40
アニュアルレポート 2005(和文要約版) 2005年3月期 Expanding and Strengthening Our Businesses

Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

アニュアルレポート 2005(和文要約版)2005年3月期

Expanding andStrengtheningOur Businesses

Page 2: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

プロフィール

当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

開始しました。以来、長年培ってきた広範な基盤技術を生かして事業分野の拡大に努め、エレクトロニ

クス関連製品、工業材料関連製品、住宅機器・環境設備など幅広い事業分野を擁する化学メーカーと

して、先端技術の開発と新しい市場の開拓に挑戦してきました。

現在当社グループでは、高成長が見込まれる情報通信・ディスプレイ、エネルギー、ライフサイエ

ンス、自動車などを重点事業領域に据え、価値ある製品の開発、技術の向上にたゆみない努力を

続けています。これまで培ってきた優位な技術を複合・融合させ、顧客に最適なソリューションを提

供する「技術革新型企業」として、常に環境に配慮しつつ、真に豊かな社会の実現に貢献するとと

もに、グループ企業価値の最大化を目指します。

見通しに関する注意事項当アニュアルレポートには、日立化成グループの予想、考察など見通しに関する記述が含まれています。これらの記述には、一般的に「確信する」「期待する」

「予想する」「予定する」「予見する」などの表現が使用されています。同様に、目的、計画、目標などを示した記述も「見通し」です。これらの見通しはすべて、実

際の業績とは大きく異なる結果となりうるリスクや不確実性を有しています。実際の業績や将来の活動が予測されたものと大きく異なる結果を招く可能性の

ある最も重要なリスク要因には、以下のようなものが含まれます。すなわち「日立化成グループが市場に受け入れられる製品を開発、販売し続ける能力の不確

実性」「業界の製品需要や生産能力の変動」「為替レート、特に日立化成グループが大きな売上または資産・負債を有する米ドルその他の通貨と円との為替レー

トの変動」「日立化成グループの流動性、あるいは長期的な資金調達の可能性についての不確実性、特に日本において優位にある信用力の制約または有用性の

面での不確実性」「製品需要や為替レートの変動など、マイナス要因の影響を低減するための施策を実行する日立化成グループの能力についての不確実性」「日

立化成グループの主要マーケットの経済環境、規制、取引の状況」「日本国内の株式相場の下落により日立化成グループが保有する株式の評価損が発生する場

合」などです。ただし、リスク要因はこれらに限定されるものではありません。

財務ハイライト ................................................................. 1株主の皆様へ................................................................... 2特集:2007年度の経営目標達成に向けて ................. 7基盤材料技術の強化をベースとした新事業・新製品の創造 ... 8業務生産性の改革によるグループ経営効率の向上 ...........12経営資源の最適配置による増収増益基盤の構築 ..............13

企業の持続的成長を可能とする社会的責任(CSR)の履行と環境経営の実践 .............14

次世代を担う人材の育成 .................................................17コーポレート・ガバナンスへの取組み ..........................18役員 ................................................................................... 21

事業概況 ...........................................................................22

事業レビュー

エレクトロニクス関連製品..................................................24

工業材料関連製品............................................................26

住宅機器・環境設備..........................................................28

6年間の要約財務データ ................................................30

財務概況 ........................................................................... 31

主要連結対象会社 ..........................................................36

投資家向け情報...............................................................37

目 次

Page 3: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

15.2%

住宅機器・環境設備

工業材料関連製品

エレクトロニクス関連製品

42.0%

42.8%

日本

アジア

83.5%

その他 3.4%

13.1%

6,000(億円)

5,000

4,000

3,000

2,000

1,000

000 01 02 03 04 05

5,4485,863

4,808 4,9425,214

5,556(億円)

250

200

150

100

50

000

126

01

130

02

31

03

86

04

158

05

257 (%)18

15

12

9

6

3

000 01 02 03 04 05

10.6

2.9

10.1

2.9 2.3

0.7

6.0

2.1

10.4

3.9

15.2

6.4

ROE ROA

(3月31日に終了した年度) (3月31日に終了した年度) (3月31日に終了した年度)

事業別売上高構成(2005) 地域別売上高構成(2005)

売上高 当期純利益株主資本当期純利益率(ROE)総資産当期純利益率(ROA)

百万円 2005/2004(1株当たり情報を除く) 増減率

2005 2004 2003

収 益:売上高 .................................................................................... ¥555,568 ¥521,358 ¥494,226 6.6%営業利益 ................................................................................ 46,910 33,774 24,930 38.9当期純利益............................................................................ 25,714 15,784 8,644 62.9資本的支出............................................................................ 33,159 26,331 23,576 25.9研究開発費............................................................................ 25,059 24,908 22,933 0.6

財政状態:総資産 .................................................................................... ¥411,485 ¥393,835 ¥407,148 4.5%株主資本 ................................................................................ 180,910 157,311 146,443 15.0

1株当たり情報:当期純利益(基本的).............................................................. ¥ 123.46 ¥ 75.47 ¥ 39.91 63.6%当期純利益(潜在株式調整後).............................................. 123.44 75.44 39.54 63.6中間配当及び期末配当 ......................................................... 17.00 12.00 11.00 41.7株主資本................................................................................. 872.20 758.44 704.87 15.0

投資指標:売上高当期純利益率(%)...................................................... 4.6 3.0 1.7株主資本当期純利益率(ROE)(%)..................................... 15.2 10.4 6.0総資産当期純利益率(ROA)(%)........................................ 6.4 3.9 2.1株主資本有利子負債比率(DER)(倍)................................. 0.2 0.3 0.4

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 1

日立化成工業株式会社及び連結子会社2005年、2004年及び2003年3月31日に終了した連結会計年度

財務ハイライト

Page 4: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 20052

当期は、グループ一丸となった積極果敢な取組みにより大幅な増収増益を達成い

たしました。また、赤字会社・赤字製品の一掃に向けた低収益事業対策を断行する

とともに、有利子負債の削減により財務体質基盤の強化が進むなど、2007年度の

目標である売上高6,000億円、営業利益600億円の達成に向けた着実な一歩を踏

み出しました。

日立化成グループは、事業の拡大・強化と重点分野への経営資源の集中投入

により、時代を拓く優れた技術と製品の開発を通して社会に貢献する真の「技

術革新型企業」として、持続的な成長を実現してまいります。

執行役社長

長 瀬 寧 次

株主の皆様へ

Page 5: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

2004年度決算は増収増益と過去最高益を達成当社グループの2004年度決算は、売上高は前

年度実績の6.6%増に当たる5,556億円、営業利

益は38.9%増に当たる469億円、当期純利益は

62.9%増に当たる257億円と増収増益を達成し、

利益はいずれも過去最高を更新することができま

した。これに伴い、1株当たり当期純利益(基本的)

は、前年度の75.47円から123.46円へと増加しま

したほか、株主資本当期純利益率(ROE)は前年

度の10.4%から15.2%へと上昇いたしました。

また、1株当たり利益配当金につきましては、

前年度の普通配当12円から、2004年度は普通配

当17円に増配することとし、過日の取締役会で

決議いたしました。

2004年度は将来の目標達成に向けた着実な一歩

2004年度は、中期経営方針に定めた5つの基

本行動指針に則り、新事業・新製品の創造をはじ

め、低収益事業・製品対策、海外成長市場の取り

込みのほか、グループ事業の再編とシナジー効果

の追求による収益力向上、間接部門の生産性改革

などを重点課題として取り組んでまいりました。

低収益事業・製品対策は、不飽和ポリエステル

樹脂などスチレン系樹脂事業の再編に加えて、低

収益事業の売却・清算等により、一定の成果を上

げることができました。また、財務基盤について

は、数年来進めてまいりました有利子負債の削減

により実質無借金のバランスシートへと一層強化

されました。さらに、海外事業も中国に新たな事

業拡大の投資を行うなど大きく進展したことか

ら、これらについては、ほぼ計画を達成できたと

考えております。

一方、新事業・新製品の創造や間接部門の生産

性改革については、まだまだ十分な成果を上げ

たとは言い難い状況にあります。とりわけ、今後

の成長の要となる新事業・新製品の創造につい

ては、現在の当社グループにおける最大の課題

であると認識しております。

(2004年度の施策の詳細は、7~17ページの特集

をご参照ください。)

2005年度は事業の拡大と強化私は社長就任以来一貫して、いかなる状況下に

おいても増収増益に向けて努力することを経営

の基本としております。2004年度の後半からエレ

クトロニクス関連の需要が減退するとともに、原

油を中心とする資材費高騰から工業材料関連製

品の事業環境も一段と厳しい局面を迎えていま

すが、こうした状況の中でも増収増益にこだわり、

景気の動向に過度に左右されない事業構造を確

立する必要性を強く感じております。

2005年度は、2007年度の経営目標の達成に向

けて事業を拡大・強化する年と位置づけ、守りの

経営から攻めの経営に転じるとともに、社外の

経営資源も積極的に活用して、これまでにない大

胆な施策を積極果敢に展開していく計画であり

ます。

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 3

18(円)

15

12

9

6

3

000 01 02

10 10 10

03

11

04

12

05

17

1株当たり配当金

(3月31日に終了した年度)

