞍忽散｡個帳狗蹄｡泥酔

無役｡排悶不得｡其強裁詩｡歌輿泣倶失｡

田

(蘭芳)日｡謂未全愁.按｡如日未姦愁｡鏡

(良捧)日.閲

冷虞偏捜得到｡宋人之工全在此｡

何日｡言井使我不得稲穂宵也｡

三〇二

見無題

Ⅲ112二首｡何日｡風光易過｡不酔無以遣愁｡然使我更醇

誰家平｡無脚之甚也｡

張采田

〔合隻〕首言

1歳林花即日休｡義山在桂｡首尾佳及

一年｡此牌去

時作.自欺府定職罷.失路無依也｡大有留速不忍遠別之意.江間

指桂江.漏編甚誤｡

〔舛正〕江問拒桂江也｡韓萌詩5-2亦云｡謝遊橋下澄江館｡義山桂

幕只年飴｡故日

l歳林花印日休o桂州府罷｡在大中二年三月｡正

春間｡故日春陰｡鮎暗合也｡緒言失路無依之感｡亦惟此時有此情

況｡何氏謂東川時作｡疎失｡

○此輿曲池詩｡各有妙虞｡此首因唱

咲得締｡而曲池

1篇｡亦非磨摩之音也｡揚此抑彼.未馬公允｡

黄侃

放猶散也｡

金聖嘆

言三春花事｡是

一歳大観｡若此事

一休｡郎了無飴事｡蓋入夏祖秋｡

如風疾捲｡特地開春｡使成往事也｡江間取長逝義｡亭下取暫住義｡

帳掩留者｡長逝無法教停｡故不覚其帳然｡然暫佳且如不逝｡敏速

漫作掩留也｡三四｡重吟細把妙｡己不必吟｡而叉重吟｡巳不足把｡

而又細把｡此無奈｡乃所謂鼻無奈也｡巳落猶開又妙｡親見巳落｡

何止寓片｡便報猶開｡豊能数菜｡此欲放｡牌如何可放也｡前解｡

駕

一審己轟.

後解.篤

1日又轟也｡山色街苑o春光白蓮而至也｡春陰傍棲｡日

影只剰瓢稜也｡候忽馬噺人去｡漏動更博｡則不知後合之在何家也｡

哀哉哀裁｡警

℃

胡以梅

(花木類)

因落花而帳恨｡留連子江問李下｡把玩重吟｡虞出無奈｡落者落｡

開者侍開｡愁愈難放｡此聯箕罵而曲折故任｡五六｡言天色巴晩｡

陰雲賠淡｡皆馬落花愁緒.街日滑落.而

一牛在屋也.結承晩釆無

可遣懐之虞｡第八｡是商酌之節｡散散干江事｡丁仙芝詩｡廉垂白

玉鈎｡今言垂簾而飲｡

近代注粋

〔陳永正〕三

1頁｡*

*

o李義山の詩は'題においても稀見難解が多-､即日などという

詩題は六朝はむろん唐詩にも類例がないのではないか｡ところが

義山はこの奇妙な論題を愛用し'鹿本ではさらに四例'小苑試春

衣2-3

(五律)･地寛棲易過2-8

(五排)･小鼎煎茶3-5

(七絶)･桂林

聞嘗説4-6

(五律)｡

しかも本作品のように詩中の語を借りて題と

しているときは'詩人がことさらその語を強調したいのだとまで

は理解できるのだけれども'これら四篇の詩が

｢即日｣の題とど

うつながるのかはtより

一層不可解なのである｡

1

･

2

この詩は何煙

(評本)や金聖嘆がすでに指摘するよう

に

杜詩t

と-に曲江を詠ずる

一連の七律の影響があると思われる｡

〔曲江二首之

こ

一片花飛減却春｡

風貌寓鮎正愁人｡

〔又之二〕

李義山七律集樺稿

(三)

朝廻日日典春衣｡毎日江頑盛酵蹄｡

-

〔劉謁錫和令狐相公春日尋花有懐白侍郎閣老詩〕花程須深入｡

曙光不少留｡-晴宜連夜賞.雨便

一年休｡

t歳

〔惟南子天文訓〕天有四時｡

以成

l歳｡

〔元現生春二十

孝之十八〕叉添新

1歳｡裏白稗成叢o

林花

〔呉均胎飽春陸別詩〕海鴻乗候去｡

林花合復分｡

〔王績

在京恩故園見郷人間詩〕院果誰先熟｡

林花那後閑｡

〔杜甫曲江封

雨詩〕林花著雨燕脂落｡水符牽風琴帯長｡

ヽヽヽ

即日

回昔日｡ある事柄のあったその日｡史侍など'時制的に

は過去叙述の文に用いられる場合｡

〔漢書

二

一卒帝紀〕

元毒二年

六月｡哀帝崩バ太皇太后詔日｡大司馬

(董)賢年少｡不合衆心｡

其上印綬｡罷o貿輯日自殺｡猛賂花敬定の段子韓反乱鎮座をのべ

た次の杜詩の例もしかり｡〔戯作花卿歌〕

綿州副使著柘責｡我卿

掃除鄭日中｡

㈲不日｡

そのうちに｡

尺腰など､〝現在時制″

の文では近い未

来をさすことがある｡〔神速艮輿法師帖〕奉別使

爾｡

輸升載｡即

日逐良嚢孝義白｡桑復近歳之間｡嬰露草土燕雀之志｡鰯緒生悲｡

且以即日蒙恩駆使｡蓋生報国｡塗路近止.無由束帯｡西眺干邑｡

悲岡更深｡

通俗編三に

｢日之相近｡

戎亦以抑言之.｣として陸瀞

の詩を例に引-が'

むしろ同書が

｢即日猶富日｡｣

の例詮に引い

た上抱裾途良の帖こそ未来の用例とさるべきであった｡

休

｢花休｣という義山以前の用例未見｡

三〇三

234

東

方

撃

報

〔杜甫曲江封酒詩〕苑外江頭坐不蹄｡水精春殿韓罪微｡

江間

〔世詮文学〕其夜清風朗月｡聞江渚間借客船上有詠詩聾｡

甚有情致｡〔謝荘舞馬賦臆詔〕国柄梁岱仔蝉｡史言壇場望旗｡郡

上之瑞彰｡江問之禎聞｡柴鏡之連敗藻｡

合昌之暦巳排｡〔杜甫石

樟閣詩〕覇道多早花｡江間鱒奇石｡

亭下

〔漢書五四季贋侍〕嘗夜従

一騎出｡後人田問飲｡還至事｡

覇陵尉酔｡吋止贋｡…宿贋亭下｡〔葦魔物封新宝詩〕清廉止亭下｡

摘愛此幽墓｡

帳

〔文選九曹大家東征賦〕慣容輿而久駐令｡忘日夕而牌啓｡

〔杜甫桔柏渡詩〕孤光隠顧扮｡

瀞子慣寂参｡

〔葦魔物胎丘員外二

首之

一〕虎

丘慨登眺｡呉門慣蹟躍｡

湾留

〔虞韻二掩字注〕滞也.

久留也｡

〔九群〕事重要而親進

合｡楚掩留而緯距

(王逸注

久虚無成｡率放棄也)

｡〔杜牧寓題

詩〕把酒直須別離酎｡逢花実惜暫掩留｡

重吟

〔李白鳳笠篇〕重吟虞曲和清吹｡却奏仙歌響緑雲｡

〔自

居易貌堤有懐詩〕憶得嬰唐事｡重吟行路難｡

細把

用例未見｡ただし把の封象がもし花とすれば'杜詩を連

想してよいか｡

〔九日藍田在民荘〕明年此合知誰健｡酔把茶英子

細看｡

無奈

句末に来る例として

〔孟郊秋雨聯句〕主人吟有歓｡客子

歌無奈.〔陸曹剤南始至商洛417〕昔去晃無奈｡今還宣自知｡

巳落猶閑

〔杜甫上白帝城二首之二〕谷鳥鳴還過｡林花落叉開｡

三〇四

〔杜牧惜春詩〕花開又花落｡時節暗中遷｡

放愁

用例未見.沓説はおおむね

｢散愁｣(責侃)と解し'未

ヽヽヽ

放愁を憂愁から解き放されがたい､とする｡鴻浩

(=田蘭芳)は

これに反し

｢轟愁｣と解し､未放愁を憂愁の極には至らぬtとす

る｡未練がましく中途牛端の心境とみなす眺培譲の説も恐ら-渇

浩と同じ方向か｡

00

00

5

･

6

〔即日2-3〕小苑試春衣｡高楼依暮曙｡

5

〔梁簡文帝秋夜詩〕緑漂倒雲気｡

青山衝月眉｡

〔李白輿夏十二

登岳陽模詩〕雁引愁心去｡山衝好月来｡

山色

〔謝跳出港曲〕抄抄蒼山色｡

況況寒水披｡

〔張設岳州観

競渡詩〕低装山色撃.

急梓水撃浮｡

〔琴参初至健馬作〕山色軒艦

内｡灘聾枕席間｡

小苑

御苑すなわち皇室所有の庭園｡

小園とは異なる｡

〔漢書

七八斎望之侍〕以射策甲科馬部o署小苑東門候

(師古日｡門候｡

主候時而開閉也)｡〔王維丁寓田家有胎詩

(陰轟小苑城)避殿成

注〕小宛字｡始見漠書斎望之侍｡音質不注地在何虞｡六朝及唐人

詩中多用之｡或謂唐人所柄小苑｡即宜春苑是｡成按｡右丞

(奉和

上巳干望春亭親政詩)長発育門外o宜春小苑東之句｡則不得謂宜

春印小苑夫｡富是指曲江之芙蓉園也｡唐大内有西内苑｡有東内苑｡

有禁苑｡凡三苑｡芙蓉園不及三苑之闘遠｡故謂之小苑｡

一時栴謂

如此｡宜春宮錐在其地.

然不得混指馬

一｡

〔杜甫秋興八首之六〕

花等爽城通御免｡芙蓉小苑入連愁

(九家注

趨云｡芙蓉苑接曲

江)｡

義山詩の小苑の語は'席本で他に四例だが'

少-とも

一つ

は明かに曲江の御苑である｡〔垂柳1-1〕嬉好小苑中｡卿郷曲池東｡

なお所在地が長安以外の場合でも'帝窒王室の御苑を指すこと

は動かぬようである｡

〔南斉書二

一文恵太子樽〕

以曹明帝馬太子

時立西池｡及啓世税引前例｡求東田小苑｡-

(上)見其禰亘華遠｡

壮麗極目｡

於是大愚｡

〔玉董新詠八庚肩書迭別於建興苑相逢詩〕

相逢小苑北｡

停車問苑中o〔温庭箔呉苑行〕小苑有門紅屋開｡

天

練舞蝶倶表同｡濃の詩では呉王園間の御苑をいう.

〔杜甫曲江封雨詩〕城上春雲覆苑勝｡江亭晩包帯年芳｡

春陰

〔梁簡文帝侍遊新亭廠令詩〕沙文浪中積｡春陰江上来｡

〔杜甫悩山詩〕慈竹春陰覆｡香焼暁勢分｡

傍棲

義山以前の用例未見｡

高棲

杜司動77注

(七招集秤稿日本学報五

1筋六

〇六貢)参照｡

金鞍忽散

〔李白猛虎行〕有策不敢犯龍鱗.窓身南国避胡塵｡

賛書玉剣珪高閣｡金鞍駿馬散故人｡

金鞍

〔後漢書志二九輿股上〕降及戦国.蒼僧金地｡別滅穏籍o

蓋恵有害己之語｡競修奇麗之服｡飾以輿馬｡文厨玉楼｡象鋳金鞍｡

以相奪上｡〔玉墓新詠

1馬焦仲卿妻作〕跡濁音駿馬o流蘇金銀鞍.

〔又六張率相逢行〕金鞍瑠璃勤｡

衆観路傍兄｡

〔杜甫厳公仲夏柾

駕草堂詩〕竹裏行厨洗玉盤｡花連立馬族金鞍｡

銀壷滴

水時計は掛売銀箭が正式だったようで､詩語としては

六朝以来

｢金壷｣の方が

一般的である｡

〔杜牧池州造刻漏記〕

某

李義山七律集秤稿

(三)

大和三年｡佐沈吏部江西府｡暇日｡公輿賓吏環城｡見鋼東銀箭｡

律加古法｡日建中時｡

嗣嘗王泉命庭土王易簡馬之｡

〔文選三〇･

玉董新詠六飽照翫月城西門廃車詩〕肴乾酒末映｡金壷啓夕輪｡

〔李白烏棲曲〕銀箭金壷漏水多｡起看秋月墜江披｡東方漸高奈巣

何｡〔戴叔倫早春曲〕博山吹雲龍脳香｡

鍋蓋痛愁更漏長｡

銀壷は

初唐に

一例､〔崖液夜遊詩〕

玉漏銀壷且莫催｡

鏡関金鎮徹明開｡

誰家兄月能閑坐｡何虚聞燈不看来

(初学記四)｡

8

〔杜甫曲江封雨詩〕何時詔此金銀合｡暫酔佳人錦惑傍.

誰家

〔文選二七嘗植白馬篇〕借問誰家子｡

幽井遊侠兄｡

〔玉

墓新詠

一日出東南隅行〕使君達吏往｡

問此誰家殊｡

〔干糖剤南陪

楚備蓄惜落花詩〕黄昏人散東風起｡

吹落誰家明月申.

〔自店易痔

陽春詩〕誰家緑酒歓連夜｡何虞紅模睦失明｡

白玉鈎

薯注はすべて三説o用簾鈎説｡〔朱鶴齢注〕丁仙芝

(良

寧公主菅山池)詩｡(座巻流真筆)簾垂白玉鈎｡〔又補注〕十六圃

春秋｡石虎建邪碍棲｡純用金銀装飾｡懸五色珠簾.白玉鈎帯｡胡

以梅

･眺培謀はもちろんだが'他にもこの詮に従う注稗者がある

ように見える｡

元程の詩にも､

〔酬楽天八月十五夜見寄〕金鳳墓

前波凍藻｡

玉鈎案下影況沢.

㈲蔵鈎詮｡

紀的および鵜浩｡

癖鈎

は既出.無題III注

(七律集樺稿r本学報五三筋六

一四頁)参照｡

㈲酒鈎詮｡

〔迭荏荘往西川39

(好好題詩詠玉鈎)程夢星注〕

漠武

故事｡鈎q]夫人手拳｡帝披其手O得

l玉鈎｡手得展｡故因以雷蔵

鈎之戯｡後人数之｡別有酒鈎｡富欽者以鈎引盃｡詠玉鈎｡即酒鈎

三〇五

東

方

学

報

也｡

･･･集中即日詩｡又有吏酔誰家白玉鈎之句可讃O叉章孝標上局

中王蘭書詩云｡丁香風裏飛腰等o叩竹畑中動酒鈎O北馬局中事茸.

㈲以上のほか'｢玉鈎｣といえば普通は月を指すので､

ここもや

はり月ではないかと考えられる｡

〔迭雀H往西川3

(好好題詩詠

玉鈎)朱鶴齢補注〕陳帆日｡飽層詩｡始見西南棲｡織繊如玉鈎｡

詠玉鈎｡常用此也｡

〔文選三〇飽照翫月城西門廟中詩〕始見西南

榛｡繊織如玉鈎

(李善注

西京雑記｡公孫寒月脱臼｡値囲巌而似

鈎｡蔽情喋如分鏡)宋映東北堀｡娼娼似蛾眉｡蛾眉蔽珠棟｡玉鈎

隔墳窓｡〔虞義秋月詩〕初生似玉鈎｡裁満如国威O〔白居易三月三

月詩〕指鮎棲南玩新月｡玉鈎素手繭織織｡

*

*

*

本詩製作の時期は'2句

｢江問｣の江をどの地を流れる江とす

るかによって説が分れ'蒔浩

(=何煙)が梓州

･大中八年､張采

田が桂州

･大中二年､安徽師大本年表および陳永正は張采田に同

調する｡しかし'いずれにも決定的な根接なしとせざるをえず'

既に記したとおり杜詩をふまえているとみるならば'むしろ曲江

の

｢小苑｣においての作という可能性が強いのではないか｡もし

そうなると､本詩の編年はさらに難し-なる｡

陳永正の様に即日を此日'是日とすれば-

今日は春三月の最

後の日'花

(鬼の時節)も今日の中にあわただし-終ってしまう｡

だが'即日の語にこうした用例はな-'しかもこの詩の時制は明

確に

〝現在形″だから語注仙不日と解するのが自然である｡金聖

24

三〇六

嘆が奇妙に持って廻った説明を加えたのも'

即日の扱いにこまっ

ているせいではなかろうか｡張采田は'あるいは即日を近未来と

理解したのかもしれない｡そこで-

1年かかってやっと開いた

今年の春の森の美しい無数の花々も

'い-らもたたぬまにもうお

しまいになるのだ｡劉丙錫の詩が表現としてやや近い｡

江のみぎわ事のほとりにたたずんで'悲しみに沈み'いつまで

もいつまでもじっと留まる｡もとより花を惜しむのあまりに｡杜

詩でいうならば'｢苑外ノ江東二坐シテ蹄ラズ｣のこころである｡

陳永正は､散りぎわの花をなお重ねて詩に昧じ､そして手に把

ってはみるが--と解しており､それがこれまでの通説かと思わ

れ'花を把ってじいっと見つめるtという杜詩の線に乗る｡しか

し李白や白楽天の例からすれば､｢重吟｣は既製の詩を今

一度吟

ずることだが､それが何なのか特定はできない｡花の詩か､酒の

詩か｡たとえば封酒富歌などであれば'把は把酒'把纏｡｢細把｣

で酒杯をそうっととりあげてはみるものの､となるか｡4句では

っきり花が封象になるので'ここではまだ花が出ない方がよいか

もしれない｡

己落猶関は'地上に落ちてもまだもその姿を保つ花のさま､と

とれぬことはないが'ここは通説どおり'｢寓片どころではない｣

(金聖咲)すでに散り落ちた花'なお僅かに吹きのこる

｢数菜に

もみたぬ｣(同上)花tと解する｡花の落ち花の開-現象に鋭敏

に反臆し異常に執着する義山の表現として'他に

〔臨寄崇譲宅紫

夜警

不先揺落魔馬有｡巳欲別働休更開｡未放愁はよ-分らない

000

o

が'｢如何可放｣(金聖嘆)､｢難放｣(胡以梅)と'

原文にないこ

とばを補わねばうま-通らない放愁-散愁詮に比べて､漏浩など

の放愁-轟愁詮の方がまだしもであろう｡寅にいかんともするな

しなのに'それでも憂愁の極､絶望するまでには至らない｡

5

最後のl聯との関係からしても､聾注にいうように5･6句は

暮景とみるのが膿苫なのだろう｡日が西に傾き､山の影がちょう

どまともにかぶきって来る

｢小苑｣の上｡ただ'山色を山の姿そ

のものと解すれば-

春深まり緑の濃い山の色'それが

｢小苑｣

にひたひたと迫って来る｡季節感が主になり

一日の時間の方は後

方に退く｡陳永正は両見解の折衷｡

｢小苑｣は

｢小園｣が普通名詞なのとちがって固有名詞だが'

特にここの小苑は趨殿成のいう

｢曲江之芙蓉園｣

だとみたい｡曲

ヽ

江のそばに

山があったのか｡地理的にはどうなのかしらないが'

晩唐の詩には

二

一㌧

山がある｡

〔劉冷及第後宴曲江〕琴景露光明

達岸｡晩基山翠墜芳洲｡

〔李洞曲江漁父〕兄孫閑弄雪霜髭｡浪鮎

南山影入槍｡

6

春陰は春の

｢陰雲｣(胡以梅)'春がすみ

･花曇

(唐代長安では

保護できないが)のたぐいでもあろうか｡その春陰が曲江に立ち

ならぶ高楼にただひたすらによりそいたげに覆いかぶさる｡杜甫

の曲江封雨の詩と正に同様の景である｡

7

･8

江のほとりでの宴のあと｡銀の漏壷の絶えまない滴りとと

李義山七律集梓橋

(三)

もに時は早-も移り'馬にきらめ-貰金の鞍置く客たちは忽ち散

ってしまった｡さてこれから

一髄どこの館を訪れ'白玉の鈎にも

見紛わんばかりの明月のもと'なかなかに排いきれない惜春の哀

しみをまざらわすために､さらに酔いを深めたらよいのか｡白玉

鈎は朱鶴齢の簾鈎詮が有力だが､すだれの影のだれか

-女性で

も連想せぬかぎり'｢垂簾而飲｣

(胡以梅)というだけでは物足り

な

い

｡｢更酔｣の目的物としてはやはり

明月の方がよいのではな

い

か

｡

陳永正は結の二句を歌い手白身の思い入れとせず､貴公子

たちの行病の客観措駕とするが'全鰭とそぐわない｡正文に異同

が多少あるが'いずれも底本たる席本のままでよむ｡この詩にも

義山の身世の慨嘆を見ようとする

(挑培謙

･張采田)のは果して

可能だろうか｡

(西村富美子)

富卒少侯211

七図三通未到憂

十三身襲富中侯

不敗金帯地林外

4却惜銀淋在井頭

探樹樽燈珠錯落

繍檀廻枕玉願鍍

富関不報侵農客

富卒少侯

七圃三速

未だ憂いに到らず

十三にして身は襲う

富牢侯

金弾の林外に馳つを収めず

却

って銀林の井頭に在るを惜しむ

採樹

韓燈

珠錯落たり

繍檀

廻枕

玉離鍍たり

苦悶は報ぜず

農を侵す客を

三〇七

東

方

学

報

8新得佳人是莫愁

新に佳人を得たり

是れ莫愁

枚

0

才調集六

･満室律髄四六

(侠少類)

･唐詩鼓吹七

･唐詩品嚢八

八唐詩類苑六七

(文部史類)

喜平少侯

才調集

｢富卒侯｣

5

採

律髄

｢線｣

高麗本校注

｢綜樹

一作緑樹｣

6

檀

才調集

｢裡｣

銀

毛本

｢捜｣

7

不

高麗本

･鼓吹

･品嚢

｢莫｣

稿本芳江

｢莫｣

漏浩本校注

｢一作英｡非｣

報

高麗本

｢道｣

8

是

他本みな

｢字｣

潟浩本校注

｢一作是｣

韻

下卒十八尤

(憂

･鎖

･愁)十九侯

(侯

･頭)同用

*

胡震亨

(疎音類)

呉喬

言襲封｡疑是馬絢｡

何煙

〔讃書記〕此詩刺敬宗｡漠成帝白梅富卒侯家人｡三四｡言多非望

之濫恩｡反折不費之近津｡己蒼

(浦野)云｡猶諺所謂富者不着

三〇

八

(詐本

此刺敬宗詩｡成帝日柄富卒侯家人.落句.輿少年篇聖

息

同｡而較鮭藷.

〇己蒼先生云｡三四｡猶諺折云富者弗著｡第三O

比無嘗横賜｡第四｡則膏揮不下也)0

7

不.

1作美｡按作実字｡方是少侯之意｡作不字.只是闇人臣客

耳

(評本

不｡

一作英｡実字方是少侯倣長者｡不字只闇人放韓

耳)｡

〔評本〕全首只形騎貴賓安｡少字己見｡

-

首句｡只言無兵事｡偏極隠曲｡

5･6

二句皆叙宿虞｡

5

韓燈｡猶背燈也｡

8

倍莫愁字｡輿未到憂相嘩言外｡別所謂無愁有愁也｡

陸鳴東

通首級形容豪景気象｡首句｡是少年遊侠之心｡次句｡言己貴也｡

大抵少年豪貴｡其惰性軽財賛而愛温柔｡故地棄金揮｡而却惜井林

之寒冷也｡五六句｡極形華移｡結言責敬愛起｡梅風流意｡而却罵

得雅滞｡俗手番之｡便不可常夫｡

眺培謙

此寓貴寵之慈癖｡馬荒耽者訊也｡世間無享富貴而

1無所憂之人｡

雄身馬天子｡而七国三通之慮｡不可不存.世之

1無所憂o如富年

少侯｡則有之夫｡第三句｡魔愛惜者不知愛惜也｡第四句｡不必春

江者｡偏努春江也｡五六言其窮蒼極移｡結句｡言聾色以外｡

1切

戸外.可以不問也｡否則所虞愈高｡所憂者嘗愈大｡七団三通之患.

巳到而姶憂之｡豊有及平｡此詩魔作於武宗時｡色荒禽荒之隠慮｡

不敢明言｡而託詠於富卒少侯｡開口七字｡足嘗痛突

一書｡七国｡

峨藩鏡多逆命｡三速.喰同絃吐蕃馬西北患｡語不慮下｡

屈復

天下事未到英人之憂者｡以其自助封侯也｡三｡富惜不悟｡四｡不

富惜而惜也｡五六｡香華｡七｡不交賢士｡八｡漁色也｡不下論断｡

具文見意｡償然

一無知貴介｡縦横紙上｡

紀的

〔詩読下〕何以不取富年少侯也｡日｡太尖無品｡格亦卑卑

(評本

太尖薄)｡

嬬浩

田

(蘭芳)日｡只形容贋貴宴安.少字巳出｡徐

(逢源)日｡此馬

敬宗作｡帝好蒼好猟｡宴遊無産｡賜輿不節｡尤愛纂組願鎮之物｡

硯朝毎皐｡即位之年〇三月戊辰｡軍臣入閣｡旦局猶未坐｡有不任

立而蹄者o事皆見紀侍o漢書｡成帝始馬微行.徒私奴出入郊野o

毎日構富卒侯家人.而敬宗即位｡年方十六｡故以富年少侯爵比｡

不敢顕言耳｡

○浩日｡徐詮是夫｡此異於少将1-8公子831-7詩篇也.

