日皮会誌:106 (10), 1283-1287, 1996 (平８）

Trichilemmal cyst,epidermal cyst における

　サイトケラチン発現の免疫組織化学的検討

阿部　裕明 大西　誉光

　　　　　　　　　　要　　旨

　Trichilemmal cyst, epidermal cystの特徴を明ら

かにし，比較検討する目的で，それぞれ９例のtri-

(:hilemmal cyst (以下ＴＣと略), epidermal cyst (以

下ＥＣと略)について,嚢腰壁のサイトケラチン発現に

ついて種々の抗体を用いて検討した．その結果,ＴＣと

ＥＣではケラチン発現パターンが異なり，ＴＣの嚢膜壁

は外毛根鞘漏斗部下部から峡部に，ＥＣの嚢腫壁は正

常表皮から外毛根鞘漏斗部上部に一致し，それぞれ同

部位が発生母地と考えられた．

　また，自験ＥＣの９例中３例は足底のＥＣであるが，

他部位のＥＣと同様の染色結果が得られ，足底のEC

の発生にはエクリン汗管が関与するという説は否定的

だった．

　　　　　　　　　　はじめに

　Pinkus"は角質嚢腫をその嚢腫壁の構造から，

epidermal cyst, trichilemmal c:ｙstおよびその混合型

であるmixed cyst (hybrid cyst)に分類した．このう

ちtrichilemmal cyst (以下ＴＣと略)は，成長期の外

毛根鞘峡部もしくは退行期，休止期の梶毛を含むtri-

chilemmal sａｃにおいてみられるtrichilemmal ker-

atinizationを特徴とする角質嚢腫をいう．

　一方epidermal cyst (以下ＥＣ)は，正常表皮と同様

のepidermal keratinization を示す角質嚢腫である．

両者はその組織学的形態や電顕的検討からそれぞれ外

毛根鞘峡部および正常表皮から毛濁斗部へ分化する腫

瘍と考えられている2).

　サイトケラチンは主として上皮細胞に存在するケラ

チン型中間径フィラメントを構成する蛋白で，現在21

種類に分類され，分子量の大きい方から番号がつけら

れている3)(以下, Mollのヶラテン番号はKl, K2のよ

引こ表す)．このサイトヶラチンは上皮細胞の種類，細

帝京大学医学部皮膚科学教室

平成８年３月22日受付，平成８年６月19日掲載決定

別刷請求先:（〒!73）東京都板橋区加賀2－1トー１

　帝京大学医学部皮膚科学教室　阿部　裕明

渡辺　晋一

胞の分化，病変の状態によりその発現が異なることが

知られており，上皮系細胞を同定する上で有力なマー

カーとなっている．そこで,今回われわれはＴＣとEC

の分化の方向を知る目的で，両者のケラチン発現を免

疫組織化学的に検討した．

　また，いわゆるplantar epidermoid cyst(以下PEC

と略)はtraumatic epidermal cyst に代表されるよう

に，表皮の陥入が原因と考えられている4).しかし，江

川5)および木村ら6)は, HPV抗原陽性の足底表皮嚢腫

を報告し，足底現贅由来と考えられるものも存在する

という考えを提唱している．さらに江川7)は手掌足底

など毛包を欠く部位に生じるＥＣの発症横序として，

ＨＰＶの表皮内汗管上皮への感染，引き続く真皮内汗

管への感染の波及とその部位での嚢腫形成，すなわち

eccrine keratinous cystが本態であるとしている．そ

こで，今回は３例のＰＥＣについても併せて免疫組織

化学染色を行い，正常表皮やエクリン管と比較し，そ

の組織発生について検討した．

　　　　　　　　　　材料と方法

　1.対象

　病理組織学的に典型的なtrichilemmal cyst (ＴＣ)

9例と, epidermal cyst (EC) 9例を対象とした(Table

1). TCは全例示中年期以降の被髪頭部あるいは額部

に発生したものであった．またＴＣに両者の合併であ

るhybrid cｙＳt８)9)は含まれていない.ＥＣは26歳から63

歳までの年齢の種々の部位に発生したものであるが，

No. 7, 8, 9の３例は足底に生じたものである.