Page 6: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 20054

事業の拡大・強化の主軸は新製品開発の加速と新規事業の創出事業の拡大・強化策の主軸となるのは、新製

品・新規事業の拡大であります。当社グループで

は、新製品・新規事業の売上高比率を2007年度

までに30%以上に高めることを方針としており

ます。その一環として、当社は経営資源の分散に

よる事業投資効率の低下を避けるため、経営資

源を集中的に投入する「戦略拡大製品」と「戦略開

発テーマ」を定めておりますが、このたび対象製品

及びテーマの入れ替えを実施し、戦略拡大製品の

売上高を2006年度に900億円、戦略開発テーマ

に関する売上高を2008年度に250億円とする新

たな計画を策定いたしました。

こうした新製品開発を加速させるため、このほ

ど研究開発体制の見直しを行い、従来の総合研究

所を再編して「機能性材料研究所」「電子材料研究

所」「先端材料研究所」の3研究所体制といたしま

した。これまで事業部内に置かれていた開発企画

部門の一部をそれぞれ新設の研究所に統合する

ことにより、事業部開発部門と研究所の壁を取り

払い、顧客に密着した事業戦略との整合性を保持

しつつ、世の中のスピードに合わせた新製品・新

規事業を創造する体制を整えました。これら3研

究所を核とし、中国の上海交通大学-日立化成研

究開発センター、またライフサイエンスの研究拠

点である米国のHitachi Chemical Research

Center, Inc.を含めたグローバル三極体制によ

り、世界の先端技術の獲得と人材の育成・活用・

交流を図ってまいります。

日立化成グループの目指す姿

基本ステートメント

基本行動指針1. 基盤材料技術の強化をベースとした新事業・新製品の創造

2. 業務生産性の改革によるグループ経営効率の向上

3. 経営資源の最適配置による増収増益基盤の構築

4. 企業の持続的成長を可能とする 社会的責任(CSR)の履行と環境経営の実践

5. 次世代を担う人材の育成

顧客に最適なソリューションを提供する技術革新型企業として、

資本市場、顧客、従業員、社会から厚い信任が得られ、社会に貢献する企業

2007年度に売上高6,000億円、営業利益600億円、

売上高営業利益率10%を実現し、日立化成グループの企業価値を高める

中期経営方針の概要

Page 7: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

また、当社グループの次代を担う新規事業の

創出を図るため、このたび「新規事業開発室」を

設置いたしました。新規事業開発室は、事業部門

と連携して業界、顧客の潜在ニーズを引き出し、

M&Aやアライアンスなどの手法を活用してスピー

ディーに新規事業案件を発掘する役割を担ってお

ります。これにより、2007年度までに50億円規模

の新規事業を構築する計画であります。

海外市場の取り込みとグループ経営効率の向上二つ目は、2004年度に引き続き、海外成長市場

の取り込みに全力を上げることであります。当社

グループは、2007年度に海外売上高比率30%の

達成を目指しております。2004年度は中国を中

心に、半導体用材料、配線板用材料、自動車関連

製品など重点製品の新工場建設、生産能力増強

など、グループを挙げて活発な設備投資を行い

ました。2005年度も海外での事業投資を継続い

たしますが、こうした投資の成果を確実に回収し

増収増益に繋げていくための海外拡販体制とし

て、今般、グローバル営業統括部、中華圏営業統

括部、韓国営業統括部の3営業統括部体制を敷き

ました。この新体制を十分活用し、成長市場に内

在するカントリーリスクを認識した上で海外成長

市場を着実に取り込み、強固な増収増益基盤の構

築に注力してまいります。

三つ目は、グループ会社の再編・統合でありま

す。前述のように、当社グループの財務基盤は継

続的な有利子負債の削減により実質無借金体質

へと強化されましたが、生産性の面から見た場

合、当社グループの当期純利益の連単倍率が1.8

倍であるのに対し、人員の連単倍率は5倍を超え

ております。再編・統合に当たっては、個々のグ

ループ会社の壁を越え、グループ内のあらゆる

経営資源を有効に活用できる分野へ再配置し、

2006年度末を期限として、具体的に実行してま

いります。これにより、グループ事業の強化・拡

大と生産性の向上を図り、今後ますます熾烈化

するグローバル競争を乗り切ってまいります。

企業ビジョンの実現 ―ステークホルダーから信頼される会社に当社グループは、2004年11月、我々が長期的

に目指す姿や社会的使命を「企業ビジョン」とし

て明文化いたしました。その中で、当社の使命は

時代に先駆けた「価値」を提供することであり、

当社が守り高めていく価値は「信頼」であると明

言しております。

株主の皆様へ

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 5

Page 8: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 20056

ビジョンの策定に当たっては、トップマネジメ

ントはもとより一般社員もそれぞれの立場で参

画し、まとめてまいりましたので、このビジョンに

は一般社員の熱い思いが込められています。一

方的にトップから与えられたものではなく、自ら

がビジョンの策定に関与したことで、その実現に

向け一人一人が発揮するパワーはより大きくな

るものと期待しております。この新しいビジョン

の下で、企業の社会的責任(CSR)の履行やコー

ポレート・ガバナンスの強化、環境経営の実践に

積極的に取り組み、株主・投資家をはじめとする

ステークホルダーの皆様から信頼される企業へ

と成長してまいります。

日立化成グループは、これからも他社の追随

を許さない独自の製品・技術を持ち、持続的な成

長を実現する真の「技術革新型企業」として、

2007年度の経営目標の達成に向け全力を傾注し

てまいります。株主・投資家の皆様には今後とも

一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申

し上げます。

2005年7月

執行役社長

私たちの理念は、「時代を拓く優れた技術と製品の開発を通して社会に貢献すること」。高度で幅広い「材料技術」と「加工技術」を複合・融合し、常に時代を拓く技術、製品、

サービスを提供し続けることによって、豊かな人間生活とより良い社会の実現を目指します。

私たちの使命は、「時代に先駆けた新たな価値の創造」。未知の領域に踏み出す勇気とチャレンジ精神をもって、時代に先駆けた「新たな価値」を

創造することで、お客さまと社会の様々な課題に対し、最適な解を迅速に提供します。

私たちが守り高めていく価値は、「信頼」。お客さまと社会の信頼に必ず応え、企業としての責任を全うします。

そのために、常に環境に配慮しつつ、一人一人が基本と正道を守り、真の顧客満足を追求します。

企業ビジョン

Page 9: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

特集:2007年度の経営目標達成に向けて--2004年度の施策及び今後の展開

当社グループは、2007年度に売上高6,000億円、営業利益600億円、売上高営業利益率10%の達成を

目指して業容の拡大と業績の向上に取り組んでいます。2004年度の実施施策及び今後の展開について、

中期経営方針に織り込まれている5つの行動指針に沿ってご報告いたします。

1 基盤材料技術の強化をベースとした新事業・新製品の創造

2 業務生産性の改革によるグループ経営効率の向上

3 経営資源の最適配置による増収増益基盤の構築

4 企業の持続的成長を可能とする社会的責任(CSR)の履行と環境経営の実践

5 次世代を担う人材の育成

Expanding and StrengtheningOur Businesses

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 7

Page 10: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

情報通信ディスプレイ

半導体・ディスプレイ用材料

配線板配線板用材料

有機・無機化学製品

基盤技術

分子・粒子設計有機・無機合成精製・抽出・育成ナノテクノロジー機能設計

材料技術

材料特性評価実装プロセス評価 実装信頼性評価   分析・解析

評価技術

成形加工   含浸・塗工   積層     粒子分散    表面処理・界面制御  マイクロインターコネクション 

プロセス技術

主要製品群重点事業領域

機能性フィルム

自動車部品

診断薬関連製品

住宅機器環境設備

源流製品

絶縁ワニス

絶縁ガイシ

積層板カーボンブラシ

盤技術の融合、複合

場動向、顧客ニーズの探索

エネルギー

ライフサイエンス

自動車

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 20058

戦略開発テーマ当社グループは、次世代の研究開発

においては「戦略開発テーマ」として、

情報通信・ディスプレイ、エネルギー、

ライフサイエンス、自動車といった重

点市場分野から10テーマを定め、こ

れらのテーマに研究開発リソースを

重点的に集中投入してきました。その

結果、2004年度は、戦略開発テーマ

の中から1テーマが量産試作段階に進

んだほか、2テーマがサンプルワーク

を開始しました。

量産試作を開始した製品は、多層プ

リント配線板を従来の半分以下の厚

みで製造できる、超薄型(厚さ50マイ

クロメートル)でしかも屈曲性のある

多層配線板用材料です。本製品は、デ

ジタルビデオカメラや携帯電話など

携帯型デジタル機器の一層の小型化、

薄型化を促進する画期的な配線板用

材料であり、エレクトロニクス関連製

品事業の拡大に貢献する戦略技術と

して育成してまいります。

サンプルワークを開始した第1の製

品は、次世代半導体露光装置の照明・

投影系レンズ用材料のフッ化カルシウ

ム単結晶の開発です。PET(陽電子放

出断層撮影)装置用GSO単結晶の開

発で培った高融点材料の大型単結晶

化技術をベースに新分野に技術展開

を図ったもので、2004年度よりサンプ

ルワークを強化しております。

基盤材料技術の強化をベースとした新事業・新製品の創造

技術と事業の展開

次世代半導体露光装置

照明・投影系レンズ用フッ化カルシウム単結晶

特集:2007年度の経営目標達成に向けて-2004年度の施策及び今後の展開

Expanding and Strengthening Our Businesses

Page 11: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

第2の製品は、耐熱接着剤です。本

製品は、熱硬化性シロキサン変成ポ

リアミドイミド樹脂を主成分とした高

耐熱性接着剤で、既にフレキシブルプ

リント配線板、電子部品などの用途で

顧客認定を取得しており、今後売上拡

大が期待されます。

当社は、2005年度を迎えるに当た

り、戦略開発テーマの進捗状況を精査

の上、その見直しを行いました。今年

度からは、これまでの戦略開発テーマ

のうち前述の超薄型多層配線板用材

料を後述する戦略拡大製品にステップ

アップさせるなど4テーマを除外し、

新規に5テーマを加えました。今後事

業への立ち上げを円滑に進め、2008

年度には売上高250億円を達成する

計画です。

基盤材料技術の強化当社グループの競争力向上の鍵は、

多様なアプリケーション技術にとど

まらず、蓄積された材料に関する基盤

技術にあります。こうした観点から、

当社グループは先端材料研究所傘下

のレジンテクノロジーセンターの下

で、新規な高機能ポリマー材料技術

及びナノテクノロジーの研究開発に当

たっています。2004年度は大学や研

究機関と連携して新素材の用途探索

を行ったほか、新規開発樹脂のフィー

ジビリティ・スタディーや事業化支援

などに取り組み、着実に成果を上げ

ています。

研究開発のステージ別管理当社は、研究開発活動を対象製品

の規模や成長性の観点から「探索」「育

成」「拡大」「維持」の4つのステージに

区分し、研究開発資源の配分を管理

する「ステージ別管理」を2003年度か

ら導入しております。これまで当社は、

足元の売上拡大に注力することによ

り、「拡大」「維持」に比較的多くの資金

と人材が配分される傾向にありまし

た。中長期的に増収増益を果たす上で

は新事業・新製品の創造が不可欠であ

るとの認識に立ち、2004年度は研究

開発費総額に占める「探索」「育成」の

比重を2003年度の29%から38%に

高めました。

研究開発体制当社グループの研究開発は、日本の

研究所及び事業部開発部門を核とし

て、米国のHitachi Chemical Research

Center, Inc.と中国の上海交通大学—

日立化成研究開発センターを拠点とす

るグローバル三極体制で推進しており

ます。このうち、中国で共同研究活動を

行っている上海交通大学において、

2004年9月、「環境対応情報通信機器

実装用部材」を主題にした「日立化成

先端技術セミナー」を開催しました。

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 9

ステージ別管理と研究開発資源の配分比率2003年度 2004年度

I : 探 索29% 38%

II : 育 成III: 拡 大 41% 41%IV: 維 持 30% 21%

日立化成先端技術セミナー

Page 12: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 200510

知的財産報告書

国内においては、2005年4月、これ

までの総合研究所の1研究所体制から

機能性材料研究所、電子材料研究所、

先端材料研究所の3研究所体制に再編

を行いました。従来、事業本部内に置

かれていた開発企画部門の一部を各

研究所に統合することにより、事業部

開発部門と研究所の壁を取り払い、顧

客ニーズに対応できる新製品開発の

スピードアップを実現してまいります。

知的財産戦略「時代を拓く優れた技術と製品の開

発を通して社会に貢献すること」を企

業理念として掲げる当社グループに

とって、幅広いテクノロジー・プラッ

トフォームを基に高付加価値製品を

継続的に開発し、知的財産を蓄積し

ていくことは、事業活動の基本であ

り企業存続の条件とさえいえます。

このような状況の下、当社グループ

は、収益性や将来性の高い製品・技術

については、重点的に発明の発掘や

特許の権利化に積極的に取り組んで

いるほか、さらに他社の参入を許さな

い特許を個々の製品技術につき最低5

件取得する「5FP(Fighting Patents)

活動」を展開し、強固な特許網の構築

に努めております。その成果の一例

として、2004年度はICパッケージの

実装方法の一つであるQFN(Quad

Flat Non-leaded Package)方式に使

用されるアセンブリテープに関する

基本特許を取得し、関連特許の拡充

を進めました。

こうした活動に支えられた知的財産

に関し、当社は、財務諸表に表れない

企業価値を顕在化する試みとして、

2004年6月に「知的財産報告書」を創

刊しました。2005年度以降も同報告

書を通じて、当社の研究開発と知的財

産に関する取組みについて、株主・投

資家をはじめとするステークホルダー

に理解を深めていただけるよう努めて

まいります。

機能性材料研究所

電子材料研究所

先端材料研究所

社長

新規事業開発室

各事業部

生産技術本部

研究開発本部

研究開発体制

Page 13: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

基盤材料技術の強化をベースとした新事業・新製品の創造

戦略的アライアンスの推進当社グループでは、研究開発、事

業創造のスピードを高めるため、当

社に不足するリソースを的確に補填

する目的で、技術の導入・供与、生産

委託、共同研究、業務提携等のアラ

イアンスのほか、ベンチャーキャピ

タルへの投資を積極的に推進してお

ります。

日立グループ間の事業協力の事例

としては、2004年6月に、当社子会社

である新神戸電機(株)のほか(株)日

立製作所、日立マクセル(株)の3社が

設立した日立ビークルエナジー(株)

