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─ 113 ─ 関西大学総合情報学部 授業計画 2015 〈S〉 組織意思決定論 (春学期、秋学期 2単位) 阿辻 茂夫 ■授業概要 現代組織における意思決定について、経営学の視 点より、学修することを目的としている。 今日、企業・大学・官庁・病院など多くの組織で は、様々な意思決定がなされ「協働行為」が実践さ れ、社会的便益や経済的利潤を生み出している。人 間協働は、一方で、負の側面も有しており、社会環 境や生態環境に与える影響は大きい。 そこで講義では、協働に参加する個々人を繁ぐ情 報プロセスである意思決定の性質について、その学 説や理論を紹介しながら、様々な事例をケーススタ ディし、近未来に求められる新しい要因について検 討します。今後、受講生の皆さんが社会人として協 働する場面で、不可避な組織と個人の関係性につい て考えます。 ■到達目標 経営学の学説理論をもとに、問題解決を必要とす る現代組織の課題について検討する。 特に、(1)マネジメントの学説と系譜:実践・ 経験と理論の乖離、(2)アメリカ経営学とプラグ マティズム:テイラーの科学的管理、(3)科学的 管理から人間関係論へ:ホーソン実験とメイヨー、 (4)バーナード、サイモンの近代組織論:組織内 部の構造と力学、(5)現代組織の学習障害と構造 慣性:組織内外の情報メカニズム、 (6)ドラッカー のマネジメント:知識社会と組織変革、(7)近未 来の知識マネジメントへの到達を目指す。 ■授業計画 1週目 オリエンテーション、講義計画、成績評 価と授業方法、 [Ⅰ部 組織と管理:マネジメント] 2.F. W. テイラーの科学的管理:老朽インフラ・ 制度劣化 3.C. I. バーナードの組織論:フクシマ原発事 4.H. A. サイモンの意思決定論:JR 事故 組織 5.P. F. ドラッカーの知識社会:フェイスブッ ク・グーグル [Ⅱ部 社会・組織・個人:ガバナンス] 6.M. P. フォレットの国家論:米中サイバーテ 7.E. メイヨーの人間関係論:CSR・ビジネス エシックス 8.D. マグレガーの X-Y 理論:ブラック企業 9.R. リッカートの連結ピン:クラウドソーシ ング 10.A. マズローのユーサイキアン:スマート・ アグリ [Ⅲ部 経営と戦略:コンプライアンス] 11.E. シャインの組織文化:エネルギー革命 12.M. ポーターの競争戦略論:ロボット兵器 13.H. ミンツバーグの右脳型・左脳型:ラアーグ・ 資源ジパング 14.バーリのガバナンス論:リーマンショック・ 中国マネー 15.J. ダイヤモンド:人口爆発・食糧危機・高齢 化社会 ■授業時間外学習 各授業のたび、指定したテキストを「予習(読書)」 し、授業時に提示した課題について「復習(論述)」、 次回授業時に提出する。 ■成績評価の方法 定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評 価する。 定期試験(60%)、平常成績(小テスト・レポート) (40%) ■成績評価の基準 学説理解度、事例適用力、問題解決への創意工夫 ■教科書 開講時に指示します。 ■参考書 『組織のインフォマティクス』(関西大学出版部)阿 辻茂夫 ■備考 予習・復習することが望ましい。 Organizational Decision Making

組織意思決定論 (春学期、秋学期 2単位) 阿辻 茂夫 · [Ⅰ部 組織と管理:マネジメント] 2.f. w. テイラーの科学的管理:老朽インフラ・

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関西大学総合情報学部 授業計画 2015

〈S〉組織意思決定論 (春学期、秋学期 2単位) 阿辻 茂夫

■授業概要 現代組織における意思決定について、経営学の視点より、学修することを目的としている。 今日、企業・大学・官庁・病院など多くの組織では、様々な意思決定がなされ「協働行為」が実践され、社会的便益や経済的利潤を生み出している。人間協働は、一方で、負の側面も有しており、社会環境や生態環境に与える影響は大きい。 そこで講義では、協働に参加する個々人を繁ぐ情報プロセスである意思決定の性質について、その学説や理論を紹介しながら、様々な事例をケーススタディし、近未来に求められる新しい要因について検討します。今後、受講生の皆さんが社会人として協働する場面で、不可避な組織と個人の関係性について考えます。

■到達目標 経営学の学説理論をもとに、問題解決を必要とする現代組織の課題について検討する。 特に、(1)マネジメントの学説と系譜:実践・経験と理論の乖離、(2)アメリカ経営学とプラグマティズム:テイラーの科学的管理、(3)科学的管理から人間関係論へ:ホーソン実験とメイヨー、

(4)バーナード、サイモンの近代組織論:組織内部の構造と力学、(5)現代組織の学習障害と構造慣性:組織内外の情報メカニズム、(6)ドラッカーのマネジメント:知識社会と組織変革、(7)近未来の知識マネジメントへの到達を目指す。

■授業計画1週目 オリエンテーション、講義計画、成績評

価と授業方法、[Ⅰ部 組織と管理:マネジメント]2.F. W. テイラーの科学的管理:老朽インフラ・

制度劣化3.C. I. バーナードの組織論:フクシマ原発事

故4.H. A. サイモンの意思決定論:JR 事故 組織

罰5.P. F. ドラッカーの知識社会:フェイスブッ

ク・グーグル[Ⅱ部 社会・組織・個人:ガバナンス]

6.M. P. フォレットの国家論:米中サイバーテロ

7.E. メイヨーの人間関係論:CSR・ビジネスエシックス

8.D. マグレガーの X-Y 理論:ブラック企業9.R. リッカートの連結ピン:クラウドソーシ

ング10.A. マズローのユーサイキアン:スマート・

アグリ[Ⅲ部 経営と戦略:コンプライアンス]11.E. シャインの組織文化:エネルギー革命12.M. ポーターの競争戦略論:ロボット兵器13.H. ミンツバーグの右脳型・左脳型:ラアーグ・

資源ジパング14.バーリのガバナンス論:リーマンショック・

中国マネー15.J. ダイヤモンド:人口爆発・食糧危機・高齢

化社会

■授業時間外学習 各授業のたび、指定したテキストを「予習(読書)」し、授業時に提示した課題について「復習(論述)」、次回授業時に提出する。

■成績評価の方法 定期試験(筆記試験)の成績と平常成績で総合評価する。 定期試験(60%)、平常成績(小テスト・レポート)

(40%)

■成績評価の基準 学説理解度、事例適用力、問題解決への創意工夫

■教科書 開講時に指示します。

■参考書『組織のインフォマティクス』(関西大学出版部)阿辻茂夫

■備考 予習・復習することが望ましい。

Organizational Decision Making