通鑑｡帝宣索左蔵金銀o悉貯内蔵｡以便賜輿.第四句指此｡蘇顎

杜陽雄編｡賛暦二年｡斬東貢舞女二人｡日飛驚軽鳳｡帝琢玉芙蓉

馬歌舞童｡毎歌舞

一曲｡如驚鳳之音｡百烏莫不期集｡歌罷｡令内

人癌之金屋賛帳｡宮中語日｡賛帳香重重｡

一撃紅芙蓉｡結句指此｡

徐氏引郭妃則誤臭｡

○又日｡統観李唐全代｡中葉以後｡河朔既不

李義山七律集粋稿

(三)

可復｡諸藩鎮屡有撞命｡吐蕃廻鴨党項｡先後頻入冠｡蓋内外皆不

寧臭｡而敬宗童昏失徳｡朝野危疑｡故連章

(日高4-3陳後宮41843覚

古3-7)訊刺｡以志隠憂｡此葦首七字｡最宜重看｡

田

(蘭芳)云｡只言無兵事｡偏説得隠曲｡

○按｡七国境藩鏡｡

三通謂外題｡言年少未達知憂也｡

張采田

〔合茎〕此富輿集中少将公子等篇参看｡徐氏謂指数宗p

引漢書成

帝微行｡白稲富卒侯家人事解之｡然細玩詩意｡但詠勤閥｡非指帝

王家也｡徐詮大聖｡

〔非正〕通篇以冷語訊刺｡律詩変格.何得日馬尖薄哉｡

貢侃

此詩刺武宗｡題目富卒少侯｡読解也｡首句輿括漠成帝報許后害意｡

而注家皆不僚｡武宗好併猟｡又寵王才人｡散以成帝比之｡同枕猶

緯枕也｡苦闘謂闇人｡見括叔夜輿山亘源絶交書｡

方同

〔律髄列誤紀批〕此義山集中之下乗｡(方同の批はなし)

都天挺

此言君達陸有誓｡富年少侯何憂哉｡

摩文柄

此詩専言富年少侯富貴気象｡首言七国之反｡三通之擾｡昔年侯徒

享富貴｡何心於憂国郡｡十三歳襲徳富卒侯｡而年最少｡楽不知節O

亦如韓嬉之棄金滞｡好飾鋭床｡皆惜其富也｡至於綜樹之燈｡檀香

三〇九

東

方

学

報

之枕｡会見其富

貴

｡

末聯｡言其貯畜女蛾｡雷門之人｡不必呼門驚

寝｡彼蓋新得美人｡如英愁之美也｡要之巣而不節｡別条極生悲而

巳｡葵足取哉｡

枕以檀香馬之｡飾以玉｡故云玉離鍍O

王清臣

･陸胎典

此言富牢侯少年襲封｡巣不知節｡如韓嬉之棄金揮｡惟南之飾銀林｡

以至珠燈之錯落｡玉枕之離鎖｡皆倍其富貴也｡末言新得佳人如実

愁之美｡而苦闘不敢報客｡是又極形淫楽以訊之耳｡

胡以梅

(貴倖類)

起句｡言侯之興豪｡別無所菱｡惟事遊遊｡以不富憂而憂之｡有

一

種少年飢袴慾致在言外｡第二｡難直蔦其侯耽｡而亦乗用張放之国

威耳｡三四｡言既不収金野｡却肯悟銀床平｡四是反語｡五六｡車

重中珍玩｡珠燈之宣魔｡玉枕之精巧｡枕下郎承新寵｡血泳相通｡

以言少侯之無愁有飴味｡妙在撃借莫愁以結之｡収拾通簾｡此是高

手作法異人虞｡七園｡漠景帝時山東七園｡若用戦国｡則秦在長安｡

非是｡-床者｡或桂欄｡戎作汲水之醸櫨架｡然楽府讐桐生室井行

目｡銀床繋壊櫨｡是架也｡-韓｡旋韓｡鍍落｡歴乱｡離捜｡玲蔑

也｡廻亦有圃特意｡蓋似檀香鎮玉枕｡而以縞馬衣者欺｡句法之変｡

以借

(鮪作)落願捜虚字馬重o則不板葺｡故妙.-莫愁｡美人名.

-今取其名馬不愁耳.

近代注秤

〔森椀南〕上巻八六頁o〔劉君恩〕

1八二頁｡〔安徴師大〕

l七八

三10

京｡〔陳永正〕五二頁｡

*

*

2句の富卒侯を借りて詩題とLtそれがほぼ事茸上の主題とも

なる｡後出の茂陵

･宋玉が似たかたちである｡ただし底本はじ

めほとんどすべてのテキストでは

｢少｣の字が付け加えられてい

るが'才調集本のようにそうでなければtより純粋の借題に近づ

く0少

侯

用例未見だが'

小俣と同義であろう｡

〔顔氏家訓書澄〕

漢明帝紀.馬四姓小侯立撃｡按桓帝加元服｡叉賜四姓及染野小俣

吊｡是知皆外戚也｡明帝時O外戚有突氏郭氏陰氏馬民宿四姓｡謂

之小俣者｡或以年小猿封｡故須立撃耳｡

七国

〔朱鶴齢注〕七園謂漠景時七園.〔文選五二常闇六代論〕

高租封建｡地過古制｡大者跨州乗域｡小者蓮城数十｡上下無別｡

横棒京室｡故有呉楚七国之患｡‥･至於孝景｡狼用鋒之計0割獣諸

侯｡親者怨恨｡疏者震恐｡呉楚唱謀｡五国後風｡兆蚤高硯｡鼻成

文景｡由寛之過制｡

急之不漸故也｡

〔史記

〓

孝景本紀〕三年-

呉王静｡楚王戊｡超王達｡腰西王印｡済南王鮮光｡富川王質｡腰

東王雄渠反.嶺兵西郷｡

〔太史公費〕晃鎗刻創諸侯.

途使七図倶

起｡合

従而西郷｡〔又

一〇一竜錯停〕(鎗父)死十除目｡呉楚七園

果反｡

以諌錯馬名｡〔杜甫入衡州詩〕劇孟七国畏｡馬卿四成長〇

三通

七園が内憂であるのに封Lt外患を指す｡

〔孔紹安結客

少年場行〕若使三通定｡嘗封宮戸侯｡回

〔史記二五律書〕秦二世

00

宿軍無用之地｡連兵於遁陸｡力非弱也｡結怨旬奴｡綻桐於越｡

-

高租有天下｡三通外畔O大国之王.難栴蕃輔.臣節未轟｡･･･歴至

0000

孝文即位o牌軍陳武等議日o南越朝鮮｡自全泰時｡内底質臣子｡

後且擁兵阻陀｡選嬬観望｡･･･宜及士民楽用｡征討逆薫｡以

1封産.

㈲

〔朱鶴齢補注〕小撃紺珠｡三通｡幽井涼三州也｡後漢書｡鮮卑

冠三速.〔後漢書八震帝紀〕(京平)六年-鮮卑蓮三通

(江

謂東

西輿北遁)

｡〔又鮮卑列侍八〇〕蛋帝立｡幽井涼三州縁遠諸郡｡無

歳不被鮮卑冠抄｡-

(素平)五年｡鮮卑冠幽州｡六年夏｡鮮卑冠

三通｡秋｡夏育上言｡鮮卑遼遠｡自春以来｡三十飴登.

回㈲両説どちらをとるべきか､などというのは三江五湖の名

をきちんと定めようとするのと同様おろかなことである｡任二北

『敦燈曲初探』にいう｡｢呉世昌

『敦煙巻季布罵陣詞文考秤』内､

揮

『四人

(猶四民)巣業三速静』句'引李商隠

『富年少侯』詩

『七閥三通未到憂』､謂唐人習語｡-唐詩有太宗之

『執契静三速』'

李崎

(刀詩)之

『特撮定三通』､

雀淀

(折楊柳詩)之

『三速戊不

還』'顧況

(従軍行)之

『佼剣出門去'三通正数厄』'王昌齢

(代

扶風主人答詩)之

『三通悉如此'

否泰亦須観』､瞭然

(従軍行)

之

『三通羽微分』､･･･誠巌唐人習語｡｣(

四二三頁)

未到憂

ここは謹みに-い｡およそ四詮がある｡伽胡以梅およ

び挑培謙の

｢未ダ到ラザルニ憂り｣

とよむ詮｡胡は貴公子があり

もしない反乱の影にさえおびえると解し､桃は天子たるものなら

ば富然の義務と解する｡森椀南は桃のよみ方を否定する｡㈲屈復

李義山七律集梓稿

(三)

のよみでは

｢末ダ其ノ人ノ憂

二到ラズ｣となる｡㈲嬬浩さらに張

相

(語酎匪粋四)の

｢到｣を

｢知｣に置きかえる詮｡森

･安徽師

大

･陳永正が同調｡㈲責侃の'内外ともに安定しているから

｢憂

ウル二足ラズ｣とよむ詮｡〔漢書九七下許皇后侍〕(成帝)於是采

劉向谷永之言以報日-諸侯拘迫漠制｡牧相執持之也｡叉安獲奔遊

00

七回之難｡･･･何奴夷秋｡非有冒頓邦文之倫也｡方外内郷｡百轡賓

000

服｡殊俗慕義｡八州懐徳｡雄使其懐挟邪意｡猶不足憂｡又況其無

平｡漠

の昭帝のとき富卒侯となった張安世の子孫で､成帝の寵臣だ

った張放を指すとされる｡〔漢書五九張湯侍〕(張)臨倍散武公王

(顔師古庄

元帝妹也)｡亮｡子放嗣｡鴻嘉中｡上欲遵武帝故事｡

輿近臣瀞宴.放以公圭子開敏得幸｡放歌皇后弟卒恩侯許嘉女｡上

馬放供張｡賜甲第｡充以乗輿服飾｡洗馬天子取婦｡皇后嫁女｡大

官私署並供其第｡雨宮使者冠蓋不絶｡賞賜以千常数.放馬侍中中

郎将｡監平楽屯兵｡置莫府｡儀比将軍.輿上臥起｡寵愛殊絶｡-

丞相

(帝)宣御史大夫

(翠)方進奏｡放矯楚縦次心o奮淫不制｡

･･･

矯逸惇理｡輿背畔無異｡臣子之意｡莫大於是｡不宜宿衛在位｡

-

成帝崩｡放思慕突泣而死｡〔費目〕漠興以来｡

侯者百数｡保岡持

寵｡末有若喜平者也｡

何煙その他のように時の皇帝を暗示するとみる立場をとれば'

さらに

〔漢書二七中之上五行志〕成帝時童謡日｡燕燕尾渡海｡張

公子｡時相見｡木門倉浪板｡燕飛乗｡啄皇孫｡皇孫死｡燕啄矢｡

三二

東

方

学

報

其後帝馬微行出遊｡常輿富卒侯張放供｡栴富卒侯家人o過陽阿主

作楽｡見舞者逝飛燕而幸之｡故日燕燕尾挺挺｡美好貌也｡張公子

謂富卒侯也｡同じ-漢書九七下趨后侍および玉重新詠九にもこの

歌謡の記載あり｡

十三

〔嬬浩注〕放之嗣爵｡漢書不善其年｡此云十三何披｡家

請

(冠頒篇)周成王年十有三而嗣立｡疑其影用之｡

身襲

〔文選四四陳琳馬衰紹激務州〕(曹操)身虞三公之位.

而行巽虜之態｡汗国虐民｡毒施人鬼｡〔又四五東方朔答客難〕(蘇

秦張儀)身虞等位｡

珍賛充内｡

外有倉廉｡〔又四六任防王文意集

序〕年六歳｡襲封像寧侯｡

吾平

〔漢書二八上地理志〕平原郡

(原注

高帝置｡葬日河中｡

慮青州)｡願十九｡富卒

(原注

侯園｡葬日巣安亭)0

漠の武帝の寵臣韓鵜の故事｡

〔漢書九三慶事韓嬉侍〕善騎射｡

聴慧｡‥･常輿上共臥起｡江都王入朝｡従上猟上林中｡天子車駕建

造未行｡先便嬉粟副車｡社数十百騎馳親獣｡江都王望見｡以馬天

子｡群従者.伏謁道勇｡嬉張不見｡既過｡江都王怒

(史記の慶事

列侍も同文)｡

〔西京雑記四〕韓嬉好弾｡常以金満丸｡所失着日有

十飴｡長安馬之語日｡苦磯寒｡逐弾丸｡京師鬼童.毎聞婿出揮｡

抑随之.望丸之所落軌拾蔦.

金弾

〔騎賓王鳴音篇〕且知無玉供｡誰肯逐金丸｡金丸玉顔盛

繁華｡自言軽侮季倫家｡

〔王建宮詞〕鴛鳶瓦上瞥然馨｡蓋寝宮城

夢裏驚｡元是我王金輝子｡

海業花下打流驚｡

〔柳中庸春思購入〕

三一二

落雁驚金滞｡地杯潟玉紅｡

林外

〔詩魯頒朋〕耶嗣牡馬｡在桐之野

(侍

桐｡遠野也｡邑

外日郊｡郊外日野o

野外日林.林外日桐).爾雅搾地篇も毛侍と

ほぼおなじ｡

〔王延齢秋膏讃書賦〕哀鴻啓啓令室際遠｡墜葉紛紛

今林外囲｡

銀淋

〔菅排舞歌詩准南王篇〕港南王｡白言等｡百尺高楼輿天

連｡後園整井銀作林｡金瓶素紋汲寒奨

(末書二二巣志)｡

Ⅲより

古い詮では井桁｡〔那天挺江〕鍛林｡井欄也｡〔能改賓漫録六鋭床

修〕杜子美謁玄元廟詩.風争吹玉枝.露井凍銀床.清子寅詩話｡

以社用曹史楽志准南王篇｡-潜引此未轟也｡按山海経

(海内西

醍)日｡海内昆寄嘘｡在西北｡帝之下都｡高宮傍｡面有九井｡以

玉馬塩O郭瑛注目O櫨o関也｡故梁簡文筆桐生室井詩云｡銀床繋

醸櫨｡庚肩書九日詩云｡鎖床落井桐｡蘇味道井詩｡澄徹潟銀床｡

陸亀蒙井上桐詩｡濁立傍銀床｡碧梧風嫉妬｡蓋銀床者｡以銀作閑｡

猶山海経所謂以玉馬塩耳｡

〔李賀後閑整井歌〕井上焼壕淋上特｡

示馨繁｡絃聾洩

(王埼注

贋韻｡壊櫨.囲韓木也｡今井上囲木再｡

純懸汲器｡以取水者是｡林o井欄也.絃｡

即汲水之縄)｡

闇より

新しい説では井戸の轄櫨かけ｡

〔周所名義考

〓

1金井銀床備〕

銀

床亦非井欄｡蓋暁焼栗也｡-日銀者｡封金而言｡或其色白也｡朱

鶴齢

(桃培謙

･程夢星も)は漫録および名義考南詮を並拳へいず

れともいわない｡胡以梅

･徐陸合解

･屈復

･渇浩は新設｡蘇味道

の井詩は第二句で'起句は玲瀧映玉鑑

(初学記七)｡簡文帝や李

賀の用例などからしても､ろ-ろかけと考える方が理にかなうよ

うではある｡近代諸法もおおむね新説｡

井頭

用例未見｡

5

･

6

貴人の寝所における著移逸楽の調度の拓馬にちがいないが'

それらの茸髄はいまひとつさだかでない｡

5

｢燈輪｣ないしは

｢百枝燈樹｣に形状の類似した燈燭か｡〔朝

野愈戟〕唐香宗先天二年正月十四十五十六夜｡干京師安一指門外｡

作燈輪高二十丈｡被以錦緒｡飾以金銀｡燃五寓蓋燈｡倶竪之如花

樹

(贋記二三六唐容宗修)｡〔張詮十五日夜御前□競踏歌詞二首之

二〕西域燈輪千影合｡

東華金閑寓重開｡

〔鼓吹都天挺注〕開元造

00

事｡楊圃忠姉妹｡上元夜｡置百枝燈樹｡輪韓無休｡ただし顧氏文

房小説本ではやや字句が異なる｡〔開元天質遺草下百枝燈樹候〕

韓国夫人置百枝燈樹｡高八十尺｡竪之高山｡上元夜勤之｡百里皆

見｡光明奪月色也｡それとも

｢走馬燈｣のようなものか｡

綜樹

〔王冷然蘇合

山戚〕縦天台揖起而陵霞｡太華創成而侵

漠.雑菌俊之奇特｡非四座之柴親.山豆若義山姐豆之間｡装綜樹而

形締｡薙紅花而色斑｡

轄燈

用例未見｡

廻燈ならば､

〔玉墓新詠

一〇戴貴詠欲限詩〕

排枕真紅把｡

廻燈復解衣｡

〔自居易酬微之開折新桂初畢相報末聯

見戯之作〕報我桂成秋望月｡把君詩語夜廻燈｡

錯落

〔文選

一班固西都賦〕昭陽特盛｡隆乎孝成｡屋不呈材｡

聴不露形｡衰以藻繍｡絡以輪連｡随侯明月｡錯落其問｡金鉱衝壁｡

李義山七律集梓橋

(三)

是馬列鏡｡輩翠火葬｡流混合英

(李書法

漢書日｡孝成遭皇后弟

絶幸｡馬昭儀｡屠昭陽合｡其壁帯往往馬黄金紅0両藍田望.明珠

翠羽飾之).〔衛恒四健吾勢

･隷書〕修短相副｡異能同勢.香華曜

馨｡離而不絶｡繊波濃艶｡錯落其間

(青書三六衛確侍)｡〔江滝丹

砂可撃賦〕既而瞭碧垂之錯落｡耀金宮之瀧玲｡幻蓮花於繍閲｡化

蒲葡於錦昇｡

〔李白答王十二寒夜猪酌有懐詩〕

孤月冶浪河漠清｡

北斗錯落長庚明｡

-句と同様に特殊な枕なのかもしれない｡

〔別圃洞冥記四〕

東

方朔日o臣小暗｡掘井陥落地下数十年.-其国人皆織珠寓業O

遊

臣入雲瑞之幕｡設玄眠離枕｡刻黒玉鋼｡鍍馬日月雲雷之状｡亦日

績雲枕.〔虞徳紳異録〕有海外圃貢重明枕o長

一尺二寸｡高六寸｡

潔白類於水精｡中有榛塞之形｡四面有十道士｡持香執簡｡循環無

巳o謂之行道真人｡其鐘木丹青｡真人之首管板｡無不悉具.偽通

豊蔦

(虞記四〇四重明枕修)｡

重明枕のことは元和八年大珍国の

貢物として杜陽雄編中にも見える｡

繍檀

錦揃をカバーにした(胡以梅

･森)のではな-､美しい彫

りのある榎木

(の枕)｡〔文選三

一飽周代君子有所思行〕楠宝結飛

霞｡碇題柄行月

(李善注

西京戚日｡離櫨玉島｡繍柄雲楯)

｡〔又

二張衡西京戚〕離楓玉嘱｡繍摘要楯

(帝綜注

柄｡斗也｡楯｡梁

也｡皆雲気重如締也｡書目｡王褒甘泉頚日｡采雲気以馬楯)｡〔新

論適才〕繍戸洞房｡則蓑不知蓑｡

被雪休雨｡

則装不及蓑｡〔王塀

美女篇〕桂横板閣木蘭堂｡

繍戸願軒文杏梁｡

〔洛陽伽藍記

一永寧

三1三

東

方

撃

報

専修〕輝土木之功.窮造形之巧｡

-繍桂金輔｡舷人心目｡〔棟徳

輿相思曲〕髄語臨赦鏡.花飛落繍林.

〔徐陸中婦織流黄詩〕帯杉行障口｡寛釧枕檀追｡

練檀

〔粋名粋衣服〕裡衣｡被｡坦也｡坦然正白｡無文采也｡

〔論文八上〕蓑｡丹穀衣也.仇

衣嘉馨

(段注

穀｡細網也｡庸風O

盛合瑳今｡英之展也｡毛詩樽｡

穫有展衣者｡以丹穀馬衣｡馬融従

之｡許詮同｡先後鄭注周蔵｡及劉氏秤名｡皆云｡展表白｡後鄭云｡

展衣以樽見王及賓客之服｡字濫作襖｡績之言直｡蚕｡誠也｡按詩

周檀作展｡臣借字也｡玉藻裸記作襖.後鄭従之｡許作表｡漠檀家

文字不同如此)｡従って才調集本の裾に作るのは誤りであろう｡

廻枕

‖枕の形状とすれば'回

〔鼓吹亦天挺注〕枕有糠櫨形｡

故云同枕也｡都注の意はおそら-

｢囲枕｣すなわち坊主枕のたぐ

いか｡㈲さらに何らか特殊な構造を持つものか｡

日枕に封しての

行馬とすれば'回

｢韓枕｣すなわち枕をこ

ろがして向きを襲える

ことか｡〔自店畠暁寝詩〕韓枕重安濃｡同頭

1欠伸o〔叉陸覚詩〕

樽枕頻伸書帳下｡

披蓑箕据火櫨前｡㈲ま-らべをめぐる｡〔司重

囲華下二首之

一〕五吏個帳同孤枕｡猶自残燈照落花｡黄侃の

｢蓮

枕｣とはこの意味であろうか｡

離鍵

〔文選六左思貌都戚〕木無彫鍵｡土無餅錦

(劉淵林注

妻子春秋日｡明堂之制O下之湿潤｡不能及也｡上之寒暑.不能入

也｡土事不文｡木事不鐘｡示民知節也｡-爾雅日｡鐘｡鍍也)｡

〔爾雅揮器〕鐘.鍵也

(郭荘

刻鎮物馬鍍)｡

7

三1四

類例が義山にいまひとつ

〔国胎畏之三首之

11-6〕清時無事奏明

光｡不遣嘗開報早霜｡

常闇

〔文選四三種康輿山喜源絶交書〕臥喜晩起｡而富閲呼之

不置｡

一不堪也

(李善江

東観漠記日｡汝郁再徴｡載病詣公車｡

侍書勅郁自力受弄｡郁粟拳白衣詣止車門｡墓遣両賞開扶郁｡入井

部中)(文選集注八八

秒日｡東親漠記云｡富関｡卒名也｡古老｡

臣欲朝時｡富閲卒呼之｡今言呼我不肯置也.音決｡嘉新作許意反｡

下同｡張銑日｡漠置嘗関之職｡欲暁郎至門呼人使起｡言康暁起馬

吏呼之不放也｡置｡放也｡陸書経日｡富関｡

主関間者｡諸門平

八卒?)｡置｡上

人止?)也｡

呼之不止也)

｡

〔劉高錫酬令狐相公

寄賀遥拝之什〕遮過二紀重薦廊o洛下造分列宿光｡不見富関呼早

起｡曾無侍史輿焚香｡

億農

〔元模古決絶詞〕虹橋薄夜成｡龍駕侵農列｡

佳人

〔漢書九七上外戚李夫人侍〕

(李延年)歌日｡

北方有佳

人｡絶世而掲立｡

一顧傾入城｡再顧傾入園｡寧不知傾城輿傾園｡

佳人難再得.玉塞新詠

一にも

｢李延年歌詩｣

として載せる｡

莫愁

玉憂新詠九冒頭の

｢歌尉｣に

｢河中之水向東流'洛陽女

見名実愁｣と歌われる慮家の莫愁｡石城の莫愁とは異なる｡前者

が貴女なのに射し後者は港町の女といったところ｡集秤稿‖無題

(重悼深下)3-7庄

(本学報五三朋六五七頁)参照｡

*

*

*

唐詩鼓吹の江降着が漠の富卒侯張放のことをとりあげた味古の

作としているほかは'諸説ほぼ

一致して苗代の訊刺をよみこむ｡

訊刺の封象は､

Al貴公子

屈復

･張采田

･安徽師大

･陳永正

丸.令狐絢

呉喬

Bl敬宗

何煙

･滴浩

･森椀南

･劉若愚

cQN武宗

桃培謙

･貰侃

張および安徽師大は不編年だが､渇浩は賛暦元年

(八二五)義山

十三歳に係ける｡しかし何煙-嬬浩の敬宗説の危うさは以下の二

割によって明らかである｡Ⅲ正面から封立する武宗論の存在.ち

とより武宗詮白魔も散宗詮と相討ちで'撃方とも主観性が強い｡

㈲十七歳以前の義山は師の堂叔の薫陶を受けて古文古詩主義者で

あ

ったはずで

(補編

11｢請慮偽書撰政庭土姑痕李某誌文状｣文

集七

｢契南甲集序｣

参照)､

少年期にこのような華麗で技巧的な

律詩を書いていたとは到底考えられない｡ともか-封象の特定は

きわめて困難であり､Al詮がまだしも妥富のようだけれども､さ

らにいえば訊刺よりも貴公子の生活の豪蒼の嘆賞に措寓の力鮎が

あるように見え'｢豪貴ノ気象ヲ形容シ｣｢篤シ得テ雅揮｣という

陸鳴泉

(および胡以梅)のよみ方がむしろ嘗

っているのではない

か｡

l

･2

内には七つの叛園を抱え'外には三方から爽秋の侵攻､わ

が王朝の願覆せんばかりの危機も御嘗人の眼中にはとんと入らぬ

まま､おん年わづか十三の身で､由緒ある富卒侯の爵位を襲名さ

李義山七律集梓稿

(三)

れたのである｡

未到菱は､比較的無難と思われる屈復の解粋に従う｡渇浩は2

句の十三の典接を周の成王に求めるが'三が数字のなかで唯

一の

卒字だから'韻律の関係で用いただけのことであろう｡

3

･

4

さてこの富卒侯園の若殿は猟がお好きで'まちの郊外さら

こがね

にはるかな森のかなたまで毎日のように出かけては､黄

金

づ

-り

の弾丸を石弓で打ち散らしたまま同放しようともせぬ｡ところが'

しろがね

お館の井戸端にある釣瓶の機櫨うけが白

銀

な

のをふと目にすると'

むだなことけしからぬと惜しがるのである｡

4句'胡以梅は

｢反語｣｡

却

ッテ惜シマンヤ'とよむ｡だ

が

'

別あつらえの金弾は惜しまず'先租代々の館の造作は勿髄なが

るt

というちぐはぐの方がも

っとおもしろい｡張相

(語離匪秤

l)は

この個所を例詔として却に

｢蓋也｣と訓を輿えるが納得できない｡

却を豊と置きかえずとも､この句を反語によむことは可能｡

5

･

6

ここにいう燈と枕が

一億どのようなものなのか分らぬまま'

強いて解秤するならば1

色とりどりの花の咲きみだれる樹木に

まがう同韓燈'まるで無数の真珠がきらきらきらめ-ようだ｡ま

るで玉の彫刻かと思わせるほど細密美麗にはりこまれた檀木製の

ぐるぐるまわる枕｡

5句の珠ノ錯落タルのが燈の形容ならば､6句の玉離鍍も富然

枕の形容で､玉が枕の材質ではないはず｡磨文柄

･胡以梅の解は

おかし-､劉若愚説

(elaboratecarvingslikejade)がよい｡な

三

一五

東

方

撃

報

お律髄が裸を線に'毛木が鍵を捜に作るのはいずれもあやまりで

あろう｡

7

･8

賓を毒した寝所におたのしみの若殿には'門番も心得たも

ので朝っぱらからの客は取りつぎもいたさぬ｡なにせその'手に

入れられたばかりの美人'これぞ莫愁-

世の憂愁はなべて無し

-

なのだから｡

富関は字義どおりには御所の門衛のようなので'皇帝訊刺詮に

は有利な材料｡しかしこ

こは明かに私人の使用人だ｡7句の不を

鼓吹その他は英に作り'

何煙は後者をよしとするがどうか｡また

高麗本が報を道に作るのは非｡8句の是はあえて底本のままとす

る｡

(横山

弘)

銀河吹笠2-9

帳望銀河吹玉笠

検案院冷接平明

重会幽夢他年断

4別樹鵡雌昨夜驚

月謝故香因雨蟹

風簾残燭隔霜清

不須浪作梶山意

8湘恋秦篇白有情

銀河吹笠

銀河を慣望して

玉笠を吹-

桂は寒-院は冷かにして

平明に接す

重会の幽夢

他年断え

別樹の窺雌

昨夜驚-

月謝の故香

雨に因りて敬し

風簾の残燭

霜を隔てて清し

浪りに鍛山の意を作すを須いず

湘家秦策

自ずと情有り

三1六

校

0

才詞集六

唐詩類苑六六

(楽部笠類)

2

塞

徐陸合

解

｢高｣

5

樹

高麗本

｢桂｣

登

高麗本

｢轟｣

萌

下平十二庚

(笠

･明

･驚)十四清

(清

･情)同用

*

摘班

(二滴許閲才調集)

鈍吟云｡未解｡

呉喬

此必悼亡王氏之作｡

朱

葬

専

疑此詩是昧吹笠｡銀河二字｡乃因笠而誤入耳｡

○吹筆者番王子｡

篇家則皆仙姫o意白可想｡

1

吹笠人之態｡

2

地｡

〇時｡

3

･4

万夢他年事.因笠鷺断.而嘆易暁.