が挙げられます。3社の合弁により、

各社の持てる技術、リソースをハイブ

リッド自動車及び電気自動車用二次

電池の製品開発に集中投入し、その

事業化を加速する計画です。

また、当社を含む国内の半導体材

料メーカー10社が共同で設立した

「次世代半導体材料技術研究組合

(CASMAT)」では、2003年度に最新

鋭のプロセス装置や評価・解析装置

を導入しましたが、2004年度からは、

直径300mmウエハーに対応した新

規半導体材料の評価・解析を本格的

に開始しました。その成果は当社の

半導体材料の研究開発にもフィード

バックされ、いくつかの製品が顧客

認定を受ける段階に至りました。

さらに、2003年度から実施している

当社の住宅機器・環境設備の子会社、

(株)日立ハウステックとサンウェーブ

工業(株)との業務提携では、洗面ボ

ウルを含む人造大理石カウンター部

分と洗面ミラー全体を共同で開発し

た新しい洗面化粧台の販売を2004年

4月から開始し、好評を得るなど着実

に成果を上げております。

一方、新規事業の開発をこれまで

以上に強力に推進するため、2005年

4月、専任の執行役とスタッフを配置

して「新規事業開発室」を発足させま

した。新規事業開発室が、事業部門

と連携を取り、さらには当社グループ

が既に展開している欧米での事業ネ

ットワークを最大限に利用することに

より、M&A、アライアンス等を活用し

た新規事業の創出、既存事業の強化

に積極的に取り組んでまいります。

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 11

次世代半導体材料技術研究組合(CASMAT)

サンウェーブ工業(株)と共同開発した

洗面化粧台

Page 14: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 200512

グループ会社の再編と不採算事業・製品への対策当社グループでは、赤字製品を撲

滅するため、製品転換委員会を中心

として撤退を含む具体的な対策を立

案、実行しております。これにより、

2004年下期の赤字製品は2003年度

の25製品から3製品に減少しました。

特に、懸案であったスチレン系事業

対策については、大日本インキ化学

工業(株)との不飽和ポリエステル樹

脂に関する事業統合のほか、耐候性

熱可塑成形材料の事業売却などの施

策を打ち出し、収益改善の見通しを

得ることができました。

また、2003年度に7社あった赤字子

会社は、清算や事業構造改革など抜本

的な対策を行った結果、2004年下期

には創業間もない会社を含む2社にま

で減少しました。

さらに、グループ経営効率を一層向

上させるため、当社は2005年1月、

2006年度末までに国内子会社の再編

を断行する方針を固めました。グルー

プ会社間の重複事業を整理するとと

もに、グループ内の経営資源の最適配

置を推進し、より無駄のないグループ

事業運営体制の構築に取り組んでま

いります。

財務体質の強化一方、財務体質については、1999

年度末に1,269億円あった有利子負

債を2004年度末には362億円にまで

削減し、実質無借金のバランスシート

を実現しました。なお、2004年度末

の株主資本比率は44.0%となりまし

た。このように強化された財務基盤

をベースとし、2005年度からは事業

の一層の拡大と強化に邁進していく

所存です。

業務生産性の改革によるグループ経営効率の向上

1999年度

(億円)

1,269

1,057

596

906

563643

634 470

462 362

610

2001年度 2002年度 2003年度 2004年度2000年度0

250

500

750

1,000

1,250

1,500

566

現金及び現金同等物 有利子負債

有利子負債と現金及び現金同等物の推移

特集:2007年度の経営目標達成に向けて-2004年度の施策及び今後の展開

Expanding and Strengthening Our Businesses

Page 15: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 13

バランスある事業ポートフォリオの構築当社グループは、景気動向に過度に

左右されることなく、継続的な増収増

益を達成するため、多様な事業展開を

図ると同時に、限られた経営資源を重

点事業分野に傾斜投入することによ

り、バランスある事業ポートフォリオ

の構築に努めています。

このため当社では、力強い成長が期

待される重点製品を「戦略拡大製品」

として選抜し、経営資源をタイムリー

に集中投入しています。この結果、

2003年度には521億円であったこれ

ら10製品での売上高は2004年度には

640億円まで拡大し、当初計画した

2005年度の売上高600億円を前倒し

で達成しました。

また、2005年度を迎えるに当たり、戦

略拡大製品の見直しを行った結果、一

定の規模にまで拡大したCOG用異方導

電フィルムなど3製品を除外し、新たに

超薄型多層配線板用材料、アパレル・ア

ミューズメント分野向けICタグ、カラー

フィルター用レジスト関連材料の3製品

を加えました。2006年度には、これら新

たな戦略拡大製品の伸長と併せ、売上

高900億円の達成を目指します。

海外成長市場の取り込み当社グループでは、2007年度に海

外売上高比率を30%に高める計画の

下、海外への生産、販売拠点の拡充に

積極的に取り組んでおります。

この計画の達成に向け、2004年度

は主に中国での投資活動、販売活動を

活発化させました。2004年4月に中

華圏営業統括部を設置したのをはじ

め、中国東莞にある感光性フィルム工

場の生産能力を増強したほか、半導体

用封止材(蘇州)、電気絶縁用ワニス

(東莞)、粉末冶金製品(東莞)、自動車

用摩擦材(佛山)の工場建設に着手し

ました。2005年度はこれら中国への

投資を確実に回収し、現在26%の海

外売上高比率を27%以上に拡大する

計画です。

また、2005年4月には中華圏営業統

括部に加え、新たに韓国営業統括部、

グローバル営業統括部を設け、中国の

みならず、開拓の余地を残している米

国・欧州市場にも、当社グループ製品

をより浸透させるべく拡販に注力して

おります。

経営資源の最適配置による増収増益基盤の構築

情報通信CMPスラリーダイボンディングフィルム高機能多層材実装用保護コート材料超薄型多層配線板用材料ICタグ

ディスプレイディスプレイ用フィルム(電磁波シールド・保護用)カラーフィルター用レジスト関連材料

ライフサイエンスシンチレーター用単結晶

自動車・エネルギーリチウムイオン電池用負極材

戦略拡大製品

超薄型多層プリント配線板用材料

近年、電子機器の小型化、高機能化

に伴い、これらの機器を電気的に制御

するためのプリント配線板には、高密

度な多層構造であることはもとより、限

られたスペースに自在に取り付けられ

ることが要求されています。

当社が開発した超薄型の多層プリ

ント配線板用材料は、20マイクロメートル以下の極薄ガラスクロスをコア

材とし、独自開発によるエポキシ樹脂

を塗工・含浸することにより、高い強

度、優れた寸法安定性に加え、折り曲

げるなど自在に形状を変えられる画

期的な製品です。

本製品の開発により、例えば現行の

4層プリント配線板であれば半分以下の厚さで製造できるほか、折り曲げが

可能なことから、デジタルビデオカメラ

やカメラ付き携帯電話など携帯型デジ

タル機器の一層の小型化、薄型化に威

力を発揮することが期待されています。

Page 16: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 200514

当社グループが、今後、社会の一員

として持続的な成長を遂げていくため

には、企業活動の大前提である地球

環境保全に貢献するとともに、当社グ

ループを支えていただいているすべて

のステークホルダーとの間に強い信頼

関係を構築することが不可欠です。こ

うした認識の下、当社グループでは

CSR(Corporate Social Responsibility:

企業の社会的責任)の履行を重要な

経営課題の一つと位置づけています。

化学材料メーカーである当社グル

ープが担うべき社会的責任とは、法令

遵守などの最低限のものにとどまら

ず、省エネルギー・省資源などを実現

した環境適合製品を開発することによ

り、事業を通じて社会の発展に貢献

していくことと考えております。

CSRへの取組み1)CSR取組み方針の策定

当社グループでは、CSRへの取組

みを一層強化していくに当たり、2005

年3月「日立化成グループCSR取組み

方針」を制定しました。この方針を受

けて、策定した「2005年度CSR活動

目標」の達成に向け、CSR活動を具体

的に推進しています。

2)CSR推進体制

当社は、CSR活動を推進するため

の統括組織として、2004年4月に

「CSR室」を設置しました。また、グ

ループ全体の方針及び重要事項の審

議・決定の場として、執行役社長を議

長とする「全社CSR会議」を設置し、

グループ全体で整合性の取れた活動

を展開しています。さらに、CSR室

の傘下にはCSR活動に係る事項の企

画・検討・実施を担う「CSR企画委員

会」をはじめ、環境安全管理・監査、

廃棄物削減などテーマ別に複数の委

員会を設置し、全社CSR会議で決定

した活動方針や施策をグループが一

丸となって推進する体制を整えてい

ます。

企業の持続的成長を可能とする社会的責任(CSR)の履行と環境経営の実践

企業活動としての社会的責任の自覚日立化成グループ全員は、企業の社会的責任(CSR)が企業活動そのものであることを自覚し、社会及び事業の持続的発展を図るべく、本取組み方針に基づいて、社会的責任を果たしていきます。

事業活動を通じた社会への貢献時代を拓く優れた研究・技術・製品開発を基盤とした事業活動によって、安全かつ良質な製品・サービスをお客さまに提供するとともに、豊かで活力のある社会の実現に貢献します。

情報開示とコミュニケーション日立化成グループを取り巻く多様なステークホルダーとの信頼関係を維持・発展させるため、公正で透明性の高い情報開示を行うとともに、さまざまなコミュニケーションを通じてステークホルダーへの責任ある対応を行います。

企業倫理と人権の尊重文化や道徳観、倫理や法体系等が多様であるグローバルな事業環境において、公正で誠実な事業活動を行うとともに、人権の尊重及び高い企業倫理に基づいた行動を取ります。

環境保全活動の推進環境と調和した持続可能な社会の実現に向けて、環境に与える負荷を低減し、限りある資源の有効活用を行います。

社会貢献活動の推進良き企業市民として、より良い社会を実現するため、社会貢献活動を積極的に推進します。

働きやすい職場づくりすべての従業員にとって、働きやすい、やりがいのある職場づくりに努めるとともに、仕事を通じた自己実現や自己成長を図ることのできる、意欲ある従業員を積極的に支援します。

ビジネスパートナーとの社会的責任意識の共有化すべての取引先に協力を求めて社会的責任意識を共有化し、公正かつ健全な事業活動の推進に努めます。

1.

2.

3.

4.

5.

6.

7.

8.

