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調査報告書 ISO 9001:2000 年版に対する適合組織の取組み状 ―自律的QMS構築のための内部監査プログラム― 2004 年 12 月 財団法人 日本適合性認定協会(JAB)

調査報告書 ISO 9001:2000年版に対する適合組織 …ISO 9001:2000年版に対する適合組織の取組み状況 ―自律的QMS構築のための内部監査プログラム―

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調査報告書

ISO 9001:2000 年版に対する適合組織の取組み状況 ―自律的QMS構築のための内部監査プログラム―

2004 年 12 月

財団法人 日本適合性認定協会(JAB)

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目 次

はじめに ---------------------------------------------------------------- 1

調査概要 ---------------------------------------------------------------- 2

Ⅰ 回答企業の概要 ------------------------------------------------------- 3

Ⅱ ISO 9001:2000 に対する評価------------------------------------------- 9

Ⅲ 内部監査 ------------------------------------------------------------ 27

Ⅳ ISO 9001:2000 の運用------------------------------------------------ 41

Ⅴ 今後の課題 ---------------------------------------------------------- 51

おわりに --------------------------------------------------------------- 58

アンケート調査票 ------------------------------------------------------- 59

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1

はじめに

当協会は、例年、品質マネジメントシステム審査登録制度の普及啓発を目的として、シ

ンポジウム(非公開)及びシンポジウムでの討議結果を報告する場として公開討論会を開

催しております。品質マネジメントシステム審査登録制度に関わる様々な立場の方々にご

参画いただき、利用者にとって役に立つ品質マネジメントシステム審査登録制度に向けて

の意見交換の場として活用いただいております。

今年度も昨年度に引き続き内部監査に焦点を当てて、シンポジウム、公開討論会を開催

することといたしました。「組織の質のアップは内部監査から」というメッセージを発信す

るべく、今年度は「内部監査計画」「内部監査員の力量」「監査結果のフォロー」の3つの

観点で内部監査の実施例を分類し、自組織を良くするための参考事例として活用いただこ

うと考えております。

そこで、各組織で行っている内部監査の実施状況をお伺いし、その調査結果を、シンポ

ジウム、公開討論会の場における議論の材料とするべく、アンケート調査を実施いたしま

した。

調査内容は、上に述べた3つの観点から、組織が実施している内部監査の目的、内容、

特徴などについて具体的にお伺いしました。

本調査結果が、ISO 9001:2000 の運用に積極的かつ精力的に取り組んでいる皆様にとって、

少しでもご参考になれば幸いです。

最後になりましたが、お忙しい中アンケート調査にご回答いただきました方々、また本

アンケート調査の企画立案にご協力いただきました JAB シンポジウム準備委員の皆様には、

この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

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2

調査概要

(1)調査目的

「ISO 9001:2000 の有効活用」をテーマとして昨年に続き内部監査に焦点をあてて調査

を行い、昨年との対比を中心としてシンポジウムおよび公開討論会での議論のためのベー

スデータとして活用する。さらに、国内外の本審査登録制度に関心のあるすべての関係者

に対して同テーマに係わる情報提供を行うことを目的とする。

(2)調査対象

2004 年8月時点における国内の ISO 9001:2000 審査登録組織(企業、自治体等)

1,500 箇所

(3)調査方法

郵送によるアンケート調査

原則として選択方式、記名式

(4)回収数:回収率

回収数 700 件

回収率 46.7%

(5)調査期間

2004 年9月

(6)調査項目

巻末アンケート調査票のとおり

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3

Ⅰ 回答企業の概要

問 1 業 態

業態については 700 組織の回答中、「その他のサービス業」111 件(15.9%)が一番多か

った。次いで「基礎金属、加工金属製品の製造業」84 件(12.0%)、「電気的及び光学的装

置の製造業」83件(11.9%)、「建設業」70 件(10.0%)、「機械、装置の製造業」65 件(9.3%)、

「エンジニアリング、研究開発」55件(7.9%)、「化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造

業」53 件(7.6%)、「ゴム・プラスチック製品製造業」45件(6.4%)、「その他輸送装置製

造業(自動車、オートバイ等)」22件(3.1%)が続く。

「その他」62 件は、「その他」59件と「造船業」1件、「航空宇宙産業」2件の計である。

83

70

84

65

53

19

20

45

11

22

55

111

62

0 40 80 120

電気的及び光学的装置の製造業

建設業

基礎金属、加工金属製品の製造業

機械、装置の製造業

化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業

卸売業、小売業

食料品、飲料、タバコ等の製造業

ゴム・プラスチック製品製造業

非金属鉱物製品製造業

その他輸送装置製造業(自動車、オートバイ等)

エンジニアリング、研究開発

その他のサービス業

その他

N=700

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4

問 2 従業員数

従業員数では「50 人以下」が 33.0%(231 件)で最も多く、次いで「101~300 人」が 27.1%

(190 件)、「51~100 人」が 22.3%(156 件)、「501 人以上」が 9.7%(68 件)、「301~500

人」が 7.9%(55 件)となっており、全体の 82.4%を 300 人以下の組織が占めている。な

お、「501 人以上」の主な内訳は「501~700 人」23件、「701~1,000 人」12件、「1,001~1,500

人」11 件等である。

問 3 審査登録状況

審査登録状況について、ISO 9001:1994 あるいは ISO 9002:1994 から ISO 9001:2000

に移行したのか、当初から ISO 9001:2000 で審査登録したのかを質問した。その結果、697

件の回答があり、「ISO 9001:1994 あるいは ISO 9002:1994 から ISO 9001:2000 に移行」

が 56.5%(394 件)、「当初からの ISO 9001:2000 で登録」が 43.5%(303 件)であった。

当初からISO9001:2000で審査登録 43.5%

ISO9001:1994あるいはISO9002:1994

から移行

56.5%

N=697

50人以下 33.0%

101~300人27.1% 51~100人

22.3%

501人以上 9.7%

301~500人7.9%

N=700

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さらに、登録又は移行の時期を質問した。ISO 9001:1994 あるいは ISO 9002:1994 から

ISO 9001:2000 移行した事業所の ISO 9001:1994 あるいは ISO 9002:1994 への初回審査

登録時期は、「2000 年1月~12 月」が最多で 97件、次いで「1999 年1月~12 月」が 87 件、

「1997 年1月~1998 年 12 月」73 件等である。

また、その組織が ISO 9001:2000 に移行した時期は、移行の最終年である「2003 年1月

~12月」が 203 件で最多であった(なお、データは組織からの回答のままである)。

67

73

87

97

58

10

2

0

0 20 40 60 80 100

1996年12月以前

1997年1月~1998年12月

1999年1月~12月

2000年1月~12月

2001年1月~12月

2002年1月~12月

2003年1月~12月

2004年以降

初回審査登録時期 N=394

1

2

25

136

203

15

0 50 100 150 200 250

1999年1月~12月

2000年1月~12月

2001年1月~12月

2002年1月~12月

2003年1月~12月

2004年以降

移行時期 N=382

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一方、当初から ISO 9001:2000 で審査登録した事業所の審査登録時期は「2003 年1月~

12 月」が 110 件で最多であり、次に「2002 年1月~12月」が 108 件と僅差で続いた。次い

で「2004 年以降」の 48 件、「2001 年1月~12 月」32 件、「2000 年1月~12 月」5件とな

っている(なお、データは、組織からの回答のままである)。

問 4 ISO 9001:2000 導入の目的(複数回答)

ISO 9001:2000 の導入目的について聞いた。6項目の設問のうち、回答件数が一番多か

った項目は「自社品質管理システムの基盤構築」であり 516 件(回答組織の 73.8%)だっ

た。次いで「製品またはサービスの質等パフォーマンスの向上」406 件(同 58.1%)、「取

引先、親会社等からの要求」191 件(同 27.3%)等が続く。昨年行った 2003 年調査との比

較(次図)では、その傾向に変化は見られなかったが、「取引先、親会社等からの要求」で

少しウエイトが高くなっている。

また、「その他」23 件については「業務や体質の改善」8件、「社員教育・意識改革」6

件、「顧客満足度の向上」3件、「他社との差別化を図る」2件などの記述があった。

5

32

108

110

48

0 20 40 60 80 100 120

2000年1月~12月

2001年1月~12月

2002年1月~12月

2003年1月~12月

2004年以降

当初から ISO 9001:2000で審査登録 N=303

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次に、業種との関係を次図に示す。どの業種も「自社品質管理システムの基盤構築」が

多いことは変わりないが、「建設業」と「エンジニアリング、研究開発」においては「参入

条件の確保・拡大」が、「ゴム・プラスチック製品製造業」と「その他輸送装置製造業」で

「取引先・親会社等からの要求」が他業種より多くなっていることが特徴的である。

4.0

27.3

20.2

62.5

75.2

3.8

17.7

4.8

73.8

58.1

3.3

15.7

22.6

18.3

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0

製品またはサービスの質等パフォーマンスの向上

自社品質管理システムの基盤構築

他の種々の監査業務の軽減

取引先、親会社等からの要求

参入条件の確保・拡大

国際的に標準化された品質マネジメントシステムを適用

その他

2004年調査組織数 N=699

2003年調査組織数 N=734

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25.1

28.6

24.0

29.0

34.5

35.7

35.7

24.4

28.0

13.6

28.6

33.3

30.7

33.1

34.6

38.0

36.6

32.8

35.7

42.9

37.8

28.0

43.2

32.7

38.5

40.2

8.0

14.9

6.8

17.9

12.2

13.8

11.9

7.1

23.3

16.0

31.8

10.2

9.9

11.0

12.0

23.3

8.9

6.1

6.0

23.5

8.5

6.3

11.4

7.3

11.5

11.2

9.5

14.3

16.0

7.5

7.9

1.6

0.9

1.0

2.2

2.9

2.3

2.8

3.8

0.9

4.5

4.0

4.4

4.8

1.5

4.4

4.5

1.0

2.4

1.4

3.1

2.3

3.3

2.4

0.9

0.8

1.1

3.0

0.6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

電気的及び光学的装置の製造業(調査組織数N=83,回答数n=175)

建設業(N=70,n=133)

基礎金属、加工金属製品の製造業(N=84,n=179)

機械、装置の製造業(N=64,n=131)

化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業(N=53,n=116)

卸売業、小売業(N=19,n=42)

食料品、飲料、タバコ等の製造業(N=20,n=42)

ゴム・プラスチック製品製造業(N=45,n=90)

非金属鉱物製品製造業(N=11,n=25)

その他輸送装置製造業(自動車、オートバイ等)(N=22,n=44)

エンジニアリング、研究開発(N=55,n=98)

その他のサービス業(N=111,n=213)

その他(N=62,n=127)

製品またはサービスの質等パフォーマンスの向上 自社品質管理システムの基盤構築

他の種々の監査業務の軽減 取引先、親会社等からの要求

参入条件の確保・拡大 国際的に標準化された品質マネジメントシステムを適用

その他

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Ⅱ ISO 9001:2000 に対する評価

問 5 ISO 9001:2000 の特徴項目に関する評価

以下の4項目について、どのように評価しているかをたずねた。

問 5-1 顧客重視について

顧客重視については 698 組織の回答があり、「活動の目的が明確になったが、有効性の向

上は明確には言いきれない」が 334 件(回答組織の 47.9%)と最も多かった。積極的な評

価といえる「活動の目的が明確になり、有効性がより期待出来る規格となった」は 243 件

(同 34.8%)となっている。次いで「要求事項の現実の適用方法が分かり難い」88件(同

12.6%)、「モデルをどこまで広げたらよいか分からない」31 件(同 4.4%)、「最終ターゲ

ットは分かるが具体的内容が分からない」16 件(同 2.3%)となっている。

また、「その他」10 件の記述は、「記録のとり方・管理について意識が深まり進展した」、

「ISO 9001:2000 より導入のため評価できない」、「評価方法が難しい」などとするものだっ

た。

2003 年調査と比較すると、「活動の目的が明確になったが、有効性の向上は明確には言い

きれない」が増加し、「最終ターゲットは分かるが具体的内容が分からない」が減少した。

「分かり難い、分からない」をあわせると、2003 年調査の 164 件(同 22.4%)が、2004 年

調査では 135 件(同 19.3%)と少なくなっている。

なお、複数を選択している組織もあった。

34.8

47.9

4.4

1.4

35.5

43.5

3.8

13.8

4.8

2.2

12.6

2.3

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0

活動の目的が明確になり、有効性がより期待できる規格となった

活動の目的が明確になったが、有効性の向上は明確には言い切れない

モデルをどこまで広げたらいいのか分かり難い

要求事項の現実の適用の方法が分かり難い

最終ターゲットは分かるが具体的内容が分からない

その他

2004年調査組織数 N=698

2003年調査組織数 N=733

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問 5-2 組織の自由裁量度拡大について

システム構築にあたって組織の自由裁量度が拡大したことについては、693 組織の回答が

あり「自組織の運営形態に適したQMSの構築がし易くなった」が 281 件(回答組織の

40.5%)で最多だった。次いで「自組織が必要とする文書化の対象が明確にできるように

なった」215 件(同 31.0%)となっている。

一方、消極的な評価といえる「自由裁量の幅が広がったことにより具体的な実施内容が

分かり難くなった」は 114 件(同 16.5%)、「要求事項が一般化され分かり難くなった」は

57 件(同 8.2%)、「審査のバラツキが増大した」は 44 件(同 6.3%)となり、消極的な評

価に関する項目の合計は 215 件と回答組織の 31.0%(2003 年調査は 244 件・同 33.4%)を

占めた。

また、「その他」16 件中記述は 14 件あり「ISO 9001:2000 より導入のため評価はできな

い」とするもの4件のほか、「文書化を要求するもの・しないものを明確に線引きしてもら

った方が理解しやすい」、「自由裁量度が拡大したとは思えない」、「審査のバラツキが懸念

される」などがあった。

2003 年調査と比べると、「自組織が必要とする文書化の対象が明確にできるようになっ

た」の割合が増加し、「自由裁量の幅が広がったことにより具体的な実施内容が分かり難く

なった」や「審査のバラツキが増大した」は僅かながら減少していた。

なお、複数を選択している組織もあった。

40.5

31.0

41.2

17.5

7.7

8.2

3.8

2.3

16.5

6.3

8.2

26.9

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0

自組織の運営形態に適したQMSの構築がし易くなった

自組織が必要とする文書化の対象が明確にできるようになった

自由裁量の幅が広がったことにより具体的な実施内容が分かり難くなった

審査のバラツキが増大した

要求事項が一般化され分かり難くなった

その他

2004年調査組織数 N=693

2003年調査組織数 N=731

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11

問 5-3 要求事項の記述について

すべての業種に適用できるような記述になっていることについては 695 組織の回答があ

り、「業種及び形態、規模、並びに提供する製品を問わず、あらゆる組織に適用できるので

よい」が 263 件(回答組織の 37.8%)、「組織やその製品の性質によって適用不可能な要求

事項の除外を考慮できるのでよい」が 239 件(同 34.4%)となり、「良い」とするものが

502 件で回答組織の 70%を超えた。

一方、「選択の幅が広がり、むしろ分かり難い」は 123 件(同 17.7%)、「QMSのモデル

が分かり難い」は 43 件(同 6.2%)、「具体的にプロセスをどう構築したらよいかが分から

ない」は 35件(同 5.0%)となり、「分かり難い、分からない」の計は 201 件と回答組織の

約 30%を占めた。また「その他」10 件では、9件の記述があり「業種によっては判定可能

が全てに当てはまるとは考え難い」、「専門分野では誤った解釈を引き起こしかねない」な

どとするものがあった。

2003 年調査と比較では、その傾向に大きな変化は見られなかった。

なお、複数を選択している組織もあった。

業種との関係をみる。割合が高かったのは「業種及び形態、規模、並びに提供する製品

を問わず、あらゆる組織に適用できるのでよい」の「電気的及び光学的装置の製造業」・「食

料品、飲料、タバコ等の製造業」・「ゴム・プラスチック製品製造業」・「その他のサービス

業」と、「組織やその製品の性質によって適用不可能な要求事項の除外を考慮できるのでよ

い」の「建設業」・「化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業」・「卸売業、小売業」・「そ

の他輸送装置製造業」で、それぞれ 40%を超えていた。

全体的に見て「良い」とする割合が高い業種は「化学薬品、化学製品及び人造繊維の製

37.8

34.4

17.7

38.9

6.7

6.5

1.8

6.2

5.0

1.4

33.0

16.5

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0

業種及び形態、規模、並びに提供する製品を問わず、あらゆる組織に適用できるのでよい           

組織やその製品の性質によって適用不可能な要求事項の除外を考慮できるのでよい              

選択の幅が広がり、むしろ分かり難い

QMSのモデルが分かり難い

具体的にプロセスをどう構築したらいいのかが分からない

その他

2004年調査組織数 N=695

2003年調査組織数 N=728

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造業」・「食料品、飲料、タバコ等の製造業」・「その他輸送装置製造業」・「その他のサービ