　2.免疫組織化学染色

　各材料を10％ホルマリン固定後パラフィン包埋し，

用時それぞれを5μｍに薄切し,免疫組織化学染色に供

した．各切片は脱パラ後avidin-biotin complex

ｍｅthodで染色した．また，一部のサイトケラチンに対

する抗体では染色前に20～40分間のトリプシン処理あ

るいはマイクロウェーブ処置を行った．染色に用いた

１次抗体をTable 2に示す．

1284

Table l　Profile of the trichilemmal cyst and

　epidermal cyst cases examined

阿部　裕明ほか

Trictii]emmalCyst Epidermal Cyst

No age sex site No age sex site

１

２

３

４

５

６

７

８

９

43

64

59

71

66

62

70

43

54

Ｍ

Ｍ

Ｍ

Ｆ

Ｆ

Ｆ

Ｆ

Ｍ

Ｆ

　scalp

　scalp

　scalp

forehead

　scalp

　scalp

　scalp

　scalp

　scalp

１

２

３

４

５

６

７

８

９

26

37

45

48

63

34

47

29

36

Ｍ

Ｍ

Ｆ

Ｆ

Ｍ

Ｆ

Ｍ

Ｍ

Ｍ

cheek

scalp

back

cheek

thigh

neck

sole

sole

sole

　　　　　　　　　　結　　果

　1. Trichilemmal cystのＨＥ染色像

　今回検討した９例のＴＣは真皮内に嚢腫構造を有

し，その内腔に好酸性の均一な物質がみられた．嚢腫

壁の最外層では基底細胞様細胞が楯状に配列し，内腔

に向かうにつれて細胞は大型･明調化し, tricilemmal

keratinizationを示していた(Fig. 1).穎粒層は認め

られなかった.

　2. Epidermal cystのＨＥ染色像

　今回検討した９例のＥＣは真皮内の嚢腫で，内容物

の圧排のためか嚢腫壁は薄く，内腔には好酸性物質が

認められた.嚢腫壁は数層の扁平上皮様細胞からなり，

外方より細胞が扁平化した後に穎粒層を経て角化し，

epidermal keratinization を示していた(Fig. 2).ま

た, PECの３例はいずれも単発性で, No. 7, 8, 9は

ＨＰＶの検出されるＰＥＣの組織学的特徴lo)とされる

Fig. 1　The wall of trichilemn!al cyst is composed

　of epithelial cells with trichilemmal keratiniza-

　tion, and the peripheral layer of cells shows a

　palisade arrangement. （Ｈ-Ｅ，×100）

Table ２　Antibodies used in this study

Antibody Specificity Antibody Source

34βB4

AE3

KLl

34βE12

RCK102

LP34

35βH11

4.1.18

CAM5.2

DE-KIO

AEl

MNFllfi

Ksl3.1

E3

170.2.14

RCK108

Ksl9.1

Cytokeratin l

Cytokeratins卜8

Cytokeratins 1,2,5-8,11,14,16司8

Cytokeratins 1,5,10,11

Cytokeratins 5,8

Cytokeratins 6,18

Cytokeratin 8

Cytokeratin 8

Cytokeratins 8,18

Cytokeratin 10

Cytokeratins 10,14-16,19

Cytokeratins 10,17,18

Cytokeratin 13

Cytokeratin 17

Cytokeratin 19

Cytokeratin 19

Cytokeratin 19

ENZO

Boehringer

Iminunotech

ENZO

SANBIO

DAKO

ENZO

Boehringer

Becton-Dickinson

DAKO

Boehringer

DAKO

Boehringer

DAKO

Boehringer

DAKO

Progen

細胞質内好酸性封人体や嚢腫壁内の空胞様構造は認め

られなかった.

　3. Trichilemmal cystの免疫染色結果

　AE3, 34βE12, LP34, AEKFie. 3a), MNF116抗

体による染色では全層性に陽性を示した.

　RCK102抗体による染色では，外層のみに陽性を示

しか.

　KLl, DE-KIO, E3 (Fig. 4)による染色では，嚢朧

壁の内層が陽性を示した．しかしながらK1を認識す

る34βB4抗体では陰性を示した.