日立化成グループCSR取組み方針

特集:2007年度の経営目標達成に向けて-2004年度の施策及び今後の展開

Expanding and Strengthening Our Businesses

Page 17: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 15

3)CSRガイドブックの発行

当社では、1998年に「企業倫理ガイ

ドブック」を発行しましたが、2005年4

月にこれを全面改訂し、コンプライア

ンス分野に加え、社会貢献や環境分

野に関する内容を充実させた「日立化

成グループCSRガイドブック」を発行

しました。当社グループでは、このガ

イドブックをグループ全従業員に配布

し、CSR活動推進のための指針とする

とともに、コンプライアンス教育・研修

のテキストとしても活用しています。

4)ステークホルダーとのコミュニケーシ

ョン活動

ステークホルダーとのコミュニケー

ション推進の一環として、当社は

1999年から「環境報告書」を毎年発

行しています。2004年発行分は「社

会・環境報告書」に、さらに2005年発

行分からは「社会的責任報告書」に名

称を変更し、環境活動だけにとどまら

ず、当社が企業の社会的責任を果た

すために取り組んでいる活動内容を

幅広く報告しています。

また、2004年10月には、当社五所

宮事業所において、地域住民の方々

を対象とした事業所説明会を開催し

ました。事業所の概要説明や環境活

動状況の報告に加え、製造ライン及

び溶剤排ガス処理設備などを見学い

ただき、当社事業への理解を深めて

いただきました。今後もこうした取組

みを積極的に行っていく方針です。

5)社会貢献活動

当社グループは、企業が社会の一

員であることを深く認識し、良識ある

市民として真に豊かな社会の実現に

貢献することを基本理念として、さま

ざまな社会貢献活動を行っています。

2004年度は、従業員が中心になって

推進するクリーンキャンペーンなど

の地域や文化・スポーツ活動の支援

のほか、10月の新潟県中越地震、12

月のスマトラ沖地震などの被災地へ

の寄付を実施しました。

6)労働安全衛生活動

当社グループでは事業活動に伴う

事故をなくすため、設備の本質安全化

を進めていますが、2004年度は残念

ながら10件の休業災害が発生しまし

た。この状況を踏まえ、2005年度から

新たに国際安全規格ISO12100に基

づいた機械設備の本質安全化対策を

推進していきます。

7)CSR活動に関する外部評価

当社は、2004年12月に日本経済新

聞社が実施した「第8回企業の環境経

営度調査」において製造業で65位、ま

た2005年1月に同社が実施した「企

業の社会的責任(CSR)調査」では40

位(業種内4位)にランクされました。

また、当社は、2004年3月以降、英

国大手株式インデックス開発会社

FTSEインターナショナルのSRIインデ

ックス「FTSE4Good Global Index

Series」に継続して採用されています。

従業員によるクリーンキャンペーンの模様

社会的責任報告書

Page 18: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

特集:2007年度の経営目標達成に向けて-2004年度の施策及び今後の展開

Expanding and Strengthening Our Businesses

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 200516

環境への取組み1)ゼロエミッション活動

当社グループは、廃棄物最終処分

量を「ゼロ」にするだけでなく、生

産活動に係るすべてのプロセスに

必要な資源のロスを「ゼロ」にする

ことを目指し、「ゼロエミッション活

動」を推進しています。ゼロエミッ

ションのターゲットとして、当社グ

ループの各製造サイトが2005年度

までに最終埋立処分率1.0%以下か

つ最終埋立処分量年間5トン未満の

達成を目指しています。2004年度

は当社の全製造サイト及びグループ

会社8サイトがゼロエミッションを

達成しました。

2)PRTR法への対応

当社グループは、PRTR法(化学

物質排出把握管理促進法)施行以前

より自主的に化学物質の排出量削

減に取り組んできました。当初は、

溶剤回収装置や排ガス処理装置等

を導入することにより、化学物質排

出量を2005年度までに2000年度

比70%以下に低減することを目標

としておりましたが、2004年度の排

出量は2000年度比38%となり、目

標を1年前倒しで達成することがで

きました。

3)環境適合製品の拡大

当社グループは、地球環境問題の

解決に資する製品、技術の開発を促

進しています。その一環として、省資

源性、再資源性など8項目で基準点

以上の評価を得た製品を環境適合

製品と定義し、当社グループ製品の

環境適合性を評価する「環境適合製

品アセスメント」を実施しています。

2004年度の環境適合製品比率

は、ハロゲンフリーの半導体用エポ

キシ封止材やプリント配線板用銅張

積層板の売上拡大等により、2003

年度の66%から73%へと向上しま

した。

4)MSDSをはじめとする品質保証

ツールによる情報開示

当社グループでは、化学製品の安

全な取扱いのために「MSDS(化学

物質等安全データシート)」を発行す

るとともに、適宜見直しを行い、最

新情報の公開に努めています。また、

輸送時の安全を確保するための「イ

エローカード(緊急連絡カード)」や、

緊急時の応急措置などを明記した

ラベル「容器イエローラベル」など

を採用しています。

(千トン) (%)

最終埋立処分量

最終埋立処分率

1992

15

0

40

10

8

2

02004200320022001

41.3

10

5 4

6

×100

単独 連結※ 最終埋立処分率(単独)

最終埋立処分量

廃棄物発生量最終埋立処分率(%)=

13.5

8.5

1.2

9.2

3.2

7.2

0.9

2.5

8.2

6.1

2005

4.0

0.5

6.9

0.02

4.6

0.004

3.9

最終埋立処分率(連結)

0.2

4.4

0.008 0.0016

※連結とは、日立化成工業(株)及び環境負荷の大きい主要グループ会社13社の合算値です。

最終埋立処分量と最終埋立処分率の推移

(3月31日に終了した年度)

プリント配線板用ハロゲンフリー銅張積層板

Page 19: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 17

雇用・人材登用に関する基本方針当社グループは、健全な雇用・労

働環境を整備し、各国・地域の適用

法令を遵守して従業員を処遇する

ことを基本方針としています。雇用

においては、求人、昇進などあらゆ

る局面で性別、年齢、国籍、人種、民

族、思想、信条、宗教または身体上

のハンディキャップなどによる差別

を行わないことを基本方針としてい

ます。同時に、個人の多様な考え方

を尊重するとともに、経営に適切に

反映させることが肝要であると考え

ています。

各種人事制度の整備当社グループでは、従業員の職務

に対する意欲の向上と人材の有効

活用を図るための諸制度を整備し、

従業員一人一人の自己実現を支援

しています。

1)グループ人材公募制度

戦略的な新規事業の立ち上げな

どで、新たな人材が必要な場合はイ

ントラネットを通じてグループ内か

ら広く人材を公募しています。

2)社内FA(Free Agent)制度

別の職場で自分の専門性を生か

したいという意欲ある従業員の希望

に応えるための制度で、他部署への

異動希望を自ら宣言し、自身にとっ

てよりふさわしい職場での勤務を促

進するものです。

3)キャリア・マネジメント・システム

将来の職務やスキルの獲得・向上

に向けた取組み方などを従業員自ら

が考え、上司と話し合いを持つ制度

です。この制度を通じて従業員が自

らのキャリアプランを考えるととも

に、上司も部下の教育・育成を積極

的に推進することができます。

4)エルダー社員制度

定年退職後も就労を希望する再

雇用希望者の意欲を尊重し、長年に

亘り蓄積された経験・知識を生かす

制度です。定年退職時に本人に再雇

用の希望があり、かつ希望する職務

が会社のニーズにマッチした場合に

適用されます。

能力向上教育・研修当社グループでは、従業員の能力

向上のため、階層別教育、国際化教

育、目的別教育、職能別教育など、実

務に生かせるスキルの修得を目的と

したさまざまな研修を行っています。

また、当社は2004年度から、次世

代の経営幹部育成のため「経営幹部

候補者育成プログラム」をスタート

しました。

発明報奨制度当社は、知的財産の取得・管理に

関して「発明等取扱規則」を定め、そ

の適正な運用に努めています。職務

発明の取扱いについては、2005年4

月から施行された改正特許法に則

り、発明者に対する報奨制度を改定

し、研究開発成果を事業戦略に即し

て有効に活用する状況を整えるとと

もに、従業員の行った発明の会社事

業に対する貢献度合を考慮して相当

の対価を支払うことにしました。加

えて、対価の決定基準、理由を発明

者に開示し、その理解を得ることに

より、発明者のモチベーションの維

持・向上に努めています。

次世代を担う人材の育成

Page 20: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 200518

当社は、健全でかつ透明性が高く、市場の変化に即応できる経営体制の確立を経営上の最優先課題の一つ

に掲げています。その一環として、2003年6月に「委員会等設置会社」への移行を選択し、業務執行機能と監督

機能を分離し、客観性と透明性の高い経営の実現を目指しています。また、委員会等設置会社に移行した当社

グループ会社に対し、社外取締役を当社から派遣することにより、グループとして一体感のある経営を実行す

るとともに、グループ会社への監督機能の充実を図っています。

コーポレート・ガバナンス体制

取締役会

当社は、社外取締役3名を含む8名の取締役で構成される取締役会を毎月1回定期的に開

催しているほか、必要ある場合には、臨時に開催しています。社外取締役としては、当社の経

営実態に詳しく、研究開発、財務等当社の重点課題に関連する分野に精通している経営者、

専門家等を選任しています。

取締役会は、予算及び決算に承認を与えるほか、毎月及び毎四半期に執行役から業務報

告を受けることにより、予算・業績の管理を行っています。当社は、業務執行機能と監督機能

の分離を一層確実なものにするため、取締役会議長を務める取締役会長を執行役非兼務と

するとともに、執行役兼務取締役の数を必要最小限にとどめています。2004年度の1年間、

取締役会は13回開催され、取締役の出席率は93%でした。

なお、取締役会の傘下には、社外取締役を中心とした指名・報酬・監査の3委員会を設置す

ることにより取締役会の監督機能を強化しています。2004年度の1年間、指名委員会は2回、

監査委員会は13回、報酬委員会は3回それぞれ開催されました。指名委員会は、株主総会に

提出する取締役の選任に関する議案の内容を決定し、監査委員会は、取締役及び執行役の職

務の執行の監査を行い、報酬委員会は、取締役・執行役の報酬内容決定の方針及びそれに基

づく個人別の報酬の内容を決定しました。

当社または当社グループに影響を及ぼす重要事項の検討

指名委員会(取締役5名、うち社外取締役3名)

報酬委員会(取締役3名、うち社外取締役2名)

監査委員会(取締役4名、うち社外取締役3名)

主な権限取締役候補者の決定

主な権限取締役・執行役の報酬の決定

主な権限● 取締役及び執行役の職務執行の監査● 会計監査人の選任・解任議案の決定

株主総会

執行

監督

執行役会(執行役社長の諮問機関)

会計監査人(新日本監査法人)

取締役会(取締役8名※、うち社外取締役3名)※取締役8名のうち、3名が執行役を兼務

CSR室 監査室

執行役社長 執行役副社長、執行役常務、執行役

コーポレート・ガバナンス体制

コーポレート・ガバナンスへの取組み

Page 21: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 19

執行役会

当社は、執行役社長が当社または当社グループに影響を及ぼす重要事項を多面的な検討

を経て慎重に決定するようにするため、執行役社長の諮問機関として、全執行役で構成され

る「執行役会」を設置しています。執行役会は、毎月2回定期的に開催されるほか、必要があ

る場合には、臨時に開催し、意思決定と業務執行の迅速化を図っています。予算・業績管理に

ついては、予算の決定・見直しに際し取締役会の決議を経るほか、毎月及び四半期毎に取締

役会への業績報告を行っています。

執行役及び従業員は、監査委員に対して、法定の事項に加え、全社的に影響を及ぼす重要

事項に関して執行役が決定した内容、担当部署が行う内部監査の結果及び執行役が整備する

内部通報制度による通報の状況を遅滞なく報告することとしています。

内部統制の強化(COSOフレームワーク※の導入)

相次ぐ企業の不祥事を受け、企業はより一層業務の有効性・効率性、財務報告の信頼性、

法規の遵守(コンプライアンス)を図るための適切な内部統制の構築運用に積極的に取り組

むことが求められています。当社グループでは、米国企業改革法(Sarbanes–Oxley Act、

略称SOX法)の制定を契機に、COSOフレームワークに基づき、内部統制の再整備を推進

しています。

当社では、2004年5月に監査室を事務局とし、経営管理室、資材部が参加するSOX法対応

のための組織横断的なプロジェクトチーム「インターナル・コントロール推進委員会」を立ち

上げるとともに、同委員会が中心となって当社及び主要グループ会社12社の内部統制の仕組

みを文書化し、これに基づく内部統制評価を終了しました。

2005年度以降も、内部統制整備を継続的に進めると同時に、当社の全連結対象会社に適

用範囲を広げていく考えです。

※COSOフレームワーク: COSO(Committee of Sponsoring Organizations of Treadway Commission:トレッドウェイ委員会組織委員会)が公表した内部統制の統合的枠組みで、内部統制評価基準のデファクトスタンダードとされる。