ス業」だった。

一方、「分かり難い、分からない」の割合が高い業種は「機械、装置の製造業」・「非金属

鉱物製品製造業」・「エンジニアリング、研究開発」だった。

44.7

28.8

39.1

33.8

37.0

21.1

45.0

43.2

27.3

27.3

28.6

46.9

28.1

24.7

43.8

29.9

29.2

40.7

47.4

30.0

27.3

36.4

59.1

33.9

31.9

31.3

17.6

15.1

24.1

23.1

14.8

15.8

20.0

18.2

18.2

19.6

9.7

21.9

7.1

10.8

18.2

8.9

10.9

4.7

6.8

6.8

13.6

7.1

6.2

10.5

4.1

4.6

3.7

5.3

4.5

3.5

5.0

4.7

1.9

3.1

2.3

3.1

1.8

1.8

1.9

1.4

1.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

電気的及び光学的装置の製造業(調査組織数N=83,回答数n=85)

建設業(N=69,n=73)

基礎金属、加工金属製品の製造業(N=84,n=87)

機械、装置の製造業(N=65,n=65)

化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業(N=53,n=54)

卸売業、小売業(N=19,n=19)

食料品、飲料、タバコ等の製造業(N=20,n=20)

ゴム・プラスチック製品製造業(N=44,n=44)

非金属鉱物製品製造業(N=11,n=11)

その他輸送装置製造業(自動車、オートバイ等)(N=22,n=22)

エンジニアリング、研究開発(N=54,n=56)

その他のサービス業(N=109,n=113)

その他(N=62,n=64)

業種及び形態、規模、並びに提供する製品を問わず、あらゆる組織に適用できるのでよい

組織やその製品の性質によって、適用不可能な要求事項の除外を考慮できるのでよい

選択の幅が広がり、むしろ分かり難い

QMSのモデルが分かり難い

具体的にプロセスをどう構築したらいいのかが分からない

その他

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13

問 5-4 登録範囲適用の仕方について

登録範囲の適用の仕方については 683 組織の回答があり、「顧客からみて必要なQMSの

機能を全て含んでいるので問題ない」をあげるものが最も多く、316 件(回答組織 46.3%)

と半数近くを占めた。次いで「真に有効に機能するQMSとして必要な範囲は全て含まれ

ているのでよい」が 248 件(同 36.3%)となり、前者と合わせた積極的評価が 80%を超え

る。

一方、「適用範囲に対する組織の自由裁量の余地がない」は 51件(同 7.5%)、「従来、設

計・開発の自覚がなく、適用の概念が理解できない」は 44 件(同 6.4%)、「適用事項除外

の方法が分からない」は 16 件(同 2.3%)となり、消極的な評価は 111 件(同 16.3%)と

なっている。

「その他」13 件では 11 件の記述があったが、「業務と「あらかじめ定められている項目」

を一致させるのに多少無理な点があった」や「企業の事情に合わせた適用範囲も認めるべ

き」といった「適用し難い」という回答が多く、その他には「登録範囲を決めることが必

要なのかどうかわかりづらい」、「社にとっては問題ない」といった記述があった。

2003 年調査と 2004 年調査ではその傾向に大きな変化は現れていない。

なお、複数を選択している組織もあった。

36.3

7.5

1.9

34.5

47.9

6.4

7.2

3.2

2.1

46.3

6.4

2.3

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0

真に有効に機能するQMSとして必要な範囲は全て含まれているのでよい

顧客からみて必要なQMSの機能を全て含んでいるので問題ない

適用範囲に対する組織の自由裁量の余地がない

従来、設計・開発の自覚がなく、適用の概念が理解できない

適用事項除外の方法が分からない

その他

2004年調査組織数 N=683

2003年調査組織数 N=721

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14

次に、業種との関係を次図に示す。多くの業種で「顧客からみて必要なQMSの機能を

全て含んでいるので問題ない」を選択しており、中でも「電気的及び光学的装置の製造業」、

「建設業」、「機械、装置の製造業」、「ゴム・プラスチック製品製造業」、「その他輸送装置

製造業」はその割合が高かった。また、「化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業」と「食

料品、飲料、タバコ等の製造業」では「真に有効に機能するQMSとして必要な範囲は全

て含まれているのでよい」が高く、それぞれ 26 件(回答組織の 49.1%)、12 件(同 60.0%)

だった。

また、「エンジニアリング、研究開発」においては「適用範囲に対する組織の自由裁量の

余地がない」が、「非金属鉱物製品製造業」では「従来、設計・開発の自覚がなく、適用の

概念が理解できない」が他業種より多くなっていることが特徴的である。

36.3

27.5

39.3

35.9

49.1

38.9

60.0

35.6

30.0

36.4

27.8

33.3

34.4

48.8

46.4

45.2

48.4

41.5

44.4

35.0

48.9

40.0

59.1

42.6

45.4

45.9

8.8

8.7

7.1

9.4

20.4

4.6

6.6

8.7

6.0

11.1

20.0

11.1

9.8

8.9

10.0

5.6

5.6

5.0

4.5

2.2

3.8

3.7

4.4

1.9

4.7

3.8

3.7

1.9

1.6

1.2

4.3

1.3

1.3

4.3

1.2

1.9

1.9

3.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

電気的及び光学的装置の製造業(調査組織数N=80,回答数n=80)

建設業(N=68,n=69)

基礎金属、加工金属製品の製造業(N=83,n=84)

機械、装置の製造業(N=64,n=64)

化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業(N=53,n=53)

卸売業、小売業(N=18,n=18)

食料品、飲料、タバコ等の製造業(N=20,n=20)

ゴム・プラスチック製品製造業(N=45,n=45)

非金属鉱物製品製造業(N=10,n=10)

その他輸送装置製造業(自動車、オートバイ等)(N=22,n=22)

エンジニアリング、研究開発(N=54,n=54)

その他のサービス業(N=106,n=108)

その他(N=60,n=61)

真に有効に機能するQMSとして必要な範囲は全て含まれているのでよい

顧客からみて必要なQMSの機能を全て含んでいるので問題ない

適用範囲に対する組織の自由裁量の余地がない

従来、設計・開発の自覚がなく、適用の概念が理解できない

適用事項除外の方法が分からない

その他

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15

問 6 QMS構築の重要なポイント(複数回答)

QMSを構築するにあたって、重要なポイントを聞いた。8項目の設問のうち、「QMS

の有効性の継続的改善」が 443 件(回答組織の 63.3%)あり、最多だった。次いで「顧客

満足」334 件(同 47.7%)、「品質方針・目標の展開」294 件(同 42.0%)、「プロセスアプ

ローチ」290 件(同 41.4%)、「内部監査」255 件(同 36.4%)、「トップの役割強化」177 件

(同 25.3%)、「文書化・標準化」173 件(同 24.7%)、「要員の適正配置と育成」103 件(同

14.7%)である。

「その他」6件は「事業目標を達成するための手段の一つとして有効なシステムとする

こと」、「内部コミュニケーション」、「教育」、「資源の有効的配分」などである。

41.4

24.7

63.3

14.7

0.9

41.8

24.4

32.0

44.9

35.1

49.8

16.1

0.7

25.3

47.7

42.0

36.4

63.0

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0

プロセスアプローチ

文書化・標準化

トップの役割強化

品質方針・目標の展開

内部監査

QMSの有効性の継続的改善

顧客満足

要員の適正配置と育成

その他

2004年調査組織数 N=700

2003年調査組織数 N=735

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16

問 7 活用するための課題(複数回答)

問6に挙げたポイントのうち5項目について推進上の課題を聞いた。

問 7-1 プロセスアプローチについて

プロセスアプローチについてのポイントとしては、「必要なプロセス及び組織への適用の

明確化」296 件(回答組織の 42.4%)が一番多く、次いで「プロセスの順序及び相互関係

の明確化」281 件(同 40.3%)、「個々のプロセスの監視、測定及び分析」256 件(同 36.7%)、

「部課等の組織構造とプロセスの関係付け」169 件(同 24.2%)、「プロセスの効果的、効

率的方法の明確化」161 件(同 23.1%)、「必要な入力項目と出力項目の決定」123 件(1同

7.6%)となっている。「その他」5件では、以下の回答があった。「プロセスアプローチ」

は理解し難く馴染み難いといったものが多い。

・目標の展開。

・この項目は理解し難く、特にポイントを置いていない。

・この用語が馴染めなくて困っている。運用はPDCA徹底を推進中。

・「必要なプロセス及び組織への適用の明確化」をポイントに推進しているが、実情は小企

業には困難である。

・プロセスアプローチは当社には馴染み難い。

42.4

0.7

19.5

27.8

43.1

30.6

1.0

17.6

23.1

36.7

24.2

40.3

39.6

35.4

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0

必要なプロセス及び組織への適用の明確化

プロセスの順序及び相互関係の明確化

必要な入力項目と出力項目の決定

部課等の組織構造とプロセスの関係付け

個々のプロセスの監視、測定及び分析

プロセスの効果的、効率的方法の明確化

その他

2004年調査組織数 N=698

2003年調査組織数 N=729

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17

2003 年調査と比較して、その割合が増えた「必要なプロセス及び組織への適用の明確化」

と反対に割合が減少した「個々のプロセスの監視、測定及び分析」を業種別にみると下図

のようになる。

「必要なプロセス及び組織への適用の明確化」では、「電気的及び光学的装置の製造業」、

「建設業」、「機械、装置の製造業」、「化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業」で 2003

年調査より割合が増えている。一方、「個々のプロセスの監視、測定及び分析」では「電気

的及び光学的装置の製造業」、「建設業」、「食料品、飲料、タバコ等の製造業」、「その他の

サービス業」で減少していた。

必要なプロセス及び組織への適用の明確化

20.8

21.6

24.4

21.1

24.1

23.7

20.0

10.7

15.4

15.4

23.2

22.4

21.1

20.0

25.7

23.6

28.0

27.5

14.8

19.8

11.9

16.9

17.8

18.7

13.2

14.5

23.8

0.010.020.030.040.0%

2004年調査

2003年調査

個々のプロセスの監視、測定及び分析

18.7

20.8

25.0

26.9

26.8

19.5

29.4

18.4

18.1

18.4

15.9

32.1

25.6

20.4

19.4

19.9

17.9

17.1

16.2

24.2

16.0

7.5

15.0

16.9

26.6

26.7

20.3

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 %

2004年調査

2003年調査

電気的及び光学的装置の製造業

建設業

基礎金属、加工金属製品の製造業

機械、装置の製造業

化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業

卸売業、小売業

食料品、飲料、タバコ等の製造業

ゴム・プラスチック製品製造業

非金属鉱物製品製造業

造船業

航空宇宙産業

その他輸送装置製造業(自動車、オートバイ等)

エンジニアリング、研究開発

その他のサービス業

その他

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18

問 7-2 文書化について

文書化についてのポイントでは 699 組織の回答があり、そのうち過半数を超える 357 件

(回答組織の 51.1%)が「QMSに必要な文書の決定」を選択した。文書化するに際して、

文書の決定に課題意識をもっていると推測される。次は「文書内容の詳細の程度」269 件(同

38.5%)であり、「文書の見直し方法と最新版文書の徹底方法」167 件(同 23.9%)、「品質

マニュアルの記述内容及びスタイル」108 件(同 15.5%)であった。「その他」14 件では、

主なものに「スリム化・シンプル化」、「継続的改善のための文書の適切化」、「効率的・有

効的な文書にする」などがあった。

2003 年調査と比較すると、「QMSに必要な文書の決定」と「文書内容の詳細の程度」が

逆転している。「QMSに必要な文書の決定」では 2003 年調査は回答組織の 35.5%だった

が 2004 年には同 51.1%と半数を超え、一方の「文書内容の詳細の程度」では 2003 年調査

が同 55.1%で半数を超えていたが、2004 年調査では同 38.5%と減っている。

51.1

15.5

55.1

16.0

24.9

2.5

38.5

23.9

2.0

35.5

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0

QMSに必要な文書の決定

文書内容の詳細の程度

品質マニュアルの記述内容及びスタイル

文書の見直し方法と最新版文書の徹底方法

その他

2004年調査組織数 N=699

2003年調査組織数 N=724

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2003 年調査と比較してその割合が増えた「QMSに必要な文書の決定」と、反対に割合

