View
16.418
Download
1
Embed Size (px)
Citation preview
2
上海に行ってきました
• Mobile World Congress Shanghai 2015
– 7/15(水)~17(金)の3日間、上海で開催
– 世界の移動体通信事業者、メーカー、ベンダー等で構成される業界団体である「GSM Association」が主催
– 毎年春にスペインで開催される世界最大のモバイル展示会「Mobile World
Congress」(MWC)のアジア版として開催• 去年までは「Mobile Asia Expo」というイベント名称だったが、今年から「Mobile World
Congress」の冠名となる
3
International MVNO Summit
• MWC Shanghaiの併催イベント
– イギリスの情報企業”MVNO Dynamics”によるパートナープログラムという位置づけ
– IIJは、当イベントにて20分間のスピーチを行いました
5
Full-MVNOとは?
• (Full-MVNOに関する明確な定義は見かけたことがなく、以下は主観的なもの)
• Full-MVNO
– 独自の電話番号を運用
– 独自のSIMカードを運用
– HLR/HSSを独自に運用
– 独自の料金プランを自ら運用する設備のみで提供可能
• Light-MVNO
– 電話番号やSIMカードの運用をMNOに依存
– MNOが運用するHLR/HSSを利用
– 独自の料金プランを自らの運用する設備のみでは提供不可
• 日本のMVNOの多くは、中間~ややLight-MVNO寄り
7
HLR/HSSとは?
• 「移動通信ネットワークにおいて、 携帯電話番号、端末の所在地、顧客の契約状況等の顧客情報を管理するデータベース」
– 「モバイル創生プラン」の注釈より
– HLR/HSSは単なるデータベースであり、それを運用すること自体に意味はない
• HLR/HSSで管理される情報を、MVNOが(MNOに依存せず)運用できるようになることが重要
– 携帯電話番号(MSISDN)
– 端末の所在地
– 顧客の契約状況(IMSI)
– 等
8
MSISDNとは
• Mobile Subscriber ISDN Numberの略
• つまるところは電話番号
• 国際的にはITU-T E.164勧告に従うが、日本国内では総務省令「電気通信番号規則」に定められている
– ITU-T :国際電気通信連合電気通信標準化部門
9
「電気通信番号規則」による携帯電話のMSISDNの取扱い
• 第9条第1項第3号(端末系伝送路設備を識別するための電気通信番号)– 携帯電話又はPHSに係る端末系伝送路設備を識別するための電気通信番号は、別表第一第六号に定めるものとする。
• 別表第1第6号– 70CDEFGHJK(Cは0を除く。)、80CDEFGHJK(Cは0を除く。)又は90CDEFGHJK(Cは0を除く。)
• 第15条(電気通信番号の指定の申請)– 電気通信番号の指定を受けようとする電気通信事業者は、(中略)申請書を総務大臣に提出しなければならない
– 前項の申請書には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない(中略)
– 別表第二に規定する要件を確認できる事項(後略)
• 別表第2– 電波法施行規則第4条第1項第6号に規定する基地局の無線局免許を有する電気通信事業者であること(後略)
• MVNOは、基地局の無線局免許を有していない。そのため、MVNOはMSISDNをもらえない
10
IMSIとは
• International Mobile Subscriber Identityの略
• MSISDNとIMSIの違い– MSISDNは利用者に、IMSIは端末(つまるところSIMカード)に紐付く
• MNPを思い出すと理解しやすいかもしれない
• ある加入者がMNPで事業者を渡った場合、MSISDNは加入者に紐付くので加入者とともに事業者を渡るが、IMSIはSIMカードに紐付くので事業者をまたがない
– MSISDNは全世界ではユニークでない(国番号を入れるとユニーク)がIMSIは全世界でユニーク
• IMSIは一般的に15桁で、以下の構造となる– MCC(国や地域を識別する番号日本は440もしくは441) 3桁
– MNC(事業者を識別する番号) 2〜3桁
– MSIN(加入者識別コード) 9〜10桁
• 国際的にはITU-T E.212勧告に従うが、日本国内ではこちらも総務省令「電気通信番号規則」に定められている
11
「電気通信番号規則」によるIMSIの取扱い
• 第8条(端末設備を識別するための電気通信番号)– 端末設備を識別するための電気通信番号(電気通信回線設備に接続する端末設備を識別するための電気通信番号を規定する国際電気通信連合条約に基づく勧告に準拠したものに限る)は、別表第一第四号に定めるものとする
• 別表第1第4号– 44M1M2M3から始まる15けたを超えない十進数字
• 第15条(電気通信番号の指定の申請)– 電気通信番号の指定を受けようとする電気通信事業者は、(中略)申請書を総務大臣に提出しなければならない
– 前項の申請書には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない
(中略)
– 別表第二に規定する要件を確認できる事項(後略)
• 別表第2
– 電気通信回線設備に接続する端末設備を識別するための設備を設置すること
• 端末設備を識別するための設備、すなわちHLR/HSSを電気通信回線設備に接続すれば、MVNOでもIMSIは申請することができる
12
IIJがFull-MVNOになるために
• 最低限必要なこと
– MSISDN、IMSIを持つこと• 特にMSISDNを直接MVNOが受け取るためには「電気通信番号規則」の改正が必須
– HLR/HSSを持ち、MNOに接続すること• 現行の「電気通信番号規則」ではIMSIを持つために必要
• 当然、MNOが了解しないと…
• その他検討すべきこと
– 端末問題• 今まではドコモのSIMロック端末はそのままでも使えたが、独自SIMになるとNG
– 事業者間接続• これまでは、音声やSMSについてドコモの他事業者間接続(MNO同士、MNO-固定キャリア、MNO-海外キャリア、MNO-緊急通報機関等)を利用できたが、Full-MVNOになったときには?
• 誰と、どうつなぐ?
– ビジネスモデル• 何より重要
13
Full-MVNOになったら…?
• Full-MVNOになって何をする?何をしたい?
• 技術的なこと、制度的なことは後からでも付いてくるが、それより我々が何をしたいか、何をすべきかが何より重要
• International MVNO Summitで訴えたこと
– 日本のMVNO(IIJ)が、Full-MVNO化を期に海外のパートナーとも手を携えていきたい