　4.1.18, 170.2ユ4抗体(Fig. 5)では，最外層のみが

Fig. 2　The wall of epidermal cyst, composed of

　epitherial cells with epidermal keratinization, is

　filled with horny material arranged in laminated

　layers. (H-E,×100）

immunophenotypes in keratinous cyst

　　　　　　　　　ａ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｂ

Fig. 3　Photomicrograph of a paraffin section stained with immunoperoxidase for AEl.

　ａ: Trichilemmal cyst. Positive staining is observed in all layers of the cyst wall. （×100）b:

　Epidermal cyst. Positive staining is observed in the outermost layer of the cyst wall.（×100）

Fig. 4　Photomicrograph of ａ paraffin section of

　trichilemmal cyst stained with immunoperox-

　idase for E3. Positive staining was observed in

　the inner layer of the cyst wall.（×100）

陽性を示したが，単層上皮型ケラチンを認識する他の

抗体, 35H11, CAM5.2, RCK108, Ksl9.1抗体や粘膜

上皮を認識するKsl3.1抗体では嚢腫壁は染色されな

かった.

　4. Epidermal Cystの免疫染色結果

　AE3, 34βE12, LP34抗体ではＴＣと同様に全層性に

陽性を示したが，34βB4およびＤＥ-K10抗体ではTC

と異なり，最外層を除いて染色された．逆にE3抗体で

はＴＣの陽性に反して陰性であった．

　単層上皮を認識する35βHll, 4.1.18, CAM5.2,

170.2.14, RCK108, Ksl9.1の各抗体および粘膜上皮

を認識するKsl3.1抗体による染色では陰性であった.

　RCK102抗体では外層が陽性を, AEl (Fig. 3b),

MNF116抗体は最外層が陽性を示した．

1285

Fig. 5　Photomicrograph of a paraffin section of

　trichilemmal cyst stained with immunoperox-

　idase for 170.2.14. Positive staining was obser-

　ved in the outermost layer of the cyst wall. （×

　100）

　３例のＰＥＣと他部位のＥＣに染色性の差異はみら

れなかった．以上の免疫組織化学染色結果をTable 3

に示す．

　　　　　　　　　　考　　察

　今回われわれはTC, ECの各９例に同様の染色を行

い,各々のcystについて,その分化の方向を推測した．

　単層上皮型ケラチンを認識し，正常皮膚組織では汗

腺分泌部腺細胞のみを染色する35βHll, CAM5.2,

RCK108の各抗体11)では，両嚢腫ともに染色されな

かった．また, 170.2.14抗体は分泌部のみならず汗管

の管腔細胞11)および外毛根鞘峡部以下の最外層を染色

するが，ＥＣでは染色されず，ＴＣでは最外層のみが染

色された．このことよりＥＣの汗腺系への分化は否定

1286 　　　　　　　　　　　　　　　阿部　裕明ほか

Table ３　Immunohistochemical stainingin trichilemmal cyst and epidermal cyst

Antibody Specificity

Trichilemma!Cyst Epidermal Cyst

Innerlayer Outerlayer

Innerlayer Outer

layer

34βB4

AE3

KLl

34/3E12

RCK102

LP34

35βH11

4.1.18

CAM5.2

DE､K10

AEl

MNF116

Ksl3.1

E3

170.2.14

RCK108

Ksl9」

Cvtokeratin1

Cytokeratins卜8

Cytokeratins 1,2,5-8,11,14,16-18

Cytokeratinsl､n,!0,H

Cytokeratins5,8

Cytokeratins6､18

Cytokeratin 8

Cytokeratin 8

Cytokeratins8,18

Cytokeratin10

Cytokeratins10,14 16,19

Cytokeratins10,17,18

Cytokeratin 13

Cyto keratin17

Cytokeratinl9

Cytokeratin 19

Cytokeratin 19

　－

　＋

士へ･＋

　＋

　－

　＋

　～

　～

　一

土～＋

土･ヽ一十

土～＋

　～

土～＋

　～

　－

　～

　　　　－

　　　　＋

　　　　－

　　　　＋

　　　　＋

　　　　士

　　　　－

―(outermost十）

　　　　－

　　　　－

　　　　＋

　　　　＋

　　　　－

　　　　－

- (outermost+ )