が減少した「文書内容の詳細の程度」を業種別にみると下図のようになる。

「QMSに必要な文書の決定」では、全ての業種が増加していた。特に「電気的及び光

学的装置の製造業」、「機械、装置の製造業」、「化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業」、

「卸売業、小売業」、「食料品、飲料、タバコ等の製造業」、「その他のサービス業」は 2003

年調査よりその割合は大きく増えている。

一方、「文書内容の詳細の程度」は全ての業種で減少しており、中でも「基礎金属、加工

金属製品の製造業」、「化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業」、「卸売業、小売業」、「食

料品、飲料、タバコ等の製造業」、「エンジニアリング、研究開発」、「その他のサービス業」

は大きく減少していた。

文書内容の詳細の程度

33.1

27.4

20.3

32.1

32.5

34.0

47.4

38.2

48.3

39.0

33.3

42.9

40.0

39.9

33.3

23.1

40.2

26.2

25.7

22.2

30.0

28.9

47.8

40.0

41.8

35.9

25.0

0.0 20.0 40.0 60.0 %

2004年調査

2003年調査

QMSに必要な文書の決定

41.7

47.5

39.3

37.3

33.3

23.8

50.0

30.5

43.0

48.6

48.1

31.4

39.4

30.5

33.3

24.1

28.1

43.8

34.1

26.5

21.3

23.6

24.0

25.3

25.6

27.2

25.7

0.020.040.060.0%

2004年調査

2003年調査

電気的及び光学的装置の製造業

建設業

基礎金属、加工金属製品の製造業

機械、装置の製造業

化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業

卸売業、小売業

食料品、飲料、タバコ等の製造業

ゴム・プラスチック製品製造業

非金属鉱物製品製造業

造船業

航空宇宙産業

その他輸送装置製造業(自動車、オートバイ等)

エンジニアリング、研究開発

その他のサービス業

その他

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20

問 7-3 トップの役割強化について

トップの役割強化の項では、「トップの方針を組織全体に伝達する手段」が 344 件(回答

組織の 49.1%)と最も多く、次に「トップへの情報フィードバックの仕組み」の 245 件(同

35.0%)が多かった。どちらも情報伝達に関することであり、トップと従業員間の情報の

遣り取りにポイントを置いているということが推測できる。また、「トップによる役割の確

実な実行」は 201 件(同 28.7%)、「トップの役割の明確化」は 153 件(同 21.9%)であっ

た。「その他」6件では5件の記述があり、「目標の立案」、「トップによるQMSの診断」

などがあった。

2003 年調査と比較すると、「トップによる役割の確実な実行」と「トップの方針を組織全

体に伝達する手段」の割合が逆転していることが特徴的である。

2003 年調査に比較して大きくその割合が変化した「トップによる役割の確実な実行」と「ト

ップの方針を組織全体に伝達する手段」を規模別に見ると下図のようになる。

21.9

49.1

18.6

45.9

37.2

0.8

0.9

35.0

28.7

35.8

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0

トップの役割の明確化

トップによる役割の確実な実行

トップの方針を組織全体に伝達する手段

トップへの情報フィードバックの仕組み

その他

2004年調査組織数 N=700

2003年調査組織数 N=724

トップによる役割の確実な実行

29.0

33.5

35.8

33.6

20.2

21.4

23.4

26.3

36.2

19.1

0.0 20.0 40.0 60.0

50人以下

51~100人

101~300人

301~500人

501人以上

2004年調査

2003年調査

トップの方針を組織全体に伝達する手段

27.9

26.4

18.9

23.0

39.7

36.5

33.8

31.3

27.6

34.5

0.0 20.0 40.0 60.0

50人以下

51~100人

101~300人

301~500人

501人以上

2004年調査

2003年調査

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21

「トップによる役割の確実な実行」では全ての規模で減少、「トップの方針を組織全体に

伝達する手段」では全ての組織で増加していた。

この2つを業種で見ると次のようになる。業種でも組織規模と同様に「トップによる役

割の確実な実行」は全てで減少、「トップの方針を組織全体に伝達する手段」は全てで増加

していた。

特に「トップによる役割の確実な実行」では「化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造

業」、「食料品、飲料、タバコ等の製造業」が、「トップの方針を組織全体に伝達する手段」

では「卸売業、小売業」、「食料品、飲料、タバコ等の製造業」、「ゴム・プラスチック製品

製造業」、「非金属鉱物製品製造業」でその割合は大きく変化していた。

トップの方針を組織全体に伝達する手段

40.8

39.3

21.4

39.1

26.1

39.3

34.1

34.6

38.0

46.4

23.3

33.3

39.5

53.6

35.7

29.0

34.1

36.8

25.0

29.0

25.0

12.1

17.2

22.9

25.9

13.3

24.4

0.0 20.0 40.0 60.0 %

2004年調査

2003年調査

トップによる役割の確実な実行

28.6

43.5

26.1

18.0

14.3

15.8

20.4

11.3

17.9

21.9

26.9

30.9

14.3

22.6

24.2

25.0

35.8

37.5

27.1

43.3

33.9

33.3

44.8

34.1

44.8

33.3

19.4

0.020.040.060.0%

2004年調査

2003年調査

電気的及び光学的装置の製造業

建設業

基礎金属、加工金属製品の製造業

機械、装置の製造業

化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業

卸売業、小売業

食料品、飲料、タバコ等の製造業

ゴム・プラスチック製品製造業

非金属鉱物製品製造業

造船業

航空宇宙産業

その他輸送装置製造業(自動車、オートバイ等)

エンジニアリング、研究開発

その他のサービス業

その他

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22

問 7-4 QMSの有効性の継続的改善について

QMSの有効性の継続的改善に関して最も多かったのは、「システムの有効性と製品又

はサービスの質向上とのつながり」の 241 件(回答組織の 34.5%)である。以下「内部監

査と内部監査員の充実」210 件(同 30.0%)、「マネジメントレビューの強化」186 件(同

26.6%)、「継続的改善の方法」180 件(同 25.8%)、「顧客満足などのデータの解析」176 件

(同 25.2%)、「有効性を測定する指標の決定」158 件(同 22.6%)が並んでいる。「その他」

4件では、「苦情情報の解析」、「組織全体への継続的思考の強化」などの記述があった。

2003 年調査と比べると、「有効性を測定する指標の決定」が 2003 年調査で最多だったの

が、2004 年では最少になっていることが特徴的である。また、システムの形を整える内容

が減り、「システムの有効性と製品又はサービスの質向上とのつながり」や「マネジメント

レビューの強化」といった業務と繋がりのある内容の割合が増加していることから、QM

Sに対する意識が「システムの構築」から「業務改善」へと変わってきたものと推測され

る。

0.6

40.7

30.5

31.0

32.0

0.5

25.8

30.0

22.6

34.5

26.6

25.2

24.9

29.3

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0

有効性を測定する指標の決定

システムの有効性と製品又はサービスの質向上とのつながり

内部監査と内部監査員の充実

マネジメントレビューの強化

顧客満足などのデータの解析

継続的改善の方法

その他

2004年調査組織数 N=699

2003年調査組織数 N=728

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23

2003 年調査と比較してその割合が減少した「有効性を測定する指標の決定」と、反対に

割合が増加した「システムの有効性と製品又はサービスの質向上とのつながり」を業種別

にみると下図のようになる。

「有効性を測定する指標の決定」は全ての業種で減少しており、中でも「建設業」、「機

械、装置の製造業」、「化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業」、「エンジニアリング、

研究開発」は大きく減少していた。

一方、「システムの有効性と製品又はサービスの質向上とのつながり」では、「建設業」、

「卸売業、小売業」、「食料品、飲料、タバコ等の製造業」、「非金属鉱物製品製造業」で 2003

年調査よりその割合は大きく増えている。

システムの有効性と製品又はサービスの質向上とのつながり

24.1

14.1

11.8

10.0

24.1

44.4

28.1

26.5

18.1

16.1

23.1

14.5

23.4

20.4

20.4

14.2

10.8

14.8

18.2

21.4

13.4

17.0

16.1

21.6

16.7

14.8

7.5

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 %

2004年調査

2003年調査

有効性を測定する指標の決定

17.6

20.0

20.7

12.4

13.3

15.6

7.8

22.5

6.9

15.4

4.8

15.6

14.2

22.2

14.1

20.0

19.2

16.7

21.3

29.3

23.0

20.9

32.4

20.8

27.3

18.3

25.5

0.010.020.030.040.050.0%

2004年調査

2003年調査

電気的及び光学的装置の製造業

建設業

基礎金属、加工金属製品の製造業

機械、装置の製造業

化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業

卸売業、小売業

食料品、飲料、タバコ等の製造業

ゴム・プラスチック製品製造業

非金属鉱物製品製造業

造船業

航空宇宙産業

その他輸送装置製造業(自動車、オートバイ等)

エンジニアリング、研究開発

その他のサービス業

その他

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24

問 7-5 顧客満足について

顧客満足について 696 組織の回答があり、「顧客満足指標の収集方法」が 321 件(回答組

織の 46.1%)と約半数の組織で選択していた。「顧客とのコミュニケーションの方法」は

260 件(同 37.4%)、「顧客満足を測定する指標の決定」は 219 件(同 31.5%)だった。「そ

の他」9件には、「顧客満足指標の結果をいかに満足に結びつけるか」、「顧客の意見を分析

し、自社のシステム・製品を改善し、より良くしていくこと」等の記述があった。

2003 年調査と比較すると、ここでもシステムの形を整えることより、顧客とのコミュニ

ケーションといった業務と繋がりのある内容の割合が増加しており、問 7-4 同様、QMS

に対する意識が「システムの構築」から「業務改善」へと変わってきたものと推測される。

顧客満足について業種との関係に着目し下図に示した。「顧客満足を測定する指標の

決定」は「食料品、飲料、タバコ等の製造業」と「非金属鉱物製品製造業」で割合が高

くなっている。また、「顧客満足指標(データ)の収集方法」は「建設業」、「機械、装置

の製造業」、「化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業」、「ゴム・プラスチック製品製

造業」、「その他輸送装置製造業」で高く、「顧客とのコミュニケーションの方法」では「エ

ンジニアリング、研究開発」で高かった。業種により特徴が表れている。

31.5

37.4

52.1

49.9

26.4

3.5

46.1

1.3

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0

顧客満足を測定する指標の決定

顧客満足指標(データ)の収集方法

顧客とのコミュニケーションの方法

その他

2004年調査組織数 N=696

2003年調査組織数 N=720

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25

2003 年調査と比較してその割合が大きく変化した「顧客満足を測定する指標の決定」と

「顧客とのコミュニケーションの方法」を業種別にみると下図のようになる。

「顧客満足を測定する指標の決定」では「電気的及び光学的装置の製造業」、「化学薬品、

化学製品及び人造繊維の製造業」、「卸売業、小売業」、「ゴム・プラスチック製品製造業」、

「エンジニアリング、研究開発」、「その他のサービス業」が大きく減少していた。

一方、「顧客とのコミュニケーションの方法」では、「電気的及び光学的装置の製造業」、

「建設業」、「基礎金属、加工金属製品の製造業」、「卸売業、小売業」、「エンジニアリング、

研究開発」、「その他のサービス業」で 2003 年調査よりその割合は大きく増えている。

また、この 2 つの組織規模による違いは見られなかった。

30.6

21.8

29.7

28.8

28.6

29.2

50.0

21.2

41.7

28.0

26.2

21.9

25.0

38.8

42.3

37.6

45.2

46.0

33.3

27.3

44.2

33.3

40.0

31.1

38.3

43.1

28.6

34.6

31.7

24.7

25.4

37.5

18.2

34.6

25.0

32.0

41.0

39.1

30.6 1.4

0.8

1.6

4.5

1.4

1.0

1.3

2.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

電気的及び光学的装置の製造業(調査組織数N=83,回答数n=98)

建設業(N=69,n=78)

基礎金属、加工金属製品の製造業(N=84,n=101)

機械、装置の製造業(N=65,n=73)

化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業(N=53,n=63)

卸売業、小売業(N=19,n=24)

食料品、飲料、タバコ等の製造業(N=20,n=22)

ゴム・プラスチック製品製造業(N=45,n=52)

非金属鉱物製品製造業(N=11,n=12)

その他輸送装置製造業(自動車、オートバイ等)(N=22,n=25)

エンジニアリング、研究開発(N=55,n=61)

その他のサービス業(N=109,n=128)

その他(N=61,n=72)

顧客満足を測定する指標の決定 顧客満足指標(データ)の収集方法 顧客とのコミュニケーションの方法 その他

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26

顧客とのコミュニケーションの方法

20.0

31.8

31.7

34.6

32.0

25.0

18.2

34.6

28.6

25.4

37.5

41.0

39.1

30.6

24.7

22.7

18.8

21.3

20.0

26.5

16.7

14.8

19.9

14.0

18.9

21.1

8.7

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 %

2004年調査

2003年調査

顧客満足を測定する指標の決定

28.0

44.0

36.4

21.2

41.7

29.7

21.9

26.2

29.2

28.6

30.6

21.8

50.0

28.8

25.0

40.7

36.7

35.6

40.3

46.9

34.4

50.0

46.3

36.8

50.0

34.0

60.9

0.020.040.060.080.0%

2004年調査

2003年調査

電気的及び光学的装置の製造業

建設業

基礎金属、加工金属製品の製造業

機械、装置の製造業

化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業

卸売業、小売業

食料品、飲料、タバコ等の製造業

ゴム・プラスチック製品製造業

非金属鉱物製品製造業

造船業

航空宇宙産業

その他輸送装置製造業(自動車、オートバイ等)

エンジニアリング、研究開発

その他のサービス業

その他

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27

Ⅲ 内部監査について

問 8 内部監査を行う目的(複数回答)

内部監査を行う目的では、「QMSのレベルアップをはかるため」388 件(回答組織の

55.4%)、「ISO 9001:2000 への規格に適合しているかを見るため」334 件(同 47.7%)、「組

織活動のパフォーマンスを向上させるため」320 件(同 45.7%)の3項目が多い。次いで

「基本動作の徹底をはかるため」209 件(同 29.9%)、「事業戦略の達成・顧客満足の向上

を図るため」198 件(同 28.3%)が上位を占める。「取引先の監査を減らすため」や「リス

ク管理の観点から」は少なく、特に「取引先の監査を減らすため」を目的にしている組織

は2件とごく僅かだった。

次に組織規模との関係をみる。

334

168

2

198

320

388

36

209

0 100 200 300 400

ISO9001:2000への規格に適合しているかを見るため

規格に要求されているため/第三者審査の準備のため

取引先の監査を減らすため

事業戦略の達成・顧客満足の向上をはかるため

組織活動のパフォーマンスを向上させるため

QMSのレベルアップをはかるため

リスク管理の観点から

基本動作の徹底をはかるため

N=700

21.2

20.2

20.0

19.5

18.1

11.6

11.6

8.9

7.8

7.6

14.8

9.3

10.2

10.5

15.6

18.5

21.7

24.2

22.8

19.9

23.4

24.8

28.9

26.9

14.8

12.1

12.0

9.4

11.1

0.2

0.2

12.4

2.9

1.9

1.9

3.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

50人以下(N=231,n=533)

51~100人(N=156,n=372)

101~300人(N=190,n=451)

301~500人(N=55,n=128)

501人以上(調査組織数N=68,回答数n=171)