取締役会

会計監査人

経営管理室

執行役社長

監査委員会

執行役会

当社各部門及びグループ会社

インターナル・コントロール推進委員会

監査室

内部統制システム

Page 22: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 200520

コーポレート・ガバナンスへの取組み

リスクマネジメント当社は、「日立化成リスク対策活動実施要領」を作成し、この中で、国内外のすべてのリス

クを対象として、全役員・従業員のリスクの発生防止義務、有事に設置するリスク対策本部

のメンバー及び活動内容並びにリスク発生時の連絡基準等を定め、リスク発生の事態に備

えています。また、CSR室は、当社の各事業所及びグループ会社に対し、関連部門とともに

定期監査を行い、リスク発生の未然防止と発生時の対策について広範囲の監査を行うとと

もに、各部門に自己監査の実施も義務づけています。

リスクマネジメントグループ

コンプライアンスグループ

環 境 安 全 グ ル ー プ

輸 出 管 理 グ ル ー プ

当社各部門CSR室

取締役会

執行役社長

監査委員会

グループ会社

リスク管理体制

Page 23: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 21

役 員 2005年6月28日現在

取締役取締役会長 内ヶ崎 功

取 締 役 長瀬 寧次※

取 締 役 浦野 孝志※

取 締 役 武田 啓一※

取 締 役 佐藤  剛

社外取締役 中村 道治((株)日立製作所代表執行役副社長)

社外取締役 花房 正義(日立キャピタル(株)取締役会長)

社外取締役 中島  一(Kepner-Tregoe Japan, LLC日本支社会長)

※は執行役を兼務しています。

委員会を組織する取締役指名委員会 内ヶ崎 功、長瀬 寧次、中村 道治、

花房 正義、中島  一

監査委員会 佐藤  剛、中村 道治、花房 正義、

中島  一

報酬委員会 長瀬 寧次、中村 道治、花房 正義

執行役代表執行役・執行役社長 長瀬 寧次

代表執行役・執行役副社長 浦野 孝志(新製品・新規事業開発の総括及び(生産技術、品質保証、資材関係)

執行役常務 武田 啓一(管理部門の総括及びCSR、財務関係)

執行役常務 戸川  清(営業関係)

執行役 鈴木 直樹(コーポレート戦略及び人事・総務関係)

執行役 林田  茂(新規事業開発関係)

執行役 宮内 克己(新製品開発関係)

執行役 奥田 純一(自動車部品関係)

執行役 寺本 直樹(配線板材料、感光性材料及び

(電子部品関係)

執行役 薗頭 幹雄(化成品及び医薬品関係)

執行役 田中 一行(無機材料、機能性フィルム及び

(発泡成形材料関係)

執行役 角田 和好(半導体材料、実装フィルム及び

(ディスプレイ材料関係)

内ヶ崎 功 長瀬 寧次 浦野 孝志 武田 啓一

佐藤 剛 中村 道治 花房 正義 中島 一

Page 24: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

半導体・液晶ディスプレイ用材料■ 半導体ウエハー平坦化用研磨材料■ 高耐熱ファインポリマー■ ダイボンディング材料■ エポキシ封止材■ 液晶ディスプレイ用回路接続フィルム■ 液晶ディスプレイ用導光板

配線板及び配線板用材料■ 多層プリント配線板■ マルチワイヤー配線板■ フレキシブルプリント配線板■ 半導体パッケージ用基板■ プリント配線板用銅張積層板■ プリント配線板用感光性フィルム■ プリント配線板用めっき材料

その他■ コンデンサー

■ ユニットバス■ 浴槽■ システムキッチン■ ミニキッチン■ 洗面化粧台■ 温水洗浄便座■ ガス・石油機器■ 合併処理浄化槽■ パネルタンク

3,000(億円)

2,500

2,000

1,500

1,000

500

000 01 02 03 04

売上高構成比

05

2,332

42.0%

(億円)3,000

2,500

2,000

1,500

1,000

500

000 01 02 03 04

売上高構成比

05

2,379

42.8%

(億円)1,000

800

600

400

200

000 01 02 03 04

売上高構成比

05

845

15.2%

合成樹脂加工品■ 自動車用成形品■ 架橋ポリエチレンフォーム

■ 粘着フィルム■ プラズマ・ディスプレイ・パネル用電磁波遮蔽シート

その他■ 蓄電池■ 粉末冶金製品

有機化学材料・製品■ 電気絶縁用ワニス■ ソルダーレジスト■ 塗料用樹脂■ 発泡ポリスチレン■ 診断薬■ 接着剤

無機化学材料・製品■ 電刷子■ リチウムイオン電池用カーボン負極材

■ カーボン製品■ セラミックス■ 単結晶■ ディスクブレーキパッド■ ブラウン管用黒鉛塗料

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 200522

事業概況 2005年3月31日現在

主要製品 売上高

エレクトロニクス関連製品

工業材料関連製品

住宅機器・環境設備

注1. 当社グループにおいて、新神戸電機(株)を含む2社がエレクトロニクス関連製品及び工業材料関連製品の2区分の事業に、また日立化成商事(株)を含む7社が上記のすべての区分の事業に携わっており、各事業区分の子会社数にそれぞれ算入しています。

注2.グラフの年表示は3月31日に終了した年度を示しています。

Page 25: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

■ 山崎事業所にて半導体ウエハー平坦化用研磨材料の生産能

力増強■ 五所宮事業所にて液晶ディスプレイ用回路接続フィルムの生産

能力増強■ Hitachi Chemical Asia-Pacific Pte. Ltd.を再編し、プリント配線板部門を「Hitachi Chemical(Singapore)Pte. Ltd」として分離独立。Hitachi Chemical Asia-Pacific Pte. Ltd.台北支店を「台湾日立化成国際股 有限公司」として分離独立

■ 中国・蘇州にてプリント配線板用多層材料の委託生産拡大■ 日立化成(東莞)有限公司におけるプリント配線板用感光性フィ

ルムの生産能力増強決定(2006年1月稼働予定)■ 中国・蘇州に半導体用封止材の生産拠点建設決定

(2005年12月完成予定)■ 上海交通大学にて「日立化成先端技術セミナー」開催■ 取締役会長 内ヶ崎 功がSEMI(Semiconductor Equipment

and Materials Institute)主催「2004年井上晧EHS賞」受賞

■ 五所宮事業所にて粘着フィルムの生産能力増強■ 中国・東莞に粉末冶金製品の生産拠点建設決定

(2005年4月稼働)■ 中国・東莞に電気絶縁用ワニスの生産拠点建設決定

(2005年6月稼働)■ 中国・佛山に自動車用摩擦材の生産拠点建設決定

(2005年秋稼働予定)■ バーコードリーダーの製造子会社、(株)ニューロンを売却■ AAS樹脂事業の事業売却決定(2005年7月売却)■ 大日本インキ化学工業(株)との折半出資による不飽和ポリエ

ステル樹脂事業の合弁会社設立決定(2005年4月営業開始)

■(株)日立ハウステック結城工場にて集合住宅用ユニットバス

の生産能力増強■(株)日立ハウステック結城工場にて薄型自然冷媒ヒートポンプ

式給湯機の組み立てラインが完成■ 青森、鹿児島、沼津、相模原に住宅設備機器ショールームを新設。

姫路、福井、福岡、岡山のショールームの移転、新装オープン。

宮崎、新潟のショールームの改装■ 収納機能やカラー・バリエーションを拡充したシステムキッチン

の新製品を発売

新神戸電機株式会社

日立エーアイシー株式会社

Hitachi Chemical (Singapore) Pte. Ltd.Hitachi Chemical (Johor) Sdn. Bhd.Hitachi Chemical Asia-Pacific Pte. Ltd.日立化成商事株式会社  ほか19社

計25社

新神戸電機株式会社

日立粉末冶金株式会社

日立化成オートモーティブプロダクツ株式会社

日立化成ポリマー株式会社

日本ブレーキ工業株式会社

日立化成商事株式会社  ほか33社

計39社

株式会社日立ハウステック

株式会社日立ハウステック東日本

株式会社日立ハウステック西日本

日立化成メンテナンス株式会社

日立化成商事株式会社  ほか9社

計14社

(億円)

営業利益構成比

65.1%

300

250

200

150

100

50

000 01 02 03 04

305

05

(億円)150

000 01 02 03 04

営業利益構成比

120

90

60

30

05

147

31.4%

(億円)40

30

20

10

000 01 02 03 04 05

17

営業利益構成比

3.5%

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 23

ハイライト 連結子会社(計62社)営業利益

Page 26: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd.10

Electronics-Related Productsエレクトロニクス関連製品

2004年度の売上高は前年度実績の3.3%増に当たる2,332

億円、営業利益は前年度実績の31.0%増に当たる305億円

となりました。

2004年度の重点施策半導体ウエハー平坦化用研磨材

料につき、次世代材料の市場投入

に合わせて生産設備の拡充を行い

ましたほか、環境への関心が高ま

る中、半導体用エポキシ封止材や

高機能銅張積層板の製品中、特に

ハロゲン系難燃材を含有しない環

境対応製品の開発及び拡販に努め

ました。また、世界の一大製造拠点

に成長しつつある中国において、そ

の拡大する需要を取り込むべく、プ

リント配線板用感光性フィルム及び

高機能銅張積層板の生産体制の強

化に努めました。

主要製品の売上高推移半導体・液晶ディスプレイ用材料

半導体用材料では、半導体ウエ

ハー平坦化用研磨材料が微細な配

線加工に対応した高付加価値製品

を中心に売上を伸ばしましたほか、

ダイシングテープの機能を併せ持

つダイボンディング材料が顧客の製

造工程を短縮する機能を高く評価

され、大きく伸長しました。また、

環境への負荷を低減するエポキシ

封止材として、ハロゲンフリー製品

及び鉛フリーはんだ対応製品が売

上を拡大しました。

液晶ディスプレイ用材料では、回

路接続フィルムがアジア地域におけ

るデジタル家電製品向けの需要増

により好調に推移しました。一方、

携帯電話等のカラー液晶ディスプレ

イに使用される導光板は、価格競

争激化のため、前年度実績を下回

りました。

事業レビュー

❚ 収益力のある戦略拡大製品の増強

❚ 新技術分野へのマテリアル・システム・ソリューションの展開

❚アジア市場における生産・販売体制の強化

主な重点施策

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 200524

プリント配線板用感光性フィルム(市場シェア約30%:世界第1位)

高機能多層プリント配線板用銅張積層板(市場シェア約20%:世界第3位)

Page 27: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

配線板及び配線板用材料

配線板では、携帯電話の液晶ディ

スプレイ周辺に使用されるフレキ

シブルプリント配線板が主要顧客

の採用拡大により大きく売上を伸

ばしました。一方、多層プリント配

線板は、半導体テスター向けの高多

層品が伸長しましたものの、期後半

におけるデジタル家電製品の在庫

調整の影響を受け、全体では前年度

実績を下回りました。また、マルチ

ワイヤー配線板も、需要の減退によ

り、売上が減少しました。

配線板用材料では、耐熱性に優れ

たプリント配線板用銅張積層板が主

としてアジア地域において生産され

る半導体パッケージ用基板向けに

大幅な売上増を示しましたほか、ハ

ロゲンフリーの環境対応型銅張積

層板も、大手顧客による採用が増加

し好調に推移しました。また、プリ

ント配線板用感光性フィルムは、拡

大を続けるアジア地域の需要を着

実に取り込み、売上を伸ばしました。

その他

コンデンサーは、機械設備のイン

バーター等に使用されるアルミ電解

コンデンサーが海外向けを中心に

堅調に推移しましたものの、タンタ

ルコンデンサーが携帯電話向け需

要減退の影響を受け売上を減らし

たため、全体では前年度実績を下回

りました。

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 25

半導体用ダイボンディングフィルム(市場シェア約70%:世界第1位)

半導体ウエハー平坦化用研磨材料(市場シェア約15%:世界第2位)

液晶ディスプレイ用回路接続フィルム(市場シェア約60%:世界第1位)