5

･

6

此聯従第二句末｡

何煙

〔議書記〕未詳

(評本

本備なし)｡

〔許本〕自咲有仙才而其遇不如人也｡猶言王好竿而君致家耳o

O

接平明｡言徒然徹夜不森也｡

○悼亡｡

○領聯｡承恨望｡腹聯｡承

寒冷｡

〇第四｡言不唯難干感動｡井己預遠也｡第五｡未解｡

徐徳私

此侶吹笠以寓悼亡之意｡第二句｡言時婿暁.故接以断夢驚禽南句｡

他年字開｡昨夜字合也｡第五六句｡寓斎宏之景｡而出句虚寓｡亦

是開｡封句茸篤｡亦是合｡結聯収韓首句｡言遊仙虚寂｡豊若舜妃

之零

秦模之静｡自有夫揖之情平｡此輿促漏篇望

息可相混.報章

句｡

亦可影附七裏｡

但玩其香換夕雫

及南塘蒲結語気｡

則非央

(集樺稿33本学報五四掛四二三頁参照)｡又輿雷句有封篇3-0可混｡

但彼起承句意｡則又不合臭｡惟此嘗作悼亡解｡而詞気揮雅｡非俗

調断髄馬也｡

挑培謙

此悼亡之詞｡故以銀河吹笹託意｡棲高院冷｡恨望銀河｡断幽夢於

他年｡驚鶴雌於昨夜｡吹笹亦聯以寄愁耳｡乃幽夢雄断｡而月樹之

故香如在｡嶺雌己散｡而風簾之残燭猶明｡倫精霊之相感.吾知湘

家秦篇.自首廠和｡蓋必以旗山路鶴馬巣哉｡

屈復

二

一｡恨望至暁〇三四.相恩｡五六｡模寒院冷景況｡七八｡決絶

之詞｡即子不我恩｡豊無他人意｡

程夢星

此亦馬女冠而作｡銀河馬織女衆合之期｡吹箪馬子晋得仙之事.故

李義山七律集揮稿

(三)

以銀河吹箪命題｡起句o捕其情也O次句｡思其地也｡三四｡承起

句｡叙其慣望之事也｡五六｡承次句｡叙其寒冷之景也｡七八｡謂

其入道不知通人｡浪作梶山駕鶴之想｡何似湘塞之病魔妃｡秦棲之

嫁青史邪｡

紀的

〔詩詮補録〕何以不取銀河吹笠也｡日｡題小家気｡若伐製此題以

馬韻致｡則下劣詩魔臭｡中二聯中頭

(評本

題太織俗｡通首亦浮

馨多而切響少｡彼此

一路入手｡最害事｡

○中二聯中頭)｡

璃浩

上四句｡言重裏幽夢｡徒隔他年｡蔑緒離情｡難禁昨夜｡是以未及

平明｡而起望銀河｡吹笠遣悶也｡絶因不肯遁赦｡易令人迷｡賑山｡

専言仙境｡湘惑秦爺｡別条有夫妻之縁者｡輿銀河臆｡此必昧女冠｡

非悼亡失｡

取首四字馬題｡非有誤｡

張采田

〔合隻〕此在京聞女冠吹笠而根鰯黄門之感也｡首句｡破題｡次句｡

鮎在京中｡二聯｡正意｡乗寓徹夜無限之景｡結言尻腰情深｡不須

浪作仙情艶想也｡取首句標題｡亦無題之類｡紀氏讃其繊俗｡太苛｡

〔班正〕此種詩語蔑意深｡全在紳味｡皆義山狗創之健｡自乗無人

聾歩｡西尾不必論也｡即有中毒親命者｡此乃致法之不善｡輿義山

無関｡紀氏因此

一路害事｡便欲抹倒古人｡多見其不目量臭｡中聯

中頭｡是唐人薯法｡

○模寒院冷｡似指在京宮親｡蓋女冠多国京師

三一七

東

方

撃

報

也｡此詩悼亡後作｡富在大中十年随仲郡由梓還朝時也｡

○此篇蓋

義山悼亡後聞女冠吹笠而梶嫡黄門之感也｡首句｡破題｡次句｡寓

徹夜不眠之景｡中二聯｡正意輿錦忘篇1此情追憶相同o結二句.

則謂炭層情深O不欲浪作仙情艶憩也.如此解之｡通篇融治夫｡銀

河吹笠｡紙取首句四字標目｡亦無題之類.原無深意｡何閑雅俗｡

紀氏不味通篇命意｡坐以浮啓二字之評｡崖不謬裁｡

茸侃

耽首句中四字馬題｡茸無題之健也o程以馬亦刺女冠｡末誹｡細審

其意｡蓋干求不達而自慰之詞｡首二句言白魔卑寂.雄途聞墾響｡

惟有帳望而巳｡三句言往好不可復尋.四句言放況益馬無煙｡五句

言琶茄依稀可記｡六句言官夜凄狗堪悲｡七八句言撃緩不得｡則亦

別求所以白愚之道｡湘諜秦第0動心娯耳｡不必嵩高仙楽｡始可巣

魂也｡

胡以梅

(器物類)

銀河是両星隔河難相接之謂｡徒聞其吹笠而恨望｡以致楼寒院冷｡

直至天明.重蓑之夢.昔年久断｡別樹之雌｡昨夜聞驚｡雨敬故香｡

動皆目之思｡霜前残燭｡歎今智之寂｡爾吹笠者｡不須猛浪作意登

仙｡遠離憐愛.如湘塞之恵｡弄玉之爺｡皆成四隅｡男有

1種情思.

笹豊満無心平｡此詩全似艶情｡謂所歓之酢｡然日重会.日嘱雌｡

日湘意秦静｡其意太洩.反是托言.謂富路者不接引.基羨其馨聞

耳｡幽夢他年｡言従前原有交契.鴇雌日比謙節.敬故香｡欲偽全

嘗好.隔清霜.言冷淡相阻.鹸山言集馬仙凡之遠｡

湘窟泰静.求

三

1八

其好合也｡

近代注粋

〔劉君恩〕二〇七頁｡

*

*

詩題がやや奇抜に見え､朱葬等はあやまりかと疑うが'鳩

･張

および葺侃の指摘するとおり'首句から四字を選びとった借題で

ある｡従

って題の意義を穿整しても始まらないのだが'義山には

他に同型の句があり'〔七月二十八日夜奥王鄭二秀才聴雨後夢作

68〕逸巡又過瀞湘南｡雨打渦霧五十絃｡これらはともに李賀の詩

の二つの表現をふまえているとみられる｡〔天上謡〕天河夜韓漂

廻星｡銀浦流雲撃水聾｡

〔秦王飲酒〕金槽琵琶夜板張｡

洞庭雨脚

来吹笹｡とすれば'義山はおそらくいささかウイットをきかせて

ヽヽ

｢銀河

笠ヲ吹ク｣とよませるつもりなので､劉若愚が詩題まで

"PtayingthePan･pipesunderthe

SitverRiver"と課してし

ま

ったのはまずいのではないか｡

帳望

文選の語｡唐詩でも常語｡碧城三首之二1-2注

(集樺稿日

本学報五四研四〇三頁)参照｡

〔鏡起迭征雁詩〕恨望造天外｡

郷

愁満目生｡〔李遠矢鶴詩〕碧落有情魔恨望｡

青天無路可追尋｡義

山詩に頻用'十例｡

銀河

〔纂要〕天河謂之天漠｡亦日雲漠o星漠.河漠｡清演｡銀漢.天

津｡漢津｡洩河O銀河｡緯河｡

(初学記

一天部天｡属国翰は本書を顔延

之撰とする)｡〔江線内殿賦新詩〕織女今夕渡銀河｡首見新秋停玉

2棲｡〔戴叔倫織女詞〕難得相逢容易別｡

銀河寧似妾愁深｡両者を

へだてるものとしての天河は義山詩で他に

〔辛未七夕1-0〕恐是仙

家好別離｡政教追返作任期｡由来碧落鋭河畔｡可要金風玉露時｡

〔代鷹

2-2〕本来鋭漠是紅聴｡隔得鹿家自玉堂｡

吹玉笠

伽直接王子喬の話

(7句継山

の注参照)に結

ぶ例｡

〔劉孝威奉和簡文帝太子鷹合詩〕園椅随金軽｡

浮丘侍玉笠｡

〔宋

之問王子喬詩〕白虎拓琵鳳吹笠O

乗騎雲気吸日精｡

〔陳子昂途中

捺二三真人序〕玉笠吟鳳｡寛衣駐鶴｡方且迷軒韓之駕｡期汗漫之

遊｡

㈲

1般的に仙人の行馬を連想させる例｡

〔郎士元聴鄭家吹墾

詩〕鳳吹馨如隔採霞｡不知増外是誰家｡重門深鎮無尋虞｡疑有碧

桃千樹花｡〔杜甫八哀詩

･厳武〕堂上指国憲｡軍申吹玉笠｡〔湿庭

埼胎張錬師詩〕丹蘇葉轟愛金骨.清洛月塞吹玉笠.闇女

(価)の

行馬である例o〔嘗植仙人篇〕湘蛾肘窓琴｡秦

(重文四十二作素)

女吹笠等

(官業鐙辞五)｡〔梁武帝鳳箪曲〕線耀起碧彫培笹｡朱唇

玉指撃鳳鳴｡

〔畢曜情人玉清歌〕洛陽有人名玉清｡

可憐玉清如英

名｡･･･珠馬雷｡玉露樫｡臨春風｡吹玉笹｡

〔王建宮詞〕小随阿姉

嬰吹笠｡見好君王賜輿名｡

積寒

〔騎賓王軍中行路難哲

但使封侯龍額軍

記随中婦鳳模

寒｡院

冷

用例未見｡

平明

〔有子哀公〕君昧爽而櫛冠｡平明而聴朝｡

一物不渡乱之

端也｡

〔文選三〇謝挑戦朝雨詩〕卒明撮衣坐｡

重門衛未開

(李善

李義山七律集搾稿

(三)

注

楚節∧九歎逢紛>日o平明寄合蒼梧)｡〔王昌齢長信宮詞五首

之三〕奉帯平明秋殿開｡

且将圃扇暫俳同｡

〔又迭劉十五之郡詩〕

卒明江霧寒｡客馬江上蚤｡

〔昨日3-9〕卒明鐘後更何事｡

笑椅勝連

梅樹花

(集樺稿日本学報五四唐四三三頁参照)

0

重蓑

〔文選二四陸機胎備蓄邸顧彦先二首之

1〕朝遊忘産額｡

夕息憶重会

(李善注

軽羽｡扇也)

｡〔玉垂新詠八劉孝威郡願遇見

入織率爾寄婦詩〕猫眠置白難｡

重会猪党案｡

〔温庭務春日偶作〕

夜間猛雨判花轟｡寒憩重義党夢多.

幽夢

〔王維東渓翫月詩〕清燈入幽夢｡破影抱茎轡

(唐文粋

一

六下では王昌齢の作とする)｡〔韓愈答張徹詩〕荒餐茄瞭盛｡幽夢

感湘雷qo〔元償夢昔時詩〕聞薗結幽夢｡

此夢誰人知.

義山にあと

0〇

一例､〔聴従見聞之3-8〕慣望人間寓事達｡私書幽夢約忘磯｡

他年

用過去を指す場合｡

〔杜甫徒章二明府績虞頁錦竹詩〕

華

軒話語他年到｡

錦竹亭亭出願高

(九家注

他年則

一二年前也)0

〔又千秋節有感二首之二〕聖主他年貴｡遠心此日算

(九家注

上

旬追言明皇之昔日)｡

義山では

〔街西池館28〕自閉他年別｡

朱門

此夜過o

榔未来を指す場合.〔左停成公十三年〕秋O

負虜殺其大

子而自立也｡諸侯乃請討之｡晋

人以其役之努｡

請侠他年｡

〔李白

金陵歌迭別掲宣〕迭爾長江寓里心｡

他年来訪南山胎｡

〔又賂従弟

列詩〕他年爾相訪｡知我在楢漠｡義山では

〔高松412〕上薬終相待0

他年訪伏亀｡

別樹

〔洛陽伽藍記四城西〕

(法要

)

寺北有侍中備蓄令臨准王

三

一九

東

方

学

報

或宅｡

･･･或性愛林泉｡又重賓客｡至於春風扇換｡花樹如錦o農食

商館O夜遊後園｡･･･剃州秀才張表装馬五言.有清抜之旬云O異林

花共色｡別樹鳥同馨｡或以蚊龍錦賜之｡

覇雌

〔文選三四枚乗七饗〕龍門之桐.高百尺而無枝｡

-朝則

鵡黄鵠鳴鳴蔦｡暮則覇雌迷鳥宿駕｡

〔玉董新詠六王僧掃何生姫人

有怨詩〕寒樹棲罵雌｡月映風復吹｡逐臣輿棄妾｡零落心可知.･･･

同会成楚越｡異国非此離｡

〔韓愈蹄彰城詩〕蹄釆戎馬問｡驚願似

寵雌｡義山にいま

1例

〔題鷲1-3〕郡解格心憐孔翠｡窺雌長共政雄

分｡昨

夜

〔玉茎新詠七粛紀和湘東王夜夢魔令詩〕昨夜夢君蹄.鰻

妾下鳴機｡

〔庚信詠喜界風詩二十四首之三〕咋夜烏馨春｡驚聞動

四郷

(許逸民枚注

聞｡類衆作暗｡初学記｡朱本並作鳴)｡

義山

のやはり艶詩とおぼしい七紹

〔昨夜3-5〕昨夜西池涼露満｡桂花吹

断月中香｡

月謝

〔沈約郊居戚〕備林則表以桂樹｡列草則冠以芳芝｡風量

累翼｡月樹重柄｡〔庚信哀江南賦〕月樹風墓｡池卒樹古｡〔李徳裕

詠山桂詩〕影入春滞底｡香凝月謝前｡義山の

〔文集六条長安楊郎

申文〕伺巽他年｡或陶良夜｡酒延琴席｡燈聞月謝｡

故香

〔徐陵春情詩〕

故香分細煙｡

石炭涛樫飢

(類衆

一八).

〔白屠易故杉詩〕残色過梅看向轟｡故香因洗嘆拾存.

哉

〔文選二九蘇武詩四首之四〕芽馨艮夜登｡随風聞我堂｡

風簾

〔文選三〇謝眺和王主簿怨情詩〕花叢乱数蝶｡風簾入隻

三二〇

燕｡

〔硯詠宿陳留李少府撰廉詩〕風簾揺燭影｡秋雨帯義孝｡

残燭

〔白居易北亭猪宿詩〕情情壁下林｡紗肇秋残燭｡

不須

〔玉童新詠

1古巣府六首瞳如山上雪〕凄凄復凄凄.嫁要

不須暁｡願得

一心人｡白頭不相離｡〔文選二二沈約遊沈造士館詩〕

日余知止足｡是廠不須豊｡また義山の艶詩に

〔鴛鳶

獅〕不須長結

風波願.鎮向金肇始両全.

浪作

助字堺略五に

｢浪

猶漫也.｣

というが'六朝の用例は

載せ

ない｡浪をミダ-とよむべき比較的早い例は

〔大業中童謡〕

桃李子｡鴻鵠遠陽山｡宛蒋花林裏｡莫浪語｡誰道許

(障書二二五

行志上)｡

やや遅れて

〔杜甫寄岳州頁巴州厳両閣老五十韻〕混作

禽壊海｡部将血射天｡

緒山

根氏山｡〔列仙停上〕王子喬者｡

周露王太子晋也｡好吹

笠｡作鳳風鳴｡遊伊洛之間｡道士浮丘公接以上嵩高山｡三十飴年

後｡求之於山上｡見桓良日｡告我家七月七日待我於繰氏山巌｡至

時｡果菜自鶴駐山頭｡望之不得到｡挙手謝時人｡数日而去｡亦立

岡於鹸氏山下及嵩高首鷺｡

妙哉王子｡紳産気爽｡笠歌伊洛｡擬

音鳳響｡浮丘感臆｡接手倶上｡揮策青崖｡償翰濁往

(道癌本)｡

〔宋之問綬山廟詩〕王子賓仙去｡

親晩翠鶴飛O

〔李白鳳笠篇〕

線雲紫気向画閥｡訪道魔尋綬氏山.莫撃吹笠王子菅｡

一過浮丘断

不還｡〔許揮登洛陽城詩〕可憐繰嶺登仙子｡海自吹笠酔碧桃｡

湘琵

〔楚僻遠遊〕使湘塞鼓家令

(王逸注

百川之神.皆謡歌

也)｡

令海若舞橘夷

(王逸注

河海之神｡成相和也)｡

〔鏡起省試

湘塞鼓窟詩〕善鼓雲和宏｡常闇帝子塞｡嬬夷茎日舞｡楚客不堪聴｡

〔孟郊定貢河詩〕湘窟頗魔弦｡起案鳴咽歌｡なお湘壷は'王蓮の

注でははっきりしないが､唐人は

1般に湘妃とみなしていたので

あろう｡

後漢書属融列侍五〇上に引-康成頚の注に､｢湘霧'舜

妃､溺於湘水､馬湘夫人也､見楚詞｣という｡〔碧城三首之二1-2〕

00

赤燐狂舞摸湘絃

(集粋稿日本学報五四耕四〇1貢)の句は､洞窟

の伴奏で狂乱の姿態を見せる女性-赤燐のイメージを描き出す｡

秦薫

秦の穆公の娘弄玉は第の名人粛史にほれこんで夫婦にな

った

(列仙侍下｡

前出碧城1-2注∧四〇二真

>参照)｡

その弄玉の

吹き鳴らす策｡こ

れも義山愛用の故事で'

〔迭従容徒東川弘農蘭

書幕5-9〕素女悲清志o秦蛾弄碧筋｡など'碧城のほかにも用例は

一二に止まらない｡

〔徐陵玉茎新詠集序〕樽鼓雷於楊家｡

得吹篇於秦女｡

〔杜甫鄭

尉馬池墓菩遇鄭贋文同飲詩〕重封秦篇馨｡倶退院宅来｡留速春夜

舞｡涙落強襲同｡

自有

〔楚都丸歌少司命〕夫人自有合美子｡素何以合愁苦

(≡

逸注

孫謂司命也｡言天下常民｡人人目有子孫o司命何馬主握其

年命｡而用恩愁苦也)｡〔玉墓新詠

一日出東南隅行〕使君自有婦｡

羅敷白有夫｡〔又二曹植浮搾篇〕莱黄白有芳｡

不若桂輿蘭o

新人

雄可愛｡無若政所歓｡

*

*

#

.見上げる七夕の夜の銀河に､

たち切れぬ哀憐のひとすじの練の

李義山七律集梓稿

(≡)

234ような'わが玉笠の音は届-だろうか'銀河を越えてあの人の心

に屑-だろうか｡

ク吹笠″

する男

(または女または無性)は

ク銀

河″

と地上の問'天界と地

上界のはざまに在る､も

のと考えた

い｡ひと気ない高殿は冷たい中庭を前に塞ぎむとうずくまり'い

つ

しかあの幸せな懸人たちのきぬぎぬの別れのとき'夜明けがそこ

に忍びよろうとしている｡

かつては'燃えるような生命があった､ひとつふすまに深ぶか

と-るまれ､ひとには知られぬ夢見もした'ふたつの生命が｡だ

がそれもはるかなむかLt梓は断たれ｡

寄るべな-さすらうあなた｡ひとり立つ木に借りの宿をもとめ'

あなたはい-度とな-眠りを破られる不安の夜々を過ごしてきた'

ことであろう｡まして

〝昨夜″

は'どこからか'哀切な笠の音が

幻聴めいてきこえてきたかもし

れぬのだから｡

うてな

ある夜あなたは､月光の下'わたしたちの思い出の'あの棲毒

に舞い降り'紳女の化身の雨のおかげで､夢幻のようにたちのぼ

る過ぎた日々の残香に胸をつまらせた--ことがあったかもしれ

ぬ｡ま

たある夜､あなたは'紳女の化身の霜の気みちる茎をわたり'

漸-たどりついた庭木の枝に羽を休めながら'ふと'風にゆれる

簾の向うに'燃えつきようとする燭の不思議に清らかな輝きを見

た--ことがあったかもしれぬ｡

(わたしたちは

い-夜二人して

三二1

東

方

聾

報

語らいながら'燭をかきたてかきたてながら'夜を明かしてしま

ったことだったろう｡)

7

1切の地上的秤を断ち'ひと思いに天上へー

と患わないでは

ないのだが'七月七日'綬氏山のいただきにてこの世の人びとに

別れをつげ仙界へと飛び去ったあの王子喬のこころに'単純に従

おうとはせぬ｡そうし切れない苦しい思いがわたしにはあるのだ｡

8

その苦しみは口ではいえない｡ただ'こ

う断言することはでき

るのである1

湘妃も弄玉もそれぞれにどんなに切なる哀憐の情

をこめて恋を弾き策を吹きならしていたことか'それを彼女らと

同じ仙界の人のようでありながらも王子喬は'このわたしほどに

は身につまされて知ってはいなかったのだI

と｡地上界を離れ

ることへの否定のかたちをとった〝

はざま″

に在ること自機の自

己確認｡｢中路二因循スルハ我ガ長ズル所ナ

-｡｣(有感2-4)

右に記したのはtL漏班や何煙といった中国古典詩讃解の尊家の

なかの専家､しかも義山詩には比較的好意的な人物でさえ匙を投

げた､この'アンビギ

ュイティの見本のような作品の無数に分岐

するよみ方のうち'せいぜいひとつの可能性にすぎないこ-とを､

特にお断わりしたい｡嘗説では'やはりちかごろの劉君恩および

山之内正彦

(｢李商隠表現考

･断章｣東洋文化研究所紀要四八朋

五八真)両者の解粋がより説得的だが'劉は失われた愛を描-義

山の名作とするものの'主人公が男性か女性かについて判断停止

している｡いま主人公の狗白か'第三者によるナレーションかを

主軸として諸説を区分してみる｡

三二二

Al呉喬

･徐徳鮎

･桃培謙

･張采田

(悼亡)

<C.黄侃

B屈復

･胡以梅

AB劉若愚

C朱舜専

(?)･山之内

D程夢星

･鳩浩

(女冠詠)

本稿原案はほぼ<Nに展するが'責侃のように身世の嘆の寓意あり

とはみない｡なおBの胡以梅も黄とおなじ-真意は寄託にありと

する｡しかし'最終的にどのような見解に落着-にせよ'ほとん

どすべての解粋者が'

1義的には悲哀の情を基調とする艶詩たる

ことをみとめているのだが､屈復だけは全-逆に喜劇的感覚をよ

みこむ｡｢浪

二線山ノ意ヲ作スヲ須イザレ｣とすごんで見せ'あ

なたひとりが男じゃなしtと開き直ったしたたかな女｡こ

ういう

よみ方を可能にさせるのは'恐ら-全健を通じて､7

･8句が最

も複雑な問題をはらむ部分なのと関連しよう｡

たとえば､屈復などとちがって'ひとりの男の

｢悼亡

(あるい

は失愛)｣の悲しみの描寓-

すなわち語り､

とこ

の詩を理解す

る山之内詮の場合にしても'尾聯は

｢愛のあり方に封して李が下

す

1つの判断｣として､6句までのいわば純粋客観拓馬を越える'

レヴェルの微妙な差異が指摘されるのである｡そのとおりなのだ

が､しかしいま

一歩ふみこんでいうならば'ここは作者が直接肉

ヽヽ

馨で語りかけたのではな-

(無題

IIIの7句

｢嵯余聴鼓慮官去｣は

たしかに作者の馨だが)､

聾は最後まで語り手の馨だ｡

ただし'

譲者には全-存在が意識されなかった語り手がここで始めてチラ

と顔をのぞかせる｡しかもそれが同時に､この作品をひとつの物

語として成り立たせるためのワクtという重要な役割を果してい

るのではないか｡だからもし猫白でなく語りとみなすならば､同

じ艶情の作でも無題mの方ではな-'無題3-7の結び

(｢道道相恩

了無益､未妨個恨是清狂｣)と構造的に等質とみるべきだろう｡

嬬浩､安徽師大本年表は不編年だが'張采田はこの作品をも係

年する

(大中十年)｡

正文の異同は

いずれもとりあげるに足らな

い｡

(茂木信之)

中元作…-5

終節瓢楓基因釆

中元朝拝上清廻

羊構雄得金候脱

4温情経度玉鏡童

官省驚眠関南過

不知迷路馬花開

有城未抵濠洲遠

8青雀如何鴇鳥媒

中元の作

緯節瓢執

国を重しうして来り､

中元に朝拝し

上清より廻る

羊樺は金の傑脱を得と雄も

温晴は終に虚し

玉の鏡墓

おぽ

曾て省ゆ眠りを驚かせて

雨の過ぐるを聞くを

知らず路に迷いLは

花の開-が馬なるを

有城未だ抵らず

濠洲の遠きに

青雀如何ぞ鴇鳥の媒たるや

李義山七律集樺稿

(三)

校

古今歳時雑詠二八

唐詩類苑二

一

(歳時部中元類)

中元作

高麗本

｢中元｣

瓢観

高麗本

｢親瓢｣

茎

歳時雑詠

･鏡本

･毛木

｢宮

｣

叢刊本

･唐詩類苑

･朱鶴齢

本

･稿本

･全唐詩

｢宮か

作｣

高麗本

｢寓｣

離

朱鶴齢本

･全唐詩

｢須針作｣

稿本勇往

｢須｣

如何

高麗本

｢何如｣

鴫

統薮

｢鵜｣韻

上中十六喰

(釆

･童

･開)十五灰

(廻

･媒)同用

*

胡震亨

(情詞)

言遍洲之遠o必青雀馬媒｡何可如有城之媒鵜｡鵠告余不好也.逮

篇皆不得親近之意｡

何煙

〔讃書記〕五六｡承上金候股句｡結句｡承上玉鏡垂句

(許本

五

六｡詠金候腕句｡結承玉鏡茎句)｡

〔評本〕有城非遠｡雑音雀可飛而至O如何二字

1頓｡乃商略之詞.

鴇鳥馬妹｡則寅出意外也｡

挑培謙

三二三

東

方

学

報

此必薦女道士作｡言仙質之不可以凡侶求也｡経節瓢楓o重囲艶仰｡

正富上清朝拝而廻｡容艶如此｡保脱之牌｡苛非仙骨如羊樺｡鏡墓

之碑｡豊易成婚如温噛｡蓋既非塵俗之人｡定不作塵俗之憩｡或者

雨過之時｡官省驚眠｡若非花開之時｡豊知迷路｡吾知侠女之身｡

縦未託滴洲之遠｡乃既無音雀｡而漫欲使雄鳥馬媒｡亦太不日量臭｡

詩蓋薦非分妄求者簡欺.