ISO9001:2000への規格に適合しているかを見るため 規格に要求されているため/第三者審査の準備のため

取引先の監査を減らすため 事業戦略の達成・顧客満足の向上をはかるため

組織活動のパフォーマンスを向上させるため QMSのレベルアップをはかるため

リスク管理の観点から 基本動作の徹底をはかるため

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28

多少の入れ替わりはあるものの、「ISO 9001:2000への規格に適合しているかを見るため」

や「規格に要求されているため/第三者審査の準備のため」、「基本動作の徹底をはかるた

め」では小規模組織になればなるほどその割合は高くなり、反対に「組織活動のパフォー

マンスを向上させるため」と「QMSのレベルアップをはかるため」では大規模組織にな

るほどその割合が高くなっていく傾向にある。小規模組織ほど規格に適合しているかとい

うような基本的なものに内部監査の目的を置き、大規模組織ほど組織活動等に関連するこ

とに目的を置いていると推測される。また、「事業戦略の達成・顧客満足の向上をはかるた

め」では大規模または小規模になるにつれその割合は高くなっていた。「リスク管理の観点

から」に関しては規模による有意性は見られなかった。

一方、業種別にみた特徴では、回答の多かった「QMSのレベルアップをはかるため」

では「基礎金属、加工金属製品の製造業」、「化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業」、

「食料品、飲料、タバコ等の製造業」、「ゴム・プラスチック製品製造業」などで割合が高

く、「ISO 9001:2000 への規格に適合しているかを見るため」では「電気的及び光学的装置

の製造業」、「機械、装置の製造業」、「非金属鉱物製品製造業」などで割合が高いというこ

とがあげられる。また、「非金属鉱物製品製造業」は「組織活動のパフォーマンスを向上さ

せるため」において突出していた。

23.7

21.4

18.7

21.8

19.7

16.1

20.5

17.8

22.2

21.3

20.6

21.1

15.8

9.1

13.6

7.8

10.6

9.8

8.9

6.8

11.2

8.5

13.7

11.7

7.6

8.6

18.8

10.4

10.6

13.6

19.6

11.4

12.1

7.4

6.4

13.7

10.2

12.7

22.7

9.1

22.3

19.7

18.2

19.6

22.7

17.8

37.0

23.4

16.8

16.5

24.7

22.7

22.7

26.4

23.9

25.8

21.4

27.3

25.2

18.5

23.4

18.3

22.2

24.7

6.8

13.1

12.3

12.4

9.9

11.4

12.5

12.1

7.4

14.9

13.7

15.8

12.7

3.7

0.7

0.9

1.9

2.6

3.1

2.1

3.7

2.8

1.8

1.5

2.8

2.1

1.9

4.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

電気的及び光学的装置の製造業(調査組織数N=83,回答数n=198)

建設業(N=70,n=154)

基礎金属、加工金属製品の製造業(N=84,n=193)

機械、装置の製造業(N=65,n=142)

化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業(N=53,n=132)

卸売業、小売業(N=19,n=56)

食料品、飲料、タバコ等の製造業(N=20,n=44)

ゴム・プラスチック製品製造業(N=45,n=107)

非金属鉱物製品製造業(N=11,n=27)

その他輸送装置製造業(自動車、オートバイ等)(N=22,n=47)

エンジニアリング、研究開発(N=55,n=131)

その他のサービス業(N=111,n=266)

その他(N=62,n=158)

ISO9001:2000への規格に適合しているかを見るため 規格に要求されているため/第三者審査の準備のため

取引先の監査を減らすため 事業戦略の達成・顧客満足の向上をはかるため

組織活動のパフォーマンスを向上させるため QMSのレベルアップをはかるため

リスク管理の観点から 基本動作の徹底をはかるため

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29

問 9 目的達成の度合い

問8の目的をどの程度達成したかを聞いた。「まあまあ達成した」が回答組織の 45.8%を

占めて最も多く、次いで「やや不十分」が 43.3%、「不十分」8.4%、「十分達成した」2.4%

の順である。「やや不十分」と「不十分」の計は 51.7%となり「まあまあ達成した」と「十

分達成した」の計は 48.2%となっている。

そこで、問8との関係についてみると、問8で一番多くの組織で選択されていた「QM

Sのレベルアップをはかるため」では「やや不十分」と「不十分」の計が 55.2%を占め、

また、「組織活動のパフォーマンスを向上させるため」は「やや不十分」と「不十分」の計

が 57.5%と一番多かった。この2項目に関しては達成についてまだ不十分であると感じて

いる。一方、「ISO 9001:2000 への規格に適合しているかを見るため」と「リスク管理の観

点から」では「十分達成した」と「まあまあ達成した」が半数を超え、達成したとみてい

る組織が多かった。

十分達成した2.4%

不十分8.4%

まあまあ達成した

45.8%

やや不十分43.3%

N=699

53.8

45.2

100.0

47.5

40.9

43.6

52.8

45.5

39.0

42.3

44.9

47.8

47.4

38.9

41.1

9.5

9.7

7.7

8.3

10.5

2.7

3.0

2.5

1.6

1.3

2.9

5.1

4.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

ISO9001:2000への規格に適合しているかを見るため(n=333)

規格に要求されているため/第三者審査の準備のため(n=168)

取引先の監査を減らすため(n=2)

事業戦略の達成・顧客満足の向上をはかるため(n=198)

組織活動のパフォーマンスを向上させるため(n=320)

QMSのレベルアップをはかるため(n=388)

リスク管理の観点から(n=36)

基本動作の徹底をはかるため(n=209)

十分達成した まあまあ達成した やや不十分 不十分

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30

問 10 内部監査チームの編成

内部監査チームはどのような狙いのもとに編成しているかという問に対し、699 組織の回

答があった。「次世代の内部監査員の育成を念頭に、新しい監査員を入れて構成する」が 336

件(回答組織の 48.1%)と、約半数の組織で次世代の内部監査員の育成を視野に入れたチ

ーム編成としていた。次に「監査の成果をあげるため、十分に経験を積んだベテランのみ

で構成している」192 件(同 27.5%)、「部門の教育効果を狙い、活動の遅れている部門の

監査員を入れる」132 件(同 18.9%)と続く。

「その他」66件では 63件の記述があり、「役職・管理職で構成」9件、「全部門より選出」

7件、「ベテランと若手・各部門監査員」6件、「全員参加」4件等があった。

なお、複数を選択している組織もあった。

これを組織規模との関係に着目し、次図に示した。どの規模の組織でも「次世代の内部

監査員の育成を念頭に、新しい監査員を入れて構成する」が一番多かったが、中でも「101

~300 人」と「501 人以上」の組織では半数を超えていた。一方、100 人以下の組織では「監

査の成果をあげるため、十分に経験を積んだベテランのみで構成している」や「部門の教

育効果を狙い、活動の遅れている部門の監査員を入れる」で 101 人以上の組織よりその割

合が多かった。

192

132

336

66

0 100 200 300 400

監査の成果をあげるため、十分に経験を積んだベテランのみで構成している

部門の教育効果を狙い、活動の遅れている部門の監査員を入れる

次世代の内部監査員の育成を念頭に、新しい監査員を入れて構成する

その他

N=699

29.8

28.8

23.1

21.4

23.0

24.4

19.0

13.3

16.1

10.8

33.6

49.1

54.9

44.6

59.5

12.2

8.7

17.9

6.8

3.1

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

50人以下(N=230,n=238)

51~100人(N=156,n=163)

101~300人(N=190,n=195)

301~500人(N=55,n=56)

501人以上(調査組織数N=68,回答数n=74)

監査の成果をあげるため、十分に経験を積んだベテランのみで構成している

部門の教育効果を狙い、活動の遅れている部門の監査員を入れる

次世代の内部監査員の育成を念頭に、新しい監査員を入れて構成する

その他

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31

問 11 内部監査員の研修(複数回答)

内部監査員の研修はどのような人を対象に行っているかについて質問したところ、696組

織の回答があった。「中堅社員(品質保証担当も含めた幅広い人材)」が 389 件(回答組織

の 55.9%)で最多、次に「管理職(品質保証担当も含めた幅広い人材)」が 375 件(同 53.9%)

で続き、この2項目では半数を超えている。一方、「管理職(品質保証担当に限る)」30 件

(同 4.3%)や「中堅社員(品質保証担当に限る)」33 件(同 4.7%)といった、品質保証

担当に限った研修は5%にも満たず、幅広い人材を対象に研修を行っていることがわかる。

また、「管理責任者」は 162 件(同 23.3%)、「現場の監督者層」は 206 件(同 29.6%)だ

った。

これを組織規模との関係でみたのが下図である。概して大規模組織のほうが幅広い人材

を研修対象としており、小規模組織の方は「管理責任者」が多い。

162

30

375

206

33

389

78

0 100 200 300 400

管理責任者

管理職(品質保証担当に限る)

管理職(品質保証担当も含めた幅広い人材)

現場の監督者層

中堅社員(品質保証担当に限る)

中堅社員(品質保証担当も含めた幅広い人材)

入社5年程度の若手

N=696

20.1

11.6

8.7

8.0

6.0

22.3

28.3

32.9

40.0

37.3

16.5

17.8

15.6

15.0

14.2

26.1

33.0

32.7

31.0

33.6

9.1

5.1

5.2

4.5

3.4

1.8

2.3

1.0

1.5

2.4

2.5

2.6

3.0

3.0

2.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

50人以下(N=230,n=417)

51~100人(N=154,n=276)

101~300人(N=189,n=346)

301~500人(N=55,n=100)

501人以上(調査組織数N=68,回答数n=134)

管理責任者 管理職(品質保証担当に限る)

管理職(品質保証担当も含めた幅広い人材) 現場の監督者層

中堅社員(品質保証担当に限る) 中堅社員(品質保証担当も含めた幅広い人材)

入社5年程度の若手

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32

問 12 内部監査員育成のためのプログラム

内部監査員育成のためのプログラムを持っているか質問した。693 件の回答があり、「持

っている」が 239 件(34.5%)、「持っていない」は 454 件(65.5%)とプログラムを持っ

ている組織は少なかった。

問 12-1 内部監査員育成のためのプログラムの内容

問 12で内部監査員育成のためのプログラムを持っていると回答した 239 組織のうち、217

組織で記述があった。その内容を以下の7項目に分けた。

「社内のみ」で行なっているのは 56.2%と半数以上を占めた。「外部機関と社内」や「外

部機関にて研修後、実地研修」といった一部外部機関も利用しているのを含めると 65.4%

になる。「外部機関のみ」は 14.7%と低いことから、多くの組織において社内で何らかの研

修が行なわれていることが推測できる。

更に「社内のみ」の内訳を5項目に分けた。「講習のみ」が 55 件(45.1%)と圧倒的に

多く、次に「講習と実地」27 件(22.1%)、「講習とテスト」15 件(12.3%)が続く。「講

習と実地とテスト」は 11件(9.0%)と少なかった。

外部機関のみ14.7%

社内のみ56.2%

その他9.2%

実地研修が主5.1%

外部機関にて研修後、実地研修

2.8%

外部機関又は社内5.5%

外部機関と社内6.5%

持っている34.5%

持っていない65.5%

N=693

N=217

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33

問 13 内部監査員の経験と人事評価に関係(複数回答)

内部監査員の経験と人事評価を関係づけているかについて、664 組織の回答があった。「特

に関係させていない」が 638 件(回答組織の 96.1%)とそのほとんどを占め、これ以外の

「昇格の評価対象としている」17 件(同 2.6%)、「内部監査員手当を支給している」5件

(同 0.8%)、「その他」7件(1.1%)は3%未満にとどまった。現時点では内部監査の経

験は人事評価には結びついていないことが浮き彫りになっている。

講習のみ45.1%

講習とテスト12.3%

その他11.5%

講習と実地とテスト9.0%

講習と実地22.1%

N=122

5

17

638

7

0 100 200 300 400 500 600 700

内部監査員手当を支給している

昇格の評価対象としている

特に関係させていない

その他

N=664

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34

問 14 内部監査の年間スケジュールについて(複数回答)

内部監査の年間スケジュールはどのような観点で決定・実施しているかについて質問し

た。696 組織の回答があり、「品質目標のフォローを目的として、半期あるいは四半期ごと

に実施」が 414 件(回答組織の 59.5%)と最多だった。次に「審査登録機関が行なうサー

ベイランス等の審査前に実施」218 件(同 31.3%)、「マネジメントレビューに合わせて実

施」215 件(同 30.9%)が続く。

一方「重要な問題が起きた時に実施」54 件(同 7.8%)や「顧客が行う監査(第二者監

査)の前に実施」9件(1.3%)を選択した組織は少なかった。

問 15 内部監査の回数と形態について

問 15-1 実施した回数

2003 年9月~2004 年8月の間に何回内部監査を実施したかを聞いた。695 件の回答があ

り、2回が 407 件(回答組織の 58.6%)で最多だった。次いで1回 121 件(同 17.4%)と

なり、2回以下が 76%を占める。3回は 65 件(道 9.4%)、4回は 36 件(同 5.2%)であ

る。6回以上の回答については、社内部署ごとに実施した内部監査の回数を合計したもの

と思われる。

414

9

218

113

54

215

71

0 100 200 300 400 500

品質目標のフォローを目的として、半期あるいは四半期ごとに実施

顧客が行う監査(第二者監査)の前に実施

審査登録機関が行うサーベイランス等の審査の前に実施

業務の進行状況の確認のために実施

重要な問題が起きた時に実施

マネジメントレビューに合わせて実施

前年度の結果を受けて実施

121

407

65

36

11

12

24

8

11

0 100 200 300 400 500

1回

2回

3回

4回

5回

6-10回

11-20回

21-30回

31回以上

N=695

N=696

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35

問 15-2 内部監査の実施方法

内部監査はどのように実施しているかを聞いた。698 件の回答中、「各部門均等回数で実

施した」が 554 件(回答組織の 79.4%)だった。「部門により異なる回数で実施した」は

144 件(20.6%)である。

問 16 検出された結果の評価(複数回答)

内部監査により検出された結果をどのように評価しているかは、「重要な不適合、軽微な

不適合、改善指摘に分類している」が 448 件(回答組織の 64.0%)で最多だった。次いで

「不適合の有無というより、マネジメントシステムをどのように改善するかの観点での改

善指摘としている」が 250 件(同 35.7%)、「第三者審査と同じように、不適合の事実が確

認できたもののみを不適合としている」が 226 件(32.3%)で続いた。「検出された問題点

すべてを不適合としている」は 35件(5.0%)と少なかった。

そこで、問8の内部監査を行う目的との関係をみてみると、どの目的でも「重要な不適

合、軽微な不適合、改善指摘に分類している」が多くを占めており、中でも「基本動作の

徹底をはかるため」、「QMSのレベルアップをはかるため」、「規格に要求されているため

/第三者審査の準備のため」等でその占める割合が高くなっている。

部門により異なる回数で実施した

20.6%

各部門均等回数で実施した

79.4%

N=698

226

35

250

448

17

0 100 200 300 400 500

第三者審査と同じように、不適合の事実が確認できたも

ののみを不適合としている             

検出された問題点すべてを不適合としている     

不適合の有無というより、マネジメントシステムをどの

のように改善するかの観点での改善指摘としている  

重要な不適合、軽微な不適合、改善指摘に分類している

その他

N=700

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36

「不適合の有無というより、マネジメントシステムをどのように改善するかの観点での

改善指摘としている」と「第三者審査と同じように、不適合の事実が確認できたもののみ

を不適合としている」では、「ISO 9001:2000 への規格に適合しているかを見るため」や「規

格に要求されているため/第三者審査の準備のため」、「基本動作の徹底をはかるため」と

いった直接業務に繋がらない目的において「第三者審査と同じように、不適合の事実が確

認できたもののみを不適合としている」の方が高く、「QMSのレベルアップをはかるた

め」といった直接業務に繋がる目的では、「不適合の有無というより、マネジメントシステ

ムをどのように改善するかの観点での改善指摘としている」のほうが高い傾向が見られる。

17.6

33.3

22.6

23.5

33.3

29.8

27.1

25.5

37.3

22.7

45.2

33.3

44.7

46.7

41.2

47.425.8

22.7

21.5

20.9

26.1

27.5

3.4

2.0

3.2

4.3

3.9

4.3

3.9

43.9

42.6

0.7

2.0

1.9

2.4

2.8

0.9

2.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

ISO9001:2000への規格に適合しているかを見るため(n=487)