Page 28: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd.10

2004年度の重点施策収益構造を改善するため、高付

加価値製品への転換及び低収益製

品事業の整理を推進しました。ま

た、製品価格に原材料価格の高騰

を反映させるべく、価格改定に努

めました。その一方で、リチウム

イオン電池用カーボン負極材、粘

着フィルム、プラズマ・ディスプレ

イ・パネル用電磁波遮蔽シート等

高付加価値製品の海外市場への拡

販に努めました。

主要製品の売上高推移有機化学材料・製品

環境に配慮した紫外線硬化型ア

クリル樹脂がフローリング用塗料

向けを中心に堅調な売行きを示し

ましたほか、シックハウス症候群

の原因とされる揮発性有機化合物

の含有量を低減した接着剤が主と

して自動車内装向けに伸長しまし

た。また、液晶ディスプレイ回路の

表面保護用等に使用される電気絶

縁用ワニスが国内外で順調に売上

を伸ばしましたほか、発泡ポリス

チレンは、自動車の構造部材向け

需要の拡大に加え、製品価格の改

定により、前年度実績を上回りま

した。

一方、住宅機器等の製造に使用

される不飽和ポリエステル樹脂は、

販売量において前年度を下回りま

したものの、原材料価格の高騰を

反映した製品価格への改定が進み、

前年度実績と同水準の売上となり

ました。

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 200526

実装保護コート材料(COF分野での市場シェア約60%:世界第1位)

自動車用成形品

Chemical-Related Products工業材料関連製品

2004年度の売上高は前年度実績の11.7%増に当たる2,379

億円、営業利益は前年度実績の68.2%増に当たる147億

円となりました。

❚ 戦略拡大製品への事業投資の拡大

❚ 次世代開発テーマの早期事業化

❚高付加価値製品の投入による海外市場での競争力強化

主な重点施策

事業レビュー

Page 29: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

無機化学材料・製品

リチウムイオン電池用カーボン負

極材は、ノートパソコン用の電池に

採用が拡大しましたほか、ブラウン

管用黒鉛塗料も、テレビ用ブラウン

管向けに売上を伸ばしました。また、

自動車用ディスクブレーキパッドも

大手顧客の採用拡大等により伸長し

ました。電刷子は、自動車市場の活

況を背景に自動車モーター部品向

けの売上が増加しました。

一方、医療用断層撮影装置等に使

用されるGSO単結晶は、主要顧客

の需要が調整期を迎えたため、前年

度実績を下回りました。

合成樹脂加工品

薄型テレビの市場拡大に伴い、粘

着フィルムが液晶ディスプレイの光

学シート表面保護用に売上を拡大し

ましたほか、プラズマ・ディスプレ

イ・パネル用電磁波遮蔽シートも、

国内外の顧客からその性能を高く評

価され、好調に推移しました。また、

自動車用成形品は、新型車向けを中

心に売上が伸長しました。

一方、架橋ポリエチレンフォーム

は、エアコン冷媒管の保温筒の売上

が減少したため、前年度実績と同水

準にとどまりました。

その他

自動車エンジンの部品として燃費

効率向上に寄与する粉末冶金製品が

顧客からの高い評価を受けて好調裡

に推移しました。

蓄電池は、猛暑による自動車補修

向けの需要増加と新規顧客の開拓

等により、売上を伸ばしました。

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 27

プラズマ・ディスプレイ・パネル用電磁波遮蔽シート(市場シェア約50%:世界第1位)

GSO単結晶(市場シェア約20%:世界第3位)

リチウムイオン電池用カーボン負極材(市場シェア約40%:世界第1位)

Page 30: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd.10

2004年度の重点施策厨房製品事業と浴室関連事業間

のシナジー効果を高める施策を推

進するとともに、システムキッチン

及びユニットバスの中上位機種を

中心とした新製品開発と拡販に努

めました。また、茨城県所在の生産

拠点において、集合住宅用ユニット

バスの生産能力を増強し、主要な

販売地域である首都圏に迅速に供

給できる体制を確立しました。

主要製品の売上高推移システムキッチンは、電磁調理

器や食器洗浄機を搭載した上位機

種が大きく売上を伸ばしました。ユ

ニットバスは、集合住宅向けが価格

競争の激化から低迷しましたもの

の、新製品の投入や積極的な拡販

策により戸建住宅向け製品が伸長

したため、全体では前年度実績を

上回りました。また、自然冷媒

(CO2)ヒートポンプ式給湯機が大

きく売上を伸ばしました。

一方、家庭用合併処理浄化槽は、

需要の減少により前年度実績を下

回りました。

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 200528

合併処理浄化槽

温水洗浄便座

Housing Equipment andEnvironmental Facilities住宅機器・環境設備

2004年度の売上高は前年度実績の2.3%増に当たる845

億円、営業利益は前年度実績の3.2%減に当たる17億円と

なりました。

❚ 主要顧客層のニーズに合致した新商品の開発

❚ 生産、物流の効率化による事業競争力の強化

❚住宅リフォーム事業への注力

主な重点施策

事業レビュー

Page 31: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 29

システムキッチン

洗面化粧台 戸建住宅用ユニットバス

自然冷媒(CO2)ヒートポンプ式給湯機自然冷媒ヒートポンプ式給湯機は、二酸化炭素を冷媒に大気中の熱を汲み上げて、

その熱エネルギーによりお湯を沸かす給湯機です。

自然冷媒を採用しているためオゾン層を破壊する心配がなく、火を使わないため一般家

庭から排出される二酸化炭素の排出量の低減に寄与する環境にやさしい製品です。また、

使用する電気の量は従来の電気給湯機に比べ3分の1と、高効率で経済的です。(株)日立ハウステックは2005年4月、バリエーション機種として、貯湯タンクユニットの薄さ435mm(業界一)を実現した「薄型コンパクトタイプ」を発売しました。

住宅設備機器ショールームの拡充(株)日立ハウステックでは、住宅設備機器ショールーム「リビングセンター」の拡充を推

進しています。2004年度は4カ所を新設したほか、6カ所で移転・改装を行い、2005年3月末現在の設置数は全国で52カ所となりました。新設のショールームでは、キッチン、洗面化粧台、ユニットバスなどを実際の住宅に近い

配置で展示しているほか、日立グループ各社の製品を活用したオール電化の提案を行うな

ど、他社と差別化した運営を行っています。今後、他のショールームにおいても同様に展示

内容の強化を進めていきます。

Page 32: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 200530

6年間の要約財務データ

百万円(1株当たり情報を除く)

2005 2004 2003 2002 2001 2000

収益、費用及び利益処分:

売上高 .................................................. ¥555,568 ¥521,358 ¥494,226 ¥480,777 ¥586,314 ¥544,837

営業利益 .............................................. 46,910 33,774 24,930 13,048 45,814 35,058

当期純利益 .......................................... 25,714 15,784 8,644 3,141 13,022 12,587

中間配当及び期末配当....................... 3,523 2,487 2,279 2,072 2,021 2,021

資本的支出 .......................................... 33,159 26,331 23,576 27,349 37,920 29,885

減価償却費 .......................................... 25,904 26,505 27,703 29,034 29,009 28,984

研究開発費 .......................................... 25,059 24,908 22,933 22,894 22,408 21,302

財政状態:

総資産 .................................................. ¥411,485 ¥393,835 ¥407,148 ¥418,408 ¥457,117 ¥444,178

総負債 .................................................. 209,029 216,144 240,798 254,892 299,526 298,520

有利子負債 .......................................... 36,235 46,997 64,301 90,573 105,737 126,872

株主資本 .............................................. 180,910 157,311 146,443 143,692 134,095 124,035

1株当たり情報:当期純利益(基本的)............................ ¥123.46 ¥ 75.47 ¥ 39.91 ¥ 15.28 ¥ 64.42 ¥ 62.27

当期純利益(潜在株式調整後)........... 123.44 75.44 39.54 — 63.53 61.42

中間配当及び期末配当....................... 17.00 12.00 11.00 10.00 10.00 10.00

株主資本 .............................................. 872.20 758.44 704.87 693.35 663.34 613.64

投資指標:

売上高営業利益率(%)....................... 8.4 6.5 5.0 2.7 7.8 6.4

売上高当期純利益率(%)................... 4.6 3.0 1.7 0.7 2.2 2.3

株主資本当期純利益率(ROE)(%).. 15.2 10.4 6.0 2.3 10.1 10.6

総資産当期純利益率(ROA)(%)..... 6.4 3.9 2.1 0.7 2.9 2.9

株主資本比率(%).............................. 44.0 39.9 36.0 34.3 29.3 27.9

株主資本有利子負債比率(DER)(倍)............. 0.2 0.3 0.4 0.6 0.8 1.0

たな卸資産回転率(回)....................... 14.3 14.4 13.8 11.8 13.0 12.5

有形固定資産回転率(回)................... 4.1 3.8 3.4 3.2 3.9 3.6

従業員数(人):....................................... 16,551 16,764 17,061 17,287 18,390 18,415

日立化成工業株式会社及び連結子会社2005年、2004年、2003年、2002年、2001年及び2000年3月31日に終了した連結会計年度

Page 33: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 31

財務戦略日立化成工業株式会社(以下、「当社」)及び連結子会社は、

健全なバランスシートの維持を財務方針とし、資産効率の向

上や適切な流動性の維持、事業活動のための適切な資金確

保に努めています。

有利子負債の削減については、当期末の残高は前期末か

ら108億円(22.9%)減少し362億円となりました。これに対し、当期末の現金及び現金同等物の残高は610億円であり、実質無借金のバランスシートを達成しました。また、当

期の未積立退職給付債務は、厚生年金基金における代行部

分を返上したほか退職給付制度を確定拠出年金へ変更した

こと等により、前期末から282億円(53.5%)減少し245億円となりました。これらにより、当社グループの財務基盤は

一層強化されています。

今後も引き続き、バランスシートの健全性に配慮しつつ、

適正な事業ポートフォリオの構築等を目的とした投資資金や

事業資金の調達の円滑化を図っていきます。

営業の状況連結子会社の状況

当期の当社グループは、4社が連結範囲に加わり、6社が除外され、延べ62社となりました。中国等アジア展開の強化の一環として、Hitachi Chemical

Asia-Pacific Pte. Ltd.、日立粉末冶金(東莞)有限公司、佛山捷貝汽車配件有限公司、日立化成工業(蘇州)有限公司の4社を新たに設立し、連結範囲に含めました。

一方、低収益事業対策の一環として、アケボノテクノス(株)

を日立化成商事(株)に統合したほか、(株)ヘルスアンドクリー

ン及びRNAture, Inc.を清算しました。また、(株)ニューロンを売却、これに伴い同社の米国子会社であるNEURONELECTRONICS, INC.が連結除外となりました。さらに、PT.Hitachi Chemical Electronic Products Indonesiaは、他社への株式譲渡による持分比率減少に伴い連結除外となりました。

当期の経済動向

当期における日本経済は、上半期は、雇用環境の改善やア

テネ・オリンピック開催の好影響等により個人消費が伸長した

ほか、企業の設備投資が順調に拡大し、好況を持続する米国、

中国等アジアへの輸出の増加と相俟って、好調裡に推移しま

した。しかし、下半期は、原油等原材料価格の高騰が企業収益

を圧迫し、IT・デジタル関連製品を中心とする在庫調整と、これに伴う企業の設備投資抑制の動きが生じ、さらには、地震、台

風等自然災害の多発による生鮮食料品価格の高騰等により個

人消費も伸び悩み、景気は一転して減速過程を辿りました。

世界経済では、米国がその好調な個人消費と旺盛な設備投

資により景気の牽引役を果たすとともに、アジア経済も、急速

に拡大する中国経済に加え、ASEAN諸国の堅調な内需、そし

て対米輸出の好調を背景として、依然として高い成長率を維持

しました。

売上高

売上高は前期比342億円(6.6%)増加し5,556億円となり、いずれの事業セグメントも増収となりました。

エレクトロニクス関連製品部門は、当下半期においてIT・デジタル関連製品の在庫調整等を受け減速過程を辿りまし

たが、当上期におけるパソコン、携帯電話、デジタル家電の

旺盛な需要に支えられ、戦略拡大製品等高付加価値製品を

中心に売上を伸ばしたことにより、前期比3.3%増となりました。工業材料関連製品部門は、新規採用車種の拡大等で自

動車関連製品が増加したほか、新神戸電機(株)や日立粉末

冶金(株)等グループ会社の業績回復が寄与したことにより、

前期比11.7%増となりました。住宅機器・環境設備は、ユニットバス、システムキッチン等の売上が増加したことにより、

前期比2.3%増となりました。海外売上高は、アジア向けが大きく伸長したことにより前期

比184億円(14.5%)増加し1,450億円となり、海外売上高の総売上高に対する比率は1.8ポイント上昇し26.1%となりました。

売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、前期比192億円(5.0%)増加し4,046億円となりましたが、売上高に対する比率は1.1ポイント改善し