屈復

中元緯節.重囲朝岡｡三O姻事可成｡四｡何以薦聴O五六O恐難

必也｡然有城不遠｡青雀方便.如何得有馬鳥之議媒乎｡言必可成

也｡○此蓋王茂元許妻以女｡通常中元｡菩而成詩｡放題日中元作｡

程夢星

此中元悼亡之作｡自道産有七月十五日地官校勾善悪之説o世俗之

俄悔生前｡求利冥福者｡往往而然｡即加代宗｡七月望日｡於内道

場｡造孟蘭盆｡設高組以下七聖紳座｡各書専競於幡上以識之｡此

昔時薦亡之讃也｡義山此時因而傷逝｡起二句｡言拳固皆作中元｡

己亦朝拝上清而同｡三句｡言茂元之女巳亡｡茎如琴線華之別羊樺｡

惟遺金候脱臭｡四句｡言喪偶之傷無巳｡不似温幡之哨劉氏｡宣納

玉鏡墓耶O五句.言其致感於孤栖｡六句｡言其無心於演宛｡七八｡

用離騒語意｡以見嘉柄難逢｡不復望悪鳥之馬塞修兵｡

紀的

〔詩詮下〕何以不取中元作也｡日｡通首筆意揮勤｡自是佳作｡然

求其語意｡類乎有所見而求之不得之作｡題目中元作｡知確有本事｡

三二四

非軍言之比也｡結語雄工｡衡以風雅之正｡固無取蔦

(評本

此借

中元所見而倍以託遇合之感｡結語特沈著)｡

満浩

此亦馬入道公主作｡起二句鮎題｡三句暗有所歓｡四句終無下嫁.

下牛言雨過而曾令眠驚｡花開而偏嵯迷路｡錐非遠不可印｡乃青雀

不逢而鴫鳥馬妹.豊住偶之相合期｡此種殊傷詩品.

5

･-

徐

(逢源)日｡暗用高唐天台二事｡

張采田

〔合隻〕刺女道士之淫沃也｡唐時風俗如此｡不必穿整他解｡

〔妨正〕此詩桐郷嬬氏謂馬大傷詩教｡紀氏猶能賞其沈著｡可構特

識｡急富表而出之｡以見邸人非阿好也｡若他篇皆能如此｡則吾無

間然也｡

黄侃

程以馬中元悼亡之作｡蓋誤｡

此詩所刺｡輿碧城

1-ll-21(｢刺貴主

之馬女冠者｣)聖女22-9諸首同｡.特因中元而造詣耳

.三四誤訳至

頼｡五句言悟其雨夜之無眠〇六句讃其如狂香之引路｡七八言有威

雄遠｡却在人間｡青鳥馬媒｡適同毒鴫｡疾之之詞｡可謂附属臭｡

胡以梅

(艶情類)

此托言也｡詳揮詩境｡或者富日鄭亜柳仲郡輩請馬判官而作｡

二一｡

言其受節使｡陛離而行｡遜有辞講之事｡但幕佐偏員｡非華要之職｡

止如羊樺之得金候脆而過仙相識｡不似温幡之下玉鏡垂而有蓋有家｡

念世事敷難｡曾省驚眠之雨o業巳過去｡不謂迷失之路｡今日馬花

而開O玄亦可善也｡彼此以進費有城不達｡但恐鵜島馬妹｡絡亦不

能助我耳｡嘗知以前驚眠之雨o迷失之路｡皆鵜島馬之也.中元馬

上天校勾分別善意之期.今有此徽辞｡似聴朝中之有定論o故用以

馬題｡或事適在中元時也｡有城｡依離騒指君｡青雀.謂己.鵠鳥｡

戎指令狐陶輩邪｡妙在用驚眠花開｡可以接候脱鏡垂｡下貫有域｡

気類相通｡此其法之所以精也｡･･･按此詩若作私曙｡三四太露｡結

亦無此怒張｡

近代注樺

〔鈴木虎雄〕七六頁｡〔高橋和巳〕五三京｡

*

*

2句の中元の二字を借り

'作の字を加えて詩題とする｡高麗本

に作の字がないのは注意すべき異同である｡なお題のよみ方は或

いは

｢中元二作ル｣か｡

歳時雑詠は義山の詩のほか十三簾の唐詩をあつめる｡徳宗

｢七

月十五日題葦敬寺｣

複元翰

｢奉和聖製中元月題章敬寺｣

厳経

等

｢中元日飽端公

(防)宅遇呉天師聯句｣

戎豊

｢開元親陪杜大

夫中元日親巣｣

慮洪

｢中元日観法事｣

李郡

｢中元夜｣

令狐

楚

｢酬蘇少声中元夜追懐恩替之作｣｢中元日胎張尊師｣

陸亀蒙

｢中元夜寄道侶二首｣

羅隠

｢即事中元甲子｣｢中元夜着月｣｢中

元夜泊港口｣いま本詩とやや関連性あるかと思われる二篇を揚げ

る｡今

朝歎栴玉京天｡況値関東俗理年｡舞態疑廻紫陽女｡歌馨似過

李義山七律集樺稿

(三)

2

綜雲仙｡盤基質鶴驚丸剣｡礎勧三花度管絃｡落日香街塵擁騎｡

好風池幕動高畑｡(戎豊)

江南水寺中元夜｡金粟欄達見月蛾｡紅燭影廻仙態近｡翠襲光動

看人多｡香親彩殿凝蘭廉｡霧緯軽衣雄締羅.湘水夜毎坐峡遠｡

不知蹄路欲如何｡(李郡)

緯節

〔梁郡陵王綿花魯山神文〕鳴瑠撫鋤.侠席排掴｡緯節陳

竿｡満堂繁合｡異椴懐精之歓｡

倖眉代舞之巣｡

〔杜甫玉垂観二首

之二〕中天積翠玉童造｡

上帝高層緯節朝｡

〔皇甫再少室山葦錬師

昇仙歌〕紅霞紫気重急患｡終節青憧迎少君｡

〔酉陽雑姐前集

lO

物異〕上清珠-是開元中.厨賓国所貢｡光明潔白｡可周

一茎｡税

之｡則仙人玉女｡雲鶴経節之形｡揺動於其中｡

瓢訊

〔詩幽風塵鶴〕予主観麹｡

風雨所漂括｡

〔漠武帝李夫人

戚〕的容輿折衝磨合｡標親桃虜愈荘

(孟康日｡言夫人之顔色的然

盛美｡雑在風中標挑｡

愈益端厳也)(漢書九七上外戚停)｡

〔文選

二九嘗植雑詩六首之二〕韓蓬離木板｡

瓢楓随長風｡

〔李白遊大山

六首之六〕想象驚鳳舞｡瓢観龍虎衣｡

空国

〔韓非子安危〕安危在是非｡不在於強弱｡存亡在虚賓｡

不在於衆寡｡改葬高来而名賓不稀｡上室虚於園内｡不充満於名茸O

故臣得奪主

(陳奇献案｡或以内字展下讃｡亦通)0

中

元

〔剃楚歳時記〕七月十五日｡借尼道俗悉皆盆供諸寺｡案

孟蘭盆経云｡有七菓功徳｡並幡花歌鼓異食迭之｡蓋由此

(初学記

四)｡〔道経〕七月十五日｡中元之日｡地官校勾捜遥衆人｡分別善

三二五

東

方

聾

報

意｡諸天聖衆｡普詣宮中.簡定劫数｡人鬼侍録｡餓鬼囚徒｡

1時

倶集｡以其日作玄都大願於玉東山｡採譜花果｡世間所有奇異物｡

玩弄服飾｡幡憧賛蓋｡荘厳供養之具｡清膳飲食｡百味芽芳｡戯諸

衆聖｡及輿道士｡於其日夜.静蘭是経｡十方大聖｡奔詠蛋篇

(初

学記四)

.〔嘗唐書

二

八王縛侍〕代宗七月望日｡於内道場造孟蘭

盆｡飾以金翠｡所費百嵩｡叉設高租巳下七聖紳座｡備幡節龍傘衣

裳之制｡各書等競干幡上以識之｡昇出内｡陳於寺観｡是日｡排儀

使｡百僚序立於光慣門以侯之｡幡花鼓舞｡迎呼道路｡歳以馬常｡

而識者曝其不興｡其傷敏之源｡始於摺也｡

中元の日に道士が昇天し帝に拝謁するという信仰については

〔無上秘要五二･三元欝品〕天専言常以正月十五日｡七月十五日

十月十五日｡卒且正中夜牛三時｡休浴身形｡五香白洗｡-五色之

雲｡匝遠

一身｡-飛仙薬騒｡侍衡身形｡便叩歯三十二通｡呪日｡

天恵気清｡五色高明｡日月吐輝｡濯我身形｡神津内盤｡香湯棟精.

00

光景洞輝｡焼映上清｡

-今日大願｡

一切告盟｡身受開度｡昇入帝

庭｡〔令狐楚中元日胎張辱師〕寂寂焚香在仙親.知師造穫玉京山O

朝挿

朝は陽卒によむ｡

〔十洲記〕武帝欣聞至詮｡

明年途復従

受講真形囲｡常帯之肘後｡

八節常朝拝憂苦｡

以書求度脱駕｡〔陶

弘景授陸敬済十賓文〕爾真心内園｡清行外彰｡源蕩紛磯｡表裏雪

霜｡今放資爾盆石採種｡手巾馬副｡可以登斎朝葬｡出入藍淑o

上清

道教における天界の構成は､三十六天説として北周のこ

ろ成立､唐代に確定.･過去

･現在

･未来の三世の天尊が鎮座する

三

二

六

大羅天が最上'その下に位するのが三清境

(三境)で'上清はそ

の二番目車乗の境である｡

〔道教三洞宗元〕其三清境者｡

玉清上

清太清｡是也｡亦名三天｡

-天資君治在玉清境｡即精微天也｡英

気姶青｡蛋賛君治在上清旗｡印南飴天也｡英気元黄｡紳賓君治在

太清境｡即大赤天也｡其気玄白｡-其次郎至三境｡境別有左右中

三宮｡宮別有仙王仙公仙卿仙伯仙大夫｡別有

一太上老君天師｡太

清境有九仙｡上清境有九虞｡玉清境有九聖｡三九三十七位也｡-

最上

一天｡名日大羅｡在玄都玉京山之上｡紫微金閑｡七賛賓樹｡

願麟師子｡化生其中｡三世天尋｡治在其内｡三界二十八天｡其次

四天｡其次三境｡最上大羅｡合

三十六天｡絶是三尊折統

(雲笈七

我三道教本姶部)｡

唐代初期の代表的数理書

｢道門経法相承次序｣

上にも同様の記述がある｡以上'福永光司氏の指数による｡

儒教とおなじ-道教にも惹かれていた義山の詩にはしばしば道

教の天界の名稀が見える｡闇大羅天は

〔常滑畏之三首之

11-6〕に'

㈲三清境は

〔憧花二首之

174〕

〔寓懐5-0〕に'

㈲太清は

〔令狐舎

人詮翫月因戯胎4〕に'㈲上清は

〔重過聖女伺2〕に､㈲玉京は

〔香花217〕〔憶雪5-4〕〔五言述徳行情詩5-4〕に｡また義山の文集を

一見しても'かれが道教の世界によ-通じていたことは明らかで

ある｡

右のような天界の憾系とはいささかずれるようだが'上清を天

上の宮殿名とする記述も別に存在するので'念のため引いておく｡

〔上清源統綴目註序〕上清者｡宮名也｡明平混沌之表｡焼平大羅

之天｡震妙虞結｡紳奇室生.高浮澄浮｡以上清病名｡乃衆真之所

産｡大聖之所経也｡官有丹青金書玉字上皇賛経｡皆玄古之道｡自

然之章

(雲笈七敦四道教経法博捜部)0

唐詩ではほかに

〔自店易夢仙詩〕人有夢仙者｡夢身升上清｡

〔王建胎太清盛道士詩〕上清道士未昇天｡南岳中華作散仙｡

3

〔置ハ詰

一連象篇〕惇線華者｡白云是南山人｡不知是何山也｡女

子｡年可二十｡上下青衣｡顔色絶整｡以升卒三年十

一月十日夜降

羊樺｡自此往来｡

一月之中｡靴六過釆耳｡云｡本姓枠｡胎椎詩

一

篇｡井致火粁布手巾

1枚｡金玉確腕各

一枚｡候腹乃太而異栴好｡

紳女語樺｡君憤勿浬我｡浬我則彼此獲罪｡訪問此人云｡是九泉山

中得造女雁郁也｡宿命時｡曾馬師母｡毒殺乳婦玄州｡以先罪末滅｡

政令誼降於臭濁｡以償其過｡輿樺戸解薬｡今在湘東山｡此女己九

百歳失

(原注

樺.字道輿.快之少子｡後馬菅簡文黄門邸.即羊

欣硯｡放欣亦修道服食也)(道蔵本)｡この世のひととは思えぬ美

女として'

義山の他の詩にも琴線華は登場する｡

〔無題二首之二

112〕間道間門等絶筆｡昔年相望抵天涯

(集搾稿日本学報五三耕六

二

一頁参照)0

傭脱

〔玉董新詠

一繁欽定情詩〕何以致拳拳｡緒腎隻金環｡何

以致殿勤｡約指

一隻銀｡

-何以致契潤｡緯腕隻跳脆｡

〔初学記四

歳時部五月五日〕周虞風土記日｡仲夏端午｡-又有候達等織組雑

物｡以相胎遺

(古詩云｡緯常隻傾達)

｡〔慮氏雑読〕唐文宗-又

一

日間宰臣.軽杉槻眺脱｡跳脱是何物｡

宰臣末封｡上目｡AEn今之腕

李義山七律集樺稿

(三)

釧也O虞詰言安姑有漸東金跳脆｡是膏飾

(虞記

一九七唐文宗修).

〔北夢琴言四温李奔名候〕宣宗嘗賦詩.上旬有金歩路｡未能封.

遣未第進士封之｡(盟)庭雲乃以玉候脱績也｡宣宗賞篤｡

4

〔世詮新語値謁〕温公喪蹄o従姑劉氏｡家値乱離｡唯有

1女｡

甚有姿慧｡姑以魔公寛姫｡公密有自婚意｡答云｡佳婚難得｡但如

噛比云何｡姑云.喪破之飴｡乞得粗相存活｡俊足愚書飴年o何敢

希汝比｡節数日｡公報姑云｡巳得婚庭｡門地粗可｡堵身不滅晴｡

因下玉鏡壷

l枚｡姑大書｡軒姫｡交躍｡女以手披紗扇.大笑日｡

我国疑是老奴.果如所ト.玉鏡墓｡是公馬劉越石長史｡北征劉聴

所得｡初唐の

〔張紘行路難詩〕君不見温家玉鏡垂｡提携抱提九重

来｡君不見相如緑緒琴｡

一撫

一拍鳳風音｡

温嘱

羊樽におなじ-道教と直接に関係を持つ人物｡〔陶弘景

塵

霊位業囲〕

監海伯治東海温太真0

位比大牌軍｡〔置詰

一五聞幽

微

〕

温太虞馬監海開国伯｡

治東海｡

聞幽微第は'｢鬼神宮府の宮

司氏族｣(虞詰

l九翼長検原注)

を載せる｡

また無上秘要八三得

鬼官道人名品にも聞幽微とほぼ同様な記載あり｡

鏡童

〔魂武雑物疏〕鏡墓｡出現宮中｡有純銀参帯鏡童

一｡又

純銀七貴人公主鏡墓四

(初学記二五)｡

謝朕の雑詠三首に鏡墓の

詩あり｡

5

官省

〔周賀巽栢巌稗師詩〕此時旗下涙｡曾省到吾底

(折言

一〇海赦不遇保｡集本は異開署上人と題し､弔来頻落涙'曾憶到

吾慮tに作る)｡〔許滞酬和杜侍御詩〕花時官省杜陵瀞｡聞下書椎

三二七

東

方

撃

報

不筆頭｡

張相の語離陸樺五にいう｡｢省､猶記也'憶也｡

-葦魔物雪中

詩､連山暗古郡'驚風散

一川｡此時騎馬出'忽省京華年｡-白居

易蓋竹歌'西叢七重勤而健､省向天竺寺前石上見､東叢八墨疏且

寒'憶曾湘妃廟裏雨中看｡此輿憶字互文也｡｣(新版五七

一貫)

驚眠

〔徐陵中婦織流責詩〕蜘煉夜俸給｡

百舌暁驚眠O

〔張詮

岳州守歳詩〕桃枝堪辞悪｡爆竹好驚眠｡

聞雨過

嬬注に引-徐逢源がいうように雨はやはり韮山の紳女

を暗示するであろう｡〔文選ー一九宋玉高層賦〕(鉱山之女)日o妾

在慈山之陽｡高丘之阻.且馬朝雲｡暮薦行雨o朝朝暮春｡陽墓之

A

下｡初唐の

〔楊師道初膏看婚詩〕更笑韮山曲｡基侍暮雨過

(ここ

は卒馨)｡裏に艶情を秘めた雨を構成要素とする詩句として他に

〔碧城三首之

1

1-1〕雨過河源隔座看

(集梓稿日本学報五四研三九

九貢)｡

さらに義山には文字通り夢幻的な雨のイメージを掃きだ

した

〔七月二十八日夜輿王鄭二秀才蘇雨後夢作68〕があることち

注意すべきである｡

聞雨については'義山より後になるが

〔韓促聞雨詩〕香侵蔽膝

夜寒軽｡聞雨傷春夢不成｡

6

〔幽明録〕漠明帝永年五年.刻願劉農院肇共入天台山取敷皮｡

迷不得返.経十三日｡糧食乏轟｡飢鋸殆死O造望山上有

T桃樹.

大有子茸｡

-各轍数枚｡而飢止髄充｡-出

一大演｡渓通有二女子｡

姿質妙絶.･･･因遊還家｡其家銅瓦屋.南壁及東壁下｡各有

1大林｡

三二八

皆施緯羅帳｡銀角懸鈴｡金銀交錯｡林頭各有十侍婦｡赦云｡劉院

二郎｡経捗山阻｡向雄得壌茸｡猶備虚弊｡可速作食｡食胡麻飯｡

山羊膳｡牛肉｡甚甘美｡食畢行酒｡有

一葦女乗｡各持五三桃子｡

笑而言賀汝将来｡酒酎作発｡劉院折怖交井｡至暮｡令各就

一帳宿｡

女往就之｡言馨清腕｡令人忘憂｡十日後欲求還去｡女云｡君巳釆

是｡宿両所牽｡何復欲還邪｡途停年年｡気候草木是春時｡百鳥暗

鳴｡更懐悲恩｡求蹄甚苦｡女日｡罪牽君富可如何｡-共迭劉院｡

指示遠路｡既出｡親嘗零落｡邑屋改異｡無復相識｡問訊得七世孫｡

博聞上世入山｡迷不得蹄

(古小説鈎沈)0

〔桃花源記〕曹大元中｡武陵人捕魚雷業.線渓行｡忘路之遠近.

忽逢桃花林｡爽岸数百歩申｡無雑樹｡芳草鮮美｡落英績紛｡漁人

甚異之｡-便得

1山｡山有小口｡努貴君有光｡便拾船経口入｡-

艶然閲朗O土地年賦｡屋舎億然.有長田美池桑竹之属o肝陪交通｡

難犬相聞｡其中往来種作男女｡-見漁人｡乃大驚｡閉所従来｡-

各復延至其家｡皆出酒食｡停数日｡酎去｡此中人語云｡不足番外

人道也｡既出｡得其船｡使扶向路虞庭誌之｡及郡下｡詣太守詮如

此｡太守印遣人随其往｡尋向折詰｡途迷不復得路｡

類似の表現は他にも

〔和孫朴葺櫨孔雀詠12〕西施因網得｡秦客

被花迷｡

〔飲席戯胎間合47〕洞中履響省分携｡

不是花迷客自迷｡

〔寄惜韓同年時韓住葡洞二首之二4-1〕龍山暗雲鳳棲霞｡洞裏迷入

有幾家｡いずれも洞天

･仙女

･魅惑のモチーフ｡

迷路

〔虚給酬金部王却中省中春日見寄詩〕更有院邸迷路虞｡

寓株紅樹

一渓深｡〔章八元天台道中示同行詩〕仙道多因迷路得｡

莫将心事問樵象｡〔韓愈遮音龍寺胎荏大補開詩〕桃源迷路寛だ正｡

護下悲歌徒纂寡｡

花開

〔費頑芳樹詩〕枝低疑欲舞｡

花開似合笑O

〔皇甫再山中

五詠

･春早詩〕革偏穎陽山｡花閲武陵水｡

7

･8

〔楚解離騒〕覚相戟於四極今｡周流乎天余乃下｡望環室之

僧違令｡見有城之侠女

(王逸注

有城｡国名｡伏｡美也｡謂帝蓉

之妃｡契母簡欽也｡

配聖帝｡

生貴子｡

以愉貞貿也.

詩

人商頒長

簡)日｡有城方将｡帝立子生商｡呂氏春秋

(季夏紀書初)冒.有

城民有美女｡秀之高童而飲食之｡言己望塔童高峻｡暗有城氏美女｡

思得血ハ共事君也)｡吾令鳩馬媒合

(王逸江

嶋o

遅日也.

羽有毒

可殺人｡

以愉藷伝威害人也)｡

鴫告余以不好

(王逸注

言我使鴇

鳥馬媒｡以求簡狭｡其性遠戚｡

不可信用｡

還詐告我言不好也)0

堆鳩之鳴逝合｡余猶悪其桃巧

(王逸任

侠｡軽也｡巧｡利也｡言

又俊雄鳩衝命而往｡其性軽挑巧利｡多語言而無要茸｡復不可信用

也)｡心猿橡而狐疑合｡欲自適而不可｡

鳳風既受語合｡

恐高辛之

先我｡

7

未抵

〔自居易讃史五首

･詠史詩〕乃知滑羅恨｡未抵長沙深｡

濠洲

〔史記六姶皇本紀〕

(二十八年)賓人徐市等上書｡

言海

中有三両山｡名目蓬莱｡方丈｡遍洲｡魔人居之｡請得君戒o輿童

男女求之｡於是遣徐市督童男女数千人｡

入海求魔人｡

〔文選

l五

張衡恩玄戚〕留意洲而采芝合｡聯且以乎長生

(曹注

漏洲｡海中

李義山七律集樺稿

(≡)

山也.書目｡列子

(湯問)日｡勃海之東.有大型｡其山

l日岱輿｡

二日員晴｡三日方壷｡四日遍洲｡五日蓬衆)

｡〔玉垂新詠九博玄擬

四愁詩四首之

〓

我所思今在遍洲｡願痛撃鵠戯中流｡〔明皇雑録〕

玄宗衝動政桂｡大張巣｡羅列百妓｡時教坊有王大娘者｡善戴百尺

竿｡竿上施木山｡状満洲方丈｡令小兄持緯節｡出入於其間｡歌舞

不扱

(虞記

一七五劉牽懐)

0

青雀

〔論文〕翠.音羽雀也｡

出密林｡〔洞冥記

こ

改崇蘭閣

馬猶蘭殿｡後王夫人誕｡武帝於此殿有青雀葦飛於覇城門｡乃改馬

青雀門｡〔慮象青雀歌〕喉軟青雀見｡

飛来飛去仰天池｡

遭遣欧啄

安涯分｡何暇扶拓九首席.

ただし義山の青雀は後の二例ともども滑息を倖える使者として

漠武故事などに見える

｢青馬｣と同義｡

〔漢官詞113〕

青雀西飛克

末廻｡君王長在集露萎｡

〔聖女両3-6〕滑息期青雀.