規格に要求されているため/第三者審査の準備のため(n=230)

取引先の監査を減らすため(n=3)

事業戦略の達成・顧客満足の向上をはかるため(n=282)

組織活動のパフォーマンスを向上させるため(n=465)

QMSのレベルアップをはかるため(n=565)

リスク管理の観点から(n=51)

基本動作の徹底をはかるため(n=291)

第三者審査と同じように、不適合の事実が確認できたもののみを不適合としている

検出された問題点すべてを不適合としている

不適合の有無というより、マネジメントシステムをどのように改善するかの観点での改善指摘としている

重要な不適合、軽微な不適合、改善指摘に分類している

その他

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問 17 検出された指摘に対する処置

検出された指摘に対し、どのような処置を実施しているかについて 700 組織の回答を得

た。「指摘された内容を、要求に合うように直している」が 360 件(回答組織の 51.4%)で

最多となり、以降、「同種不具合の再発防止を目的として、水平展開をしている」161 件(同

23.0%)、「解析をして処置を取っている」154 件(同 22.0%)、「時間をかけて、確実な再

発防止をかけている」86件(同 12.3%)と続いている。

しかし、検出された指摘の解析や再発防止のための行動をしているものを合計すると、

401 件(回答組織の 57.3%)となり、規格で要求されている是正処置に対して半数しか行

なっていない。

なお、複数を選択している組織もあった。

次に組織規模との関係を見ると、500 人以下の組織と 501 人以上の組織で大きな違いが出

た。500 人以下では「指摘された内容を、要求に合うように直している」が多くを占めてい

るが、501 人以上ではその割合は 27.3%と減り、代わりに「同種不具合の再発防止を目的

として、水平展開をしている」が 35.1%と他の組織規模より突出していた。また、「時間を

かけて、確実な再発防止をかけている」でも 501 人以上が他のおよそ2倍の割合になって

いる。

360

154

86

161

0 100 200 300 400

指摘された内容を、要求に合うように直している(修正)

解析をして処置を取っている

時間をかけて、確実な再発防止をかけている

同種不具合の再発防止を目的として、水平展開をしている

N=700

52.7

45.3

48.5

52.4

27.3

18.8

20.3

23.5

19.0

16.9

8.6

11.0

11.8

9.5

20.8

20.0

23.3

16.2

19.0

35.1

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

50人以下(N=231,n=245)

51~100人(N=156,n=172)

101~300人(N=190,n=204)

301~500人(N=55,n=63)

501人以上(調査組織数N=68,回答数n=77)

指摘された内容を、要求に合うように直している(修正) 解析をして処置を取っている

時間をかけて、確実な再発防止をかけている 同種不具合の再発防止を目的として、水平展開をしている

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38

問 18 内部監査結果の報告

内部監査の結果をどのように報告しているかを聞いた。699 組織の回答中、「組織全体の

問題点が分かるように、不適合をまとめてトップに報告している」が 431 件(回答組織の

の 61.7%)と群を抜いて選択されていた。次いで「部門ごとに不適合の件数をトップに報

告している」が 152 件(同 21.7%)、「監査結果を分析して、強み・弱みを報告するととも

に改善点を明確にしている」122 件(同 17.5%)が続いている。「部門ごとの報告をそれぞ

れの部門内部にのみ報告している」22 件(同 3.1%)と「部門によって取り扱いを変えて

いる」7件(同 1.0%)は5%未満とほとんど選択されていなかった。「その他」24件のう

ち一部を以下に記す。

・全監査結果をトップマネジメントが目を通し、確認している。

・イントラネットを使用しているので、全従業員に報告されている。

・すべての指摘事項をすべての部署に報告。すべての部署結果にトップのコメントを加え

る。

・部門毎に結果をまとめ、トップを始め部門長全員に報告している。

・トップ、主任監査員、被監査箇所代表者を含めた総括会議を開催。報告を行い、情報の

共有化に努めている。

・全部門の結果報告書、チェックシート、注記/不適合記録をQMSメンバーに配布し共

有している。

なお、複数を選択している組織もあった。

152

431

122

22

7

24

0 100 200 300 400 500

部門ごとに不適合の件数をトップに報告している

組織全体の問題点が分かるように、不適合をまとめてトップに報告している            

監査結果を分析して、強み・弱みを報告するとともに改善点を明確にしている            

部門ごとの報告をそれぞれの部門内部にのみ、報告している                     

部門によって取り扱いを変えている        

その他                         

N=699

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39

問 19 内部監査の特徴

「QMSが効果的に実施され、維持されているか」ということに対して、組織における

内部監査の特徴を自由に記述してもらった。504 組織の記述があり、その内容を9項目に分

けた。その結果「PDCA・効果の確認をしている」が 132 件(回答組織の 26.2%)、「組

織として対応している」が 98件(同 19.4%)、「適合性監査が中心」が 73件(同 14.5%)、

「チェックシートを使用して確認」が 46 件(同 9.1%)、「監査の質の向上、QMSの継続

的改善」が 32件(同 6.3%)、「重点監査項目を設定」が 25件(同 5.0%)、「第三者の目で

幅広く監査を行っている」が 16件(同 3.2%)、「未だ力が不足している」が 11件(2.2%)

等であった。

以下に項目別に例示する。

1.「PDCA・効果の確認をしている」132 件(回答組織の 26.2%)

・品質目標及びプロセス目標等の数値目標の達成度だけではなく、計画したことの全てが

実行され、問題点は発生していないかというような視点で監査している。

・トップより品質目標が展開され、活動されている事及び効果が出ている事を確認する。

又、効果が出ていない場合の処置が実施されている事を確認している。

・品質目標やプロセスにおける管理値を達成しているか否か及び、その達成するためのプ

ランについて監査している。

2.「組織として対応している」98 件(同 19.4%)

・部門ごとにフォローアップをするとともに、終了後ISO推進委員会を開き、全体をま

とめると共に水平展開を依頼している。

・内部監査管理規定を定めて手順を明確にし、必要の都度改訂している。監査実施に当た

っては、共通のテーマ・部門別テーマを事務局が選定し、QMRの着眼点を加えて審査

員に説明している。

・特に不適合だけを指摘・検出するのではなく、他部署に有効な横展開できる“いい点、

良い活動内容”を検出させ、全社に公開している。

力不足2.2%

その他14.1%

適合性監査が中心14.5%

チェックシートを使用して確認9.1%

監査の質の向上、QMSの継続的改善

6.3%

重点監査項目を設定5.0%

第三者の目で幅広く3.2%

組織として対応19.4%

PDCA・効果の確認26.2%

N=513

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40

3.「適合性監査が中心」73 件(同 14.5%)

・内部に発生している不適合が改善され分析から是正に活用されているプロセスの確認。

・前回監査の結果を翌監査のチェックに反映させ、また、製品不適合のデータからもチェ

ック項目に反映させている。

・実業務と規則との照合を行い、違っている点は現状で最良な方向へ修正するなど、不具

合の是正、業務の合理化を主とした監査にしている。

4.「チェックシートを使用して確認」46件(同 9.1%)

・監査はプロセス毎に実施しており、チェックリストもプロセス毎に作成している。チェ

ックリストの中には、要求事項への適合性以外についても質問事項を入れており、業務

の効率化を図っている。

・テーマ(目的)を決め、それを中心にチェックリストを作成し、実施している。

・年間計画に基づき、各グループに対し監査を実施している。各グループの監査員が被監

査グループに対しチェックリストを作成し実施する。不適合について是正し、管理責任

者が社長に報告、マネジメントレビューの一環としても実施している。

5.「監査の質の向上、QMSの継続的改善」32件(同 6.3%)

・QMSの継続的改善を目的に社内で実施している改善提案制度やワーキングチーム別改

善活動の状況や結果を監査項目に必ず入れている。

・品質目標の展開方法・評価方法等について被監査部門と監査員で話し合い、「やった、や

りました」にならないよう、注意している。

・管理責任者を被監査とする時もある。

6.「重点監査項目を設定」25件(同 5.0%)

・監査内容を明確にしたチェックリストを作成し、その中で重点項目を設定し実施してい

る。

・各監査で重点的にみるテーマを設け、その効果について別途報告するという形を取って

いる。

7.「第三者の目で幅広く監査を行っている」16件(同 3.2%)

・管理職者と中堅社員がコンビを組み、自部門以外の職場を監査、是正処置の結果報告を

職場の責任者が行い、是正処置の確認を主任監査員及びQMS管理責任者が行うように

している。

・各部門長がお互いの部署を監査し合い、徹底的に不具合箇所を指摘し合う。

8.「未だ力が不足している」11件(2.2%)

・組織内にはまだQMSについての内容の理解度が薄く、下部層までの徹底まで至ってい

ないのが現状であるため、「QMSが効果的に実施され、維持されている」についてはま

だまだという状態である。

・当社は内部監査員が不足しているので、外部のコンサルに委託している。

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41

Ⅳ ISO 9001:2000 の運用について

問 20 ISO 9001:2000 の運用にあたり効果があった項目(複数回答)

ISO 9001:2000 の運用にあたり効果があった項目について質問したところ 693 組織の回

答があり、8項目の設問のうち5項目が 200 以上の組織によって選択された。中でも「品

質方針・目標の展開」が 342 件(回答組織の 49.4%)が最も多く、「QMSの有効性の継続

的改善」283 件(同 40.8%)、「個々のプロセスの監視・測定」261 件(同 37.7%)、「顧客

満足」243 件(同 35.1%)、「文書化」217 件(同 31.3%)がこれに次いだ。「トップの役割

強化」は 86 件(同 12.4%)、「ヒューマンリソースのマネジメント」は 19 件(同 2.7%)

と低めとなっている。

「その他」11件のうち 10 件の記述があり、その内容は「組織活動に一貫性が出てきた」

や「工事記録が整理されて残されるようになり、過去の事象をすぐに見ることが可能とな

った」、「9000 と別項目としてとらえており、一体化が不足」、「5月に審査登録されたため、

目立った効果は認められていない」というものだった。

2003 年調査との比較では、「個々のプロセスの監視・測定」と「品質方針・目標の展開」、

「QMSの有効性の継続的改善」でその割合が増え、反対に「トップの役割強化」や「顧

客満足」で減少していた。

2.7

27.4

15.3

37.3

3.4

3.3

1.6

35.1

49.4

12.4

37.7

27.0

31.3

40.8

37.5

30.1

44.7

31.1

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0

QMSを構成するプロセスの捉え方

個々のプロセスの監視・測定

文書化

トップの役割強化

品質方針・目標の展開

QMSの有効性の継続的改善

顧客満足

ヒューマンリソースのマネジメント

その他

2004年調査組織数 N=693

2003年調査組織数 N=731

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42

問 21 ISO 9001:2000 は有効に機能してきたか

ISO 9001:2000 は、これまで組織のQMSに対して有効に機能してきたかを質問したと

ころ、699 組織の回答を得た。「大いに機能してきた」20 件(回答組織の 2.9%)と「かな

り機能してきた」341 件(同 48.8%)の計は 361 件(同 51.7%)となり「機能してきた」

とするもので半数を超えた。また、「どちらともいえない」は 256 件(同 36.6%)、「あまり

機能していない」は 57件(同 8.2%)、「ほとんど機能していない」は4件(同 0.6%)、「評

価したことがない。分からない」は8件(1.1%)だった。

また、「その他」13 件では、「取得したばかりのため今後機能していくと思われる」とす

る記述が7件とその大半を占めた。その他の一部を以下に記す。

・かなり機能している部門と停滞している部門に二極化してきた。

・機能していると思われるが、効果が思ったほど表れていない。

・全社的に浸透していなく発展途中。

問 22 有効と判断した指標(複数回答)

有効に機能していると判断した指標を6項目の中から選んでもらった。625 件の回答があ

り、「対応が早くなった」248 件(回答組織の 39.9%)、「製品またはサービスの質が向上し

た」223 件(同 35.9%)および「顧客のクレーム、不具合が減少した」207 件(同 33.3%)

が上位3位である。次いで「製品の工程内不良率が減少した」145 件(同 23.3%)、「他の

種々の監査業務が軽減された」54 件(同 8.7%)、「事業収益が改善された」36 件(同 5.8%)

だった。また、「その他」73 件には 70 件の記述があり、「組織のレベルアップ」19 件、「従

業員の意識の向上」14件、「役割・責任・業務の明確化」11件、「クレーム管理・問題点の

把握」7件、「文書管理」4件等だった。

評価したことがない。分からない

1.1%その他1.9%

ほとんど機能していない

0.6%あまり機能していない

8.2%

かなり機能してきた48.8%

大いに機能してきた2.9%

どちらともいえない36.6%

N=699

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43

そこで、問 21との関係をみると、「大いに機能した」と「かなり機能した」(下図中、左

側2列)の計は「事業収益が改善された」、「製品又はサービスの質が向上した」、「製品の

工程内不良率が減少した」などで割合が高くなっている。一方、「どちらとも言えない」「あ

まり機能していない」「ほとんど機能していない」「評価したことがない。分からない」は、

「他の種々の監査業務が軽減された」や「対応が早くなった」などで割合が高かった。

5.4

5.6

7.4

5.6

65.0

66.2

63.8

66.7

60.5

48.1

41.7

24.7

22.8

30.0

13.9

29.0

33.3

34.7

13.9

5.2

7.4

8.3 6.9

3.2

3.4

2.4

2.7

4.1

1.9

1.4

1.4 1.4

0.4

0.5

0.7

0.4

3.7

1.6

1.4

1.4

1.8

0% 20% 40% 60% 80% 100%

製品又はサービスの質が向上した(n=223)

製品の工程内不良率が減少した(n=145)

顧客のクレーム、不具合が減少した(n=207)

事業収益(故障対策、クレーム処理費等)が改善された(n=36)

対応が早くなった(n=248)

他の種々の監査業務が軽減された(n=54)

その他(n=72)

