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(C)Copyright 1996-2014 SAKURA Internet Inc. データセンターと直流超伝導システム さくらインターネット株式会社 基盤戦略部 片山洋平

データセンターと直流超伝導システム(応用物理学会 応用電子物性分科会研究例会)

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(C)Copyright 1996-2014 SAKURA Internet Inc.

データセンターと直流超伝導システムさくらインターネット株式会社 基盤戦略部

片山洋平

会社概要

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商 号 さくらインターネット株式会社

所 在 地本社 大阪市中央区南本町支社 東京都新宿区西新宿

設 立 年 月 日1999年8月17日(サービス開始は1996年12月23日)

上 場 年 月 日 2015年11月27日(東証一部)

資 本 金 8億9,530万円

事 業 概 要 データセンター

従 業 員 数 約266名(2015/3現在)

データセンターのサービス ~データセンター事業者~

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お客様のサーバお客様のデータ

データセンター

●コロケーション

データが格納されたお客様の「サーバ」を「データセンター」内でお預かりする。

●クラウド

お客様の「データ」を「当社のサーバ」内でお預かりする。

お客様のデータ

お客様のデータ

「箱売り」データセンターのフロアや

スペース、ラック単位での提供

「リソース」CPUやメモリ、ディスク単位での

提供

データセンター

業界トレンドと幅広い利用者からのニーズを反映したデータセンター

様々なサービスが集約できる国内最大級の拡張性を持つ郊外型データセンター

郊外型データセンター

オフィス至近、豊富な配信実績を持つ都市型データセンター

都市型データセンター

石狩

東京

大阪

●用途

ハウジング、ホスティング、クラウド

●総ラック数

2,650基(2013年8月現在)

●顧客数

340,000件(2013年4月現在)

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さくらインターネット 石狩データセンター

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東京ドーム約1個分の敷地面積(51,448㎡)※2011年8月撮影

建設地 北海道石狩市(石狩湾新港地域)

敷地面積 51,448㎡ ※石狩湾新港地域全体で3,022ha

建物構造 地上2階建・鉄骨造

面積(2棟) 建築:7,116㎡ 延床:11,417㎡(最大8棟まで増築可能)

ラック数(2棟) 1,000ラック(1棟 500ラック、最終8棟 4,000ラック)

受電電圧66,000V(特別高圧)本線・予備線2系統受電

30,000kVA受電トランス2基設置

発電機(1号棟) ディーゼル発電機 1,000kVA×5基 1,500kVA×2基

供給電力 標準8kVA/ラック(最大15kVA/ラック)

設計施工 大成建設株式会社

石狩データセンターの建築概要

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• 札幌駅から車で約30分(約15㎞) 新千歳空港から車で約60分(約45㎞) 羽田空港まで90分

データセンターと超電導設備

北海道電力から 66kV

さくらインターネット

石狩太陽光発電所

電圧 380V

電力 200kW

超電導管路

耐電圧 10kV

耐電流 5kA

さくらインターネット

石狩データセンター

定格容量 2,000 kW

(約400V運転時)

各設備の位置関係(発電から送電、消費まで)

各設備の位置関係(発電から送電、消費まで)

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太陽光発電所 の諸元

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• 名称: さくらインターネット 石狩太陽光発電所

• 場所: 北海道石狩市

• 面積: 5,004 m2 (0.5ha)

• 出力: 200 kW

• 電圧: 380 V

• 発電量: 21万kWh/年

• 稼働開始: 平成27年8月

この発電所でデータセンターの電力の 0.6% をまかなう

売電・電力会社との系統連系は、しない

超電導設備の 諸元

• 建設: 石狩超電導・直流送電システム技術研究組合

• 場所: 北海道石狩市

• 距離: 500m

• 定格: 5,000A

• 電圧: 10kV

• 稼働開始: 平成27年8月

受電設備 -データセンター

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変圧整流

非常電池

電力会社から

260V

380V

340V

66,000V

電圧(V)が高い電源から優先使用される

・太陽光ある時は太陽光が、無いときは電力会社が・・・・切替ではなく、並列合成なので途切れない(交流と違う)