逢迎異紫姑｡

この手の先例では､〔寮監琴賦〕青雀西飛｡別鶴東湖

(類衆四四)0

〔玉董新詠六臭均和粛洗馬子森吉意六首之二〕蓮花街青笹｡賛粟

細金轟

(呉兆宜往

古楽府｡何用通音信｡蓮花壌督管)｡〔無題相

見時難1-0〕育鳥注

(集粋稿日本学報五三筋六四六頁)参照｡

*

*

*

こ

の詩の表現態度と表現封象を軸として､聾詮を表示すれば次

のようになる｡

A嬬浩

･張采田

･黄侃

〃

桃培謙

三二九

東

方

撃

報B

(-C)鈴木

｢作者は女を仙人と

みなす｣

C胡震亨

･高橋

C胡以梅

･紀的

D程夢星

E屈復

2句の

｢中元｣が作品の他の部分と

どう関わるのか｡替注は四つに分れる｡

Ⅲ道教の行事であることから女冠'入道公主に結ぶもの

(挑'滴

ら)｡

榔死者の供養の日であることから悼亡

に結び

つけるも

の

(程)｡㈲中元の日に何らかの

｢本革｣があったとするもの

(紀)｡

ヽヽ

㈲ことが偶然中元の日に雷

っただけとするもの

(屈復など)｡棚

は作品の文脈理解を放棄しているが'こ

うした

詮があること自牒'

首二句と以下との間に緒封的な連関を求めに-い讃佐である.Ⅲ

のように封象を尋常ならぬ人とするなら'3句以下に登場する女

仙たち

(導線華

･惑山神女

･天台二女

･有城氏美女)ともつなが

る｡｢績玄怪録｣(杜子春)や

｢停奇｣(雀蜂)によれば､中元は

神秘的な世界との交流を可能にする日でもあったようだ

(陳元観

｢歳時贋記｣

二九にはそうした例話を多-集録する)｡

この義山

猫特の酸味模糊としたスタイルの艶情の作品も'中元を

1種のハ

レの日で日常性から解放された時間とする

一般的な意識の下に成

立しているだろう｡しかし'ここでは相手を茸際に女道士とはみ

三三〇

ないで'封象に接近不可能

(胡震亨)の比職として女仙を想定し

たもの

(鈴木)t

と

一臆解してお-｡

義山の詩では

〔重過聖女両

2〕がかなり似かよった雰囲気を持つ｡

1

･2

深紅ののぼりを風にひらめかせ､地上の園

(中の道観)を

室っばにするほど'

一人のこらず天界へとやって来て'この中元

の日に上清境にて躍拝おえてもどってゆ-仙人や仙女たち｡奮説

はおおむね道観を上清に見立て'

一般の参詣者でにぎわう道観の

さま､とするが'なぜそのように持って廻った解樺をせねばなら

ぬのか.鈴木詮に従い'文字通りに解する｡1句の墓園はやや奇

異なこ

とばだが'異文の

｢宮図｣ではさらによめないし'震本の

｢苗圃｣は意攻か｡2句

｢廻｣は地上へでな-神仙本来の住み家

たる天上へ締ることか｡それならば

｢上清

二廻ル｣とよむべきか｡

また

｢廻｣は蹄還でなく或いは終える､すませる'かもしれない｡

〔可歎2-7〕の起句

｢幸合東城宴未廻｣参照｡

3

･

4

羊横が専線華から黄金の腕輪をもらったように'愛のあか

しは確かにうけとったのだけれども､温嶋が劉氏の娘に結納とし

て玉の鏡垂を贈って'願いどおり結婚したようには行かず'本来

ひと

上清境に住むべき

女

と

はついに結ばれることがないのだろう｡二

句は男女の間の物品の胎答と'そしてともに道教に線の深い男性

同士で完全にパラレル｡3句の雄の字'朱鶴齢本の系統はすべて

須に作るが､たとえ頚の字でも雄とよむべきこと'張相語節湛樺

の巻

1須

(六)に詳しい｡また蒋躍鴻整文字義通辞にも詮が見え

る｡

5

･6

砿山の神女のように暮れ方ひそかに通り雨となって束のま

訪れてくれたひとと眠らぬ

一夜をすごしたのをいまも忘れがた-

憶えている｡ふみいるはずのない､あてどない道にふみ迷ったの

は'魔力あるもののように咲き乱れていた桃の花のせい1

だっ

たのであろうか｡幻のような､淡いtLかしかけがえのない追憶｡

5･6句は'やっと出合えたと思えば夢だったし､結局相手のも

とには適えなかった､と解することもできよう｡

7

･8

東の大海のはるかかなた最も遠いあの遍洲､有城の地はそ

こまでも行かない｡だのに慾の使者たるはずの青い雀が､どうし

てあのまがまがしき鴫鳥みたいな悪意をこめた仲だちとなってし

まうのか｡

8句'屈復は反語によむ｡｢帯雀ハ如何ゾ鳴烏ノ媒ク

ラ

ン｡｣

詩白魔については'屈の理解は非と思われるが'特に7･

8句あたりやや遊戯的な色合いも感じられ'完壁な絶望の歌とし

てしまわぬ方がよいのかもしれない｡何煙は中間的なよみ方'

｢育雀如何ゾヤ

鳩鳥媒トナル｡｣鈴木も'青笹ではな-

｢鴫鳥の

媒を用ゐLがあしかりし｡｣いずれにしても'女性の所在を非現責

の世界に設定する鮎､遠いはずの地を遠-ないと栴する鮎､仲だ

ちに育雀

(‖育島)を出す鮎など'〔無題

(相見時難)1-0〕の

｢蓬

山此去無多路'青島殿勤馬探看｣と共通し､主催と封象の問に伏

在する複雑な事情を暗にのぞかせるかに見える｡ただ､作品全膿

にわたって女と愛との典故で埋めながら､肝心の女性そのものの

李義山七律集梓栢

(≡)

輪廓は'例によってついに判然とせぬままに終始するのである｡

なお8句で統敦が､鵡

(日雄)に作るのは明らかにあやまりだ｡

(川合康三)

茂陵3-0

漠家天馬出蒲梢

百宿摘花偏近郊

内苑只知合鳳噴

4屠車無復挿難麹

玉桃倫得憐方朔

金屋俺成貯阿嬬

誰料蘇卿老韓国

8茂陵松栢両帝粛

茂陵

漠家の天馬

蒲梢出ず

常宿相花

近郊に偏し

内苑只だ知る

鳳噂を含むを

鹿車復た難麹を挿む無し

玉桃倫み得て

方朔を憐み

金屋修め成して

阿痛を貯う

誰か料らん蘇卿

老いて国に締れば

茂陵の松栢

雨帯筋

校

〇

三億詩二

(四虚)･唐音

l〇･満室律髄二八

(陵廟類)･唐詩品

嚢八八

唐詩類苑二七

(地部陵墓類)

2 1

偏 花 首 梢 蒲

鎮本

｢蒲｣に改む

唐音

･律髄

｢拾｣

品嚢

｢梢｣

叢刊本

｢首｣

稿本

｢首｣を

｢首｣に改む

三億詩

｢華｣

高麗本

･朱鶴齢本

･全唐詩

二二億詩

･律髄

･品嚢

｢遍｣

三三一

東

方

撃

報

3

含

高麗本

･三鰻詩

･唐音

･律髄

･品嚢

｢衝｣

稿本

｢街｣に改む

朱鶴齢本

･全唐詩校注

｢一作衝｣

噴

叢刊本

･稿本

･統戟

･鏡篤本

･毛本

･朱鶴齢本

･全唐詩

･

三健詩

･律髄

･品棄

｢紫｣

6

傭

三億詩

･唐音

･律髄

･品桑

｢粧｣

稿本

｢粧｣に改む

高麗本

｢粧

一作修｣

朱鶴齢本

･全唐詩校注

｢一作粧｣

8

静粛

高麗本

･唐音

･律髄

･品嚢

｢瀞瀞｣

韻

下平三粛

(粛)四膏

(麹

･嬬)同用

下平五肴

(梢

･郊)猪用

胡震亨

(統畿題下注)

首二句｡誤出韻｡

何悼

〔許本〕贋嶺｡五肴猫用｡輿三粛四膏不適用.拘郊｡皆五肴申字｡

○拾字｡原非萌｡

紀的

〔評本〕此及楚宮詩2-7｡皆三斎四腎五肴同押｡唐人日程試以外｡

不甚遵陸法言孫情｡昔時自必有例｡

今不可考｡似乎好

(｢協｣ま

たは

｢叶｣の詔か)萌耳O若四胎廟詩

(五松騨1-9の讃)用斤字.

則唐人虞辞藻殿同用｡諸家之澄甚明｡

三三二

漏浩

戊教.首二句出韻｡按｡唐人不拘O

OO

王力は

｢出韻是近憾詩的大忌､-盛唐以前'除上面所詮欣竜的

情形之外､近健詩経封不出韻'中庸

(約在公元七八〇至八四〇)

以後､偶然不兎有出韻的情形｡｣(漢語詩律撃四節近健詩押韻問

題)と言い'まず本詩を例にあげるが'どちらかといえば紀約の

考え方の方が事案に近い｡松尾良樹

｢李義山詩韻語｣

(本草報五

四筋三五二頁)参照｡*

胡震亨

(味古類)

含鳳噴｡謂口濡勝也｡此言武帝好猟｡

天子出則響旗在前.廃車在後｡此言武帝馬期門微行｡

朱鶴齢

按史武宗好遊猟及武威｡親受道士避蹄兵法集｡又深寵王才人｡欲

立馬后O此詩全是託訊O

楊憤日｡本是環池婁罷習王母｡俗作玉桃倫得憐方朔｡直似小兄

語耳

(升奄詩話八害意嘗本懐)｡愚按漠武内侍｡王母降承華之宮｡

厳車欲去｡帝叩頭殿勤｡乃留｡若壌池西宴｡自是穆王事｡如何可

合｡偏検宋本倶無之｡不可以語出用修而不薮其責｡

朱褒尋｡

亦箆健也｡

何煙

〔讃書記〕八句中包括貫穿｡極工整而不牽率｡

1

梢作拾

(評本

本懐なし)｡

○定遠

(満斑)云｡

蒲拍属名｡巳

蒼

(嬬野)云｡首句亦有病

(評本

出字有病O蒲拍o属名.非地｡

○言蒲拘｡乃天馬之子｡出字無病)0

2

鮎化工妙｡

○起二句指用兵

(評本

｢起二句指｣なし)

0

3

指政猟

(詐本

｢指｣なし)

0

4

指微行

(評本

｢拒｣なし)0

5

指神仙

(評本

｢拒｣なし)0

6

指馨色

(詐本

｢拒｣なし)

0

7

･8

落句｡只借子卿

一徹｡風刺自見於言外｡

○此詩始不甚愛之｡

後観西岸酬唱集｡求如此者絶不可得｡乃嘆義山筆力之高

(許本

｢不可得｣を

｢少｣に作る)｡

〔評本〕武帝窮兵薦武｡其師出無名｡威用民命｡莫甚於伐宛之

役｡故猪以馬刺｡外勤遠略而内則不能戒憤｡妄巽神仙而不能掻遠

馨色｡又皆印其行事之相反者讃之也｡

○朱長持日｡此篇刺武帝

(SF

).

陸鳴呆

考武宗兼好遊猟｡又寵幸王才人｡故此葦井及之｡前牛倶言遊猟.

首聯｡以馬引入｡次聯｡言但習調弓之事｡而法駕亦不整也｡五句｡

以

l憐字寓求仙｡六句｡以

1貯字寓内壁｡結有曲終人散之意｡感

訊艮深｡不徒味史之工巳也｡

徐徳瓢

李義山七律集粋稿

(≡)

蘇卿歴轟難辛｡似不能老｡不意蹄園｡而耽逸巣｡翼長生者反不見

臭｡故日誰料｡落想凌基｡

挑培謙

此感武宗嘗事｡必是升過後作｡故借茂陵名篇｡按史武宗好遊猟及

武戯o親受道士道蹄虞法箆｡又深寵王才人｡欲立馬后｡大抵皆少

年血気未定事｡好猟必好馬｡鳳薯常含｡備絃断也｡難勉不挿｡好

武扮也｡既慕玉桃之延年｡借間金屋之専寵〇六年未満｡寛爾升退｡

結句｡深歎其不能清心寡慾養毒命之原｡垂戒切失｡

屈復

唐書｡武宗好遊猟｡受道士遊蹄異録.深寵王才人｡此詩巽武宗而

以茂陵比之也｡無復括難題｡巳死也｡以方朔比蹄異｡以阿矯比才

人｡蘇卿｡自噴也｡王茂元卒後｡義山閉居太原

((朱鶴齢李義山詩

語合

昌四年)按｡義山是時往来京師｡退居太原)｡

宣宗元年｡鄭

正論馬観察判官槍校水部員外都｡故日誰料蘇卿老蹄国茂陵松柏雨

粛蘭｡

程夢星

朱長締茎｡按史武宗好遊磯及武戯｡親受道士起蹄巽法蕗.叉寵王

才人｡欲立馬后｡此詩全是託訊｡

紀的

〔詩詮上〕前六句

l気.七八折韓o集中多此格.此首尤

l気鼓盗｡

軸力完足

(許本

前六旬

一気｡七八捧輪作収｡義山多用此格｡此

首尤紳力完足｡其言有物故也)｡

〇番賓

(周助潤)詐日｡

此首確

三三三

東

方

学

報

是茂陵懐古詩o以馬託訊.恐失作者之意

(詐本

木候なし)｡

′

馬浩

朱日｡

此詩｡全是託訊武宗｡何日｡首二謂勤遠略｡三四謂好猟｡

五謂好仙｡六謂好内｡結借蘇卿

一視｡訊刺自見言外｡包括貫穿｡

極工整而不牽率｡浩日｡武宗武功甚大｡故首聯重筆寓起｡不住肪

猟武戯也O推之好仙好色｡而偽蹄宿速事｡武之所以馬武也｡亦非

尊是託訊｡謂借饗故君之感｡則合乎忠厚失｡蘇卿未必有所指｡徐

氏

(逢源)謂宣宗立｡武宗朝股逐五相李宗閲楊嗣復牛借符棲瑛李

ER.同日召還｡義山本牛糞.蘇卿指僧席等｡深文之論｡吾無取寓｡

叉日.此章的是慨武宗失｡然謂直詠漠武｡以馬訊戒｡意味固己深

長｡詩中妙境｡其趣甚博｡随人目領之耳｡

此謂巳狙落｡撃絃可績｡而寿命難延｡五六又追述｡

(朱鶴齢)此妨極是｡不可震其名而為所欺也｡

漢書外戚侍｡武帝印位｡陳皇后壇寵嬬貴十飴年｡此単

一以該後

宮｡張

采

田

〔合隻

〕慨武宗也.蘇卿白謂｡徐氏乃謂宣宗立.武宗朝腔逐五相

李宗閲楊嗣復牛倫符僅瑛李EB｡同日召還｡義山本年窯｡蘇卿指僧

持輩｡不知義山白正吾秘郵後.其於牛糞.折閲渡英｡後又従都立o

望李同｡及李真昼敗｡然後始向子直告京｡無縁此時巳傾心牛糞也｡

徐氏臆説｡殆不可従｡

〔妨正〕唐人遷宮｡卑官多好以質誼蘇武借聴｡此蘇卿蹄園｡義山

三三四

白比也｡義山合昌六年服関入京｡武宗巳崩｡詩前六句｡分鴬武功

好猟求仙寵王才人事｡結則以蘇卿藷豪放君之慨｡所謂日西春蓋到

来遅也｡徐氏謂指牛糞｡謬失

(おなじ-

｢年譜合等｣合昌六年

･

相思2-9詩築

｢日西春轟到来遅｣郎誰料蘇卿老韓国茂陵松柏雨静

粛意｡武宗崩於三月｡故日春轟也)｡

方同

義山詩O織組有飴｡細味之｡格律亦不烏高｡此詩讃論漠武甚夫o

謂嘱移如此o終蹄於轟也

(律髄割譲紀批

義山殊有気骨｡非西昌

之比｡此語末是)0

顧沸

(唐音評)

此篇八句用八件故事｡不過皆是武帯革｡無高興｡無閲鍵｡但起結

略柄耳｡

胡以梅

(古迩類)

通首讃刺漠武之意｡

二

一｡言其務遠努民｡三四五六｡謂其但知苑

団巡幸｡好神仙.宵闇宴娠之私也.結掲惜蘇武義節｡乃武皇不及

一見｡徒謁於陵寝而不勝其寂異臭｡史記｡武帝伐大宛｡得千里属｡

名目蒲梢｡作天馬之歌｡今詩出字｡出名也｡-詩用鳳噴難麹.言

於内苑遊政.則不復他出蓮華也｡第五句｡朱筆

玉｡楊升奄日｡本

是環池安罷留王母｡-愚謂環池句O文通理順｡言耽好神仙安楽之

不休｡若玉桃句｡則止謂好神仙｡然憐字無力｡苛有王母｡則蓮類

引用堪池｡絶是標紗之談｡不必拘泥也｡

近代注秤

〔森椀南〕下巻

一頁｡〔高橋和巳〕

二

一四頁｡〔安徽師大〕六

一貢｡

*

*

0

8句の首二字を借りて詩題とLt典型的な借題が

一篇の首二字

を機械的にとるのは明瞭に異なって､ことばの選拝がいささか作

馬的である｡しかし､詩題のとおり正面から茂陵-演武を歌うの

か香かについては､議論が分れるところで'主題を隠蔽する意圏

でわざと茂陵と題したとする解樺もありうる｡

1

〔史記二四発書〕後伐大宛｡得千里馬｡属名蒲梢｡次作以烏歌｡

歌詩日｡天馬来合従西極｡経常里令蹄有徳｡承塞威令降外国｡渉

流沙合四夷服｡〔漢書九六上西城侍〕大宛国｡-宛別邑七十飴城｡

多幸馬｡馬汗血O言其先天馬子也

(孟度日｡言大宛国有高山｡其

上有馬不可得｡因取五色母馬置其下輿集｡生駒｡皆汗血｡因競日

天馬子云)0

〔文選二三院籍詠懐詩十七首之五〕天馬出西北｡由来従東道｡

〔李白天馬歌〕天馬乗出月支窟｡背鳥虎文龍翼骨｡

漢家

〔史記

一三〇太史公自序〕天子始建漠家之封｡而太子公

留滞周南｡不得輿従事｡

敵軍憤而卒｡

〔文選二七石崇王明君詞〕

我本漠家子｡婿通草干庭.〔李白胎従弟之造詩〕漠家天子馳駆馬｡

赤車萄道迎相知｡

〔慮捕逸信州挑使君詩〕楚国上腕取成重｡

漠家

長牧待人難｡

天馬

〔漢書二二躍巣志

･郊和歌十九章天馬十〕天馬裸｡閑遠

門｡凍予身.逝昆命

(文穎日｡言武帝好仙｡常庶幾天馬来｡富来

李義山七律集粋稿

(≡)

2之往尊昆命也)0

〔山海経北山経〕馬成之山有獣蔦｡其状如白犬而黒頭｡見入則

飛｡其名目天馬｡其其鳴自訓｡

蒲柏

〔漢書九六下西城停賛〕

(孝武)聞天馬蒲陶｡

則過大宛

安息｡自是之後O明珠文甲｡通犀翠羽之珍｡盈於後宮O蒲梢龍文｡

魚目汗血之馬｡充於黄門

(孟度日｡四駿馬名也｡師古日｡梢馬音

所交反)

｡〔文選三張衡東京戚〕鮒承華之滞梢｡飛流蘇之騒殺

(帝

綜注

射.副馬也｡承華｡厩名也｡言放華廠之蒲梢以為副馬也)｡

〔元積江連詩〕高門受章轍｡華厩稀薄梢｡

〔贋竜五肴

･拍字注〕蒲拘｡良馬名也｡

〔史記

一二三大宛列停〕俗暗酒｡馬暗常宿｡漠使取其巽東｡於

是天子始種首席葡陶肥鱗地｡及天馬多｡外国使釆衆｡則離宮別観

勇｡轟種葡陶常宿極望

(漢書九六上西城侍略同)0

首漕

〔西京雑記

こ

発進苑自生改塊樹｡樹下多常宿｡首槽.

一名懐風｡昔人或謂之光風｡風在其問｡常粛粛然｡日照其花｡有

光采｡故名首清馬懐風｡

茂陵人謂之連枝草.

〔漢書九六上西域侍

顔師古庄〕今北道諸州奮安定北地之境｡往往有目宿者｡皆漠時折

種也｡陳直

｢史記新発｣にいう'｢嘗稽現関中地区､常普遍栽植｡

興卒茂陵

一帯尤多'紫花'葉如碗豆苗O｣(1九三頁)

〔張正見軽薄篇〕細撰連鏡馬｡

傍題常宿花｡

〔王維迭劉司直赴

安西詩〕苫荷随天馬｡

葡萄逐漠臣｡

〔杜甫胎田九判官詩〕宛馬絶

肥春常宿｡賂軍只数漠擦挑｡

三三五

東

方

撃

報

増花

〔博物志〕張審使西域還｡得安石橋

(御覚九七〇)｡〔陸

機輿弟書〕張害鳥漠使外国十八年O

得塗林安石棺也

(御覧九七

〇)｡〔新修本草

一七安石橋候陶弘景注〕石棺以花赤可愛｡故人多

植之.尤馬外国所重o〔孔紹安石棺詩〕可惜庭中樹.移根逐漢臣｡

只烏釆時晩.開花不及春｡

〔李晴甘露殿侍宴詩〕御延陳桂醇｡

天

酒酌棉花.〔元構感石棺二十竃〕何年安右図｡寓里真相花.

迅速

河源道｡因依漠使様｡義山に

〔石橋45〕の詩がある｡七絶集樺棉

日本学報五

1珊五七八頁参照O

編

〔王維山居即事詩〕鶴巣松樹病.

人訪薯門稀｡

〔杜甫秦州

雑詩二十首之五〕浮雲連陣没｡秋草福山長｡助字餅略四に'｢

偏

猶悉也｡｣

近郊

〔周産地官載師〕以宅田士田要田｡任近郊之地｡以宮田

牛田覚田牧田｡任遠郊之地

(鄭注

司馬法日｡王国｡百里薦郊｡

･･･杜子春云｡馬郊｡五十里馬近郊｡百里篤遠郊).〔鏡起東泉早春

寄邸四校書詩〕窮達燈明主｡排桑迩近郊｡

3･4

〔漢書五七下司馬相如侍〕嘗従上室長楊猟｡是時天子方好

日撃熊承.馳逐聖獣｡相知因上疏諌｡其節目｡･-今陛下好陵阻険｡

00

射猛獣O卒然遇逸材之獣｡駐不存之地｡犯属貴之清塵

(師青日｡

塵謂行而起摩也｡言

滞者｡専貴之意也)｡

輿不及遠韓｡

人不暇施

巧.雄有鳥獲逢蒙之技不能用.枯木朽株轟馬難失.-且夫構造面

後行｡中路而馳｡潜時有街渠之愛｡況乎渉豊草o騨丘虞O前有利

獣之柴O而内無存愛之意｡其残害也不亦難兵｡夫樫高来之重｡不

三

三

六

以馬安｡染出寓有

l危之塗以烏奴｡臣窮鳥陛下不取

(文選三九に

も上書諌猟と七て載せる)｡

また文帝と封照的な武帝の軍事と蒼

俸どのみに封する諌言がある｡

〔漢書六四下暫摘之侍〕封日｡

-

至孝文皇帝｡閲中国未安｡層武行文｡則断獄数百｡民戚四十｡T

OO

男三年而

1事｡時有戯千里馬者.詔日｡驚旗在前｡属革在後

(柿

古日｡驚旗｡編以羽毛｡列紫檀勇｡載於車上｡大駕出｡則陳於道

而先行)｡吉行日五十里｡師行三十里｡朕乗千里之馬｡猪先安之｡

於是還馬｡輿道里費｡

而下詔日｡朕不受戯也｡其令四方算求来

厳.〔自店易八駿囲詩〕穆王八駿天馬駒.後人愛之寛薦圏.

･･･屠

車軸折趣不及｡黄屋草生棄若造｡-文帝却之不肯乗｡千里馬去漠

道興｡

内苑

〔管書

二

一二呂光載記〕以孝武大元十四年｡僧即三河王

位｡置百官白丞郎巳下｡-謹其軍臣干内苑新堂｡

見知

4句の無復と封しており'知も助字とみなすべきで'只

是とほぼ同義であろう｡知が動詞でな-助字となる場合について

は'〔促漏1-5〕定知の注参照

(集樺稿日本学報五四珊四二五頁)0

鳳噴

〔十洲記〕鳳麟洲在西海之中央｡-洲上多鳳麟｡教育各

馬群｡･･･亦多仙家.襲鳳晩及麟角｡合煎作腰｡名之馬績弦腰｡或

名連金泥｡此腰能横弓琴巳断之弦｡刀勧断折之金.-武帝天漠三

年｡荷車北海岡恒山.四月｡西国王使至｡戯此腰四両.吉光毛裳.

武帝受以付外庫｡不知勝裳二物之妙用也｡以箆西国離遠｡而上貢

者不奇｡稽留使者未達｡又時武帝幸華林園射虎而琴弦断｡使者時

4従駕｡又上勝

一分｡使口濡以摩管弦｡帝驚日異物也｡乃使武士数

人共封製引之｡終日不脱｡如未績時也｡腰色如碧玉｡この話はま

た博物志二異産にも見える｡

〔杜甫病後遇王府飲滑歌〕麟角鳳噴世莫識｡煎腰績絃奇自見｡

尾幸

雄麹

〔後漢書志二九輿服上〕釆輿大駕｡公卿奉引｡太

僕御｡大将軍容乗｡属車八十

一乗｡備千乗寓騎｡西都行両天郊｡

甘泉備之｡-乗輿法駕｡-屠車三十六乗｡前駆有九浮雲苧

(東京

購日.雲竿九算O啓綜日｡腫旗名)｡鳳風蘭戟

(帝綜日｡勝之言

由也｡取四戟画貴通)｡皮軒驚旗｡皆大夫載｡驚旗者｡.編羽旗｡

列繋障労｡民戎謂之難題｡非也｡素畠の猪断下の記述もほぼおな

じ.

〔文選

一班圃東都賦〕尭駆復路｡属車案節｡〔又三張衡東京賦〕

鹿茸九九｡乗軒並穀

(帝綜注

副車日属｡言相達也｡鹿茸有藩者

日軒｡常在後｡馬三行｡故日並穀｡

李善江

漢雑事日｡諸侯武

重丸薬｡秦滅九園｡乗其車服｡故大塩屠卓八十

1乗)｡斑驚重族｡

朱旗帯屋

(李善注

徐贋車服志日｡軽車置撃於拭上｡載以展車｡

然置驚於斑O白斑驚)｡奉引既華｡

先輪乃蓉

(啓綜江

奉引.請

引道者｡言引道之次巳定｡前車乃覆)｡驚旗皮軒｡

通畠綿肺｡帝

王は狩猟に際しても鷲旗整然たるのが本来のかたちである.〔杜

甫八哀詩

･李堪〕忽恩格猛獣｡苑固騰清塵｡羽旗動若

l｡寓馬粛

銑鉄｡詔王奉射雁｡拝命巳挺身｡

〔鴻浩補注〕薯書職官志｡鹿茸

1十有二｡古着｡廃車八十

1釆o

李義山七律集梓稿

(三)

皇朝置十二釆也｡

5

〔博物志八史補〕七月七日夜漏七刻｡王母乗紫雲車而至｡-王

母索七桃｡大如弾丸｡以五枚輿帝｡母食二枚｡-帝日｡此桃甘美｡

欲種之｡

母笑日｡

此桃三千年

一生茸｡唯帝輿母封座｡其従者皆

不得進｡時東方朔鮪従殿南府朱鳥備中窺母｡母顧之謂帝日｡此窺

腐小兄｡嘗三乗盗吾此桃｡帝乃大怪之｡由比世人謂方朔神仙也｡

〔漠武故事〕東郡迭

1短人｡-召東方朔問｡朔至｡呼短入日｡亘

震｡汝何忽叛来｡阿母還未｡短人不封｡因指朔謂上目｡王母種桃｡

三千年

l作手｡此兄不良O巳三過倫之失｡達矢王母意.故被誕釆

此｡

上大驚｡始知朔非世中人｡〔柳宗元摘楼桃勝元居士詩〕蓬莱

羽客如相訪｡不是倫桃

1小見｡

玉桃

〔紳農経〕玉桃｡服之長生不死｡若不得早服之｡臨死日

服之｡其戸畢天地不朽

(御髪九六七)O

〔漠武内侍〕(王母)又命

侍女更索桃果｡須輿｡以玉盤盛仙桃七頼｡大如鴨卵｡形囲青色｡

以呈王母｡母以四頼輿帝｡三顛白食.･･･母日.此桃三千年

1生茸

(贋記三漠武帝候)｡

〔抱朴子内篇二〇祐惑〕

(崖寄)上有-玉李

玉瓜玉桃｡其箕形如世間桃李O但馬光明洞徹而堅｡須以玉井水洗

之｡便軟而可食｡

倫得

〔元軍使東川詩

･望喜騨〕満限文書堆案連｡限昏倫得暫

時眠｡〔温庭錯舞衣曲〕蝉杉麟背腰愁香｡倫得鴛賓鍍金棲.