大いに機能してきた かなり機能してきた どちらともいえない

あまり機能していない ほとんど機能していない 評価したことがない。分からない

その他

37.0

5.8

16.2

8.7

33.3

35.9

23.3

5.8

39.9

11.8

20.3

43.7

30.6

4.3

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0

製品又はサービスの質が向上した

製品の工程内不良率が減少した

顧客のクレーム、不具合が減少した

事業収益(故障対策、クレーム処理費等)が改善された

対応が早くなった

他の種々の監査業務が軽減された

その他

2004年調査組織数 N=621

2003年調査組織数 N=625

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44

次に業種との関係に着目する。「製品又はサービスの質が向上した」では「卸売業、小売

業」、「その他サービス業」で多くの割合を占めた。また、「製品の工程内不良率が減少した」

では「その他輸送装置製造業」が、「顧客のクレーム、不具合が減少した」では「ゴム・プ

ラスチック製品製造業」や「非金属鉱物製品製造業」が、「対応が早くなった」では「化学

薬品、化学製品及び人造繊維の製造業」がそれぞれ 30%を超えている。

18.8

29.7

15.9

20.7

8.6

38.2

25.7

19.2

15.8

20.8

24.3

33.3

20.0

8.3

9.9

15.9

11.5

17.1

5.9

17.1

17.8

15.8

33.3

14.3

13.5

21.9

18.8

26.4

25.4

10.3

20.0

20.6

20.0

30.1

36.8

16.7

18.6

17.3

21.9

5.6

5.7

5.7

27.1

25.3

23.8

26.4

32.9

20.6

28.6

24.7

26.3

16.7

24.3

23.1

24.8

15.6

5.6

12.6

10.0

5.9

5.3

9.4

7.9

12.6

7.1

5.9

12.5

11.4

7.1

5.7

3.8

2.6

1.4

2.9

2.9

4.3

4.4

2.1

2.9

2.7

1.4

3.2

1.9

4.1

2.9

4.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

電気的及び光学的装置の製造業(調査組織数N=67,回答数n=96)

建設業(N=61,n=91)

基礎金属、加工金属製品の製造業(N=77,n=126)

機械、装置の製造業(N=57,n=87)

化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業(N=47,n=70)

卸売業、小売業(N=19,n=34)

食料品、飲料、タバコ等の製造業(N=20,n=35)

ゴム・プラスチック製品製造業(N=38,n=73)

非金属鉱物製品製造業(N=10,n=19)

その他輸送装置製造業(自動車、オートバイ等)(N=17,n=24)

エンジニアリング、研究開発(N=49,n=70)

その他のサービス業(N=101,n=156)

その他(N=58,n=105)

製品又はサービスの質が向上した 製品の工程内不良率が減少した

顧客のクレーム、不具合が減少した 事業収益(故障対策、クレーム処理費等)が改善された

対応が早くなった 他の種々の監査業務が軽減された

その他

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45

問 23 有効に機能したと判断した理由(複数回答)

有効に機能したと判断した理由を6項目の中から選んでもらった。627 組織の回答があり、

上位3項目(200 件以上)は「手順及び手順書の整備により自社QMSの体系がより明確に

構築された」が 290 件(回答組織の 46.3%)、「従業員全体に品質意識が浸透した」が 285

件(同 45.5%)、「内部監査により自社QMSを見直し改善できるようになった」が 217 件

(同 34.6%)である。次いで「品質保証に関しての権限/責任/役割の明確化ができた」

が 193 件(同 30.8%)、「規格要求事項を使用することで自組織のQMSが強化された」が

171 件(同 27.3%)、「品質保証モデルを選択して自社のシステムを構築する手法が容易で

あった」が 27 件(同 4.3%)となった。「その他」17 件では 14 件の記述があり、「問題点

の明確化が出来るようになった」、「自社の強み、弱みが明確になった」、「目標管理が強化

された」、「是正処置で再発防止」などがあった。

2003 年調査との比較では、「手順及び手順書の整備により自社QMSの体系がより明確に

構築された」が減少したものの、その傾向に大きな変化は見られなかった。

32.1

2.6

2.7

46.3

30.8

4.3

27.3

34.6

45.5

25.5

46.6

34.4

52.0

6.5

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0

規格要求事項を使用することで自組織のQMSが強化された

品質保証モデルを選択して自社のシステムを構築する手法が容易であった

内部監査により自社QMSを見直し改善できるようになった

品質保証に関しての権限/責任/役割の明確化ができた

手順及び手順書の整備により自社QMSの体系がより明確に構築された

従業員全体に品質意識が浸透した

その他

2004年調査組織数 N=627

2003年調査組織数 N=627

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46

問 24 有効に機能しなかったと判断した理由(複数回答)

ISO 9001:2000 が有効に機能しなかった理由を7項目の中から選択してもらった。486

組織の回答があり、件数の多い項目は「維持活動が形式的になった」248 件(回答組織の

51.0%)と「文書化の要求が多すぎる(文書、記録が増えた)」171 件(同 35.2%)、「管理

コストが上昇した」133 件(同 27.4%)である。他は「製品やサービスの質が向上しなか

った」76 件(同 15.6%)、「柔軟な対応が出来なくなった」62件(12.8%)、「要求事項が製

造業に偏っている」37 件(7.6%)、「QMS構築時の自由裁量の範囲(tailoring)が広す

ぎる」7件(同 1.4%)であった。「その他」36 件では、33 件の記述があり、「従業員全体

に品質意識が浸透していない」とするものが7件、「思うような結果が得られていない」と

するものが4件あった。その他の例を次に記す。

・マンネリ化の傾向が多少ある。

・顧客からの監査業務が増加。

・2000 年版要求内容の一部を既に 1994 年版でも実施してきたので、どちらでもない。

・社外クレームは減少してきているが、規格との関係が不明確。

7.4

5.0

10.8

8.4

35.2

7.6

15.6

51.0

1.4

27.4

12.8

40.7

27.6

9.9

36.2

17.9

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0

製品やサービスの質が向上しなかった

維持活動が形式的になった

要求事項が製造業に偏っている

QMS構築時の自由裁量の範囲(tailoring)が広すぎる

管理コストが上昇した

文書化の要求が多すぎる(文書、記録が増えた)

柔軟な対応が出来なくなった

その他

2004年調査組織数 N=486

2003年調査組織数 N=464

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47

次に業種別にみて次図に示した。一番選択されていた「維持活動が形式的になった」は

「電気的及び光学的装置の製造業」、「食料品、飲料、タバコ等の製造業」、「ゴム・プラス

チック製品製造業」、「非金属鉱物製品製造業」などで割合が高く、次に選択されていた「文

書化の要求が多すぎる」では「建設業」、「エンジニアリング、研究開発」、「その他のサー

ビス業」などで割合が高いことが分かった。

19.5

13.9

13.8

11.6

10.6

17.4

4.8

6.7

10.1

41.4

28.4

34.7

37.9

33.3

25.0

46.2

40.4

55.6

19.6

25.3

25.8

34.8

9.9

12.5

7.7

9.6

9.2

13.8

13.6

16.7

17.2

14.5

18.8

7.7

14.9

11.1

17.4

24.1

20.0

20.3

13.8

39.5

13.9

13.8

20.3

18.8

23.1

19.1

23.9

26.5

27.5

20.3

5.7

9.7

10.3

14.5

12.5

6.4

33.3

8.7

6.0

5.8

8.7

8.3

12.5

15.4

1.2

4.3

4.3

2.9

1.7

0.8

4.3

1.4

2.8

1.1

4.9

5.2

5.8

4.2

3.6

4.3

4.3

1.4

2.5

4.6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

電気的及び光学的装置の製造業(調査組織数N=57,回答数n=87)

建設業(N=51,n=81)

基礎金属、加工金属製品の製造業(N=48,n=72)

機械、装置の製造業(N=41,n=58)

化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業(N=42,n=69)

卸売業、小売業(N=11,n=16)

食料品、飲料、タバコ等の製造業(N=10,n=13)

ゴム・プラスチック製品製造業(N=32,n=47)

非金属鉱物製品製造業(N=5,n=9)

その他輸送装置製造業(自動車、オートバイ等)(N=19,n=46)

エンジニアリング、研究開発(N=47,n=83)

その他のサービス業(N=78,n=120)

その他(N=45,n=69)

製品やサービスの質が向上しなかった 維持活動が形式的になった

要求事項が製造業に偏っている QMS構築時の自由裁量の範囲(tailoring)が広すぎる

管理コストが上昇した 文書化の要求が多すぎる(文書、記録が増えた)

柔軟な対応が出来なくなった その他

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48

問 25 ISO 9001:2000 を導入したことによる効果

ISO 9001:2000 を導入したことでどんな効果があったかを6項目から選択してもらったと

ころ、691 組織から回答を得た。「自社品質管理システムの基盤構築(業務の標準化を含む)

が出来た」が 625 件(回答組織の 90.4%)と、ほとんどの組織で選択されていた。次に「製

品又はサービスの質等パフォーマンスが向上した」436 件(同 63.1%)、「取引先、親会社

等からの要求にこたえることが出来た」373 件(同 54.0%)が続き、そこの3項目は回答

組織の半数以上で選択されていた。

この3項目以外の「参入条件の確保・拡大ができた」197 件(同 28.5%)、「他の種々の

監査業務(実施又は受審)が軽減した」126 件(同 18.2%)、「国際的に標準化されたQM

Sを適用することで組織内のグローバル化が進んだ」117 件(同 16.9%)は、どれも 30%

以下だった。

「その他」58 件のうち記述は 51件あった。その内容は、社員に自覚が芽生えたというよ

うな「社員の意識の向上」が 18 件、文書・記録の維持といった「文書類の整備がされるよ

うになった」が5件、組織間・部門間のコミュニケーションが良くなったというような「コ

ミュニケーションの充実」が3件等である。その他の例を以下に記す。

・不適合件数、原因等の把握。

・責任と権限の明確化。

・QMSにそって当社のマネジメントシステム全体が整備された。

・顧客の要求事項の明確化。

・自社のシステムに誇りがもてるようになった。

・顧客の信頼感が上がった。

・クレームの減少。

・目標管理の徹底。

なお、複数を選択している組織もあった。

436

625

126

373

197

117

58

0 100 200 300 400 500 600 700

製品又はサービスの質等パフォーマンスが向上した

自社品質管理システムの基盤構築ができた

他の種々の監査業務(実施又は受審)が軽減した

取引先、親会社等からの要求にこたえることが出来た

参入条件の確保・拡大ができた

国際的に標準化されたQMSを適用することで組織内の

グローバル化が進んだ                    

その他

N=691

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49

次に業種との関係に着目する。一番多く選択されていた「自社品質管理システムの基盤

構築ができた」では、どの業種も 30%を超えて高い割合を占めていたが、その中でも「卸

売業、小売業」と「食料品、飲料、タバコ等の製造業」が高かった。次に多く選択されて

いた「製品又はサービスの質等パフォーマンスが向上した」では「卸売業、小売業」、「食

料品、飲料、タバコ等の製造業」、「エンジニアリング、研究開発」、「その他のサービス業」

において他の業種よりその占める割合は高くなっている。

また、「取引先、親会社等からの要求にこたえることが出来た」では「ゴム・プラスチッ

ク製品製造業」と「その他の輸送装置製造業」で、「参入条件の確保・拡大ができた」では

「建設業」と「エンジニアリング・研究開発」で他の業種より多くを占めていたことが特

徴的である。

17.9

24.5

17.9

20.3

21.4

29.6

30.4

19.5

21.9

15.0

25.5

26.9

26.1

32.3

31.4

32.6

32.2

30.5

35.2

35.7

32.8

31.3

31.7

30.1

33.2

33.5

9.6

9.8

7.3

9.1

9.4

12.5

6.3

21.8

16.5

21.9

15.3

23.4

14.8

19.6

26.6

21.9

25.0

13.7

16.3

19.9

12.2

20.2

8.9

10.7

5.8

5.6

5.5

8.3

17.6

8.0

9.1

11.3

7.1

9.3

8.9

9.4

8.3

7.2

6.6

6.7

4.0

3.3

5.0

3.6

3.7

2.1

3.1

5.2

1.6

4.9

4.7

2.8

2.3

5.0

2.6

1.6

1.8

1.9

2.6

2.8

4.0

3.7

0.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

電気的及び光学的装置の製造業(調査組織数N=80,回答数n=229)

建設業(N=70,n=188)

基礎金属、加工金属製品の製造業(N=82,n=224)

機械、装置の製造業(N=64,n=177)

化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業(N=53,n=154)

卸売業、小売業(N=19,n=54)

食料品、飲料、タバコ等の製造業(N=20,n=56)

ゴム・プラスチック製品製造業(N=45,n=128)

非金属鉱物製品製造業(N=11,n=32)

その他輸送装置製造業(自動車、オートバイ等)(N=22,n=60)

エンジニアリング、研究開発(N=55,n=153)

その他のサービス業(N=109,n=301)

その他(N=61,n=176)

製品又はサービスの質等パフォーマンスが向上した

自社品質管理システムの基盤構築(業務の標準化を含む)ができた

他の種々の監査業務(実施又は受審)が軽減した

取引先、親会社等からの要求にこたえることが出来た

参入条件の確保・拡大ができた

国際的に標準化されたQMSを適用することで組織内のグローバル化が進んだ

その他

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50

補問 問 25 で答えたうち、最も効果があったものについて

問 25で回答した項目の中で、最も効果があったものについて更に選択してもらった。665

組織の回答があり、「自社品質管理システムの基盤構築ができた」が 415 件(回答組織の

62.4%)と群を抜いて突出していた。その他の項目は 100 件以下であり、ISO 9001:2000 を

導入したことによって、自社品質管理システムの基盤の構築に関して最も効果が表れたと

いう結果となった。

97

415

19

76

31

10

17

0 100 200 300 400 500

製品又はサービスの質等パフォーマンスが向上した

自社品質管理システムの基盤構築ができた

他の種々の監査業務(実施又は受審)が軽減した

取引先、親会社等からの要求にこたえることが出来た

参入条件の確保・拡大ができた

国際的に標準化されたQMSを適用することで組織内のグローバル化が進んだ                    

その他

N=665

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51

Ⅴ 今後の課題

問 26 ISO 9001:2000 に基づく審査への期待及び審査方法への要望・課題

ISO 9001:2000 に基づく審査への期待及び審査方法への要望・課題を4項目に分けて具

体的に記入してもらった。

問 26-1 審査登録機関への要望

審査登録機関への要望について、4項目から選択してもらったところ 486 組織の回答が

あり、「費用の削減について」が 194 件(回答組織の 39.9%)と最多だった。次に「審査機

関・審査員間のばらつきについて」125 件(同 25.7%)、「審査内容・方法について」99 件

(同 20.4%)、「審査員の資質・能力について」56件(同 11.5%)が続く。

なお、複数を選択している組織もあった。

更にその項目について具体的に記入してもらった。

1.審査内容・方法について 99 件(回答組織の 20.4%)