超電導管路 500m

(バイパス送電線 300m)

直流(トランスレス)

各設備の位置関係(発電から送電、消費まで)

受電設備 -データセンター

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変圧整流

非常電池

電力会社から

260V

380V

340V

66,000V

超電導管路 500m

200kWを通すために、

380V送電だと、

500A超の大電流が流れる。

直流(トランスレス)

(バイパス送電線 300m)

検討

• 発送電電圧の選定と電力損失

• サージ対策

発送電電圧の選定と電力損失

電圧降下

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接続箱 超電導端末1 超電導端末2 直流集電盤 配電盤

(バイパス送電線)

超電導

電圧[V

]

電圧降下

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電気抵抗がゼロ

大電流でも損失が少ない

低圧送電が得意な超電導!

サージ対策

雷サージ対策

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ケーブル

放電して穴が開く!

雷サージ

パネルに落雷

負荷を破壊する!

雷サージ対策

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ケーブル

雷サージ

パネルに落雷

サージ減衰回路

雷サージ対策

• 今回の実装

雷サージ対策

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ケーブル

雷サージ

パネルに落雷

絶縁チョッパ回路

雷サージ

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雷サージにはそれほど強くない↓

絶縁型チョッパ回路の挿入

この低損失・低廉化が望まれる

結果

• 運転に要した電力

結果

2015/08/28 初期冷却 開始

/30 初期冷却 完了

(各種試験)

2015/09/18 送電開始

運転に要した電力

日付 消費電力量

2015/08/28 1,970 [kWh] 初期冷却(一日目)

2015/08/29 2,280 [kWh] (二日目)

2015/08/30 1,990 [kWh] (三日目)

2015/09/18 1,790 [kWh] 送電開始(一日目)

2015/09/19 1,750 [kWh] (二日目)

2015/09/20 1,760 [kWh] (三日目)

2015/09/21 1,760 [kWh] (四日目)

2015/09/22 1,770 [kWh] (五日目)

2015/09/23 1,770 [kWh] (六日目)

2015/09/24 1,760 [kWh] (七日目)

※ 照明設備や計測機器等の消費電力も含む

運転に要した電力

• 定格容量 2000[kW] の超伝導ケーブル

• 冷却コスト

– 初期 6,240 [kWh]

– 運転 1,760 [kWh]/day

(=73 [kW])

交流常温送電との比較

直流400V 交流6,600V 直流400V

DC/ACインバータ AC/DCコンバータ

変換損失 2% 変換損失 2%

送電損失 = 2,000 [kW] × 3.96% = 79.2 [kW]

合計の損失 =3.96%

2,000[kW] おくる

交流常温送電との比較

• 交流常温送電

– 2,000 [kW] 送るのに 79.2 [kW] の電力損失

• 直流超伝導送電

– 2,000 [kW] 送るのに 73 [kW] の運転コスト

ほぼ同等,もしくは 直流超伝導 が有利!

(参考) 各国の送電損失率

• 送配電網における各国の送電損失

– 日本 4.8% (2010年)

– 米国 5.8% (2009年)

– フランス 6.9% (2009年)

(電気事業連合会による調査)

交流常温送電との比較

直流超伝導送電 交流常温送電

送電電圧 負荷電圧に近い低圧を選択できる 抵抗損を避けるため、高圧がよい

サージ対策 廉価かつ低損失な絶縁型電力変換器が必要

変圧器が挿入されることにより、特段の追加対策は不要

消失電力 小(もしくは同等)(冷却電源として消費)

大(もしくは同等)(電力変換および送電時に、抵抗損として喪失)

データセンターでの応用(他)

データセンターへの応用

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66kV 6,600V 400V 200V

サーバ機器

66kV380V

サーバ機器

電力会社

電力会社

500~1000m (電圧降下大きい)

超電導ケーブル(分岐あり)

たとえば・・・屋内配電線路への応用

12V

まとめ

• まとめ1. 低圧送電が妥当である

2. 確実なサージ対策が困難である

3. 運転コストは交流常温送電と遜色ない

• データセンターにおける応用

1. 受電線としての活用(電気事業として)

2. 屋内配電路への適用(自家用電気設備として)