6

〔漠武故事〕(育)年四歳O

立馬腰東王｡数歳O長公主標拘置

膝上｡問日｡兄欲得婦不｡腰東王日｡欲得婦｡長主指左右長衡百

三三七

東

方

撃

報

飴人｡皆云不用｡末指其女問日｡阿婿好不｡於是乃笑封日｡好｡

若得阿矯作婦｡富作金屋貯之也｡長主大悦｡乃苦雲上｡途成婚蔦｡

〔漢書九七上外戚陳后停〕孝武陳皇后｡長公主審女｡

〔玉茎新詠五柳憧長門怨詩〕無復金屋念｡

崖照長門心｡

〔叉六

費邪長門后怨〕金屋貯嬬時｡

不言君不入｡

〔白居易長恨歌〕金屋

粧成婚侍夜｡玉楼宴蘭酔和春.〔元償夢遊春七十韻〕卓女白頭吟｡

阿嫡金屋威｡

情成

〔謝先輩記念拙詩偶有此寄2-4〕.改成人寂寂｡事典路綿綿｡

〔菅昌晩厨馬上胎5-0〕嘆白微微白｡看成沓沓殿｡

7

･8

〔漢書五四蘇武樽〕天漠元年｡-武帝-乃遣武以中部牌使

持節迭旬奴使留在漠者｡因原賂草子｡答其善意｡武輿副中部牌張

勝及償吏常意等｡募士斥候百錬人供｡

-凡随武遺著九人｡武以始

元六年春至京師｡詔武奉

一大牢謁武帝園廟.拝島典属国｡秩中二

千石｡腸鏡二百寓.公田二頃｡宅

1匿｡常意徐聖遭終板皆拝島中

00

部o賜烏各二百匹.其飴六人老蹄家.腸鏡人十寓｡復終身｡-武

曹旬奴凡十九歳｡始以彊壮出｡及還｡須髪轟白｡

7

誰料

〔自居易江模月詩〕誰料江連懐我夜｡正嘗池畔望君時｡

〔又若勘酒詩〕誰料中生狂酒客｡如今変作酒悲人O

蘇卿

〔李白千里思詩〕李陵波胡抄｡

蘇武還漠家｡

〔責島巴興

作〕蘇卿持節絡還漢｡葛相行師日渡櫨｡

帝国

〔漢書四五息夫窮侍〕上蔀是恵窮等｡下詔日｡

-其免窮

(孫)寵官｡遣就国｡窮帝国｡未有罪宅｡寄居丘亭

(張費目｡丘

三三八

事｡野草名｡師古日｡此詮非也｡丘｡茎也)｡

8

〔劉長姉故女道士娩儀太原郭氏挽歌詞〕涯王哀不義｡松柏但粛

蘭｡茂

陵

〔漢書六武帝紀〕(建元二年)初置茂陵邑

(慮劫日｡武帝

自作陵也｡師古日｡木椀里願之茂郷｡故日茂陵)

｡-

(元朔二年)

徒郡園豪傑及砦三百寓以上干茂陵｡-

(後元二年二月)丁卯｡帝

崩千五杵官

(臣項目｡帝年十七即位｡即位五十四年｡毒七十

一).

入婿干未央宮前殿｡三月甲申｡葬茂陵

(臣項目｡自崩至葬｡凡十

八日｡

茂陵在長安西北八十里也)｡

蘇武の韓国はその六年後であ

る｡

〔李白登高丘而望遠海楽府〕銀墓金関如夢中｡秦皇漠武重相待｡

-君不見騒山茂陵意次滅｡牧羊之子釆契登｡〔自店易海漫漫楽府〕

雲暮煙浪最深虞.人樽中有三神山｡山上多生不死葉O服之羽化馬

天仙｡秦皇漠武信此語.方士年年采薬去｡-君看騒山頂上茂陵頭｡

畢寛悲風吹蔓草｡

〔許滞聾仙二首之二〕聞有三血未知虞｡茂陵松

柏満西風｡義山にまた

〔寄令狐郎中69〕茂陵秋雨病相加

(七緯集

秤稿日本学報五

l珊五九七頁参照)0

松栢

〔古詩十九首之十三〕堪車上東門｡遠望郭北墓O白楊何

斎蘭｡松柏爽贋路

(李善注

白虎通日｡庶人無墳｡樹以楊柳｡楚

離日｡風楓楓令木蘭蘭｡仲長子昌言日｡古之葬者｡松柏梧桐以識

其墳也)

｡〔古詩

(十五従軍征)〕造望是君家｡松柏家索紫｡〔陶淵

明擬古九首之四〕松柏鳥人伐O高墳互低昂｡

斎斎

前項の李善注に引-九歌山鬼篇あるいは剤固歌以来'斎

蘭はふつう風の音だが'

杜詩には雨に関するものがあり'

〔雨三

首之二〕片片水上雲｡

斎粛沙中雨｡

〔久雨期王将軍不至〕天雨粛

斎滞茅屋.基山無以慰幽狗oまた劉長卿

にも

〔迭梁侍御巡永州

詩〕斎斎江雨着｡

客散野草茎｡

義山に他に二例'〔明日46〕潰欄

明日意｡池関南斎蘭｡〔細雨3-2〕惟親日玉堂｡

聾巻碧牙林｡

楚女

昔時意｡粛粛髪彩涼｡総じてぎんぎん障りの豪雨ではなく'むし

ろかそけき小糠雨の形容に用いられている｡

異文の'

サンズイをつけた瀞の字の場合は'

〔詩鄭風風雨〕風

雨清浦｡

難鳴腰腰

(毛停

滞滞｡暴疾也)

｡

ここにはふさわし-

なさそうである｡

なお西山昆酬唱葉上に

｢漠武｣と題する楊億はじめ七人の七律を

収めるが'

李宗鍔の作品は特に忠責に義山の本詩を襲う｡

｢西母

不束東朔去､茂陵松栢冷粛蘭｡｣

*

*

*

本詩に歌われる封象について'奮解は'囲漠の武帝､㈲義山と

同時代の天子武崇'二様に分かれる｡

Al懐古

顧鱗

･胡震亨

･徐徳瓢

･紀的

<ev讃訊

方同

･何煙

･胡以梅

Bl託訊

床鶴齢

･陸鳴呆

･桃培謙

･程夢星

EQcq感慨

屈復

･満治

･張采田

ABそれぞれにおける項目分類はもとより絶封的なものではない｡

李義山七律集秤稽

(≡)

たとえば渇浩が

｢託訊｣｢に借りて故君の感を重し｣

たとのべる

ように｡またFq"詮の屈復

･張采田は7句の

｢蘇卿｣を義山白身と

Lt徐逢源

(渇注引)は武宗に追われた牛伶蘇らとするが'渇浩

は特定する要なしという0近代注樺では'森がBN詮に滑極的同意'

安徽師大は積極的同意

(特に屈

･張に)'高橋はA詮

(｢批判的詠

史詩｣)｡本詩の係年は'濁浩

･張采田

･安微師大みな嘗然武宗の

死の年すなわち合昌六年だが'高橋は不編年｡

嬬江本では'｢茂陵｣の直前

に

〔昭粛皇帝挽歌詞三首3-23-33-4〕

が置かれ'満浩の隻に

｢武宗大有武功'篤信仙術'絶類西漠武帝'

三詩用典'大牢取之｣とあり'安徽師大は茂陵詩武宗影射の有力

な根接にする｡これは単なる主観的臆測と質を異にし､説得力が

ある｡この詩責は武宗を歌う'その可能性は十分にある｡しかし'

ほかならぬ満浩白身が'

｢直ちに漠武を詠じ｣

るとみなしても'

すで

詩の味わいは｢固

巳

に深長｣と但し書をつけざるをえなかった｡

森が許するように､そのまま讃んでも

｢非常に面白い詩｣なので

ヽヽ

ある.何が何でも武宗に関係づけねば正解にはならぬのかどうか｡

この詩にもし武宗の影を求めるならば､武宗の死に鰯覆された義

山が､武宗をモチーフに漠の武帝を詠じたので'詩の眼目はやは

り漢武にある'

といった見方だって

(B説とは逆に)'

できると

思われる｡

フエルガーナ

1

･2

漠の武帝さまのお家に遥か西域

大

宛

の

天馬の血すじをひく

蒲梢故がもたらされ､天馬とともに西域の草木であるムラサキウ

三三九

34

東

方

学

報

マゴヤシにザクロが長安の都の周遮いたる折に茂るようになった｡

こうした異国的情緒は'西へ西へと騰がりゆ-光明にみちた帝国

の世界を象徴する｡1句がもし院籍や李白の詩をふまえるならば'

｢蒲梢ヨ-出ズ｣で'義山の典故誤用になるが'何煙

(評本)の

よみ方で通ずる｡

皇帝さまの贋大な御苑には猛獣を放し飼いにして狩猟にあけく

れ'次から次と切れる弓の弦に'猟場で係は頒弦腰-

これも西

域停釆'鳳風のクチバシ製の不思議のニカワI

をもっぱら口に

ふくみっ放しで待機する｡なにしろこのニカワ'唾でぬらすだけ

でわけな-弦をつないでしまう｡

皇帝さまの出御には'おともの葺は九九八十

二重'いかめし-～

とりばね飾りの旗をたてるのがきまり｡それをされないのも'ひ

とえに狩猟にうつつをぬかされるゆえ｡4句の解樺は'闇胡震亨

の微行説'㈲屈復の崩御詮'㈲胡以梅の不他出説､㈲陸鳩巣

･挑

培課の武扮説tと分れるが､いま㈲をとる｡武帝はなりふり構わ

ず危険もかえりみず出歩いては'司馬相如に諌められた｡属車は

は後衛'難勉は先導で'ここも字義どおりではやや矛盾するが'

つまり先梯いも供ぞろえもろ-ろ-ととのえず'本来あるべき荘

麗厳粛な樫文のかたちも忘れて好きな武事

(-出猟)に熱中tの

意味であろう｡

皇帝さまの御寵愛は仙術で鳴る東方朔｡それはかれが西王母の'

三千年に一度しか茸らぬ玉桃を三度もぬすみ食

ったからで｡不老

三四〇

長寿の指南役｡

6

まだ御歳四つ五つのころから'金の御殿ができたらその中に大

好きな嬢ちゃんを入れてやるといわれていた皇帝さまは'その言

葉を今何倍にもして茸現された｡修を

｢粧｣とする異文は'

一見ヨソオ

イ

長恨歌の例に合致するかに見えるが'後者は

｢金屋

(ノ中)

ニ粧

成-テ｣で'やはり情の字がよい｡また修成の成は倫得の得に見

合う助字と考えるべきである｡ただし助字非略二の

｢語助｣では

軽すぎ'徐仁甫贋樺詞四八二頁の

｢罷｣の訓はここには重すぎる｡

動詞のあとにつ-成の語義については待考｡

7

･8

こうした'大漠帝国の茎前絶後の栄華のさなか'その演出

者たる武帝さまの命を承けて何奴

へ侵した蘇武殿は'囚われの辛

苦を十九年なめ轟したが'すっかり年老いてようや-国に腐りつ

いた彼を待

っていたのは'思いもかけず武帝さまの眠る茂陵の松

と柏とに'しとしと

(或いはしょぼしょぼ)とものさびし-降る

雨なのであった｡

l～6は'ただ光明のみを述べる｡そして突如'場面が変る｡

見えなかった暗さが見えて-る｡しかし'それは全-新たなもの

の敬見ではない｡むしろあることを契機として始めて見えて-る

と言うべきか｡断層の鎗さによって'1-6に蘇武のイメージが

逆照射され'それがかげとなって明るさ華やかさがさらに増して

くるtと感じられる｡

(松尾良樹)

宋玉3-4

何事別室百宮家

唯教宋玉檀才筆

楚詞己不鶴居勤

4風斌何曾譲景差

落日渚宮供観閣

閏年雲夢迭煙花

可憐庚信尋荒径

宋

玉

何事ぞ剰垂

百寓の家

唯だ宋玉をして才筆を接にせしむ

楚詞巳に唐勤を鏡さざれば

風賦何ぞ曾ち景差に譲らんや

落日渚宮

親閥を供し

閏年雲夢

煙花を遮る

いと台し

憐む可し庚信

荒径を尋ね

8拾得三朝托後車

猶お得たり三朝

後車に托さるるを

枚

o

唐詩鼓吹七

唐詩類苑

二二二

(入部懐貿類)

1

墓

鼓吹

･高麗本

｢門｣

稿本芳江

｢門｣

全唐詩校注

｢一作門｣

2

唯

鼓吹

二重鹿本

｢猪｣

統教

･全唐詩校注

｢一作猪｣

稿本

勇往

｢猪｣

鏡本

｢誰｣を

｢唯｣に改む

3

詞

他本みな

｢尉｣

8

托

席本

･鼓吹

･高震本を除き他本みな

｢託｣

韻

下卒九麻

(家

･華

･差

･花

･車)猫用

*

胡震亨

(昧古類)

李義山七律集粋稿

(三)

朱鶴齢

8

三朝｡謂梁貌周也｡

朱

舜

専

5

宮供夢遮｡重電｡

8

結意何折指｡

何煙

〔讃書記〕此題下鉄

l宅字

(評本

｢此題疑閑

一宅字｣)｡

○此作

者自謂

(評本

｢此篇自謂｣)｡

○落句清聴放任｡自有無窮感慨

(評本

｢落句以歴事文武宣三朝｡皆不得志也｣)0

〔評本〕

3

楚節｡疑微節｡

5

･

6

宵供観閲｡語近郭冠軍家｡夢迭煩花｡又似此婦撃馨也｡○

言渚宮観閣雲夢.莫非助奄才筆.馬詞戚用也.

桃培謙

此歎遇合

之不如前人也｡自首文人｡頑命多薄｡満天生宋玉之才｡

l時無丙｡忌者耽多｡必遭儒菱｡乃渚宮雲夢間｡侍従遵造.主臣

相得｡何其事典｡

至千年下｡

如庚信者｡

偶屠故宅｡猶若弓其飴

庇｡而得承事三朝｡文人薄命之詮｡書経有所未信也｡蓋無聯自遣

之詞｡

屈復

前牛｡宋玉才筆O乃楚

一人｡後年｡言渚宮雲夢O飴風猶在｡故庚

信

一尋荒遷｡永託後車｡意言己之才筆｡可追庚信｡渚官雲夢｡亦

三四

1

東

方

学

報

堪託宋玉之後卓｡而流落終老｡其硯庚也遺失｡

程夢星

文士失職｡今古同情｡以古準今｡能無噴歎｡宋玉之才筆｡不但別

室百寓家之所無｡師岡受屈原之指受者｡唐勤景差｡亦皆不及｡可

謂剰墓掲歩兵｡然考其身世｡不過従遊於嘗時之諸侯而巳｡渚宮之

供観闇｡未嘗無情｡雲夢之迭姻花｡未嘗不発｡無知以此窮年｡有

何情緒｡杢留故宅｡庚信重来｡韓不知其流離播遷之時｡拾得歴事

梁魂周三朝｡以博貴顕也｡杜子美詠懐古旗｡亦有可憐宋玉臨江宅

異代猶教庚信居之語｡蓋託之古蹟以詠懐｡義山亦此意地｡詩中落

日字.乃日復

1日之義.開年字｡乃年復

一年之義｡不可作夕陽献

歳解.若只就本字論之｡落日猶可｡閏年無謂｡豊有千載之下o推

求古人之明年耶｡其所以言及年月者｡乃自歎歴佐津幕之久｡所以

言及三朝者｡亦自歎不得志於敬宗文宗武宗也｡

紀的

〔詩読下〕何以不取宋玉也｡日｡四家以馬失之鈎別過明｡不情人

意也

(評本

｢四家評日｡失之鈎勤過明｡又是

一種不値入意｣)0

嬬浩

在江陵作｡時蒋於開春還桂｡五六｡桑以託意｡

6

閏年｡明年也｡言無早晩無年歳｡皆足蓮其才藻｡

7

･

8按北史侍｡庚信先島東宮抄撰聾士.是武帝時也.後事簡文

帝元帝｡則三朝臭｡信奔江陵｡元帝除御史中丞｡政輿尋荒程合｡

乃奮解誤以梁魂周烏三朝.身旺常北｡安待命尋南土我｡信雄遭乱

三四二

漂流｡拾得以文学侍従三朝｡而義山歴文武宣三朝｡況輪使府｡故

有羨於子山也｡語曲情京｡味之無極｡蹄州亦有宋玉宅｡此則江陵｡

張采田

〔合篭〕嬬氏云｡在江陵作.時将於開春還桂｡五六｡乗以託意｡

〔妨正〕此詩乃玉硲使南郡時作｡江陵有宋玉宅｡故以白況O託寓

深腕｡味之無轟｡至鈎靭分明｡本係詩法庶爾｡紀氏不懐意此種｡

宜其妄下苛責也｡

○紀評有引廉衣

(李仲簡)蒙泉

(宋滴)四家諸

説｡然既為紀氏所取｡則責備有蹄失｡

黄侃

此首白傷無宋玉之遇｡末二句尤覇｡開年即楚蔚所云開春戯歳｡猶

言新年新春耳｡程解大謬｡五六二句｡正白傷無宋玉之遇也｡

邦天挺

5

渚官印江陵也｡

6

閏年抑新年也｡

7

･8

庚信｡琴

九帝承制除御史中丞｡聴西魂｡

-遷儀同三司.局

孝開放作｡蓮開府｡

慶文煩

庇専詠宋玉串｡首言刑門士家之多｡何宋玉猪痩其才筆也｡彼作大

言戚而得雲夢之田｡作風賦以訊楚王之過｡是其詞威｡首適唐勤｡

高出景差｡非摘垣才筆乎｡且屠剤門｡日落則渚宮日色｡可以供吟｡

新年則雲夢姻花｡可以迭玩｡是以才筆日生｡嘗時梁庚信居宋玉之

宅Q而拒其風流儒雅.以数宋玉之所為｡亦有才恩見用｡故仕梁貌

周三朝｡得托君王後車｡而近侍干君也｡庚信雄有才而失臣節｡以

其仕三朝也｡此庚信所以不和宋玉｡益見宋玉才筆臭平｡

王清臣

･陸胎典

此言宋玉才筆｡猪檀於刑門｡故唐物景差｡皆有所不及也｡且玉居

剤門｡日落則渚宮離間｡足供吟挑｡新年則雲夢煙花｡釆助流速｡

是以富時梁之庚信｡居宋玉之宅｡而拒其風流｡歴仕梁貌周三朝｡

托宋玉之後車｡而近侍於君王也｡則豊非才華有精達哉｡

胡以梅

(古迩類)

前四句｡賛美其才筆｡五｡従剤董之景｡言其寂実｡供字奇｡猪慣

用也｡宮中親閣尤高｡落日毎供其照輝｡但有落日｡則無繁華之物

臭｡六｡切玉之賜田在雲夢｡迭乃流年之相迭姻花過去也｡同是叙

景｡只須供字迭字｡意味幽深｡遮不落庸蜜｡名家用意不同｡結言

所遺之宅屠之｡猶出文物之庚開府｡而馬三朝侍従之臣｡産経帯出

讃刺戯讃｡以籍徐波｡精雅之妙｡-開｡新也｡亦毎年之意.北史｡

庚信先事実簡文帝｡後奔江陵｡元帝除烏御史中丞｡晴西魂.留鳥

開府儀同三司｡至周孝閏帝｡籍額騎大将軍｡故云三朝｡後車｡廃

車｡侍従所乗者｡

近代注揮

〔森椀南〕下巻

一二八頁｡

*

*

詩題は2句の

｢宋玉｣二字を借り'ないし選んだので､何煙の

疑うように

｢宅｣の字が誤脱したのではあるまい｡本作品は詩題

李義山七律集揮栢

(≡)

と主題の関係は比較的明瞭に見える｡義山には宋玉への言及が甚

だ多いが､特に関連ある三篇を掲げておく｡

〔過鄭贋文奮居2-9〕宋玉中生恨有徐｡遠循三楚弔三間｡可憐宵

著臨江宅｡異代癒数庚信居｡

〔楚吟2-9〕山上離宮宮上模｡

模前官

畔暮江流｡楚天長短黄昏雨｡

宋玉無愁亦自愁｡

〔有感311〕非開宋

玉有微詞｡却是裏王夢党遅｡

一白高唐賦成後｡楚天雲雨轟堪疑｡

また義山の宋玉詠には次の杜詩の影響があろう｡〔詠懐古跡五

首之二〕格落探知宋玉悲｡風流儒雅亦吾師｡恨望千秋

〓催涙｡素

懐異代不同時｡江山故宅茎文藻｡雲雨荒董宣夢恩｡最是楚宮倶浜

滅｡舟人指鮎到今疑O

なお西岸酬唱集下には､楊億らの同題の七律三首を載せるが'

義山詩の模倣のあとは､ここでは必ずしも顕著でない｡

何事

〔曹植陳審畢表〕若朝司惟良｡寓機内理｡武将行師｡万

難克粥｡陛下可得薙容都城｡何事努動墾駕｡暴露於通貨哉｡〔陶淵

明飲酒二十首之二〕善意荷不磨｡

何事茎立言｡

〔厳維宿刑渓館呈

丘義興〕｡先生能館我｡何事五湖遊｡詩語解上に

｢何馬也｣｢何故

也｣といい'贋粋詞

二

一六頁に

｢猶何用'疑怪之語｣という｡も

とより詩文の常語ではあるが'何事を冒頭に用いる例は珍しい｡

剤童

〔詮苑九正諌〕楚昭王欲之剃壷済｡司馬子未進諌日｡刑

墓之溝｡左洞庭之被｡右彰義之水｡南空瓶山｡下臨方准｡其米債

人達老而忘死｡人君瀞者｡轟以亡其図0願大王勿往併寓O王日.

剃童乃吾地也｡

この話は孔子家語三蹄政にも見える｡

〔方輿勝贋

三四三

東

方

学

報

二七湖北路江陵府〕刑壷

在監利願西三十里｡土洲之南｡

ここでは剃州ひいては郡都､唐の江陵府を指す.

〔周躍夏官職

万民〕正南目刺州｡其山鎮日衡山｡其滞薮日雲菅｡其川江漢｡

〔文選四五皇甫譜三都戚序〕蓋萄包梁嘱之資｡呉割刑南之富｡貌

跨中原之街｡〔通典

一八三州郡古剤州〕江陵郡江陵麻

故楚之郡

地｡秦分郡置江陵麻｡今願界有故都城｡-又有紀商域｡楚渚官｡

漠津郷故城｡在今願東也｡

鼓吹などは刑量を期門に作るO

〔文選

〓

一郭瑛江賦〕若乃巴東

之峡｡夏后硫整｡絶岸寓丈｡壁立板鮫.虎牙煤塵以蛇率.刑門閥

殊而磐傭

(李菩提

盛弘之剃州記日.郡西桝江六十里.南岸有山｡

名目剤門｡北岸有山｡名目虎牙｡二山相封｡楚之西塞也｡-剤門

上合下関｡聞達山南｡有門形｡故因以雷名O〔杜甫詠懐古跡五首

之四〕肇山寓墾赴剤門｡生長明妃伺有村｡刑門といえば峻険な山

のイメージが強-'郡都ないし江陵といった大都合にはあまりそ

ぐわない｡義山の

〔刑門西下78〕参照｡

百富家

〔文選五九沈約奔放安陸昭王碑文〕姑蘇奥壊.任切開

河｡都合駿負｡提封百寓

(李書法

漢書｡天子畿方千里｡捉封百

筒井o臣墳案.奮重

石｡掠｡最凡O言大挙頃畝也)

｡〔韓愈出門詩〕

長安百寓家｡出門短所之｡〔漢書三八高五王侍〕(主父)億方幸用

事｡因言奔臨消十寓戸O市粗千金｡

人衆殻富.鉦於長安｡〔劉丙

錫自太守行〕蘇州十寓戸｡轟作嬰見時｡義山にまた

〔無題73〕柾

破陽城十寓家｡ただし江陵あるいは剃州を百寓家と構する例は未

三四四

見｡

2

宋玉

〔史記八四屈原列倖〕屈原班死之後｡楚有宋玉唐勤景差

之徒者｡皆好尉而以戚見構｡然皆阻屈原之従容節令｡終莫敢直謙｡

〔王逸九群序〕九群者｡

楚大夫宋玉之所作也｡

〔文選五〇沈約末

書謝塞運停論〕周茎旺裏｡風流禰著｡屈卒宋玉｡導清源於前｡質

誼相知｡撮芳摩於後｡英離潤金石｡高義薄雲天｡

〔玉董新詠四呉

湛遠陽春曲〕宋玉歌陽春｡巴人長歎息｡

才華

〔江掩知己賦〕隣国之聾者｡故吏部郎殿字其人也｡

三才

多深見｡気有速度｡-既含道潤｡亦巻才筆｡采耀秋月.文麗冬等｡

-擬余才合前華｡比余文今後彦｡余結枚於山右｡君恋仲於寒散｡

〔杜甫寄糞施州詩〕牌老巳失子孫憂｡後乗況按才筆盛｡義山はま

たみずからに封して'

〔安平公詩5-3〕文人博陵王名家｡憐我線角

栴才華｡

3

･4

〔宋玉大言戚〕楚嚢王輿唐勤景差宋玉｡遊於陽雲之蔓｡王

日｡

能篤寡人大言者上座｡･･･玉日｡井呑四夷.飲枯河港｡践越九

州｡無所容止｡身大四塞｡愁不可長｡接地扮天｡追不得仰

(古文

苑二)｡〔又小言賦〕楚裏王既登陽雲之蔓｡令諸大夫景差唐勤宋玉

等並造大言購｡戚畢而宋玉受賞｡王日｡此戚之迂誕則極亘健也｡

抑未備也｡-有能烏小言賦者.賜之雲夢之田.･･･宋玉日｡-二子

之言｡姦森皆不小｡何如此之馬精｡三日｡善o賜以雲夢之田

(古

文苑二)0

3

楚詞

〔王逸九耕序〕宋玉者｡屈原弟子也｡間借其師｡忠而放

4蓮｡改作九群.以述其志｡至於漠興｡劉向王褒之徒.威悲其文｡

依而作詞.散競馬楚詞｡

亦采其九｡

以立義蔦o〔漢書六四上先買

臣侍〕厳助貴幸｡薦買臣｡召見｡説春秋｡言楚詞｡帝甚詮之｡

巳不

〔文選四二貌文帝輿異質書〕諸子但馬未及古人｡自

1時

之筒也｡今之存者｡巳不達臭｡後生可畏.来者難譲｡然恐吾輿足

下不及見也｡

鰻

助字班略二に

｢鏡得馬縦任者'鏡'譲也､譲而不興之絞'

故得韓烏縦任也｡｣といいへ

張相語節匪樺

一には本詩3･4句を

あげ'｢鏡輿譲為互文'鏡印譲也｡｣

とする｡

唐勤

〔漢書三〇重文志詩風略〕屈原賦

二十五篇楚慎重大夫｡有

列博｡

唐勤戚四篇楚人｡

宋玉賦十六篇楚人｡輿唐勧並時｡在屈原後

也｡

〔宋玉親戚〕楚嚢王時｡宋五体蹄｡唐動議之於王

(古文苑二)0

何曾

義山の他の用例はおおむね

｢不曾｣と同義だが'ここは

助字非略二に載せる

｢何曾'猶何乃｡｣

の訓をとりたい｡鯛略三

にはまた

｢何乃､猶云何但｡｣

という｡

しかし文語解

一に'何乃

を

｢イハンヤ｣とよんで

｢コレ何況ノ義ア-｣といい'また虞樺

詞

一〇六頁況乃の項には

｢猶何乃｡｣とあるのを考え合わせるな

らば'3句の巳不

｢-シナカッタ

(カラニハ)｣と呼臆し'マシ

チ-スルコトガアロウカ'と理解すべきではなかろうか｡｢何但｣

ではやや軽い感がある｡

景差

〔文選

二二宋玉風賦〕楚裏王瀞於蘭董之宮｡宋玉景差侍｡

有風楓然而至｡以下宋玉の濁演で､景差は

1言It6)しない.前引漠

李義山七律集樺稿

(≡)

志詩戚略にも景差の名は見えない｡

〔王逸大招序〕大招者｡屈原

之所作也｡或日景差｡疑不能明也｡

〔何煙

(許本)〕景差.古今人表作景窪｡

小顔o音子何反o小

司馬史記索隠云.法言及古今人表皆作瑳o今作差｡是字省耳｡徐

基部三家皆無音.是譲如字也.如字.郎謂讃差｡今入麻韻｡不知

何虞｡

漢書二〇古今人表では

｢中中｣に宋玉､｢中下｣に唐物

･

景瑳を配し'顔師古の注に

｢瑳音子何反｡即景差也｡｣とある｡

5

･

6

〔李白宮中行楽詞八首之三〕姻花宜落日｡細管酔春風｡

5

落EZI

〔玉墓新詠

1徐幹情詩〕微風起開聞｡

落日照階庭｡〔又

七簡文帝戯作謝意連髄十三韻〕香煙出窓裏｡落日斜階上｡

なお

｢謝腕は従来ほとんど詩材にならなかった落日を正面から

とりあげた詩人｣(伊藤正文

･一海知義

｢漠

･魂

･六朝詩集｣三

二

一貢)だが'唐人もその落日詠にきわめて強い印象を受けてい

る｡

〔元就古今詩人秀句序〕常輿諸学士覚小謝詩｡

見和宋記窒省

中｡詮其秀句｡諸人威以謝行樹澄遠陰｡雲霞成異色馬最｡余日｡

-未着落日飛鳥還｡憂兼不可極之妙者也｡観夫落日飛鳥還｡憂来

不可極.謂邪心軍属｡而拳目増恩｡結意鳥人.而線情寄鳥｡落日

低照｡印随望断｡暮禽還集｡則憂共飛来｡美哉玄曙.何恩之若是

也

(文鏡秘府論南巻集論)0

渚宮

〔左博文公十年〕使

(子西)為商公｡訟漠派江.将入部

(杜氏注

沿｡順流.派｡逆流｡

正義

渚宮首都都之南)｡

王在

渚官

(杜氏注

小洲日渚)｡下見之｡〔元和郡願園志開巻逸文

二

三四五

東

方

学

報

江陵麻

楚官｡梁元帝即位干楚宮｡蓋取渚宮以名宮｡

渚宮｡楚

別宮｡･･･水担任日｡

今城楚船宮地也｡

春秋之渚官｡〔奔東昏侯諌

謝跳詔〕昔在渚宮.構易蕃邸.日夜縦談｡仰窺僻薫

(南秀吉四七

謝跳停)0

〔梁元帝玄質賦〕臨葦華而流晒.見沓楚之痩涼｡試極目乎千里｡

何春心之可傷｡其啓渚官也｡爽江帯肝｡布護井田｡通達交道｡高

門接連｡人要水心之剣｡家有給耕之田｡班追随而得性｡蓮燕虞而

00

超然｡若年董之中｡親閣相通｡雄染渡水｡壮翼臨茎｡金塊之路｡

銅軽之宮.