　　　　－

　　　　－

＋

＋

＋

＋

一

土

－

一

一

＋

一

一

一

一

一

一

－

土(outermost ―)

　　　　＋

　　　　－

　　　　＋

　　　　＋

　　　　＋

　　　　－

　　　　－

　　　　一

士（outermoSt－）

士(outermost十）

土(outermost十）

　　　　－

　　　　－

　　　　－

　　　　－

　　　　－

的で，ＴＣでは170.2.14抗体で内層ではなくて最外層

が染色されることから，汗腺よりむしろ毛嚢系への分

化が考えられた．

　一方，江川12)は，多発性ＰＥＣではそのいずれにも

ＨＰＶが検出され，かつエクリン汗管(duct構造と

ＣＥＡの発現)の関与を認めたとしており，前述の機序

がこの特異現象を説明できる唯一の機序のように思わ

れると述べている．その後,通常のＰＥＣにも同様の所

見を認め，エクリン汗管がＰＥＣに普遍的に関与して

いる可能性が示唆され，エクリン汗管由来のker-

atinous cystが手掌足底のＥＣの本態であると述べて

いる．しかしながら，自験の３例のＰＥＣは組織学的に

は空胞細胞のみられない症例のみを検討しているが，

汗管にみられるような染色態度ではなく，他部位の

ＥＣと全く同一のケラチン発現を示しか．このことは，

空胞細胞の見られないＰＥＣも含めて普遍的にエクリ

ン管が関与しているとは考えにくく，自験例のような

ＰＥＣは外傷などが誘因となって表皮から生じるもの

と考えられた．また，空胞細胞が見られ, HPV抗原を

有するＰＥＣは自験例とは異なった発生機序があり得

るものと推論している.

　34βB4とＤＥ-K10抗体は正常表皮および毛漏斗部の

suprabasal cellを染色する力沁' ECでは嚢朧壁の最

外層を除いて染色され，同部とＥＣの染色性が一致し

ていた．また，ＴＣでは34βB4抗体では染色されず，

DE-KIO抗体では内層が陽性を示した．

　これらの分化型ケラチンの発現から，ＥＣは正常表

皮もしくは毛漏斗部へ，ＴＣはそれ以下の毛嚢への分

化が考えられた.さらに内毛根鞘を認識するKsl3.1抗

体13)により染色されないこと，前述の170.2ユ4抗体と

同様に外毛根鞘峡部以下の最外層を染色する4.1.18抗

体13)によりＴＣの最外層が染色されることから, TC

は毛嚢の固定部と境界部周辺と同様の染色態度をとる

ことが判明し，同部への分化が推測された．また, TC

においてKl-KlOペアの片方をそれぞれ認識する34

βB4抗体およびＤＥ-K10抗体の染色性に差異を生じた

が，いずれの抗体も漏斗部から下部に向かうにつれて

内層のみが染色されるようになり，ついには陰性とな

るが，抗体によるその染色性の差によるものと考えら

れた．さらに, AEl, RCK102抗体は正常表皮および漏

斗部の基底細胞と峡部以下の外毛根鞘を染色する

が13),ＥＣでは最外層のみ染色され,ＴＣではＡＥ１抗体

により全層性に, RCK102抗体により外層の数層のみ

が染色された．また，E3は外毛根鞘漏斗部下部より下

方の外毛根鞘の内層を染色するが，ＴＣのみ内層が染

色され,ＥＣは染色されなかった．このことは，前述の

ＥＣ，ＴＣの分化に対する考えに矛盾しない染色態度と

考えられた．

　以上の本研究におけるケラチン発現パターンの検討

によると，ＴＣでは毛漏斗部下部から峡部の境界部へ

immunophenotypes in keratinous cyst

分化していると考えられ，ＥＣでは正常表皮から毛嚢

漏斗部上部へ分化していると考えられた．また，今回

検索したＰＥＣは表皮の陥入と考えられ，他部位のEC

は毛嚢漏斗部もしくは表皮由来と考えられるが，今回

用いた抗体では，表皮と毛嚢漏斗部を区別できないた

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　文

　　1) Pinkus Ｈ : “Sebaceous cysts” are trichilem-

　　　mal cysts, ＡｒchＤｅｒｍａtol,　99: 544-555, 1969.