72.8%となりました。また、販売費及び一般管理費は、前期比18億円(1.8%)増加し1,041億円となりましたが、売上高に対する比率は0.9ポイント改善し18.7%となりました。これらは原価低減努力に加え固定費削減をはじめとする生産

性向上等継続的な体質改善努力の効果が表れたことによる

ものです。

研究開発費は、前期比2億円(0.6%)増加し251億円となり、売上高に対する比率は0.3ポイント低下し4.5%となりました。

財務概況 2005年3月期

300

200

100

00 01 02 03 04 05

213

3.9

224

3.8

4.8 4.6

229 229 2494.8

251

0研究開発費売上高研究開発費比率

6

4

2

0

4.5

(%)(億円)研究開発費/売上高研究開発費比率

(3月31日に終了した年度)

Page 34: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 200532

営業利益

営業利益は前期比131億円(38.9%)増加し469億円となり、売上高に対する比率は1.9ポイント向上し8.4%となりました。主な損益偏差内訳としては、IT・デジタル関連製品向けを中

心とした当社グループ製品の販売価格下落、原油等原材料価

格の高騰等の悪化要因がありましたが、売上高の増加、製法転

換等による原価低減のほか、当期に実施した厚生年金基金の

代行返上及び退職給付制度の変更等に伴う退職給付費用の減

少による固定費の減少等の改善要因がありました。この結果、

営業利益が131億円増加したものです。事業セグメント別の営業利益では、エレクトロニクス関連製

品部門は、前期比72億円(31.0%)増加し305億円、同部門の売上高に対する比率は2.8ポイント上昇し13.1%となりました。工業材料関連製品部門は、前期比60億円(68.2%)増加し

147億円、同部門の売上高に対する比率は2.1ポイント上昇し

6.2%となりました。住宅機器・環境設備部門は、主として資材費高騰による影響を売上増等で吸収できなかったことにより、

前期比1億円(3.2%)減少し17億円、同部門の売上高に対する比率は0.1ポイント低下し2.0%となりました。

その他費用(収益)

その他費用(収益)は、前期の21億円の費用から当期は12億円の費用となり、9億円改善しました。主な内訳としては、受取利息及び配当金から支払利息を差し引いた金融収支純額

が1億円減少したほか、新規に持分法を適用した国内関連会社の操業赤字等により持分法投資利益が3億円減少しました。また、当期において厚生年金基金の代行返上及び退職給付制

度の変更等に伴う費用18億円のほか、子会社ののれん代の一括償却費用及び固定資産の売却損を事業構造改革費用と

して48億円計上、さらに「固定資産の減損に係る会計基準」が適用されたことに伴う減損損失6億円を計上しました。一方、当期において厚生年金基金の代行部分返上益67億円を計上したほか、ロイヤリティー収入の増加、さらには固定資産等処

分損の減少及び為替差損の減少等により、その他費用全体と

しては前述のとおり9億円の改善となったものです。これらの結果、税金等調整前当期純利益は、前期比141億円(44.5%)増加し457億円となりました。

当期純利益

法人税等は当期の業績が好調に推移したことにより、前期

比36億円(25.1%)増加し181億円となり、税金等調整前当期純利益に対する比率(税負担率)は、前期に厚生年金基金

への特別掛金を拠出したことに伴う課税所得の減算により

6.2ポイント低下し39.6%となりました。少数株主利益はグループ会社の業績回復により前期比5億円(38.4%)増加し

19億円となりました。これらの結果、当期純利益は前期比99億円(62.9%)増加し257億円となり、過去最高を記録しました。なお、当期純利益の売上高に対する比率は1.6ポイント上昇し4.6%に、株主資本に対する比率(ROE)は4.8ポイント上昇し15.2%に、総資産に対する比率(ROA)は2.5ポイント上昇し6.4%となりました。また、1株当たり当期純利益(基本的)は前期の75.47円から123.46円に増加しました。

財政状態キャッシュ・フローの状況

当期末における現金及び現金同等物は、前期末から148億円増加し610億円となりました。営業活動から得た資金は、厚生年金基金の代行返上や退

職給付制度の変更に伴い退職給付引当金が減少しましたが、

当期の業績が好調に推移し税金等調整前当期純利益が大幅

に増加したこと、また法人税等の支払額が減少したこと等か

ら、前期実績と比較して333億円多い606億円となりました。投資活動に使用した資金は、有形固定資産取得のための

支出が46億円増加したこと等から、前期から96億円増加し

330億円となりました。

18

15

12

9

6

3

000 01 02 03 04 05ROA

ROE

15.2

6.4

10.4

3.9

2.1

6.0

2.3

10.1

2.9

10.6

2.9

(%)

0.7

ROE/ROA

(3月31日に終了した年度)

500

400

300

200

100

00 01 02 03 04 05

351

458

130

249338

469

0売上高営業利益率営業利益

6.4

7.8

2.7

5.06.5

8.4

10

8

6

4

2

0

(億円) (%)営業利益/売上高営業利益率

(3月31日に終了した年度)

300

200

100

00 01 02 03 04 05

62.27

0

150

100

50

0

126 130

31

86

158

257

64.42

15.2839.91

75.47

1株当たり当期純利益(基本的)当期純利益

(円)(億円)

123.46

当期純利益/1株当たり当期純利益(基本的)

(3月31日に終了した年度)

Page 35: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 33

この結果、フリーキャッシュ・フローは前期から236億円増加し276億円となりました。財務活動に使用した資金は、借入金の返済が減少したこと

等から、前期から65億円減少し131億円となりました。

キャッシュ・フロー (億円)

2005 2004 2003

営業活動によるキャッシュ・フロー 606 273 554

投資活動によるキャッシュ・フロー (330) (234) (191)

財務活動によるキャッシュ・フロー (131) (196) (281)

現金及び現金同等物の期末残高 610 462 634(3月31日に終了した年度)

資 産

当期末の総資産は、前期末から177億円(4.5%)増加し

4,115億円となりました。流動資産は前期末から172億円(8.2%)増加し2,268億円となりました。受取手形及び売掛金については、当期の業績

が好調に推移したことにより売掛債権が増加した一方、流動

化契約や支払条件の変更に伴う減少等があり、合計では前期

末から2億円減少し1,071億円となりました。たな卸資産は業績好調に伴う生産物量の増加とそれに対応する必要在庫

の確保により、前期末から44億円増加し410億円となりました。たな卸資産回転率は14.3回と、前期とほぼ同等の効率を維持しました。また、貸倒引当金は前期比3億円増の41億円を計上しました。

有形固定資産は、設備投資の拡大により、前期末から11億円(0.8%)増加し1,352億円となり、有形固定資産回転率は前年度の3.8回から4.1回に改善しました。無形固定資産は国内子会社ののれん代を償却したことにより、前期末から15億円減少しました。投資その他の資産は前期末から8億円(1.9%)増加し445億円となりました。これは持分法適用関連会社の設立に伴う株式取得(日立ビークルエナジー(株))

等から投資有価証券が35億円増加した一方、繰延税金資産等が27億円減少したことによるものです。

設備投資の状況

当期の設備投資は、高付加価値製品の生産設備拡充及び

合理化を目的とした積極投資に加え、中国での事業活動基盤

を強化したことにより、前期比68億円増加し332億円となりました。また減価償却費は、前期から6億円減少し259億円となりました。

エレクトロニクス関連製品部門では、五所宮事業所の液晶

ディスプレイ用回路接続フィルム生産設備の拡充及び合理化、

山崎事業所の半導体ウエハー平坦化用研磨材料生産設備の

拡充及び合理化等に142億円の設備投資を実施しました。工業材料関連製品部門では、五所宮事業所の粘着フィルム

生産設備の拡充及び合理化、日立粉末冶金(株)の粉末冶金

製品生産設備の拡充及び合理化等に165億円の設備投資を実施しました。

住宅機器・環境設備部門では、(株)日立ハウステックの浴室

機器生産設備合理化等に24億円の設備投資を実施しました。

負債・資本

当期末の総負債は、前期末から71億円(3.3%)減少し2,090億円となりました。

流動負債は前期末から32億円(2.1%)増加し1,591億円となりました。これは短期借入金が前期末から59億円減少しましたが、支払手形及び買掛金が当期の業績が好調に推移し

たことによる仕入高の増加を受け、前期末から50億円増加したこと等によるものです。

流動比率は前期末の134.4%から142.6%に上昇し、流動資産から流動負債を差し引いた運転資本も140億円(26.1%)増加し677億円となりました。

5,000

4,000

3,000

2,000

1,000

00 01 02 03 04 05

4,442 4,5714,184 4,071 3,938 4,115

0

(億円)総資産

(3月31日現在)

500

400

300

200

100

00 01 02 03 04 05

299 290 290

379

273290236 263277 265

332259

資本的支出減価償却費

0

(億円)資本的支出/減価償却費

(3月31日に終了した年度)

500

400

300

200

100

0

15

12

9

6

3

000 01 02 03 04 05

445

12.5

461

13.011.8

357

13.8

366

14.441014.3

たな卸資産回転率たな卸資産

(億円) (回)

358

たな卸資産/たな卸資産回転率

(3月31日に終了した年度)

Page 36: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 200534

長期借入金は、前期末から27億円減少し234億円となりました。この結果、短期借入金、一年以内に償還予定の社債、

社債及び長期借入金を合計した有利子負債は、前期末から

108億円減少し362億円まで圧縮しました。また、退職給付引当金は、厚生年金基金における代行部分の返上、確定拠出

年金への退職給付制度変更等により、前期末から113億円減少し192億円となりました。

当期末の株主資本は、前期末から236億円(15.0%)増加し1,809億円となりました。株主資本比率は前期末の39.9%から44.0%に上昇したほか、株主資本有利子負債比率(DER)は前期の0.3倍から0.2倍に改善されました。また、1株当たり株主資本は、前期末の758.44円から872.20円に増加しました。

利益配分に関する基本方針当社は、経営環境、業績、将来の事業展開等を総合的に勘

案して、株主への利益配分と内部留保額を決定しております。

当期は当期の業績の好調等を勘案し、当期の1株当たり配当金は、前期の12円から5円増配し17円としました。なお、内部留保資金につきましては、高成長が見込める高

付加価値新製品の研究開発、既存事業の活性化等に投資す

るとともに、強靭な財務体質の確立に向け有効に活用して

います。

次期の見通し今後の経済見通しにつきましては、予想される米国の景気

減速と中国の固定資産投資抑制策により、IT・デジタル関連製品その他の輸出関連製品を中心に、在庫調整や生産調整

の動きが本格化し、原材料価格の高騰と相俟って、当社グル

ープを含め企業を取り巻く経済環境は悪化を余儀なくされ

るものと想定されます。さらに、所得税と住民税の定率減税

の段階的廃止等、税・社会保障負担の増加により、一時的に

上向いた個人消費も再び冷え込みが予想される等、景気は

厳しさを増すものと思われます。

このような環境の下、当社グループは、改めて、景気の動

向に左右されない堅固なグループ経営基盤の確立に向け、グ

ループ事業の拡大と強化を積極的に進めるとともに、良き企

業市民として企業の社会的責任を着実に果たして、株主をは

じめとするステークホルダー各位から厚い信任の得られる企

業グループへの成長を目指します。

これにより、次期の業績見通しにつきましては、売上高5,600億円(前期比1%増)、当期純利益265億円(前期比3%増)を達成したいと考えています。

事業等のリスク当社グループは、幅広い事業分野に亘り、世界各地におい

て事業活動を行っています。また、事業を遂行するために高

度で専門的な技術を利用しています。そのため、当社グルー

プの事業活動は、多岐に亘る要因の影響を受けます。その要

因の主なものは、次のとおりです。

なお、文中における将来に関する事項は、当期末現在にお

いて当社グループが判断したものです。

(1)為替相場の変動による影響について

当社グループは、取引先及び取引地域が世界各地に亘っ

ているため、為替相場の変動リスクにさらされている資産

及び負債を保有しております。主に米ドルをはじめとする現

地通貨建ての製品の輸出及び原材料の輸入を行っているこ

とから、為替相場の変動は、当社グループの経営成績に影

響を及ぼす可能性があります。米ドルをはじめとする他の

通貨に対する円高は、国内から海外市場に輸出される製品

の価格競争力を弱め、収益に影響を及ぼす可能性がありま

す。当社グループでは、為替相場の変動のリスクを軽減す

るための施策を実行していますが、為替相場の変動による

経営成績への影響を完全に回避できる保証はありません。

1,500

1,000

500

1.5

1.0

0.5

000 01 02 03 04 05

1,2691,057 906

643470

362

0

1.00.8

0.60.4

0.30.2

株主資本有利子負債比率有利子負債

(倍)(億円)有利子負債/株主資本有利子負債比率(DER)