閣篤陵零o

棲布麗誰｡

横走馬而篤観｡

擬牽牛而作橋

(文苑英華

〓

1六)

0

唐詩における渚宮の用例は'〔張詮登九里墓是焚姫蓋詩〕､北分

陽墓隔｡南識都城陣｡

漢漠渚宮樹｡

蒼蒼雲夢田｡〔武元衡酬厳司

基剤南見寄詩〕簾捲青山益峡暁.

煙閲碧樹渚官秋.

〔劉謁錫刑州

歌二首之

こ

渚官楊柳暗｡.参城朝雄飛｡

〔温庭鍔渚宮晩春寄秦地

友人詩〕風華己抄然｡猪立恩江天｡

軌間

〔文選四五石崇恩蹄引序〕其制宅地｡却阻長堤｡前臨荷

票｡百木幾於寓株｡流水周於舎下｡有親閣池沼｡

多養魚鳥｡

〔韓

愈遼鄭備蓄赴南海詩〕蓋海薪憧出｡連天観開聞｡

閏年

〔楚尉九章恩美人〕閲春巻歳合.

白日出之悠悠o〔梁

元

00

帝幕要〕正月孟春｡亦日孟陽｡孟隈｡上春｡初春｡関春｡童春｡

00

厳春｡首春｡首歳｡初歳｡開歳｡軍歳｡戯歳｡肇歳｡芳歳｡華歳

(初学記三歳暗部春)

0

三四六

〔沈約輿徐勉書〕今歳関元｡躍年云至｡懸貴之請｡事由恩奪｡

-而閏年以来｡病増慮切｡富由生霊有限｡勢役過差

(梁書

一三本

俸)

｡〔庚信行南山銘〕草線杉同｡花紅面似｡開年寒轟｡正月遊春｡

〔慮恩道駕出図丘詩〕閏年簡時日.上辛栴天吉｡

雲夢

〔文選

一九宋玉高唐戚〕昔者楚裏王輿宋玉遊於雲夢之墓｡

〔叉錘女鹿〕楚塞王輿宋玉造於雲夢之浦｡

〔適譲葦華賦〕

楚宣王

00

統遊雲夢之滞｡息於剰憂之上｡〔李百薬郡城懐古詩〕大蒐雲夢津｡

壮観章華築｡なお

〔夢曙62〕七招集樺稿日本学報五

l研五八八頁

参照｡

煙花

〔王融芳樹詩〕相思早春日｡煙華雑如霧｡〔枕的傷春詩〕

年芳被禦無｡煙華緯膚曲｡

〔美質亭山賦〕其中畑花露草｡戎傾或倒｡霜幹風枝｡牛賛牛垂｡

玉葉金重｡散満階堀

(洛陽伽藍記二正始寺)｡〔李白責鶴棲迭孟浩

然之贋陵詩〕故人西郎芸鶴棲｡煙花三月下揚州｡

7

･8

〔北史八三庚信侍〕侯景作乱｡梁簡文帝命信率宮中文武千

飴人｡曽於朱雀航｡及景至｡信以衆先退｡墓城陽後｡信奔於江陵｡

梁元帝承制.除御史中丞｡及即位｡縛右衛将軍｡封武康願侯｡加

散騎侍邸｡〔庚信哀江南賦〕我之掌庚承周｡

以世功而馬族｡

経邦

佐漠｡用論道而富官｡-逮永嘉之難虞｡始中原之乏主｡-彼凌江

而建国｡始播遷於吾租

(保播注

元帝渡江｡八世組膚姶従居江陵

也)

｡

-許茅宋玉之宅｡穿径臨江之府

(侃播注

庚民本新野人｡

今戚所云｡自潜従居江陵｡抑是宋玉奮宅.非信始居也｡北史｡潜

r/..I 過江｡家南郡江陵願｡是也)0

〔杜甫達李功嘗之期州充鄭侍御判官重胎〕曾聞宋玉宅｡毎欲到

剃州

(九家注

杜時可補遺｡按余知音渚官故事日｡庚信因侯景之

乱｡白蓮康遁蹄江陵｡居宋玉故宅｡

在城北三里)｡

社田の杜詩補

遺正謬に引-右の内容は'現行の渚宮香草には見えず､孫星街の

補遺にも採録されていないが'唐代には贋-流布していた話らし

-'杜甫にいま

一例､

関係する作があり､

〔迭王十六判官詩〕荒

林庚信宅｡岳伎主人留｡そのほか唐人の詩中にしばしば言及され

る｡〔張詮過庚信宅詩〕蘭成追宋玉｡

葛宅偶詞人｡

筆湧江山気｡

文騎雲両神｡

〔韓愈塞食日出瀞詩〕今朝寒食行野外｡

線楊匝岸蒲

生逝｡宋玉庭連不見入o軽浪参差魚動鏡

(江陵の法曹参軍時代の

作)｡〔元棋迭友封詩〕蘭成宅裏尋枯樹｡宋玉事前別故人｡

荒樫

山

〔飽照秋夜二首之二〕荒径馳野鼠｡

基庭衆山雀｡

〔沈

約八詠詩

･歳暮憩嚢等〕怒裏革｡裏革無容色.惟悼荒逗中｡寒亥

不可識｡･‥逗荒寒革合｡

草長荒遷微｡

〔杜甫中丞厳公垂寄

l絶奉

答二絶之二〕只須伐竹開荒径｡俺杖穿花穂馬噺｡

㈲

〔陶淵明韓去来節〕三径就荒｡

松菊猶存｡

〔王維晩春厳少声

輿諸公見過詩〕松菊荒三径｡国書共五車｡

三朝

杜詩の例はすべて三代の帝の意｡〔奉酒騨重迭厳公四龍〕

列郡詣歌情｡三朝出入発

(九家法

三朝.武仕明粛代也)

｡〔巽王

彰州輪詩〕兵支間両親｡寵辱事三朝

(九家法

越云｡三朝o

言王

君事明皇粛宗輿雷日之代宗)o〔蹄夢詩〕倫生惟

1老｡伐薮巴三朝

李義山七律集樺稿

(≡)

(仇注

三朝｡謂玄宗粛宗代宗)｡唐詩の他の二例もおなじ｡〔御

岳卿迭徐大夫赴虞州詩〕遠入来百越｡

元老事三朝｡

〔李遠滑蔦御

容季長史詩〕三朝供奉無人敵｡始発倍額浪得名｡また義山にあと

一例あるがこれもしかり｡

〔准陽路2-4〕猫武誰先致｡

三朝事始卒

(朱鶴齢注

歴徳順憲三朝｡始討中之)｡

托後車

〔文選四二貌文帝輿朝歌令呉質書〕天気和暖｡衆果具

繁｡

時駕而遊｡

北遵河曲｡

従者鳴茄以倦路｡

文学託粟於後車｡

〔沈約八詠詩

･解漏去朝市〕充待詔干金属o奉高宴干柏梁｡-託

後重合侍華幌｡遊樹海含浸精薄｡

〔詩小雅称撃〕道之云遠｡我努如何｡飲之食之.敏之海之｡命

彼後車.謂之載之

(篭云.在国依属於卿大夫之仁者｡至於馬末介.

従而行｡道路遠英｡我罷努｡則卿大夫之恩宜如何乎｡渇則予之飲｡

飢則予之食｡-車欺則命後車載之｡後車｡停車也)

0

*

*

串

前代の文人'さらには前々代の文人にひきくらべて我が身をな

げ-ところに作者の意はあると､衆目が

て致する｡例によ

って注

文の多い紀的は､その意が判然露骨すぎるとして斥けるほどであ

る｡ただ'それに封して詠懐'遣慎などと題せず､あえて宋玉と

するところが'この詩の作者らしいといえようか｡

-

･2

美しすぎるほどに魅惑的な風景がながめられる剰垂'その

剤童のある楚の国の郡都の百寓もの家の人々よ'どうして文才の

開花を宋玉ばかりに濁占させたのかI

といいたくなるほどtか

三四七

東

方

撃

報

れはすぐれ

た文人

であ

った

のだが

｡2句の

｢唯｣の字'｢誰｣で

ヽ

ヽ

はおかしいし､｢猫｣ではこ-がな

い｡底本のままがいい｡

3

･4

屈原のあとを継いで作

った楚節のできばえでも夙に唐勤に

ゆずらなかった'のであってみれば'ましてや風の底の競作で景

差どときにひけをとったりするわけがあろうか｡

5

･6

落日の光の中の渚宮I

みぎわの離宮は'かれの筆のため

に宏壮華麗な建築の数々を提供して-れ'初春の雲夢の常は'や

ヽヽ

はりかれのためにもやのかかった花々という風物を遮りとどけて

くれた｡このように好意的な自然と文化の環境に包まれ'持ち前

の文才をより

一層鰯零されつつ'凍る年ごとに'文学の侍従とし

てまことに意まれた生涯を'宋玉は過したのだ｡

5句の

｢供｣を'胡以梅が

｢奇｣と許し'また上下句に襲撃塵

萌の封が指摘されるとおり'このl連は相常に技巧を凝らしたあ

とが見える｡山之内正彦氏の詳密な論語によれば'唐代前期には

ヽヽヽ

｢落日｣の語が'後期には

｢夕陽｣の語が､それぞれゆうひにつ

いての特徴的な表現となる

(｢落日と夕陽｣東洋文化研究所紀要

六三筋)

｡義山も全身的に感情をこめて暮景を歌うときはおのず

と

｢夕陽｣を用いたので'決して

｢落日｣ではなかった｡ここを

ヽヽヽ

ゆうひとよまぬほどひどい誤解をした注粋者

(程夢星)さえ出た

のは'技法的には見るべき鮎があっても'やはり表現として異に

ぬきさしならぬかたちに到達しなかったゆえであろう｡

7

･8

かの梁の､これもすぐれた文の人庚信は､侯景の薮乱のさ

三四八

なか'荒れはてた道をたどって江陵1

そのかみの郡都の宋玉の

奮居へ難を避けたのだが'その愛蒋混沌たる世の中にあって'な

お梁の三代の朝廷

(帝)に文を以て仕えることができたのは､ま

ったくうらやましいかぎりだ｡7句の

｢荒径｣は'あるいは蹄去

来節をもふまえているか｡8句の

｢三朝｣は､朱鶴齢でな-嬬浩

の詮が正しい｡

定型詩の極めて微小なワクのなかで無限の時巷間構造を作り出

して見せるのは'義山の特技といってよいが､この

｢宋玉｣では'

ヽヽヽ

題注Oにあげた

〔過鄭虞文奮屠〕の詩ほど'いれこ型ないし合わ

せ鏡型の造型が完壁ではな-'さほどの奥行が感じられない｡鄭

贋文の詩を'鳩注の引-田蘭芳は許していう'｢即ち後人

復た

よ

後人を哀しむの意｡郡韓娩曲'遮りて人をして迷わしむ｡｣

嬬浩と張采田は'本詩が剃南節度使の冷所江陵府において作ら

れたものとみなし'｢三朝｣を義山白身にあてはめれば文宗武宗

宣宗に富るとして'大中元年初頭に係年する

(安微師大本年表お

なじ)

｡鳩氏

･張氏の考えどおり'箕際に現地を訪れたときに製

作されたのならば'この係年は正確だろう｡

(松岡秀明)

九日5-3

九日

曾共山容把酒時

曾て山翁と

酒を把りし時

霜天白菊遠増輝

霜天白菊

埠輝を透る

十年泉下無滑息

4九日樽前有所思

不撃漠臣栽首稽

室数楚客詠江藤

郎君官貴施行馬

8東閣無因再得窺

十年泉下

滑息無く

九日樽前

思う所有り

漠臣の百槽を栽うるを学ばず

姦しく楚客をして江藤を詠ぜしむ

郎君官貴-

行馬を施し､

よし

東閣再び窺うを得るに因無し

遮培塀

折言

｢正離披｣

高麗本校注

｢一作正離披｣

遠

高麗本

･朱鶴齢本

･全唐詩

｢綬｣

叢話

｢満｣

酒息

朱鶴齢本

･全唐詩

｢人間翫

｣

稿本勇往

｢人間｣

校

o

琴盲〓

怨怒候

･北夢鎖言七李南陽草進剣表修

(3478句の

み引く)･漁隠叢話後集

一四

･唐詩紀事五三

･詩林床記前集六

唐詩類苑二二

(歳時部九月九類)

九日

高麗本

･詩林贋記

｢九日謁令狐絢不見｣

鏡本校注

｢一本下有懐令狐府主□字｣

嬬浩本校注

｢鏡

日｡

一本下有懐令狐楚府主六字｡按｡果有六字｡可以息

衆曝｡然或後人所注｡必非原注｡余未之見｣

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墨

)眉間此廉｡終身不慮｡｣

l

翁

択言

･叢話

･詩林贋記

｢公｣

程夢星本校注

｢嘗作公｣

時

折言

･叢話

･唐詩紀事

･贋記

｢届｣

高麗本

｢屈

一作時｣

朱鶴齢本

･全唐詩校注

｢一作屈｣

李義山七律集樺稿

(≡)

不

択言

｢莫｣

嬬絵本枚注

｢一作実｡非｣

首

叢刊本

｢首｣

稿本

｢首｣を

｢首｣に改む

基数

戟貴閣因再得

携言

｢還同｣

叢刊本

･稿本

｢離｣

北夢鎖言

｢童｣

鎖言

･高麗本

･鏡本

｢閤｣

朱鶴齢本

･全唐詩校注

｢一作

閤｣

稿本勇往

｢閤｣

叢話

｢人｣

塘言

｢更重｣

鎖言

｢許再｣

叢話

｢得再｣

㌦‖

上卒五支

(離

･窺)六脂

(堰)七之

(時

･恩)同用

辛

胡震亨

大卒虞記云｡義山馬令狐絢父彰陽公従事｡絢絶有葦卒之弗｡似疎

義山｡末嘗展分｡重陽日｡詣宅不見｡於庶事題此詩｡絢噺恨｡命

后閉此磨｡終身不慮

(慧

翫

軌が唱謂

鮎鮮諾

蛸q)o

l詮以馬絢

見詩o馬補博士〇

三四九

東

方

撃

報

鏡龍慣

北夢鎖言｡李南陽員外｡依彰陽令狐楚｡以牒奏獲知｡相国既波｡

彰陽之子絢｡綾有毒中之辞｡似疎庸西｡未嘗展分｡重陽日｡義山

詣宅｡子鹿車上｡留題云Jl｡相国親之｡恵恨而巳o乃眉間此藤o

終身不慮也

(増｡)｡暫渓漁隠日｡唐史本俸.令狐楚奇其文｡使興

諸子遊｡楚従天平宣武｡皆表署巡官｡後従王茂元之辞｡其子絢以

望

芸

恩｡放利倫合.謝不通

(撃

)｡絢富国｡商隠蹄窮｡絢憾不

置｡則商隠此詩｡必此時作也｡若謂絢有毒中之拝｡寝疎商隠｡其

言殊無所接｡余故以本侍竃之｡但絢父名楚｡南陽叉受知於楚o荷

車有楚客之語｡題於席亭o更不避其家嵩何耶

(韻

諾

競

).嘗考

絢之瓢義山也｡鈎真之閑地｡唐白元和以後｡薫勢浸盛｡逮文宗時｡

李宗闘牛僧稀令狐楚｡輿李徳裕大相仇怨｡角立門戸｡駆除異己｡

宗開講人為光｡李大尉相武宗五年｡雄未嘗忘情干大牢｡然救楊嗣

復李誕之死｡猶有大臣之度｡大中初立｡資皇被参粟之桐｡令狐絢

富軸｡拳賛皇之客｡諌蔚無子遺失.義山幼受知子彰陽.自開成登

第後｡相国班波｡累辞王茂元鄭重慮弘正府｡三人皆李大尉要用.

故絢尤深意之｡十年輔政｡抑之路子使府｡史謂義山忘恩放利｡而

絢尤愉刻寡恩我｡

朱鶴齢

山翁｡山簡也｡以比彰陽公｡

呉喬

故犯家詩｡令不得創去耳｡

三五〇

何煙

〔詐本〕

3

･4

･5

･6

一気鼓塗｡言不薦蓄駿之計｡

7

太平贋記作重｡任｡

陸鳴泉

前牛｡言従事楚幕｡撫今而思昔也｡第三聯｡言絢不放置門下｡而

使同干放逐之臣｡施行馬｡合阻客意｡

眺培謙

此訊絢不能鍵其先志也｡山容高倉｡白菊遠輝｡見所吸引者皆同類

也｡十年泉下之思｡正以今日樽前之不如昔耳｡且公賓非私厚於我

一人｡曹槽｡比異類｡江離｡義山自記｡栽培不苛｡気味相投｡我

掲何心｡抑白忘其奮恩郡.東閣之跡醗疎｡賓以郎君官貴故也｡言

外見絢之疎己｡必有小人議間之｡或以此鰯其忌葦｡散会憾之欺｡

屈復

一二昔｡三糖

二

一｡四起五指絢｡六自己｡七結五六｡八結前四｡

〇百槽｡以株宛馬者｡愉不以線発才士也｡漠臣｡比楚｡楚客｡白

比｡程

夢星

奮人詮此詩者以烏題令狐絢之廉壁｡駁之者以篤楚客字不渡絢之家

轟｡必非題壁｡此論得之｡況明言貴施行馬｡東閣難窺｡又何従題

壁郡｡然要馬怨絢而作無疑也.通篇訓話｡往往有不得其腹聯承按

之解者｡皆由誤看有所思三字｡以烏承上思山公把酒之時｡不知其

馬透下恩郎君官貴之日也.史家行文之法o多有伏筆.然後逸接｡

鳥詩何猪不然｡若以有所思島忠山公｡則腹聯緊按｡売怨令狐楚英｡

考其史侍｡受知於楚｡群馬幕官｡又授以茎奏之撃｡而義山条令狐

公文云｡将軍椅勇｡

一人表白｡十年忽然｡蛸宣甲化｡則深感奏群｡

正典此首前四句合｡崖有追恩其不加栽培而敢怨於輪落失所者平｡

此詩蓋感其先世之奮徳o而歎後人之不古君也｡首以山公暁楚.正

謂其表奏群論｡有如山公之啓事薦質｡共把酒眉｡又謂其門下曲宴｡

不膏安昌之親厚門生也｡此乃印景興慎｡姑拳

一時

一事言之耳｡無

端十年｡又逢九日｡於是感傷泉下｡滑息砂然｡欺息樽前｡有恩時

事｡思之者何｡患部君也｡郎君之官｡今巳貴顕｡使念世奮｡何惜

栽培｡無如展啓陳情｡克不之省｡韓謂無行｡噴諭排擦｡是則不能

如張審之求天馬.首帝常培｡但能烏上官之譜騒人｡江南哀怨｡末

則道東其情事.明知其指蹄以結｡有所思三字及腹聯二語｡又暢言

其見紐之深.不但望断於加恩O亦且穫絶於晋接O東閣者公孫丞相

見質之地｡以比楚之第宅｡乃属楚非属絢也｡其時言絢｡但謂官貴｡

則猶属未相之先｡不然孝平題辞｡則立言有不止於官貴著｡詩常在

絢馬学士｡或烏合入時作｡但絢雷撃士｡馬大中二年｡義山従鄭韮

在嶺表｡絢馬舎人.馬大中三年｡義山乃自嶺表入朝｡詩雷

作於其

時

｡愚意富是山公課馬山翁耳｡山公.山溝也o管喜｡濡研究抜人物｡

冬鳥題目｡時稲山公啓事｡以比令狐楚馬宜｡失意以山簡有習池之

酔o詩言把酒｡途鳥謂簡｡

李義山七律集揮稿

(≡)

〔詩論上〕蒙泉

(宋弼)評日｡

1気鼓塗

(評本

｢蒙泉以烏

7気

鼓塗｡信然.然後四句大計｡非詩人之意｣)｡

○翻香泉

(江存寛)

評日｡鷹壕輿満公報書.外慕邸君謙譲之徳｡註云｡鹿骨事其父｡

故構部君

(評本

木候なし)

｡

〔詩読下〕鯛問九日詩第五句如何

解｡日｡常宿｡外国草也｡漠使者乃採蹄｡程之干離宮｡令狐絢以

義山異己之故｡而排接不用｡散日不撃漠臣栽曹稽

(評本

｢百稽

乃外国之草｡張番移程而蹄｡種之上苑｡義山本影陽弟子｡絢以其

親於茂元｡途馬敵国｡改日不学漠臣栽首荷｡此種究是迂曲｣)0

満治

北夢鎖言｡令狐楚波｡子絢継有葦中之秤｡疎義山未嘗屡分｡重陽

日｡義山詣宅｡於聴事留題云云｡絢親之悲憤｡乃届閉此磨｡終身

不慮｡唐携言｡大中中｡令狐超公在内延｡

重陽日｡義山謁｡

不

見｡因以

一篇｡紀於罪風而去｡唐詩紀事｡云云｡絢乃補義山大草

博士.宥渓漁隠日｡絢父名楚｡商隠又受知於楚｡更不避其家幕｡

何耶｡-袷

(逢源)日｡楚没於開成丁巳｡至大中二年戊辰｡己十

二年｡

伺可撃成数言｡時絢官尊士｡亦巳貴兵｡若絢富国｡則不得

云十年｡

且宣僅施行馬哉｡

○浩日｡義山於子直｡班怨之｡猶不能

無望之｡敢於其宅聾狂犯轟哉｡諸家之妨巳明o余更定馬此時途次

所作｡第六句｡乗志客程也｡蓋大中二年｡絢己充内相｡故異郷把

表｡遠有所思｡恐其官巴漸貴｡我還京師.

倫未得窺奮時之東間｡

況敢望其援手哉｡預馬疑掃｡不作茸事解｡禰見其佳O観

1作許再

三五

1

東

方

聾

報

可悟失｡及三年入京｡

内茸院離｡

外猶聯絡.

屡曾留宿｡

備見詩

篇｡何至不得窺東閤哉｡本侍所云絢謝不興通｡亦誤也｡後人妄撰

一宗公案｡皆不足信｡故詳引而駁之｡

○又日｡韻語陽秋

(一一)

日｡絢之忘南陽｡是不能念親｡南陽之望絢｡是不能挟己也｡論頗

卒允｡

按晋書｡山簡鎮裏陽｡惟酒是耽｡詳後河東公巣替置酒5-3｡簡稲

山公｡亦種山象｡後人毎言噂酒山翁｡如李白詩｡笑殺山容酔似泥

也｡山濡｡史亦言其飲酒至八斗方酔｡然初不以酒名｡余以太和七

年令狐楚馬吏部備書｡而疑嘗作山公｡非也｡文集明言将軍櫓労臭o

令狐最愛白菊｡

以樹物比樹人｡歎其不承父志｡

張采田

〔合築〕北夢墳言-又唐琉言-王定保孫光憲皆五代人｡於唐耳目

相接｡所載似可信徒｡於東蓮等5-0在九月｡則重陽日常己至京突｡

詩意憾其子｡追感其父｡山容｡指令狐楚｡楚最愛菊｡政云｡楚穀

於開成丁巳｡至大中二年戊辰｡巳十二年｡云十年泉下無滑患者｡

撃成敗也｡常宿｡綾取移種上苑之意｡楚客江離｡聴従鄭重｡乗展

望李同事.亦以放逐自況也｡結抑未嘗展分之恨｡程氏云.束閣難

窺｡叉何従題壁｡･･･若草中継拝｡叉不止於官黄泉｡詩富在絢為学

士或舎人時作｡-詮亦大通｡孫王輩不兎紀載小疏耳｡至唐詩紀事

叉云｡絢乃補義山大学博士｡考博士

一除｡在

(大中五年)徐幕罷

後｡且非九月｡此則紀事者随手賛及｡不足披臭.又実習渓漁隈云.