・会社に見合った審査内容(質問・指導を含め)をわかりやすく。審査員の業種・業界へ

の理解を深めて欲しい(異業種もある)。

・体質的な問題指摘をして受入部門を納得させるような審査を期待。

・枝葉末節の指摘事項が多く、当社の役に立たないと感じられる。

・審査の回数を減らして欲しい。要求事項が多いため対応しきれていないのが現状で、片

手間ではできなくなっている。継続するにあたって、もう少し簡素化できないものか。

・規格要求への適合よりも、パフォーマンス向上につながる指摘・アドバイスを求めたい。

・認証取消しを出すくらいの厳しい審査を望む。

99

125

194

56

27

0 50 100 150 200

審査内容・方法について

審査機関・審査員間のばらつきについて

費用の削減について

審査員の資質・能力について

その他

N=486

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52

2.審査機関、審査員間のばらつきについて 125 件(同 25.7%)

・審査員により意見の違い等あり、審査時の対応が大変である。意見の統一を計ってもら

いたい。

・体験した訳ではないが、審査機関については厳しい所とそうでない所があると聞く。又、

審査員によっても審査内容に差があったり、指摘事項にムラがあったりもするようなの

で、出来るだけ同一レベルの審査をお願いしたい。

・審査員の業種の理解度・認知度により審査内容にバラツキがある。標準化ができないか。

・審査員によって、QMSの有効性より規格1つ1つへの適合性のみに集中して審査をす

る審査員がいるので、QMSの有効性や継続的改善に主眼をおいた審査をして欲しい。

3.費用の削減について 194 件(同 39.9%)

・審査費用の軽減を望む。中小企業にとっては負担が大きい。

・定期審査等の費用が、QMSにて創出された利益をかなりの部分で相殺してしまうよう

に思われる。

・審査(定期監査含め)費用が非常に高い印象がある。これは審査(監査)内容とも関係

あるが、この審査(監査)で“こんなにかかるのか”と思うことが多い。

・費用の適切性がわかりにくく、もう少し明確にならないかと感じている。

4.審査員の資質・能力について 56 件(11.5%)

・同一審査機関の審査員の中で、何回審査に来ても力量の向上が実感出来ない。

・費用に見合った効果が期待できる審査を行なえるスキルを持っていて欲しい。

・該当する業種を良く知る審査員が欲しい。杓子定規に審査されると、何の為の審査かわ

からない。

・ISO 9001:2000 に関する資質・能力については当然申し分ないが、審査員の方は製造業出

身者に偏っているようなので、もっとサービス業出身者を増やして欲しい。

・審査員の経験等の違いにより、審査方法についてかなり違いが見られる事もあった。又、

アドバイスをしてくれる審査員とあまりしてくれない審査員とバラツキもみられた。

5.その他 27 件(5.6%)

・QMS向上のためには組織及び審査登録機関が協力することも大事なので、ある程度の

コンサルは認めるべきである。

・限られた時間の中での審査となる為、審査がマニュアル化されないよう、規格の解釈の

説明も審査の中に取り入れて欲しい。

・最近の企業では、企業間の合併や組織の再編などで、拡大・縮小が多くなっている。そ

のような場合、ISO 9001 の取り扱いが難しい。統合・分割など、柔軟な対応を可能とす

る審査・運用を考えて欲しい。

・QMS有効性の継続的改善を主とした審査内容にして頂きたい。現状での有効性の改善

の中で、今直面している問題解決の方法とか、何がそうさせているのかを探し出し、シ

ステムの変更も相談に乗って欲しい。全般的には以後についてはコンサルを主としたも

のにしてほしい。

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53

問 26-2 規格についての要望

284 件の記述があり、「特になし」の 143 件を除く 141 件について、次図のように分類し

た。

その結果、「規格そのものがわかりにくい」とするものが 37 件(26.2%)、「表現がわか

りにくい」が 30件(21.3%)と、「わかりにくい」とするものが 47.5%を占めた。次に「業

種ににあわない、企業にあわせた規格にしてほしい」が 22件(15.6%)、「規格の運用や内

容面について」が 16 件(11.3%)、「事例の提示や具体的な表現について」が 10 件(7.1%)、

「規格の統一や改定について」が8件(5.7%)と続いた。「その他」が 18件(12.8%)あ

った。以下にその例を記す。

1.規格そのものがわかりにくい 37 件(26.2%)

・7.5.2 項が全体的に判りにくい。特に e)項は何をすれば良いか理解に迷う。

・8.2.3 プロセスの監視及び測定 どこまでの(大・小)プロセスを監視するかを判断する

のが難しい。

・5.4.2 品質マネジメントシステムの計画とあるが、どういう意味かわかりにくいタイトル

である。解説書などを見れば“そういう意味か”と思うが、もっとわかりやすい内容に

してほしい。

・規格要求事項が改正されたが、まだまだ解釈・理解しづらい。もっとわかりやすくして

欲しい。

2.表現がわかりにくい 30 件(21.3%)

・とにかくもっと平易な文書で記述して欲しい。一般社員にとっては ISO 9001 の規格は敷

居が高く、まるで他人事のように取られている。

・読み易い日本語にして欲しい。

・極力抽象的表現を少なくしてもらいたい。

・規格の表現をいかにも英訳したようなものでなく、日本人になじみやすい表現にしてほ

しい。

規格がわかりにくい26.2%

表現がわかりにくい21.3%

その他12.8%

規格の統一・改訂5.7%

事例の提示7.1%

規格の運用・内容11.3% 業種に合わない

15.6%

N=141

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54

3.業種にあわない、企業にあわせた規格にしてほしい 22 件(15.6%)

・全ての業種に規格を無理やり適用させる必要があるか?

・業種により当てはまらないことを無理やり規程していることもあり、除外範囲の拡大等、

柔軟性をもって欲しい。

・全体的にはまだ製造業向けの規格ではないかと思われる。今後はもう少し多様化しても

らえれば。

・規格全般に関し、製造業向けでなくなった事で製品品質の向上につながる改善が行いづ

らい。TS/16949 程難しい規格でなくて良いが、品質向上になるべく直結できる規格とな

って欲しい。

4.規格の運用・内容面について 16 件(11.3%)

・「文書のレビュー」については、必要なときに適宜見直しをしている(改定)ので、あえ

て見直しする必要はないと思う。

・プロセスアプローチは要求事項から削除し、自由裁量にしたらどうか。

・主要業務への適用は好ましいが、全業務・全取引への適用となると、ふさわしくない要

求事項もあるように思われる。

5.事例の提示や具体的な表現について 10 件(7.1%)

・1.2 適用範囲 適用除外しても、規格適合とする具体的な用件の記述、又は説明が品質設

計、販売プロセス等ごとにあればいいと思う。

・規格の要求事項を、出来るだけ具体的もしくは具体例を入れて表現して欲しい。

・各規格の項で“参考”の記述のあるもの・ないものがあるが、可能な限り“参考”を添

付し、より要求事項の内容が把握できる様希望する。

6.規格の統一や改定について 8件(5.7%)

・品質と環境を1つの規格にして欲しい。

・統合システムの確立にあたって、ISO 9001 と 14001 要求事項の項番号の統一化を図って

欲しい。

・6年毎に規格が変わると聞いているが、これ以上あまり変えないで欲しい。定着が悪く

なるし、全ての文書を変えなければならないので大変である。

・あまり頻繁に規格の変更はしないで欲しい。規格の変更に伴ったシステム改善に時間を

取られるより、自社の真の改善に時間を使いたい。

7.その他 18 件(12.8%)

・重複する様な要求事項が結構あり、スッキリとした要求にして頂きたい(QM作成時に

要求事項に対し、他の要求項番へ振り分ける場合が多々ある)。

・要求内容で現実的な具体化が困難なものがあり、従来の活動との関連付けも難しく、形

骸化につながっている所がある。

・業種別に解釈のガイドラインがあればよいと思う。

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55

問 26-3 JAB、第三者審査登録制度への期待

268 件の記述があり、「特になし」とする 138 件を除く 130 件について、下図のように分

類した。「審査に対する期待・希望」が 28 件(21.5%)、「審査機関・審査員の質について」

が 21件(16.2%)、「審査の質について」と「情報の発信・PR」がそれぞれ 14 件(10.8%)、

「ISO取得企業の差別化」が 12 件(9.2%)、「審査機関の監視・教育」と「費用につい

て」がそれぞれ7件(5.4%)、「その他」27件(20.8%)があった。以下にその一例を記す。

1.審査に対する期待・希望 28 件(21.5%)

・第三者による審査が定期的にあり、刺激があるからシステムの構築が図れると思う。成

果が出るような刺激を与えてくれるよう期待する。

・第三者審査については期待も大きいので、更に充実していただきたい。

・昨今ISO認証を取得した企業での不祥事が発生しており、ISOをより権威あるもの

とするために、厳格な審査を実施されることを期待する。

2.審査機関・審査員の質について 21 件(16.2%)

・規格の解釈については、審査対象の業種・会社の実状を十分考慮し考えるべきと思うの

で、審査機関・審査員の専門性の更なる向上を願いたい。

・審査員はもとより各審査機関でのバラツキが少しでもなくなることを期待する。

・国・審査登録機関・審査員によるバラツキは、当社全関連会社の実績では余りにも大き

い。このような状態では認証登録は形だけのものになってしまう。普遍的な制度を期待

する。

3.審査の質について 14 件(10.8%)

・一般的な内容ではなく、その会社のレベルに合わせたやり方を指導して欲しい。

・規格の内容を実際に実行しているかを審査することは不可避と思われるが、実際に顧客

から満足されているかとか、継続的に改善されているかなどの評価に重きを置き、細部

よりも結果としての達成度を評価して頂きたい。

・審査員の主観を交えず、規格要求事項の原則に忠実な審査をして欲しい。組織の発展段

階に応じた審査をして欲しい。

その他20.8%

審査の質について10.8%

情報の発信・PR10.8%

ISO取得企業の差別化

9.2%

審査機関の監視・教育

5.4%

費用について5.4%

審査機関・審査員の質について

16.2%

審査に対する期待・希望

21.5%

N=130

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56

4.情報の発信・PR 14 件(10.8%)

・JABの他様々な登録機関があるが(海外も含めて)、それらに登録されている企業の全

てを統括して、データベース化したものをWeb公開できないものか。また、Q、Eの

他第三者認証も全て検索できればなお可。

・一般への認知度の向上。

・講習会等で情報を多く流して欲しい。

5.ISO取得企業の差別化 12 件(9.2%)

・登録業者と未登録業者の格差が欲しい。

・現状では第三者認証を取得してもほとんどメリットはなく、毎年審査登録維持費用だけ

が発生している状況。既に規格制定から 10年が過ぎ、普及のために認証組織をやたらと

増やすのは止めて、審査を厳格にして第三者認証に権威付け(メリット)ができるよう

なことを考えて欲しい。

・登録権威がない。登録あたり前制度になっている。第二者監査の方が具体的で、興味が

ある。

6.審査機関の監視・教育 7件(5.4%)

・信頼度向上のために、審査機関の監視・指導を強化して欲しい。

・細かい所にとらわれない、有効な審査を行うよう、審査機関に対する指導を行って欲し

い。

・審査機関(審査員)のレベルを統一することに注力して欲しい。

7.費用について 7件(5.4%)

・料金の設定が各社バラバラだが、統一してもらいたい。

・費用の軽減。零細企業(5人~30人規模)も取り組める様にして欲しい。

・とにかく費用がかかる。30人以下の会社の場合には特別な枠を設けた方がよい。

8.その他 27 件(20.8%)

・第三者が入ることで緊張感が生まれ、システムの改善・維持ができていると思う。

・ロゴ使用が審査機関により異なるのは困る。全て同一使用にならないか。

・審査機関の認定取消しなどよく目にするようになったが、JABと審査登録機関との問

題を各認証事業会社に影響させないようにして頂きたい。認証を受けた事業所には何の

否もなく、大変対応に困っている(審査自体は正式な形で受審しており、指摘内容にも

問題は感じていない)。

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57

問 26-4 その他

その他の要望・課題に関する記述は 207 件あった。そのうち「特になし」とする 141 件

を除く 66 件を下図のように分類した。このうち「審査及び制度に関するもの」が 40 件

(60.6%)となり、他は「職場、経営との関係に関するもの」5件(7.6%)、「アンケート

に関するもの」が3件(4.5%)、「その他」18 件(27.3%)である。

1.「審査及び制度に関するもの」 40 件(60.6%)

・ISO 9004 による審査、ISO 14001 との同時審査を進めるべきである。

・ISO認証レベルの等級を設けてはどうか。等級レベルアップが継続的改善への指針と

なるかも。

・内部品質監査を重視した方法で、審査の簡略化・費用の軽減を検討していただきたい。

2.「職場、経営との関係に関するもの」 5件(7.6%)

・当社では形に流される傾向があり、中身の改善が進むように審査頂けると有難い。

・運用しているが、コストパフォーマンスが良かったとは思えない。

3.「アンケートに関するもの」 3件(4.5%)

・設問に対する解答(○印)が難解であった。ぴったりはまる回答が少なく選択に迷った。

特に問 25「問題作成」の改善を希望する。

・今回のアンケート調査で、これまで特に意識していなかった事柄に改めて気付かされ、

今後の活動に活かして生きたいと思う。良い機会になった。

4.その他 18 件(27.3%)

・ISO 9001:2000 導入後で、特に模範と思われる企業の方からの活動事例発表会等の開催を

希望する。

・国交省が入札条件にISOを加えないとするようだが、加えたり加えなかったりは政治

的な判断か?