(3月31日に終了した年度)

2,000

1,500

1,000

500

00 01 02 03 04 05

1,240 1,3411,437 1,464 1,573

1,809

0株主資本比率株主資本

(億円)60

45

30

15

0

(%)

27.9 29.334.3 36.0

39.944.0

株主資本/株主資本比率

(3月31日現在)

Page 37: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 35

(2)主要原材料価格の変動による影響について

当社グループの製品は、石油化学製品を原材料としている

ものが多く、その仕入価格は原油価格の変動の影響を受け

ることがあります。また、その他の原材料市況の変動により、

原材料調達価格が上昇し、当社グループの経営成績に影響

を及ぼす可能性があります。

(3)企業買収、合弁事業及び戦略的提携について

当社グループは、各事業分野において、新技術や新製品の

開発及び競争力の強化のため、外部企業の買収、事業の合弁

及び戦略的提携を実施することがあります。このような施策

は、事業遂行、技術、製品及び人事上の統合において時間と

費用がかかる複雑な問題を含んでおり、適切な計画の下で実

行がなされない場合には、当社グループの事業に影響を及

ぼす可能性があります。事業提携の成功は、当社グループが

コントロールできない提携先の決定や能力または市場の動

向によって影響されます。これらの施策に関連して、統合に

関する費用や買収事業の再構築に関する費用等の買収関連

の費用が当社グループに発生する可能性があります。また、

当社グループが買収事業の統合に成功し、若しくは当該施策

を通じて当初の目的の全部または一部を達成することに成

功する保証はありません。

(4)海外活動に潜在するリスクについて

当社グループは、わが国のほかにアジア及び米国等の国及

び地域で生産及び販売を行っております。これら海外市場で

は、政治的及び社会的リスクがあり、当社グループの財政状

態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)公的規制による影響について

当社グループの事業活動は、当社グループが事業を行う

各国の多様な規制に服します。このような規制には、投資、

貿易、競争、知的財産権、税、為替及び環境・リサイクルに関

する規制を含みます。規制に関する重大な変更は、当社グ

ループの事業活動を制限し、若しくはコストを増加させ、当

社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)財務上のリスクについて

当社グループは、株式等の有価証券を保有しており、これ

らの有価証券の価格の下落は、当社グループの財政状態及

び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グ

ループは、資本市場から長期の資金調達を行っており、金利

の変動や信用リスクによる影響を受ける可能性があります。

(7)退職給付債務について

当社グループは、数理計算によって算出される多額の退

職給付費用及び債務を負担しております。この評価には、死

亡率、脱退率、退職率、給与の変更、割引率、年金資産の期

待収益率等の年金資産を見積る上で重要な前提条件が含ま

れております。当社グループは、人員の状況、現在の市況及

び将来の金利の動向等の多くの要素を考慮に入れて、主要

な前提条件を見積る必要があります。主要な前提条件の見

積りは、基礎となる要素に基づき、合理的であると考えてお

りますが、実際の結果と合致する保証はありません。割引率

の低下は、数理上の退職給付債務の増加をもたらします。退

職給付債務の増減は、従業員の勤務期間に亘って償却される

数理上の差異の額に影響します。主要な前提条件の変化は、

当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能

性があります。

(8)親会社との関係について

当社の親会社である(株)日立製作所(2005年3月31日現在、当社の発行済株式総数及び議決権総数のそれぞれ51.2%、

51.2%(間接被所有割合を含まず)を所有)は傘下に多数の関係会社を擁し、情報通信システム、電子デバイス、電力・産業

システム、デジタルメディア・民生機器、高機能材料、物流

及びサービス他、金融サービスの7部門に亘って、製品の製造及び販売・サービスに至る幅広い事業活動を展開しており、

当社は高機能材料部門の一部を担っております。当社取締役

8名のうち3名は同社の役員を兼任しております(2005年

6月28日現在)。また同社とは技術協力、人的協力及び製品の供給等において密接な関係があります。従って当社グループの

事業展開等は、同社の経営戦略等の影響を受ける可能性があ

ります。

Page 38: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 200536

主要連結対象会社 2005年3月31日現在

製 造

新神戸電機株式会社電池、合成樹脂製品の製造、販売

日立粉末冶金株式会社粉末冶金製品の製造、販売

日立エーアイシー株式会社プリント配線板、コンデンサーの製造、販売

株式会社日立ハウステック住宅機器・環境設備の製造、販売

日本ブレーキ工業株式会社摩擦材料の製造、販売

日立化成オートモーティブプロダクツ株式会社自動車用成形品、合成樹脂加工品の製造、販売

日立化成ポリマー株式会社接着剤、合成樹脂の製造、販売

日化化成品株式会社発泡ポリスチレンの加工、販売

浪江日立化成工業株式会社カーボン製品の製造、販売

日立化成フィルテック株式会社食品包装用フィルムの製造、販売

日立化成工材株式会社道路標示材料、合成樹脂成形品の製造、販売

日本電解株式会社*金属箔製品の製造、販売

ディーエイチ・マテリアル株式会社*合成樹脂の製造、販売

日立ビークルエナジー株式会社*自動車用リチウムイオン二次電池の開発、製造

工事・販売・設計・サービス

日立化成商事株式会社当社グループ製品の販売

日化設備エンジニアリング株式会社工場設備、機械装置等の設計、製作

日立化成ビジネスサービス株式会社教育・研修等の業務受託及び事務用機器等のリース

日立化成エレクトロニクス株式会社プリント配線板の製造

製 造

Hitachi Chemical (Johor) Sdn. Bhd.プリント配線板用銅張積層板、感光性フィルム、

電気絶縁用ワニスの製造、販売

Hitachi Chemical (Singapore) Pte. Ltd.プリント配線板の製造、販売

日立化成工業(東莞)有限公司プリント配線板用感光性フィルム、電気絶縁用

ワニスの製造、販売

台湾日立化成工業股 有限公司プリント配線板の製造、販売

プリント配線板用感光性フィルムの加工、販売

Hitachi Chemical (Malaysia) Sdn. Bhd.半導体用エポキシ封止材、ダイボンディング材料の製造、販売

Bioclone Australia Pty Ltd.診断薬の製造、販売

Hitachi Chemical Electronic Materials(Korea) Co., Ltd.プリント配線板用感光性フィルムの加工、販売

日立化成工業(上海)有限公司プリント配線板用感光性フィルム、液晶ディスプレイ用回路接続フィルムの加工、販売

日立粉末治金(東莞)有限公司粉末冶金製品の製造、販売

日立蓄電池(東莞)有限公司電池・電気機器製品の製造、販売

Hitachi Powdered Metals (Singapore) Pte. Ltd.粉末冶金製品の製造、販売

信宜日紅樹脂化工有限公司ロジン変性樹脂の製造、販売

Japan Brake (Thailand) Co., Ltd.摩擦材料の製造、販売

Hitachi Chemical AutomotiveProducts (Thailand) Co., Ltd.*自動車用成形品の製造、販売

台湾神戸電池股 有限公司*電池、電源装置の製造、販売

Thai Sintered Products Co., Ltd.*粉末冶金製品の製造、販売

販売・サービス

Hitachi Chemical Asia-Pacific Pte. Ltd.当社グループ製品の販売

Hitachi Chemical Co. (Hong Kong) Ltd.当社グループ製品の販売

プリント配線板用感光性フィルムの加工、販売

台湾日立化成国際股 有限公司当社グループ製品の販売

製 造

Hitachi Chemical Diagnostics, Inc.診断薬の製造、販売

Tri-Continent Scientific, Inc.医療用液送機器の製造、販売

Sintering Technologies, Inc.粉末冶金製品の製造、販売

Hitachi Chemical DuPont MicroSystems L.L.C.*半導体用ポリイミドの製造、販売

研 究

Hitachi Chemical Research Center, Inc.バイオテクノロジーに関する研究

販売・サービス

Hitachi Chemical Co. America, Ltd.当社グループ製品の販売

販売・サービス

Hitachi Chemical Europe GmbH当社グループ製品の販売

日 本 アジア、オセアニア

米 国

欧 州

* 持分法適用関連会社

Page 39: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

Hitachi Chemical Co., Ltd. Annual Report 2005 37

投資家向け情報 2005年3月31日現在

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500(円)

669

960945

2,700

1,650

3,200

789

2,400

1,9382,135

1,781 1,7281,575

2,0201,895

1,8061,680

1,472

1,629 1,682

1,482 1,530

1,795 1,836 1,845

1,660 1,701 1,704

1998.4~1999.3

1999.4~2000.3

2000.4~2001.3

2001.4~2002.3

1,701

987

1,718

810

2002.4~2003.3

2003.4~2004.3

2004.4 5 6 7 8 9 10 11 12 2005.1 2

1,8161,930

1,720 1,802

3

日立化成工業株式会社

本  社 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号(新宿三井ビル)〒163-0449電話:03-3346-3111Fax:03-3346-2977

設  立 1962年10月10日

資 本 金 153億2,818万円

従業員数 3,258名

普通株式 会社が発行する株式の総数:800,000,000株発行済株式総数:207,310,708株

株 主 数 14,018名

定時株主総会 毎年6月

上場証券取引所 東京、大阪(証券コード 4217)

株価の推移(東京証券取引所)

独立監査人 新日本監査法人

名義書換代理人 東京証券代行株式会社東京都千代田区丸の内一丁目4番2号(東銀ビル3階)〒100-0005電話:03-3212-4611

IR窓口 日立化成工業株式会社コーポレート戦略室 広報・IRグループ東京都新宿区西新宿二丁目1番1号(新宿三井ビル)〒163-0449電話:03-5381-2370Fax:03-5381-3023URL:www.hitachi-chem.co.jp

「Working On Wonders—驚きを実現へ」当社グループは、このたび「Working On Wonders—驚きを実現へ」を新しいスローガンに定め、広くコミュニケーション活動に使っていくことといたしました。当社グループの企業ビジョンには、「未知の領域に踏み出す勇気とチャレンジ精神をもって、時代に先駆けた『新たな価値』を創造することで、社会とお客様の様々な課題に対し、最適な解を迅速に提供すること」を我々の使命として定めており、今般の新しいスローガン「Working On Wonders—驚きを実現へ」は、この当社グループの提供すべき価値を短く象徴的な言葉にまとめ上げたものです。当社グループは、今後、宣伝広告をはじめとする各種コミュニケーション活動において、この新しいスローガンを日立化成ブランドイメージの向上に積極的に活用してまいります。

Page 40: Expanding and Strengthening Our Businesses...Expanding and Strengthening Our Businesses プロフィール 当社は1962年に設立され、翌1963年に(株)日立製作所の化学製品部門が分離独立して営業を

この冊子は古紙配合率100%再生紙と大豆油インキを使用しております。

Printed in Japan