三五二

絢父名楚｡商隠受知於楚｡更不避其家幕｡何邪｡嬬氏因云｡義山

･･･敢於其宅沓狂犯語也.蓋大中二年｡絢己充内相｡異郷把蓋｡遠

有所思｡-此解亦可従｡如此則此詩是入京道中作夫｡今故備列於

此｡閲者揮之｡

〔鯛正〕常宿句｡砥取移程上苑之義｡言令狐不肯援手｡使之沈冷

使府｡

不得復官禁近也｡

晩唐用事｡

往往有此種｡

豊以敵国寓慨

哉o紀氏誤合｡乃以烏迂曲耳｡後四句嘗作虚料解.意味乃任｡故

別本再得窺有作許再窺者｡讃以大計｡経以千里失｡

○此詩乃大中

二年由桂幕蹄後作｡桂管在湘之南｡政以楚客江離自席｡且暗切底

意李同湖南幕府事也｡玉蘇詩用典切合

極精｡無だ設者｡非詳致其

本事｡不能億其妙虞耳｡

○令狐楚卒於開成二年十

一月｡至大中二

年｡約十年飴兵｡故詩云十年泉下無滑息也｡李義山用事精切如此｡

則此詩確馬大中二年作失｡致大中二年｡義山罷桂州自巴萄至洛｡

赴京候選｡有九月於東逢雪詩｡則重陽安得典子直相見｡然北夢墳

言出五代人作｡似亦可信｡或途次戚此詩｡至京後始書於令狐席亭

耳｡胡

以梅

(傷感類)

義山先受知於令狐楚｡楚卒｡子絢以義山従王茂元鮮且要其女謝絶

之｡蓋令狐輿李徳裕相仇怨｡各有其薫耳｡是以義山千九日詣之｡

作是詩題干聴事｡絢親之漸恨｡乃眉間此廉｡終身不慮｡首以山簡

喰楚｡以己比葛彊馬簡所寵｡而嘗酔飲o正此霜菊綾増之際｡作己

十年｡正逢九日｡無人問｡虚引起郎君謝絶之意｡人字｡包生死言

妙｡若別本員以滑息｡便無精神｡折字｡是有着落之字｡億可封入｡

若滑息封所思｡反不確雷｡五｡比也℃言首稽異域之種.漠臣伺且

栽植子中園｡何不数之而必令楚客之昧江藤平｡封工切.江藤｡本

乎楚騒｡所以言楚客｡但離騒云｡覚椴蘭其宕玄令｡又況抱車輿江

藤.泣言観子板子蘭｡変節若比｡岩沢衆臣而不鳥倭娠O則亦不便

斥之如是｡巣府｡江蘇生幽渚｡男有詞｡皆言始愛終棄之意｡今日

味｡則非離騒而用架府也｡結則明言以刺之｡

近代法梓

〔森椀南〕下巻二四四頁｡〔安徽師大〕

一〇五頁｡〔陳永正〕九

一

京｡

串

*

九日と題する詩は陶淵明の二作

(｢九日閑居｣｢己酉歳九月九

日｣)以来'

文字どおり枚挙にいとまがない｡

しかし'それらは

すべて九日の詩題に忠茸であり'主題が九日から外れることはな

い｡たとえば､本作品に歌われた封象のひとりとされる令狐楚の

作を見本としてあげてみれば'

〔九日言懐〕二九印重陽｡天晴野

菊貰｡近来逢此日'多是在他郷｡晩色霞千片｡秋馨雁

一行｡不能

高虞望｡恐断老人腸｡

令狐楚の詩も義山の詩も'ひとし-九日言懐にはちがいないが'

前者の行儀のよさに比べ'九日詩

一般からの後者のはみ出しぶり

ほおよそ見富がつ-であろう｡本作品のばあいは'むろん純粋の

借題ではないけれども'通常の詩題と同質の'正文との関連性が

李義山七律集粋稿

(≡)

見出しがたいのはたしかだ｡

本作品にからむ有名な話柄をのせる各書のうち､既に引かれた

北夢墳言および者渓漁隠叢話

(三五〇頁)以外の二書を引いてお

く0

〔庶言

ll怨怒候〕李義山師令狐文公｡大中中｡超公在内延｡

重陽日｡義山謁不見｡因以

一篇紀於界風而去｡詩日｡(正文略)

〔唐詩紀事五三〕商隠馬彰陽公従事｡彰陽之子絢.纏有毒中之

弄｡恵商隈従鄭正之辞.以馬忘家恩｡疎之｡重陽日｡商隈留詩於

其麻寧日｡(正文略)絢乃補太撃博士｡

なお義山にいま

1第同題の古詩があるが現行の各本未収なので

ついでに掲げておく｡

〔天厨禁轡下四年頭韻法傑〕李商障亦用此髄作九日詩日｡窟

(讐

童獣

行荒吸｡

正是龍山落帽胃

丹楓案

粉塵飛｡芳

年

年負席期｡此生年世走路蚊｡轟心白蓮隻鴻飛｡故園秋風黍離離｡

想見父老相逐随｡乞格間路知何時｡功徳未就撃成練｡解鞍地坐長

嵯害｡

1-4

〔文集六輿相国令狐公文〕

戊午歳

(清江

開成三年)0

弟子玉難李商障叩頭突莫故相国胎司基彰陽公｡鳴呼｡昔夢飛塵｡

従公車輪｡今夢山阿｡迭公哀歌｡古有徒死｡今無茶何｡天平之年｡

00

00

0

大刀長戟｡将軍梅労｡

一人表白｡十年忽然｡姻宣甲化｡

-有泉者

0路｡有夜考量｡昔之去者｡宜其在裁｡

1

･2

〔補編五上令狐相公状七首之

一〕某才乏出撃｡類非抜俗｡

三五三

東

方

畢

報

政文嘗就博之歳｡識謝奇童｡献賦近加冠之年｡耽非才子｡徒以四

丈東平

(鏡注

奮唐書地理志｡天平軍節度使｡治郡州｡又｡河南

00

道都州｡障東卒郡)｡方牌専隣｡是許依劃｡

毎水柱花朝｡

菊亭雪

0000

夜｡篇什率徴於穏和｡盃績曲賜其轟歓｡委曲款言｡閑静顧過｡

共

｢輿｣と同義だがやや俗語的な色彩のあるこの助字を義山

は愛用する｡

〔無題

(自道紫廻)73〕注参照｡

七緒集秤稿日本学

報五

l筋六〇四頁｡

山翁

〔管書四三山簡停〕出馬征南格軍｡都督剰湘交贋四州諸

軍事｡侶節｡鏡裏陽｡

-優瀞卒歳｡

惟酒是耽｡

講習氏-有佳園

池.簡毎出嬉遊多之池上｡置酒抑酔O名之日高陽池｡時有童兄｡

00

歌日｡山公出何許｡往至高陽池｡日夕倒載蹄｡署苧無折知｡時時

能騎馬｡倒著白按摩.撃鞭向葛整｡何如井州兄.喪家在井州.簡

愛鷹也｡

山容=山簡のばあい｡

〔李白裏陽歌〕落日欲没岨山西｡

倒著按

離花下迷｡裏陽小兄賓拍手｡欄街寧唱白銅壁｡傍人借問笑何事｡

笑殺山番酔似泥O

〔杜甫迭田四弟将軍詩〕基幹山容酒｡

造憐似葛

頭｡山

公=山簡のばあい｡

〔李白裏陽曲四首之二〕山公酔酒時｡酷

酎高陽下｡〔叉之四〕山公欲上馬｡笑殺東陽鬼｡〔劉南錫酬令狐相

公親仁郭家花下即事見寄詩〕萄令園林好｡山公遊賞焼｡崖無花下

侶O遠望限中人.

〔令狐楚三月晦日合李員外座中頻以老大不酔見

誘因有此胎〕不離便撃山公酔｡花下無人作主人｡

三五四

翁公どちらでも山簡｡

〔王維漠江臨汎詩〕裏陽好風日｡

国幹輿

山容

(題江

森｡

文苑英華

･漏杢律髄倶作公｡)

なお義山詩では

山容'山公いずれも

1例で'山公は山清をさしている｡

〔賂宇文

中丞213〕人間只有稀延阻｡最望山公啓事来｡

把酒

〔孟浩然過故人荘詩〕開延面場固｡把酒問桑麻｡待到重

陽日｡遠来就菊花｡また李白に

〔把酒閏月詩〕あり｡

2

〔劉謁錫和令狐相公玩白菊詩〕家家菊轟黄.梁国猫如霜.〔叉

和令狐相公九日封黄白二菊花見懐詩〕素考迎寒秀｡金英帯露香｡

-基想逢九日｡

何由陪

一傷｡

〔又酬令狐相公庭前白菊花謝偶書所

懐見寄詩〕数叢如霜色｡

一旦胃霜開｡令狐楚の原詩はみな伏｡下

孝萱

｢劉謁錫輿令狐楚｣(中華文史論叢絶

一三輯)参照｡

霜天

〔庚信和葬儀同秋日詩〕霜天林木煉｡

秋気風雲高｡〔王

昌齢李倉嘗宅夜飯詩〕霜天国飲故情歓｡

銀燭金櫨夜不寒｡

〔割高

錫迭李員外赴邪寧使幕詩〕鼎門馬別霜天暁｡剰把離頒三五巡｡

白菊

〔新修本草六菊花〕正月采根｡三月采葉｡五月采茎｡九

月采花｡十

一月采茸

(陶弘景集注

叉有白菊｡塗薬都相似｡唯花

白｡五月取｡亦主風肱｡能令頭不白)

へ備忘釣輯校本)

｡

〔杜甫課

伐木詩序〕変人屋壁｡列樹白菊｡前掲劉雨錫の三詩のほか､白居

易に

〔席上賦白菊詩〕があるが､唐詩類苑

一八九花部菊花類に収

める作もみな中庸以降で'白菊は唐未でもまだ珍しかった｡

〔許

某白菊詩〕′人間稀有此｡百舌乃無詩｡

がんらい黄菊が普通で'白菊は後顧らしい.

〔程記月令〕季秋

之月｡

･･･鴻魔来賓｡爵入大水馬蛤.

鞠有責華｡

〔花成大菊譜〕菊

以責馬正.

逓増

〔慮腰細首春胎京邑文士詩〕梅花扶院吐｡蘭葉緯階生｡

増堀

〔玉墓新詠五沈約六憶詩四首之

一〕憶釆時｡的的上培堀｡

〔李徳林天命論〕星精雲気｡共趨定子階蝶｡山神海霧｡威饗理干

重闇｡〔張子容巣城歳日胎孟浩然詩〕挿桃錆療病｡移竹近階輝｡

泉下

〔院璃七哀詩〕冥冥九泉室｡

漫漫長夜萱｡

〔周喜

一l菅

蕩公護侍〕死若有知｡

巽奉見於泉下耳｡

〔李金野田行

(一作干鵠

請)〕昔人未烏泉下客｡行到此中宮断腸｡〔北夢鎖言七李商隈草進

剣表候〕(令狐楚)因口占云O前件創｡武軍神兵｡

先皇特賜｡匪

不合格蹄泉下｡又不宜留在人間｡

滑息

ほぼ音沙汰に嘗る｡相手の回たよりか'㈲動静か､判別

しに-いぼあいもある｡文選には見えないが'六朝以来尺贋の常

語｡〔陸雲輿見辛原書〕近得洛滑息｡藤永適去｡二十日書｡彦先

訪島牒騎司馬｡〔王献之尺贋〕

願飴上下安和｡

-適奉永嘉去月十

一日動静｡故常患不寧｡

諸女無復滑息｡

戯之

(淳化閣帖九)｡詩

の用例については

〔無題

(鳳尾香羅)3-6〕無滑息の注参照

(集樺

稿r本草報五三筋六五三真)0

九日

〔魂文帝輿鍾森書〕歳往月釆O忽復九月九日｡九馬陽数.

而日月並臆｡俗嘉其名.以馬宜干長久｡故以享宴高倉｡

-至於芳

菊｡紛然鴻巣｡非夫含乾坤之純和0億芽芳之敵気｡執能如此｡故

屈卒悲再掲之将老｡恩徐秋菊之落英｡

輔鰹延年｡

莫斯之貴｡〔檀

李義山七律集粋稿

(三)

道驚績曹陽秋〕陶潜九月九日無酒｡於宅遮菊叢中｡摘盈把坐其側｡

久望見白衣人｡乃王弘達酒｡即便就酌而後蹄

(初学記四)

｡〔期楚

歳時記〕九月九日｡土人並籍野飲宴

(初学記四)0

〔王勃九日詩〕九日重陽節｡門門有菊花｡不知釆迭酒｡若箇是

陶家.〔杜甫九日奉寄厳大夫詩〕九日鷹愁恩｡経時冒険難｡

樽前

〔杜甫送品孫侍御赴武威詩〕縛前失詩流｡塞上得国費｡

〔白居易酬寄静大兄賂詩〕花下忘厨因美景｡樽前勘酒是春風｡

有所思

〔漢鏡歌有所思〕有所思｡乃在大海南｡-従今以往｡

勿復相恩｡相恩輿君絶

(巣府詩集

一六)｡〔何承天有所思〕有所思｡

恩昔人｡官関二子｡善養親｡和顔色｡奉昏農｡至誠蒸系｡通明神｡

00

･･･哀我生｡遵凶安｡幼履茶毒｡備難辛｡慈顔絶.見無因｡長懐永

恩｡託丘墳

(宋害二二架志)｡〔王融有所思〕如何有所思｡而無相

見時｡宿昔夢顔色｡階庭尋履幕｡

5

〔漢書九六上西域大宛国侍〕漠-又蔓使十飴輩.抵宛西諸国求

奇物｡-漠使采蒲陶目宿種蹄｡天子以天馬多｡又外囲便乗衆｡金

種蒲陶目宿離宮館労｡極望蔦｡

漢臣

〔漢書四〇張良停〕艮日｡此難以口舌宇也｡顧上有所不

能致者四人｡四人年老兵｡皆以上娃梅士｡故逃匿山中｡義不馬漠

臣｡然上高此四人｡

〔杜牧河浬詩〕牧羊駆馬雄戒服｡白髪丹心轟

漠臣｡

首帝

既出｡茂陵の注参照｡三三五頁｡

6

楚客

〔左停裏公二十六年〕秋｡楚客滑於晋｡過末｡大子知之｡

三五五

東

方

学

報

清野享之.

-

(伊庚)日｡

大子将馬乱｡

既興楚客盟臭o〔文選三

〇江掩休上人別怨〕西北秋風至｡楚客心悠哉｡〔李白滑稽金卿詩〕

遼東恵自家｡楚客蓋山難｡ただし義山の本詩では屈原をさす｡

江藤

〔楚節離騒〕紛吾既有此内美令｡又重之以幡髄｡底江離

典辞

正合O(王逸注

屈｡被也｡

楚人名被馬鹿｡

江離韮｡皆香草

名.辞.幽也.正幽而香).

緋秋蘭以薦楓

(王逸注

緋.索也.

蘭｡香草也｡秋而芳｡凧｡飾也｡所以象徳｡-言己修身清潔｡乃

取江離鮮正｡以馬衣被｡緋索秋蘭O以烏鳳飾｡博采衆善｡以白的

克也)0

〔叉〕固時俗之流従令.又執能無変化.贋椴蘭其若菰合.又況

操車典江離

(王逸泣

言親子板子蘭｡整志若此｡況朝廷衆臣而不

馬倭姫｡以容共身邪)O

〔新修本草七扉薫〕

一名荘蔽｡考窮苗也｡生確州川津及宛胞｡

四月五月采葉

(集注

人家多種之｡葉似蛇床而香｡騒人借以残

響)(備忘釣輯校本)0

部署

〔文選四二庶壕興満公攻書〕壕白｡咋者不適｡猿見照臨.

-外嘉郎君謙下之徳｡内幸頑才見誠知己｡歓欣蹟躍｡

情有無量

(張銑日｡満病父寵馬太射.壕嘗事之｡故呼其子日郎君)

.〔後演

書西南夷列停七六〕

(邦都夷)後太守巴郡張象｡

-･在郡十七年O

卒｡夷人愛慕.如喪父母｡-其子瑞馬太守.夷人歓喜｡奉迎道路｡

日｡邸君儀貌｡類我府君｡

〔文集四上兵部相公

(令狐絢)啓〕況惟罪順｡早預生徒o仰夫

三五六

子之文章｡曾無具髄｡

辱郎君之謙下｡

倍達濡翰｡

〔折言四師友〕

李義山師令狐文公｡呼小道公篤郎君｡於文公虚構門生｡

行馬

〔周躍天官〕掌合.掌王之合同之合.設桂桓再重

(鄭注

樫担｡謂行馬｡玄謂行馬再重者｡以周衛有外内列)｡〔漠官儀〕光

線大夫｡秩比二千右｡不言展光線｡光線動門外特施行属｡以旋別

之

(重文類衆四九)｡

東閣

〔漢書五八公孫弘侍〕時上方興功業｡婁撃里長｡弘自見

馬拳首｡起徒歩｡数年至宰相封侯.於是起客館｡関東閥.以延質

入

(師古日｡閤者｡小門也｡東向開之｡避雷庭門而引賓客｡以別

於擦史官展也)｡輿参謀議｡〔後漢書粧固俸三〇上〕東平王蒼以至

戚馬牒騎将軍輔政｡

関東間｡

延英雄｡〔孟浩然題長安主人壁詩〕

久麿南山田｡､叩陪乗閣質｡

〔劉謁錫和令狐相公初帝京国威詩言懐

詩〕相印昔解凍閣去｡将星還洪北辰来｡

無因

〔古詩十九首之十四〕恩還故里間｡

欲蹄道無因｡

〔玉塞

新詠

一秦嘉妻徐敵答詩〕悠悠合離別｡無因令叙懐｡

〔又五沈約少

年新婚馬之詠〕無因達往意｡欲寄隻飛鳥｡

*

*

☆

令狐絢

(八〇二-七九)をそしったとする鮎で諸説

一致するが'

作詩の状況については'小詮詩話の記載どおり題壁とみとめるか

否かで分れる｡

A題壁肯定

奨喬

･胡以梅

B題壁否定

程夢星

･濁浩

･張采田

(合等)

そのはか胡震亨

･陸鳴泉

･桃培託は北夢鎖言のみを江に引用する

ので'

1艦A説､鏡龍暢

･朱鶴齢

･屈復は鎖言などに加え漁隙叢

話をも引くので一臆B詮t

とみるべきかもしれないO｢妨正｣に

おける張采田は態度未定｡また近代注梓でも'森椀南と陳永正は

Aへ安徽師大はB､と分かれる｡係年は'絢の翰林撃士在職の時

期を基準に､満

･張は大中二年'安徽師大は大中三年とするO

開成二年

(八三七)令狐楚没｡

大中二年

(八四八)令狐絢翰林学士となる｡

〃

三年

(八四九)令狐絢中書舎人となる｡

〃四年

(八五〇)令狐絢宰相となる｡

詩にまつわるいわゆる本事は'ほとんどが真情の判定きわめて

困難で'このばあいとて例外ではない｡題壁否定説の根接とされ

る令狐楚の諒使用の問題だが'意識して語を犯したのだという矢

高の見方にはたしかに1理があり'そもそも摂言以来こうして語

り侍えられてきた専箕白魔､より古-

(漁隠叢話以前)には､不

自然でありえぬ話だと受けとられなかったのを示す

のではな

い

か｡さらに

｢宿管昌亭驚禽2-9｣の6句に

｢楚猿｣の語があるが'

鴻浩

･張采田によれば菅昌事は長安の令狐絢の屋敷内であって､

題壁の作ではないとしても'ここでも楚の幕が犯されたことにな

る

(馬はこの詩を大中六年'

張は大中五年に係ける)

｡

要するに

茸のl件だけで題壁の可能性は否定されるなど'そう簡単には行

かぬのである｡

李義山七律集梓橋

(三)

1

かつて山

(簡)翁にも比ぶべき風雅の酒豪

(たる元宰相の節度

使閣下)と酒を-み交させていただいた忘れがたい'あ

の時｡

｢時｣を

｢屈｣とすれば､詩の緊張度が弱まる｡

2

霜の気のみちる秋基のもと､こよな-愛された白菊が'きざは

しのあたりをぐるりと取り巻いて咲いておりました｡｢正離披｣

よりも

｢逓増輝｣の方がイメージが

一層具鰻的になる｡

3

･4

あれから十年､よみじからの音沙汰とてな-'今年もめぐ

りきた九月九日'菊と登高の重陽の目'酒樽を前にしては'ひた

すらに

〝亡き人への思慕あるのみ″

なのです｡程夢星説では

クあ

るお方への思いあるのみ㌔

程の詮

は考えすぎで'

4句の封象は

やはりまず故人であろうが'ただし程のいうほど二つの解粋は

全く相容れぬものではあるまい｡｢人間｣とせずとも'｢所思｣と

｢滑息｣で十分まともな封と考えられる0

5

(ところで)むかし漠の天子が遣わされた使臣は造かな西域の

地で手に入れたムラサキウマゴヤシを都の近郊に繁殖させました

がt

その態度を見習って人材を育てようとなきらぬお方がおら

れます｡

6

おかげで､かの楚の国を追われた流浪の人とおなじく､重し-

江藤のなげさを歌わされる-

破目にこのわた-Lも障

っている

のです｡

胡以梅は､｢江南｣の語は楽府をふまえるとし'

安徽師

大は離騒に二個所見える

｢江南｣のうち後の個所を踏まえて倭臣

すなわち令狐絢をさすとするが'いずれもとらない｡嘗詮どおり

三五七

8

東

方

学

報

離騒における正人屈原自身をさすと考える｡従

って本詩がふまえ

る

｢江帝｣は嘗然離騒胃頭の

｢紛吾｣云ミの個所でなければなら

ない｡香住みな引用をあやまる｡

といってみましてもそれは詮なき繰り言'若様はいまやとても

こまよけ

手のとどかぬ官位の貴さ､徹門前には厳めし-

行

馬

を

めぐらせ､

寄りつきもできませず'

贋-人材を集めるためtかの公孫弘になら

って

(故宰相が)閲

放されておりました､お舘の束の小門は二度とのぞいて見る術も

なくなりました｡

題壁の話は､あるいは面白すぎるかもしれないが'話のすじの

雨唐書李商障侍などとの摺鷹'さらに語乗が令狐氏関係の他作品

と辻複の合

いすぎるほど合うなどからみて'奮詮がすべて封象を

令狐父子に同定するのは､自然のなりゆきだ｡結果として'訊さ

れた相手が反省したか立腹したか知らないが'こんなほとんど罵

倒に近い皮肉を投げつけてよいとすれば'何をいっても安心な'

よほど親密な間柄か､さもな-ば縁切り覚悟で喧嘩を責

ったかだ

ろう｡では'その相手とされる令狐絢と義山の関係は'昔時どの

ようであ

ったのか｡義山が絢に輿えた

-詩題に絢の官名がある

などして確葺な-

作品は､十

1首を数える｡そのうち本詩と同

時期とされる'大中二年ないし四年の三首'｢寄令狐学士66｣｢夢

令狐学士

2-2｣｢令狐舎人設翫月戯謄4｣さらに加えて文

1篇

｢上

兵部相公俸｣(文集四)'これら

一連の詩文が'絢に封して敬愛と

三五八

いうよりは鄭重をきわめる姿勢に終始するのを

｢九日｣と比較す

れば'内容の共通性が見事に皆無なこと'異様に感じられるほど

だ｡だからこそわざと借題のかたちにしたのだtとはいえようがt

Lかしそれにしても'全-同じ相手にこれほど違

った顔をして見

せられるものなのか｡常識では理解できず'義山の人格が分裂し

ているとでも考えるはかない｡

鳩浩はむろん同定詮支持者だが､そのかれにして'詩題の枚注

(三四九貢参照)で'間接的に疑念を表明している｡

一慮通説に

従

って解樺してみたが'

一抹以上の不安がのこるのである｡

(荒井

健)

附録甲

七律集樺稿‖校補

無題四首之三116

補注

(六三八頁)

夜開干

〔飽鷹冬至詩〕長河夜関干｡暦泳如玉岸

(御覧二八)a

なお類衆三'古詩紀六二および集本は

｢長河結欄坪｣に'また古

今歳時雑詠三九は

｢長河結蘭栂｣に作る｡

附録乙

七律集粋稿目枚補

川碧城三首之一;-1

補梓

王清臣

･陸胎典

(三九八頁)

此焼入而不可軒｡故以比之押入｡言碧城之中｡産填不染.時物皆

春｡己極清夷華美之象｡而且聞苑有害｡惟多附鶴｡女床有樹｡無

不棲驚｡亦過異於常境巳｡於是恩其人｡如星之沈於海底｡不可見

而富服則猶可見｡如雨之過於河源｡雄可見而隔座則不可親｡所以

比之碧城之難至也｡末二句未詳｡或亦親望之意｡謂若得相親｡嘗

百年相守耳｡

女膳｡宋版作女床｡

-如作女購｡則輿棲鷲無及｡

(集樺稿jIでは唐詩鼓吹の王

･陸の樺を削ったので補う)

仙碧城三首之二1-2

補揮

(四〇四頁)

満班

(二滴詐閲才調集)

鈍云｡蘭｡

馳促漏1-5

補樺

(四二七頁)

程湘衡

(才調集補註引)

此輿深宮詩2-0同意｡故用向月島雲事｡謂止宜向月｡更不得雷雲也｡

落句｡似暗用賀后蒲生我池中詩語｡

王清臣

･陸始典

此言官女之怨｡富漏促鐘造之際｡動静皆聞｡君起税朝｡奏葦重畳｡

不暇来幸夫｡前此坂残黛而加新飾｡換夕薫而蛙新香｡皆望君王之

幸也.至此則蹄去不如弊妻之奔月｡夢釆難同益女之行雲｡而且南

塘漸暖｡繭両賀意｡行富戯水｡我曾不知此鳥之得偶也｡其能免深

宮之恵那｡

○此詩之鳥深宮怨女｡本於都註｡都之此論｡則以首句

百官志之修耳｡不知促漏造鐘｡何虞不問而必深宮｡亦何人不問而

李義山七律集粋稿

(≡)

必官女｡且報葦重畳.健可比之私書欲報之列｡而舞常陸鴨.亦猶

之雲撃罷琉還封鏡｡羅衣欲換更添香｡深致其寂英之恩也｡至向月

島雲｡都謂不能如奔妻益蛾者.亦正以深宮之中｡不能遠去｡君王

之夢｡不能相接.所見無非宮怨｡故拘拘此解｡不知此亦可以定説

也｡厨去崖知o集作蹄去定知｡反鄭之意.躍如垣俄奔月｡終是狗

居｡紳女雷雲｡亦成夢幻.不如南塘之鴛烏｡長匹不離耳.二読並

列｡以侯知者揮駕｡

裾井絡3-1

補

秤

(四四三頁)

王清

臣･陸

胎

典

此捷二山之勝而弔古也｡首言井絡天彰｡二山在萄郡｡如在

l掌之

中.萄倍以島国而剣閣不知.古謂剣閣天設之険｡乃護語耳｡観夫

諸葛之陣囲｡松維之適折｡煙江雪嶺｡皆形勝之地｡而萄帝云祖｡

杜芋之魂欲断｡覇囲班去.異龍之語基侍｡今者形勝依然｡而感興

則己異臭｡将来好雄輩｡亦何事以金年故智窺囲此地也哉｡此正所

以折其気也｡

三五九