審査及び制度に関するもの

60.6%

職場・経営との関係に関するもの

7.6%

その他27.3%

アンケートに関するもの

4.5%

N=66

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58

おわりに

今年度のアンケート調査は、昨年度に引き続き「内部監査」に焦点をあてて実施した。

内部監査の実施内容を「内部監査計画」「内部監査員の力量」「監査結果のフォロー」の

3つの観点に絞り、内部監査が組織のシステム向上に寄与しているかを分析した。また、

昨年度とのデータ比較を行い、ISO 9001:2000 を運用している側の認識度合いや積極的な

取り組み姿勢がどの程度、レベルアップしているかの確認も試みた。

ISO 9001:2000 推進上の課題のなかで、「文書の決定に課題意識を持っている」ことを第

一にあげた組織が多く、昨年上位だった「文書内容の詳細の程度」と順位が逆転している。

組織側はどの業務を文書化しなければいけないかを決めかねており、ある程度の審査経験

を経た上で新たな悩みを抱えている状況とも推測される。

QMSの有効性については、「有効性を測定する指標の決定」が昨年度よりも少なくなっ

ている。システムの有効性は理解しつつも、製品を良くする方法についてはいまだ模索中

とも読める。

内部監査の実施目的については「QMSのレベルアップをはかるため」が最も多かった

が、組織規模別に分析すると、小規模組織になるほど規格適合性の確認などのために実施

していると回答しており、形だけの取得が覗える。業種間ではあまり差がない。

次に、「内部監査員の力量」についての質問では、内部監査員育成のためのプログラムを

持っているとした組織にその内容を尋ねたところ、実地研修を行っているところは1割に

も満たず、殆どは講習やテストだけであった。

「内部監査計画」をどのような観点で作成しているかを見るため、スケジュールと形態、

実施方法を質問した。「品質目標のフォローを目的として、半期あるいは四半期ごと実施し、

「各部門間均等回数で実施した」という回答が大多数で、差異は見られない。

内部監査によって検出された結果をどう評価するのかについては、大多数の組織が通常

の第三者審査に倣った方法を実施しており、また内部監査における指摘内容に対する処置

も半数は修正レベルにとどまっている。すなわち、規格要求事項は半数が満たされていな

いことになる。

今年度調査からも、内部監査を使ったマネジメントシステムの有効性確認やシステムの

改善にはまだ不十分であることが明らかになった。引き続き、内部監査の意義を組織に認

識してもらうために普及啓発の必要があると考える。

本アンケートの調査結果が、本制度のさらなる有効活用のために関係者の皆様に役立つ

ことを期待します。

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59

2004年度 ISO 9001シンポジウムアンケート

テーマ:“自律的QMS構築のための内部監査プログラム”に関するアンケート

記入について

・アンケートは、ISO9001の運用状況、内部監査の実施状況に関する質問で構成されてい

ます。・アンケートご記入のための時間はおよそ15分程度です。

・ご回答は、該当する答えの番号に○をつけていただくもの、具体的に記入していただく

もの等があります。

・ご回答はこの用紙にご記入のうえ、2004年(平成16年)9月24日(金)までに、同封

の返信用封筒に入れてご投函くださるようお願いいたします。

・ご回答をお寄せいただいた方には、後日、調査結果をお送りいたします。

企業名・事業所名

所 在 地 (〒 - )

ご記入者名 (所属・役職名)

e-mailアドレス

電 話 番 号

ファックス番号

Ⅰ. 回答企業の概要について

問1 貴組織の業種について、下記の中からお選び下さい。

(事業が複数にわたる場合は主なもの一つに〇をおつけ下さい)

1.電気的及び光学的装置の製造業 2.建設業

3.基礎金属、加工金属製品の製造業 4.機械、装置の製造業

5.化学薬品、化学製品及び人造繊維の製造業 6.卸売業、小売業

7.食料品、飲料、タバコ等の製造業 8.ゴム・プラスチック製品製造業

9.非金属鉱物製品製造業 10.造船業

11.航空宇宙産業 12.その他輸送装置製造業(自動車、

オートバイ等)

13.電気通信業 14.エンジニアリング、研究開発

15.その他のサービス業 16.その他

問2 貴組織の従業員数を、下記の中からお選び下さい。

1. 50人以下 2. 51~100人 3. 101~300人

4. 301~500人 5. 501人以上(約 人)

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問3 貴組織のISO 9001:2000 の審査登録状況を、以下1.及び2.の中から選び、○をつけて

ください。またその時期について、以下の囲みの選択肢からお選びください。

1. ISO 9001:1994 あるいはISO 9002:1994 から ISO 9001:2000 に移行

⇒初回審査登録時期( ) ISO 9001:2000 への移行時期( )

2. 当初からISO 9001:2000 で審査登録

⇒審査登録時期( )

問4 ISO 9001:2000 導入の目的についてお答え下さい。(複数回答可)

1. 製品又はサービスの質等パフォーマンスの向上

2. 自社品質管理システムの基盤構築(業務の標準化を含む)

3. 他の種々の監査業務(実施又は受審)の軽減

4. 取引先、親会社等からの要求

5. 参入条件の確保・拡大

6. 国際的に標準化された品質マネジメントシステム(以下QMSという)を適用(グ

ローバル化)

7. その他( )

Ⅱ. ISO 9001:2000に対する評価について

問5 ISO 9001:2000 の特徴である以下の項目についてどのように評価していますか。

問5-1 顧客重視について

1. 活動の目的が明確になり、有効性がより期待できる規格となった

2. 活動の目的が明確になったが、有効性の向上は明確には言い切れない

3. モデルをどこまで広げたらいいのか分かり難い

4. 要求事項の現実の適用の方法が分かり難い

5. 最終ターゲットは分かるが具体的内容が分からない

6. その他

( )

問5-2 システム構築にあたって組織の自由裁量度が拡大したことについて

1. 自組織の運営形態に適したQMSの構築がし易くなった

2. 自組織が必要とする文書化の対象が明確にできるようになった

3. 自由裁量の幅が広がったことにより具体的な実施内容が分かり難くなった

4. 審査のバラツキが増大した

5. 要求事項が一般化され分かり難くなった

6. その他

( )

a. 1996年12月以前 b. 1997年1月~1998年12月 c. 1999年1月~12月

d. 2000年1月~12月 e. 2001年1月~12月 f. 2002年1月~12月

g. 2003年1月~12月 h. 2004年以降

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問5-3 すべての業種に適用できるような記述について

1. 業種及び形態、規模、並びに提供する製品を問わず、あらゆる組織に適用できる

のでよい

2. 組織やその製品の性質によって、適用不可能な要求事項の除外を考慮できるので

よい

3. 選択の幅が広がり、むしろ分かり難い

4. QMSのモデルが分かり難い

5. 具体的にプロセスをどう構築したらいいのかが分からない

6. その他

( )

問5-4 登録範囲の適用の仕方について

1. 真に有効に機能するQMSとして必要な範囲は全て含まれているのでよい

2. 顧客からみて必要なQMSの機能を全て含んでいるので問題ない

3. 適用範囲に対する組織の自由裁量の余地がない

4. 従来、設計・開発の自覚がなく、適用の概念が理解できない

5. 適用事項除外の方法が分からない

6. その他

( )

問6 QMS構築の重要なポイントは次のどの項目とお考えですか。(複数回答可)

1. プロセスアプローチ

2. 文書化・標準化

3. トップの役割強化

4. 品質方針・目標の展開

5. 内部監査

6. QMSの有効性の継続的改善

7. 顧客満足

8. 要員の適正配置と育成

9. その他

( )

問7 次の項目について、貴組織は何をポイントとして推進されていますか。(複数回答可)

問7-1 プロセスアプローチについて

1. 必要なプロセス及び組織への適用の明確化

2. プロセスの順序及び相互関係の明確化

3. 必要な入力項目と出力項目の決定

4. 部課等の組織構造とプロセスの関係付け

5. 個々のプロセスの監視、測定及び分析

6. プロセスの効果的、効率的方法の明確化

7. その他

( )

問7-2 文書化について

1. QMSに必要な文書の決定

2. 文書内容の詳細の程度(どこまで書くか)

3. 品質マニュアルの記述内容及びスタイル

4. 文書の見直し方法と最新版文書の徹底方法

5. その他

( )

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問7-3 トップの役割強化について

1. トップの役割の明確化

2. トップによる役割の確実な実行

3. トップの方針を組織全体に伝達する手段

4. トップへの情報フィードバックの仕組み

5. その他

( )

問7-4 QMSの有効性の継続的改善について

1. 有効性を測定する指標の決定

2. システムの有効性と製品又はサービスの質向上とのつながり

3. 内部監査と内部監査員の充実

4. マネジメントレビューの強化

5. 顧客満足などのデータの解析

6. 継続的改善の方法

7. その他

( )

問7-5 顧客満足について

1. 顧客満足を測定する指標の決定

2. 顧客満足指標(データ)の収集方法

3. 顧客とのコミュニケーションの方法

4. その他

( )

Ⅲ. 内部監査について

問8 内部監査を行う目的は何ですか。該当するものに○をつけてください。(複数回答可)

1. ISO 9001:2000 への規格に適合しているかを見るため

2. 規格に要求されているため/第三者審査の準備のため

3. 取引先の監査を減らすため

4. 事業戦略の達成・顧客満足の向上をはかるため

5. 組織活動のパフォーマンスを向上させるため

6. QMSのレベルアップをはかるため

7. リスク管理の観点から

8. 基本動作の徹底をはかるため

問9 問8の目的をどの程度達成しましたか。該当するものに○をつけてください。

1. 十分達成した

2. まあまあ達成した

3. やや不十分

4. 不十分

問10 内部監査チームは、どのような狙いのもとに編成していますか。該当するものに○を

つけてください。

1. 監査の成果をあげるため、十分に経験を積んだベテランのみで構成している

2. 部門の教育効果を狙い、活動の遅れている部門の監査員を入れる

3. 次世代の内部監査員の育成を念頭に、新しい監査員を入れて構成する

4. その他( )

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問11 内部監査員の研修は、どのような人を対象に行っていますか。該当するものに○をつ

けてください。(複数回答可)

1. 管理責任者

2. 管理職(品質保証担当に限る)

3. 管理職(品質保証担当も含めた幅広い人材)

4. 現場の監督者層

5. 中堅社員(品質保証担当に限る)

6. 中堅社員(品質保証担当も含めた幅広い人材)

7. 入社5年程度の若手

問12 内部監査員育成のためのプログラムを持っていますか。該当するものに○をつけてく

ださい。

1. 持っている→問12-1へ

2. 持っていない→問13へ

問12-1 内部監査員育成のためのプログラムの内容について、お差し支えない範囲で

具体的にお書きください。

問13 内部監査員の経験と人事評価を関係づけていますか。該当するものに○をつけてくだ

さい。(複数回答可)

1. 内部監査員手当を支給している

2. 昇格の評価対象としている

3. 特に関係させていない

4. その他

問14 内部監査の年間スケジュールはどのような観点で決定・実施していますか。該当する

ものに○をつけてください。(○は2つまで)

1. 品質目標のフォローを目的として、半期あるいは四半期ごとに実施

2. 顧客が行う監査(第二者監査)の前に実施

3. 審査登録機関が行うサーベイランス等の審査の前に実施

4. 業務の進行状況の確認のために実施

5. 重要な問題が起きた時に実施

6. マネジメントレビューに合わせて実施

7. 前年度の結果を受けて実施

問15 貴組織における内部監査の回数と形態についてお尋ねします。

問15-1 この1年間(2003年9月~2004年8月)に、監査プログラムとして設定・実施した

内部監査および臨時に行った内部監査の合計回数を記入ください。

( )回

問15-2 内部監査はどのように実施しましたか。下記1.及び2.のいずれかに○をつけて

ください。

1. 各部門均等回数で実施した

2. 部門により異なる回数で実施した

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問16 検出された結果をどのように評価していますか。該当するものに○をつけてください。

(複数回答可)

1. 第三者審査と同じように、不適合の事実が確認できたもののみを不適合としている

2. 検出された問題点すべてを不適合としている

3. 不適合の有無というより、マネジメントシステムをどのように改善するかの観点で

の改善指摘としている4. 重要な不適合、軽微な不適合、改善指摘に分

類している

5. その他

( )

問17 検出された指摘に対し、どのような処置を実施していますか。

1. 指摘された内容を、要求に合うように直している(修正)

2. 解析をして処置を取っている

3. 時間をかけて、確実な再発防止をかけている

4. 同種不具合の再発防止を目的として、水平展開をしている

問18 内部監査の結果をどのように報告していますか。該当するものに○をつけてください。

1. 部門毎に不適合の件数をトップに報告している

2. 組織全体の問題点が分かるように、不適合をまとめてトップに報告している

3. 監査結果を分析して、強み・弱みを報告するとともに改善点を明確にしている

4. 部門毎の報告をそれぞれの部門内部にのみ、報告している

5. 部門によって取り扱いを変えている

6. その他

( )

問19 ISO 9001:2000 8.2.2 内部監査では、次の事項が満たされているか否かを明確にする

ために実施するよう、要求されています。

1. QMSが個別製品の実現の計画に適合しているか

2. ISO 9001:2000 規格の要求事項に適合しているか

3. 組織が決めたQMS要求事項に適合しているか

4. QMSが効果的に実施され、維持されているか

このうち、4. 「QMSが効果的に実施され、維持されているか」に対して、貴組織

で実施している内部監査の特徴を、差し支えない範囲で具体的にお書き下さい。

Ⅳ. ISO 9001:2000 の運用について

問20 ISO 9001:2000 の運用に当りどの項目に効果がありましたか。(複数回答可)

1. QMSを構成するプロセスの捉え方

2. 個々のプロセスの監視・測定

3. 文書化

4. トップの役割強化

5. 品質方針・目標の展開

6. QMSの有効性の継続的改善

7. 顧客満足

8.ヒューマンリソースのマネジメント

9.その他( )

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問21 ISO 9001:2000 は、これまで貴組織のQMSに対して有効に機能してきましたか。

1. 大いに機能してきた

2. かなり機能してきた

3. どちらともいえない

4. あまり機能していない

5. ほとんど機能していない

6. 評価したことがない。分からない

7. その他( )

問22 有効と判断した指標は次のどの項目とお考えですか。(複数回答可)

1. 製品又はサービスの質が向上した

2. 製品の工程内不良率が減少した

3. 顧客のクレーム、不具合が減少した

4. 事業収益(故障対策、クレーム処理費等)が改善された

5. 対応が早くなった

6. 他の種々の監査業務が軽減された

7. その他( )

問23 有効に機能したと判断した理由は次のどの項目とお考えですか。(複数回答可)

1. 規格要求事項を使用することで自組織のQMSが強化された

2. 品質保証モデルを選択して自社のシステムを構築する手法が容易であった

3. 内部監査により自社QMSを見直し改善できるようになった

4. 品質保証に関しての権限/責任/役割の明確化ができた

5. 手順及び手順書の整備により自社QMSの体系がより明確に構築された

6. 従業員全体に品質意識が浸透した

7. その他( )

問24 有効に機能しなかったと判断した理由は次のどの項目とお考えですか。(複数回答可)

1. 製品やサービスの質が向上しなかった

2. 維持活動が形式的になった

3. 要求事項が製造業に偏っている

4. QMS構築時の自由裁量の範囲(tailoring)が広すぎる

5. 管理コストが上昇した

6. 文書化の要求が多すぎる(文書、記録が増えた)

7. 柔軟な対応が出来なくなった

8. その他( )

問25 ISO 9001:2000 を導入したことでどんな効果がありましたか。下記より該当するもの

を3つ選択してください。

1. 製品又はサービスの質等パフォーマンスが向上した

2. 自社品質管理システムの基盤構築(業務の標準化を含む)ができた

3. 他の種々の監査業務(実施又は受審)が軽減した

4. 取引先、親会社等からの要求にこたえることが出来た

5. 参入条件の確保・拡大ができた

6. 国際的に標準化されたQMSを適用することで組織内のグローバル化が進んだ

7. その他( )

補問 問25 で答えた3つのうち、最も効果があったものはどれですか。ひとつだけ選択

してください。

Page 68: 調査報告書 ISO 9001:2000年版に対する適合組織 …ISO 9001:2000年版に対する適合組織の取組み状況 ―自律的QMS構築のための内部監査プログラム―

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Ⅴ. 今後の課題

問26 ISO 9001:2000 に基づく審査への期待及び審査方法への要望・課題などについて自由

にご記入下さい。

問26-1 審査登録機関への要望を以下から一つ選択し、その内容について記入ください。

1. 審査内容・方法について

2. 審査機関・審査員間のばらつきについて

3. 費用の削減について

4. 審査員の資質・能力について

5. その他

問26-2 規格についての要望(必要であれば、項番号もお書き下さい)

問26-3 JAB、第三者審査登録制度への期待

問26-4 その他

アンケートにご協力頂きましてありがとうございました。