　　2) Lever WF, Lever GS :　Histopathology of the

　　　Skin, 7th Ed, Lippincott, Philadelphia, 1990, 535

　　　-536.

　　3) Moll Ｒ，Franke ww, Schiller DL :　The cata-

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　　　si on in norm�epithelia, tumors and cultured

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　　4) Fisher BK, Macpherson Ｍ :　Epidermoid cyst

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　　5）江川清文,小野友道,荒尾龍喜：足底表皮嚢腫とヒ

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　　　1987.

　　6）木村俊次,佐藤則子,繁益弘志：乳頭腫ウイルス抗

　　　原陽性を示しか足底表皮嚢腫の２例，皮膚臨床，

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　　7）江川清文：ウイルス性疵贅－最近の治験と展望

　　　一，日皮会誌, 106 : 91-99, 1996.

　　8) Brownstein MH :　Hybrid cyst一Ａ combined

　　　epidermoid and trichilemmal cyst, J Am Aびid

　　　Ｄｅｒｍａtol.9: 872, 1983.

1287

め，毛嚢漏斗部由来か表皮由来かは今後の課題と考え

られた．また，空胞細胞, HPV抗原を有する症例に関

しても嚢腫壁のケラチン染色による検討がさらに必要

と考えられた．

　本文の要旨は第718回目皮会東京研究地方会で報告した．

献

　　9) Requena L, Sanchez-Yus Ｅ :　Follicular hybrid

　　　cysts :　Anexpanded　spectrum, Ａｍ　Ｊ　Ｄｅｒ-

　　　ｍｄｏ卸tholユ3 : 228, 1991.

　10）稲葉葉一,江川清文，武藤公一郎：乳頭腫ウイルス

　　　抗原陽性の足底表皮嚢腫一足底恍贅の冷凍凝固療

　　　法の経過中に出現した１例の報告と文献例の集積

　　　検討－，口皮会誌, 100 : 199-203, 1990.

　11) Watanabe Ｓ，Ichikawa E, Takanashi S，Taka-

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　　　monocloal antibodies in routinely processed,

　　　formalinfixed, paraffin-embedded sections, /

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　12）江川清文：ヒトパピローマウイルスとケラチノサ

　　　イト，日本皮膚科学会研修委員会監修：皮膚科専

　　　門医テキスト集-1993年度一一, 1994, 419-440.

　13) Watanabe Ｓ，Wagatsuma Ｋ， Takahashi H :

　　　Immunohistochemical localization of cytoker-

　　　atins and involucrin in calcifying eithelioma :

　　　Comparativestudies with normal skin,Ｂｒ Ｊ

　　　ｄｅｒｍａtol131 : 506-513, 1994.

　　　　　　　An Immunohistochemical study of the Expression of Cytokeratins in

　　　　　　　　　　　　　　　　Trichilemmal Cyst and Epidermal Cyst

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　HiroakiAbe

　　　　　　　　　　Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine

　　　　　　　　　　　(Received March 22，1996；accepted for publication June 19，1996)

　　This study was conducted to determine the immunophenotypes of trichilemmal cyst (ＴＣ)ａｎｄ

epidermal cyst (EC) by using antibodies against cytokeratins. In TC, the inner layer of the cyst wall

stained with E3 (CK17), and the outermost layer, with 4±18 (CK8) and 170.2.14 (CK19). In contrast, in

EC, the cyst wall didn't react to these antibodies, and CKl was expressed in the inner layer. These results

confirmed that the immunoreactivities of EC were similar to those of normal epidermis or infundibulum

and that those of TC were similar to those of the outer root sheath between the lower infundibulum and

the isthmus. Therefore we speculated that TC may differentiate toward the outer root sheath between the

lower infundibulum and the isthmus, while EC may differentiate toward epidermis or infundibulum.

Furthermore, three cases of plantar epidermoid cyst showed the same immunoreactivities as EC arising

on other areas.

　　(Jpn Ｊ Dermatoに06: 1283～1287, 1996)

Key words:　cytokeratins, immunohistochemistry, trichilemmal cyst, epidermal cyst